５．蛹

「いやぁ〜ん」
（はやくぅ〜）
　今の状況を恐れるおもいを忘れようと、さらに優子を悦楽を追い求めてしまう。
　大きな昂ぶりへの期待に、ピクピクと柔肉を躍らせて身悶える優子をよそに、和磨はあわてるようすもなく、再び怪しいクリームをねじれた張り形に塗りつけている。
「さぁ、……足をグッと開いてもらいましょうか」
　和磨の言葉に、焦れた優子は、腿を大開脚にして縛られた脚をさらに開くように膝を引きつけ股間を突出させる。
「綺麗に花びらを開かせ、○○○○の奥までヒクヒクさせちゃって」
「あぁ〜、いやっ」
　和磨は揶揄ではなく素直に優子のそこを観て「綺麗」の言葉を発している。
　完璧なシンメトリーで、内臓まであからさまにして反り返える花びら。
　淫な汁が溢れ、テカテカに輝かせた奥深い空洞の口を開かせ、濃いピンクに濡れそぼった柔肉。
　その美しさに、和磨のやる気は、さらに増して、ねじれた張り形をググッと含ませる。
「あぁ〜〜」
　たまらず、むせび泣く優子。
（いい〜）
　和磨は、焦らすように、中ほどまで含ませては、引き抜いている。
「あぁ〜、もっとぉ〜」
　張り形の進入のたびに、クナクナと迎え腰を使おうとする優子の腰。
「ん…？、もっと、なんだ？」
「あっ、あっ、もっとお…、いゃ〜ん」
　優子は、しっかり悦楽に溺れてしまう。
　和磨は、抜き取った張り形を、縦すじに沿わせて撫ぜつける。
（あぁ〜、……きて、もっとぉ〜、あっ、…きてきてぇ、もっと奥）
　クイックイッと腰を躍らせる。
　和磨は、じわじわと時間をかけて何度も往復させながら徐々に深度を深めていく。
「あっ、あぁ〜」
（も、もお、どうにでもしてぇ〜）
　思いの壷に届いたのか、ひときわ甘い喘ぎで身悶える優子、秘肉からはトロトロの蜜を溢れさせて、乱れていく。
「あぁ〜、…いい」
　良輔は、半ばあきれた様子で「咲いた、咲いた、…の花が…」なんていう童謡を頭にこだまさせながら、ビールをあおっている。
「良、カメラ任せたぞ」
　振り向いて言う、和磨は、張り形を引きかげんにして細かく動かしては優子の表情を楽しんでいる。
「あっ、あっ、あぁ〜」
　お腹をふいごのように膨らませたり縮めたり、と優子は、肉の昂ぶりを頂上に届かせようと喘ぎつづけている。
（あぁ〜、だめだめ、逝きそう）
　和磨は、優子の昂ぶる様子に張り形の動きを緩めて、何度もやり過ごす。
「あぁ〜、いやぁ〜」
（逝かせてぇ〜）
　激しい身悶えに、優子が息を乱すほど疲れをみせるころ、和磨は、昂ぶる優子のようすを横目に、ここぞとばかりに張り形を大きく押し込んでは引いて、優子をあからさまに天国へ送っては、また入口近くで抽送する。
「あうっ」
（ああああぁぁぁぁ〜）
　ロープを引きちぎろうとするかのように身体を引きつらせる優子は、薔薇色の悦楽に飛んでいく。
「奥さん、やっぱ奥ですか？」
「あっ、あっ、あぁ〜、お、奥まで…突いてぇ〜」
　和磨は、深く沈めて抽送する。
（はっ、はっ、あっ、また、……またくるぅ）
　優子は、激しく淫らに喘いでいてもアクメの声だけは、と必死にこらえている。
「ほ〜ら、これが最後だ」
　和磨は、何度目かのアクメの後、ひとしきり引きかげんの抽送つづけてる。
「あっ、あっ、あっ…、いい」
　優子は、腰を大きく突き上げては、和磨の操作する張り形を締め上げる。
　ズドン…ズドンと、大きく突き込む和磨。
「あぁ〜〜、もぅ、だめぇ〜〜〜、いく、いく、いきますぅ〜〜」
　張り形を操る和磨の手に、お小水を漏らしたかのようなサラサラした液をビュービューと噴きつけながら、身体をギューッと硬くして逝き果てる優子は淫魔にとりつかれているように身悶えて、最後の砦の喘ぎ声をも漏らしてしまうのである。
　驚いたのは良輔、カメラを片手に、目をパチクリさせてポカーンと口を開けたまま時間が止まったかのように動かない。
「奥さん、何度逝けました？　逝き疲れたなんてことはないでしょうね。またまだ、これからですよ、…男が二人も居ますからね」
　弛緩して余韻にまどろむ優子に釘を刺す。
（うぅっ）淫らな身体の反応に後悔の思いをつのらせる優子。
「すご〜っ、張り形で潮吹くなんて…！！　…初めてですよ」
　良輔は、驚きを隠くせないでいる。
（指で潮吹かせるのは、知ってるんだが？…）
「あはは、良、初めてか？　チンチンで潮吹かせるといいぞ根元辺りにビューってな」
　真剣な良輔をちゃかして言う和磨。
「どうです、ここらで熱い肉棒味わいますか」
　優子の思いなど聴く気もない和磨の問い。
「あぁ〜、…す、すこし休ませて…」
　優子の言葉に返事もせず、四足を止めたロープをほどいて、うつ伏せにする。
「良、何色にする。……やつぱり赤か？」
　いまだ、まどろみから醒めぬ様子の優子を引き起こすと、良輔に赤いロープを取らせて、後ろ手に締め上げる。
「最初はお前から…」
　椅子に座った良輔の前へ、胸の上下をしっかり押さえられ中央に走ったロープがきつく大きな乳房をしぼりだすように飛び出させている優子を、罪人のように引き連れていく。
「脱いじまえよ」
　良輔は、にやついた表情で手にしたカメラを投げ捨てるようにして一度手放すと、自慢のボディを披露するようにシャツを脱ぎ捨てる。
　毎週かかさづスイミングスクールにかよう良輔の体は、ターザンを思わせる。
「いい体してるな…、やっぱり若さはいい」
「いゃー、まだまだですよ。…ボディビルダーほどじゃないっすからね」
　スボンを脱いだ良輔。
「まぁっ」
　思わず声を上げたのは、優子。
　良輔のそこは、すでにしっかり怒り立って優子の目の前に突き出された。
　絵に描いたように、綺麗に反り返って、艶々した赤い団子を筒先につけ、また逆に反り返るように開いたエラは、恐怖を覚えるほどの段差で張出している。
　手を差しのべたいかのように、優子は腕の拘束をムズつかせる。
「聞くまでもないようだな。…良、奥さんには気に入ってもらえたようだぞ」
　和磨の言葉に、自慢げな良輔。
「さぁ…、お願いしますよ」
　と、浅い座りに変える良輔に、優子は、しずしずと顔を近づけていく。
「ちょっと、まった」
　いよいよという時に、和磨が声を掛けて、腕に繋がるロープを引いて優子を引き止める。
「ちゃんとご挨拶しないと、だめだろ……」
　和磨は、厳しい顔で言う。
「……」
　戸惑う優子は、身体を堅くする。
「なんでもいい、ほら…、挨拶しろ」
　ロープをクイクイ引く和磨。
「……、な、なんて？、…あっ、舐めさせて…」
　小声で言う優子。
「そうじゃないだろ、…舐めさせて戴きます。つたない優子の舌を味わってください。ぐらい言えんのか？……まぁ、いい」
　不満げな和磨の許可の言葉に、閉じた唇を良輔の照り輝く筒先に当てる優子。
　仏前で拝むかのように、うやうやしくエラの広がりに添わせて真っ赤なルージュをひいた唇を徐々に開いていく優子のなまめかしい様子は、見ている和磨の股間に響くほど。
「そうだ、心込めてやれよ」
　和磨の言葉を聴くまでもなく、優子は淫蕩な思いに吸い寄せられて、早くも頭を振り初めている。
　口腔をいっぱいにするほどの良輔の咽頭、口腔への刺激は、しらずしらずの内に優子に秘められた雌の本性を呼び覚まされて、口腔への甘い刺激は、優子の身体をビリビリ伝わって股間をも熱くさせている。
　ぼんやり眺めていた和磨が動き出す、新たなロープを手にすると中ほどに大きな結び目を一つ作ると、優子の腕に巻いたロープに繋いでいる。
　ロープはしっかり優子の股をくぐらせ胸へと繋がれる。
「あっ」
　良輔にくらいつくようにした優子が、唇の隙間から漏らすようにして喘では、頭の往復を激しくしてしまう。

「どうだ？、これならいいだろ…」
　言われるまでもなく、優子の腰は別の生きもののようにクナクナと廻しては、結び目と秘園を戯れさせようと踊らせている。
　脳裏を真っ白にして没頭する優子、愛おしそうに頭を傾け良輔の根元から裏筋を舐め上げては、縮れた結び目で舌を尖らせチロチロするとパクッと咥えこみ、エラをくるりと舐めまわしては、引き戻し裏筋へ…と、頭を動かせながらも腰はクネクネ止まらない。
「うぐっ」
「さすが、人妻だ。……心得てるな」
　和磨は、優子の手馴れた人妻の技巧に満足そうにいう。
「そろそろ欲しくなって来たんじゃないか？」
　振り向いて、潤んだ瞳を魅せた優子は、いかにも妖艶に雄を誘っている。
「どうだ？…え」
　和磨の声に身を引いて、虚ろな表情の優子。
（欲しい…）
　蝶に脱皮したサナギのような優子の変わりぐあいは、和磨もあきれるほど…。
「ほしけりゃ、自分でやりな。…またがってな」
　和磨は、股縄をクイクイと引きつけて、外しはじめる。
「あっ、いやぁ〜」
　そんないたぶりにも、淫らに反応して甘い声を上げる優子。
　しばらくは、良輔の強張りを唇でいつくしんではいた優子は、おもむろに立ち上がってはみたものの……。
（いやっ、こんなことできない）
　優子は、戸惑って動きを止めてしまう。
「どうした、奥さん、ぼやぼやしてると、ほらぁ、せっかく大きくしたものが縮んじゃっても知らないよ」
　和磨は、急かすように言うと、ピシッと白い尻たぶにライオンを訓練する調教師のように、しなる鞭を飛ばすのである。
「あっ…」
　呻き声を上げる優子は、尻だぼをギュッと窄めて、クナクナと身体をくねらせ身悶える。
「止めて、ぶたないで」
　訴え、懇願する優子の瞳には涙をいっぱい溜めたように、良輔の腿にまたがると…。
「あぁ〜」
　大きな期待に、一声あげて尻を沈めるのである。

つづく