幸恵は智之の前で「あなた色」を読んでいた。 彼は椅子に座り、肩肘を机に置き聞いている。 幸恵はその前に立って「あなた色」を朗読している。 内容が水、木、金曜と進む。 智之はその内容に「奴隷」と言う言葉が出た時、少し笑う。 しかし、幸恵はそれにも気づかず、ようやく最後まで読みきった。 少しの時間の後、智之が幸恵に言った。 「よく書いたな。そういうことだ。」 その言葉に幸恵が思う。 （少なくても最悪ではない。・・よかった。） 女は少しずつ慣れていく。 男もだが女の懐は深い。 または、反抗する思考を時間とともに、耐える事項に変質させる能力が長けている。 「同じ質問に少しづつ自分が変わっていく。理解できたか。」 「ハイ、私は少しずつ確かに変わったように思います。」 幸恵と智之の目が合った。 「じゃ、やれ。」 智之は最も簡潔に命じる。 幸恵は少しの愛情を感じる言葉を期待していたが、それはなかった。 着たものを一枚ずつ落とし始める。 その目は智之から外されない。 「素材」は磨かれ、美しい光源となっていた。その裸体は光って見える。 少女は静かに少年の肩に両手を置き、いつかの様にその顔を舌で舐め始めた。 しかし、前回のようにせわしない動きではない。 頬を舐め、キスを軽く2，3度。鼻にも同様。 左目の周りに舌がそよぐ。 そして、少女の唇が後に続く。 唇は躊躇いがちに舐めた。すかさず少年が命じる。 「舌を大きく出せ。」 少女は大きく舌を伸ばす。少年がそれを軽く噛んだ。 少女は始めて脳に届く直接的刺激に小さな喘ぎ声を上げた。 「ハァ〜。」 少年が無造作に両乳房をつかむ。決して乱暴な「愛撫」ではない。 少女の喘ぎが大きくなった。 その感触を十分に楽しんだ少年の手は元に戻され、同時に口への「キス」も止める。 再び少女と少年の視線が合い、少女は能動的に動き始める。 両膝を床に付き、次に手を、肘を。 可憐な唇が少年の白い靴下に近づく。 唇は10秒以上靴下から離れない。 智之はその光景を見、思っていた。 （私の美しいド・レ・イ。） もう一方の靴下にも同様に・・・。 キスの後、少女が少年から靴下を脱がせた。 幸恵はごく自然な気持ち・行為であることに感じる自分に安堵した。 智之のワイシャツを脱がし、ジーンズも・・・。 智之がトランクスのみになった時、初めて少女の「処女」が機能し始める。 不自然な行動は「あなた色」で正当化されている。 しかし、次の行動は「処女」の羞恥心によるものに違いない。 トランクスを下ろす方法として手を使わず、口で行う。 ゴムの部分を噛んでそれを下ろした。 それにより、少年のペニスが目に入らない。 「処女」壊す「道具」には、やはり恐れがある。 少女と少年は同じ姿となった。 しかし、幸恵の「処女」はこれで限界を迎えた。 それでも、少年の両乳首に強く口付け、少年の片手を取りベッドへ少年を導こうとする。 少年は少女の思うとおりに動いてやる。 二人が座ったベッドで、少女はもう何もできず、ただ顔を下に向けていた。 少年も「男」になる日だが、彼には緊張はない。冷静な思考を始めた。 （これ以上は無理か。そうだな。男の役目かもな。・・・でも、女の役目も・・・。） 「幸恵、寝転びなさい。」 ようやく、少年が主導の本来の形となり、少女は少年の言う事を聞くのみとなった。 ベッドにすぐ身体を預ける。 「幸恵、私も童貞なんだ。「女」の詳しくは見たことがない。足を開き、指で拡げ見せておくれ。」 智之は少しもたじろがず、そう言い放った。 しかし、幸恵には当然のことを聞いたように思える。 「あなた色」の最初はこういう事のはずだった。 引き締まった足首は次第に距離を置きはじめ、細く白い2本の指がヴァギナを拡げる。 智之はまじまじと「処女」の中心部に目を置く。 （奇麗なもんだな。ピンク色か。・・・もう少し奥まで。） 智之が手を添え、もう少し拡げさせる。 「よし、いいぞ。尻の穴も見せてみろ。」 少女は姿勢を瞬時に逆転させ、腰を少年に突き出す。 ピシッ。そのままの姿勢でいた少女の尻に平手が跳んだ。 「手で拡げろ。」言われた通りにする。 （こっちの方が興奮するなぁ。何もかも丸見えだ。幸恵の身体の丸み、横顔の表情、シーツの上の黒髪・・・。） 「幸恵、この姿勢を二人でいるときの正式なものにしよう。君の表情が良く見えるように工夫してくれ。」 「わかりました。智之様。」 幸恵は既に羞恥心と智之への想いとの格闘で疲れきり、Yesを最短で答えることで精一杯である。 智之は少女の複雑な構造に顔を寄せ、舐めあげる。 幸恵が小さな嬌声を発し、尻を開いていた手をベッドに落とした。 その手はすぐに元の位置に戻り、全てを曝け出す。 それと同時に智之の唾液以外の液体がヴァギナに滲む。 智之が2度、3度、「処女」を舐め、最後に舌を押し込む様に動かした。 必死で声を噛み殺していた幸恵はその舌の回転に再び手を落とし、大きな喘ぎ声を上げた。 「アァ〜、イィ〜、トモユキサマァ〜。」 少年は舌をヴァギナから外し、その味を論評した。 「少し酸っぱいかな。う〜ん、やはり形どおり複雑な味だ。」 「幸恵、身体は柔らかい方か。」 少年の質問は少女には前後が続かないもので、今はとても、その答えを言える状況ではない。 少しの間を置き答える。 「そんなに柔らかい方とは言えないと思います。」 それを聞いた少年が独り言の様に呟く。 「じゃ、自分自身を舐める事は無理か。」 少女は少し血が引く思いでそれを聞いたが、そのあとの少年の言葉は動揺を裏切る内容をあっさり口にした。 「1ヶ月以内に舐めれる様になれ。」 「ハイ、できるように頑張ります。」 少女の回答は決まっていることなので、聞き流し次の要求をする。 「後ろ向きは終わりだ。口でしてくれ。」 予想出来た事だった。 しかし、少女にはその要領が良く理解できていない。 ためらいがちに少年の方へ身体を反転させる。 ベッドに後ろ手を付いた少年のペニスが真正面にある。 また少し少女の顔が青ざめた。 しかし、「しなくてはいけない。」 舌を出し、その先端を恐々と2度、チロ、チロと舐めた。 「手で固定して満遍なく。」少年が積極性を促す。 右手がペニスを掴んだ。 舌は最初こそ、初めと同じくゆっくりと移動していたが、やがて舌全体がペニスに押し付けられ、少女の唾液がまぶされて行く。 （あ〜、智之様のおペニス。初めて使って頂くのは私・・・。） 「処女」である部分が少し疼く。 恋焦がれた男の「初めて」になることに興奮してきた。 少女の口がペニス全体からあたたかさを少年に伝えた。 「ウッ。」初めて少年が声を出した。 幸恵はその声が快感から出たものであることを理解し、感激すら覚える。 （私が智之様を喜ばせている。） 口が上下され、その中の舌は激しく動き回っていた。 口からペニスを抜き取り、舌を大きく出し、しっかりと目標物を視線にとらえ、大胆に亀頭周辺を舐め回す。 智之は目を閉じたり、行為をしている幸恵に目を送ったりしていた。 幸恵も同様に、ペニスの反応と同等の量、智之の表情を観察していた。 智之はやがて、その行為が与える直接的刺激には慣れて来、幸恵をずっと見つめている。 「幸恵、舌を亀頭から肛門まで上下させろ。」 大胆な要求は状況と「幸恵の色」が許容する。 舌の真ん中にペニスの先端を置いた。 幸恵がその状態で智之を見つめる。 その顔を智之は美しいと思った。 やがて、舌はゆっくりと下降し睾丸の一方に達する。わずかの戸惑い。 おもむろに口に含み、舌を回転させる。更にもう一方も。 その作業が終わり、なお舌は落ちて行く。 肛門に達し、その周辺を軽く舌がタッチし中央部に強く吸い付く。 「ウッ。」2度目の智之の声。 幸恵の舌が引き帰して、亀頭まで戻り再び肛門へと。 智之は30分もさせていただろうか。 今更ながら、幸恵の気持ちを量るためと初めての快感を味わい尽くすため。 智之の若さが限界に達しようとしていた。 手順を決めることはこの少年には大事ではない。 （最も効果的に・・・。）（罪深い思い出となるように・・・。）そして、（幸恵にとっては、「色」を一層深くするように・・・。） 幸恵は全てを許容できる「素材」。 その前提で智之は「破瓜」の作業にかかる。 智之が幸恵を元の尻を向けた四つ足に戻させる。 白の中のピンクのスリットは少しの水滴を帯び、「女」を香らせていた。 肛門は奇麗に閉じられ、わずかな放射状の「線」を作っている。 （ここも使えるんだな。） 智之が肛門を2，3度、指先で軽く触る。 幸恵の身体が小刻みに震え続けた。 「よく見える様に。」 そう言いつけている幸恵の表情は目をきつく閉じ、唇を噛み締めたままだった。 健気な少女は愛しくもあり、その全てを奪ってしまいたい不思議な存在だと少年には思える。 指をスリットに這わせてみた。 今度は膝が震え、口を少し開いた。 「幸恵、気持ちいいのか。」 「ハ、ハイ。・・デ、デモ、コワイ。」 その声は明らかに震えながらしぼりだしたものだ。 再びヴァギナを指で拡げ、舌を滑らせてやる。 少女の身体が硬直し、本能の声が出始めた。 「アァ〜。」 智之は5分ほど舐め続けた。 幸恵は身体をくねらせ、「処女」である事を終わらせようとする。 明らかに喘ぎ声が続き、智之は思った。 （もう良いだろう。）同時に言う。 「さぁ、時間だ。」 少女の身体は男に貫かれた。それだけのこと。 付け加えるとしたら、「初めて」貫かれた。 最初は少女が導きペニスを自分の中に入れる。 大きな躊躇い、そして、違和感。 身体の痛み、出血などさしたる問題ではない。 その後、少年が上になり、その両膝を持ち、大きく広げ何度もペニスの出し入れを行う。 少年のクライマックスが近づき、少女の体内にその精液を出すことの重大さを考え、少しの理性で臍辺りに全てを出し切った。 全てが片付き、幸恵が寝転んだ智之の胸に身体をあずけている。 二人とも黙ったままだった。 少女は滑らかな肌を少年に寄せ、中空を見つめ、もの思いに耽っている。 当然、大半は少年への想いだが。 少年は錯綜する考えから、一つづつ考えをまとめ、答えを出している。 「破瓜」はごく普通に行われ、その部分で少年の考えはまだ幼すぎたかもしれない。 しかし、それ自体が少女にとっては大きなものを与えたことには違いはなく、「色」が濃くなったのは間違いない。 少年は少し少女と距離を置く、つまり「支配」する方法をも考えている。 やはり、この二人の若さは少し通常のものとは異質なのかもしれない。 悪い夢から覚めるように幸恵はおもむろに智之の胸を離れた。 しかし、その顔には何かを得た満足感も見える。 そして、幸恵は自分の「置き場」を考え始めた。 ふと、4つ足で智之に尻を見せるポーズが頭に浮かぶ。 智之が望んだ姿勢だった。 （しかし、今はそうではないはず。） 結局、少年の居るベッドから降り床に正座した。 頭を回転させていた少年はその動きを目だけで追いかけている。 一つが終わり、一つが始まる。 この二人の関係は一人の人間の生き方の様になりかけている。 少女が与え、少年が奪った。 また、新しい物語は二人によって作られていく。 その物語の結末は少女と少年には、もう見えているのかもしれない。 少年は数式を解いている。少女は主題を求めていた。 そして、「あなた色」は今の二人の解答であり、その接点のはずである。 その言葉の意味は今の少女の理解では少年に跪く事以外には思い浮かばない。 白く美しい裸体には少年の名前など記されてはいないが、その内面が方向性のある「色」を帯びようとし始めている。 智之が正座の幸恵に呟く様に言った。相変わらず寝転んだままである。 「幸恵、女になったな。」 「ハイ。」 「フッ、フッ、次は何になる。」 「仰せのままに。」 高校に上がろうとする少女は平然と言ってのけた。 （こんな状況の中に居る女は、一万人に一人いるかどうか。・・・ある意味、おもちゃ。それが言い過ぎとして奴隷。どっちもどっちか。どちらも非現実。しかし、目の前にいる女は私のモノ・・・。） 目の前の白い実体は少年には「有頂天」の材料ではない。 科学者がその実験対象の前に居るように冷静に、そして、好奇心を込めた熱い目の両方で見つめ続けていた。 少年の直線的な視線にやがて少女は耐えられなくなり、自らの視線はその胸に落ちる。 その状況は、結局、少女の瞼を堅く閉じさせた。 白い曲線は優美で、儚さが漂うがそれだけではない。 内面の強さが押し出される様に滲み、それ故、どちらかに収束させたい。 今は前者。少年が命じた。 「幸恵、お前の身体を説明しろ。難しければどこが感じるのか、自分でしてみろ。私も初めてだったから、少し観察しそびれた。」 まるでモルモットの実験のようにSEXを少年は言った。 しかし、それが少女が少年を愛した理由、それ以上の感情の一つでもある。 「わ、わかりました。」 少女は自分の身体を説明しはじめた。 少女自身にも自分の身体は、少年のモノとの意識が芽生え始めている。 「乳房は84ｃｍです。乳首は右の方が感じるみたいです。」 「左は感じないのか。」 少年が手を伸ばし、左の乳首を摘んだ。 「ア、アァ〜。」少女の喘ぎ声に少年が一層力を入れ摘んだ。 「ア、イ、イタイ。オユルシヲ。」 少年は右の乳首を摘み同様にした。同じような反応を少女が示した。 「幸恵、説明と違う。右も左も同じじゃないか。」 「申し訳ありません。そう思っていただけかもしれません。」 「フッ、フッ、そんなの説明になってない。オナニーでもする時、思ったんだろ。もういい。そこでオナニーしてみろ。いつもの方法でな。」 幸恵は少しの時間を取ったが、いつもは寝てやる行為を座ったまま行う。 膝を開き、左手をクリトリスに右手を乳房にやった。 「智之様、幸恵はオナニーをします。」 軽いタッチの類似の行為。 「幸恵、感じなきゃ、オナニーじゃないだろ。」 少年と少女の視線が合い、少女の手に次第に力が加わって行く。 「ハァ、ハァ、トモユキサマ、サチエ、カンジテマス。ハァ、ハァ。」 中指と人差し指でクリトリスは摩擦されている。 少女の息は乱れ、智之を見つめる目は次第に虚ろになり、そして、また強烈な視線に戻る。 「アァ〜、イキマス。ヨ、ヨロシイデスカ。アァ、アァ・・。」 右の乳首は指にはさまれ、その形を歪なものにする作業を繰り返している。 智之は幸恵に初めて「女」を見た。 快楽は彼女の理性を奪い、行為自体の中で全てを解き放てる女。 それが、マゾヒストの感覚からくるのかを確かめたい。 智之は幸恵と視線を合わせたまま、イク事を許さず、ずっと続けさせていた。 幸恵はまだオナニーを智之の前で続けている。 「破瓜」は何度も彼女の中でシュミレートされていた事であり、心にも身体にも大した痛みを残さなかった。 「アァ〜。」 一際、大きい声を上げた幸恵に智之が聞く。 「イッたのか。」 「ハ、ハイ、イキマシタ、ハッ、ハッ・・。」荒い息の幸恵が答えた。 「ふ〜ん、許しは出さなかったが。」 腰と手で重心保ち、足を拡げたままの「女」は狼狽した。 （わ、わたし、お許しを得ずイッタんだ。・・・。） 取り合えず、謝る事しか頭には浮かばない。 正座に戻り、少女は頭を伏せ消え入りそうな声で言った。 「智之様、申し訳ありません。」 「「ドレイ」が主人の許可を得ず、自分の快楽を貪るなど考えられないな。」 少年は少女を「ドレイ」と呼んでみた。 少女は今も最後の内容のみに気を動転させていた。 （私、「ドレイ」なのに・・・、智之様の「ドレイ」なのに、お許しも得ずイってしまった。） 「本当に申し訳ありません。」 後悔と自分の浅ましさを思い知った涙交じりの声。 （フッ、フッ、「ドレイ」なんだな。ドレイが考えたドレイの言葉だ。この女は私が支配した。もう、思うがまま。・・・身も心も。） 智之はベッドに座り直す。 「謝罪の言葉など対等の関係で成立する。行動で示せ。足にキスしろ。そして、もう一度詫びるんだ。」 幸恵の整った顔は少しづつ智之の足に近づいていく。 ピンクの唇が親指に触れた。 片方の髪をかき上げ、表情を智之に見えるようにした後、舌がのぞき、指をチロ、チロと2度、3度舐めた。 そして、幸恵はもう一度言う。 「智之様、本当に申し訳ありませんでした。淫らな幸恵をお許し下さい。」 智之は立ち上がり、幸恵の目の前に今すぐ挿入出来そうなほど勃起したペニスを差し出す。 「いや、罰はこれからだ。私は小便がしたい。しかも、お前のその美しい口に。お前はそれを飲む。私の色にお前の身体の内部も染めてやる。ありがたく飲みなさい。」 若い支配者は「口を開けろ。」で済んだかも知れないことを多くの説明を付けて命じた。 （「あなた色」に染まっていく。私は智之様の奴隷になっていく。お口に智之様のオシッコを頂く。それが罰でお望みの事・・・。） 幸恵の切れ長な瞳がペニスを捕らえたまま、ゆっくりと顔を上げ、同時に口を開いていく。 智之は美しい「便器」に向かって放尿を始める。 ホンの少し以外は絨毯を濡らす水に変わった。 |
| 2012.3.24掲載 |
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