−５−

　あれ以来、弘志の部屋に侵入者は現れていなかった。
　美人姉妹との特別な関係は良好につづいてはいるが、触ることも許されない女性が一人いる、それも二人の姉妹よりもはるかに感度のいい身体を見せ付けられているのである。
　その日は、静香と玲子が二人して帰りが遅いという。
　今日は休息にしょうと帰宅した弘志は、薫夫人が入れてくれたアイスコーヒーを手に気楽にしているが、目の前の夫人の姿は、いつになく露出度が高い。
（いくら暑いといっても…）
　目線のやりばに困る弘志も、以前ほどまごついてはいない。
「勉強だいじょうぶなの」
　テーブルの真正面に座った薫夫人のノースリーブからは、胸の膨らみが大きくはみ出して突出した乳首の位置さえも判別できてしまっている。
「今日は特別に休息日にしたんだ。先生もいないし」
「そう、じゃゆっくりできるわね」
　薫は喉を潤すようにコーヒーをゴクゴクと飲み干した。
「あたし、部屋にあがってるから…」
　薫は極上の流し目を、弘志に与えて席を立つ。
　思わせぶりな夫人の態度に心騒がせる弘志の視線は、離れることなく背中を追っている。
　考えあぐねていた弘志もコーヒーが底をつくと決意を固めて席を立つ。
　ノックもせずに開いた扉は夫人の部屋。
　どう切り出そうかと悩んでいたが、弘志の目に飛び込んできたのは、なんと…一糸まとわぬ全裸姿の薫夫人。
「まあ〜、早かったわねぇ〜」
　裸を隠す様子もなく、弘志が来ることが当然といった態度の夫人。
　声までも、いつもと違ってしまっている。
（えっ、どうなってるんだ）
　弘志が戸惑うほどに、いつもと異なる夫人の様子なのである。
「どうしたの、固まってないでドア閉めたら」
　潤んだ瞳で弘志を見つめ返すと、誘うようにベットに寝そべっていく。
　一瞬たりとも見逃したくない思いの弘志は、後ろ手にドアを押すとバランスを崩した体をドアノブに体重を預けて支えている。
　アップにまとめられていた髪はおろされ、唇は燃えるような赤い色に変わり、雪白の身体の中央には肌色に反して真っ黒な叢を妖艶にそよがせている。
（別人じゃないのか、これは）
　ミラー越しに見聞きした夫人を思い出している弘志は、それとも違う雰囲気に「別人では？」、と思うほどなのである。
「さぁ〜」
　手を伸ばして誘う夫人に、弘志は着ているものを脱ぎ捨てながら近づいていくと微笑を浮かべるて迎えている。
　世の中の常識を忘れてしまったかのように奔放で淫らな態度、何度も足を組み替える夫人の姿は、動くビーナス像を思わせる。
　白い肌にはしっとりと汗をにじませ、大きな呼吸に踊らせた胸は縦長に変形させた乳輪が飛び出して、内股を擦るように白い腿を揺すっている。
　全てを脱ぎ捨てた弘志は、お腹につくほどに大きく反り返えらせたものを強烈にうずかせて寄っていく。
　添い寝しようとする弘志にビーナスは、すかさず手を伸ばすと張切った先端の結び目に親指を添えて唇を寄せていく。
（あっ、そこは…）
　極上の放出感を堪える弘志はブルブルと全身に痙攣を走らせるている、かまわず鈴口を吸い上げられてしまうと肛門までもギュッと絞って耐え忍ぶ。
　少し落着きを取戻すと、弘志はビーナスの尻を引き寄せて６９の態勢にして花園を目の前にすると、はやくも滴ろうとする雫を吸いあげると肉芽に吸い付いた。
　何かを探すように押し付けられるビーナスの腰は激しく揺すられ、弘志の口元を淫らな蜜で覆っていく。
「あぁ〜ん、もう、…がまんできない」
　妖艶な表情を見せ、弘志の胴茎を逆手に握りしめ腰を跨いでいく。
「いれるわっ…いいぃ」
　うなづく弘志の瞳を強く見つめて視線を合わせたままにズルズルと腰を下げ、肉芽に届くと激しく胴茎を揺すって擦り付けている。
「あっ、あっ」
　小刻みに喘ぐと、さらに腰を落として壷口を探っている。
「あぁ〜〜、いいぃ〜〜」
　一気に突きこませると弘志に覆い被さって動きを止めた。
　弘志はグルリと上下を入れ替わり、ゆっくりと大きな抽送をする。
「あぁ」
　深く収まるたびに極上の喘ぎを魅せるビーナス、弘志のくるまれた胴茎は甘い圧力を感じとっている。
（外から見た、あの蠢きが…これ）
　動かずにいてもヌチャヌチャとした蠢きに胴茎は刺激されている。
　突端だけを残して引き上げ、再び押し進むと強い抵抗感に押し返されそうなところを強引に突き入れる。
「ヒ〜〜〜」
　弘志は強烈な放出感に耐えながら、強い征服感を味わっていた。
（相手がいいとこんなに違うのか）
　浅く細かい抽送を永くつづけては、深く大きく突き入れる。
「あぁ〜〜ん」
　深くめり込むような挿入に、かかさず応える喘ぎ。
　壷口から溢れる蜜は弘志の股間をも湿らせ深い抽送のたびにピチャピチャと淫らな音を響かせる。
　終わらせてたまるかとばかりに強い放出感に耐える弘志はビーナスをうつ伏せにして腰を引き上げて突き入れると、さらに大きな征服感を感じている。
（ビーナスは俺のものだ）
　崩れ落ちるビーナスの股間に足を潜り込ませて起上位で繋がると、豊満な尻が器用にくねりだす。
　反り返りの突端がクリクリとしたシコリでツルツル刺激される感覚は初の体験にも勝っている。
「あっ」
　ビーナスは呻きと同時に生暖かい汁を弘志の根元に放出し淫臭を漂わせても、休むことなく淫らに腰を踊らせ、揺れる胸がぶつかっている。
　快感に溺れ、牝と化したビーナス。
　普通に繋がり直して、唇を覆うとさし出されてくる舌を絡め取る。
　蜜に溢れた壷からはクチャクチャと汁音が響き、粘度が薄れている。
　時間を忘れた交合、意識をとばせたまま怒張の進入に反応しつづけるビーナス。
「おばさん…イくぅ〜」
　疲れすら感じてきた弘志が放出を告げると、ビーナスも耐えていたものを解き放つように強い締め付けを開始する。
「うぐぅ…だめだ」
　吸い込まれるような強い締上げに弘志が呻く。
「すぐイく」
　本能のままに激しい抽送をする弘志はドクドクと多量の精を放出する。
　放出に大きさを増した胴茎を、引き込むようになぞり上げられる壷口の蠢きを感じ取る弘志。
（うぉ〜、すご〜〜〜）
　放出直後のこそばゆい快感に剛直をヒクつかせると、埋めこみを解かぬまま嵐が去ったように静かになる……。
「ねぇ、まだできるでしょ」
　股間をベトベトに穢したビーナスは、さらに深い淫悪を求めてくる。
・
・
　希望先に入学した弘志そのころには、すっかり女のみかたを変えて、さらには生きる世の世界観まで変えて、しっかり脱皮を果たした弘志がそこにいた。