３　

　今日は１時限目の講義を受けるために早起きをした。と言うのは表向きの理由で、朝の満員電車に乗るのが本当の目的だった。
　昨晩は姉との行為もあり、ただでさえ遅い就寝に加えて、興奮してなかなか寝付けない時間を過ごしたにもかかわらず、わざわざ通勤・通学ラッシュにかち合うように家を出た。
　日に２度の絶頂を受け入れても、翌日にはすっかり何もなかったかのように、男の官能器官を膨張させて朝を向かえる。満たされない欲望を、せめて期待感だけでも増長させるM心理に基づく朝の儀式。
　僕はこの行為をやめることが出来なくなっていた。禁断の行為に及ぶ緊張感が欲望と入り混じって、切迫した状況を脳と股間が勘違いしえもいわれぬ恍惚感に導いてくれる。
　最寄駅の改札を抜けると、朝のターミナルは予定通り混雑のピークを迎えようとしていた。朝の空気も冷たくなる季節だというのに、相変わらず超ミニスカートを見せびらかす女子高生。秋もののシックなロングスカートにブーツ姿のOL。お父さん諸君はほっといて・・・いつもどおり僕はめぼしい獲物の物色をしていた。無防備な雰囲気を醸し出す女性、あわよくば僕の行為を受け入れてくれる女性、スタイルがよく、特に狙いやすいふくよかなヒップライン・・・。妄想を膨らませるだけで、ジーンズの中のペニスは硬さを増し、欲望の液体を垂らしはじめた感覚を股間に感じた。
　人ごみを縫って連絡階段のある一番混雑した場所に足を進めると、紺色のスーツに身を包む女性の後ろ姿が視界に入ってきた。膝上１０ｃｍ程度のミニスカートから綺麗に伸びた脚は清楚な雰囲気を漂わせており、むっちりとしたおしりをより淫靡に装飾しているように見える。顔は見えないが、いで立ちは聖職者のように見える。受け入れてくれるかどうかは判断できないが、おとなし目のスーツは行為に及んでも無言を貫いてくれるように思える。今日はあの人にしよう・・・。
　快速電車が停車し、ほとんど誰も降りない車両の扉が開く。すでに過密状態の車内へ混雑に紛れて目をつけた女性の後ろへ押し潰されながら乗車する。電車が走り出し、客の体勢が整い始めると、女性の真後ろという絶好のポジションを得ることが出来た。しかも車内は非常に混雑しており、偶然にも手が触れてしまうように装うことができる。
　破裂しそうな胸の鼓動を感じながら、手の甲を女性のおしりに押し付けてみる。偶然だ。電車の揺れと共に手のひらを返し、スカートの裾から脚に触れてみる。これも当然、意図的な行為ではない。特に反応がない。ガタンッと電車が激しく揺れ、手のひらがスカートを少し捲ってしまう。混んでいると、手も思うように動かせないから仕方がないのだ。
　女性は手すりにつかまって立ち位置を整えるように、脚を肩幅に開いた。僕の脚が彼女の脚の間に滑り込んでしまう。僕は様子を伺うように、スカートの中に手を伸ばし、ストッキングを少し撫でてみる。
「んっ・・・・。」
　どうやら彼女は多少触っても構わない、との合図を送っているようだ。
　僕は徐々に大胆な触り方をし始めた。やわらかく大きめのヒップ。それでいて垂れているわけでなく、むしろ引き締まったおしりの感触をストッキング越しに楽しむ。僕の心音は最高潮に高まり、鼻息が荒くなっていく。
「コホッ・・・んんっ・・・・。」
　彼女は咳払いをしながら、吐息混じりの声をごまかしている。
　僕は彼女のおしりを円を描くように撫でまわし、股間の中心部にも指を這わしていった。
すでに遠慮のかけらもなくなった僕の手はあることに気付いていた。散々撫でまわしているのに指先にパンティラインの感触がない。もしかして・・・ノーパン！？彼女は痴漢待ちをしていたのか！？ストッキングの直履き・・・・なんて猥褻な格好なんだろう・・・。
　そんな風に妄想を逞しくしていると、ますます僕の股間はコントロールできなくなり、今や完全にテントを張った状態になってしまっていた。車内が空いていれば勃起していることがすぐに見て取れるほどに明らかだ。
　僕は彼女の左脚を左右の脚で挟みつけ、硬くなったペニスを押し付けた。僕の中指は彼女の突起物周辺を前後に動き回わり、彼女のストッキングが湿り気を帯びているのが分かる。
「ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・。」
「・・・・・。」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
「う・・・・んっ・・・。」
　彼女は身をよじるたびにカモフラージュをするように髪を掻きあげ、その度に美しいうなじから官能的な香水の香りを感じた。