俺はモテない。いや、女に嫌われるタイプの顔らしい。
　性格はそれほど悪くないし、仕事だって一生懸命にやる。それなりに、収入もちゃんとある。
　風呂にだって毎日入っている。口臭が匂わないように、歯も毎日磨いているし、歯医者にも定期的に通っている。
　加齢臭という年齢でもない。
　ただ、容姿が良くないのだ。どこというわけではない。女性に嫌われる顔なのだ。
　この年齢なのに童貞なのだ。よく、ひねくれずに育ったものだと我ながら感心したりする。
　風俗には何回も挑戦している。しかしなぜか、指名する娘は超多忙で、なかなか順番がまわってこない。
　指名しない場合は、その店で一番の年増で太った女性がつく。
　それでも、露骨にいやいやな感じの接客をされてしまう。だから勃起しない。
　試しに、超高級ソープに行ったことがある。こういう店だとプロ意識に徹していて、客のえり好みはしない。
　ちゃんと客を満足させてくれるらしい。そう、友人から聞いた。
　しかし、ダメだった。俺の顔を見た瞬間に微笑みがぎこちなくなって、懸命に俺の顔を見ないで仕事を済ませようとしていた。
　だから、途中で店を出た。情けなかった。いい年齢をして泣きながら街を歩いた。
　そんなにひどい顔じゃない。俺と同じ程度のひどい顔、いや、俺よりもチビでデブで禿げで出っ歯で短足な奴にさえ彼女がいたりする。
　え？思い過ごしじゃないかって？
　そんなことはない。俺は仕事柄、冷静に客観的にものごとを判断できる。
　考えすぎだとか、ひねくれているとか言われることがある。しかし、事実なのだ。
　中学生の頃、あるきっかけで文通をすることになった。相手の女の子とものすごく意気投合した。
　しかし、写真を送った途端に連絡不通になった。この程度のことはよくあることだ。しかし、それが１０回連続したらどう思う？
　幼稚園の頃の写真がある。どの写真を見ても保母さんや女の子の園児が俺を避けているのがわかる。
　そういえば、なぜか隣の席の女の子はよく学校を休む。それに親戚の女性はおろか母親に抱いてもらった写真なんて一枚もない。
　まぁ、いい。それも、明日から変わる。
　今日、整形手術をすることにしたのだ。
　整形外科の技術はすごく進歩しているらしい。テレビでみていると、かなりヒドイ状態の顔やスタイルもなんとかなるみたいだ。
　俺の場合、それほど大手術をする必要はない。女性に嫌悪される顔をほんの少し修正すれば、人並みになるはずだ。
　整形外科医の先生もいっていた。
「うちの看護婦にきいたところ、どこがどうというわけではないのだが、あなたの顔は嫌な感じがするっていうんだわ。ハハハハ…」
　だから、とにかく少しだけ修正して別人の顔になれば良いそうだ。
　女の子と付き合ったことがないし、それほど趣味にも金がかからない生活をしていたので、手術費はなんとかなった。
　予約をしてからの3週間をどれだけ長く感じただろう。
　ともかく、今日、俺は生まれ変わるのだ。

　病院についたらすぐに手術が始まった。
　鼻にシリコンを入れて少し高くして、二重瞼にする。それだけでかなり人相が変わるらしい。
　俺は、これからの人生を夢見て…というか麻酔で完全に眠りについた。

「気がつかれましたか？」
　看護婦さんの声が聞こえた。
　意識が朦朧としていた。
「あ、はい。めざめました。」
「手術は終わりましたよ。ほら。」
　そういって鏡を見せられた。
　包帯をするほどの大手術ではない。小さな縫い跡に絆創膏が貼ってあるだけだ。
　人相は変わったのか？　期待していたほどの変化がなくてがっかりした。
　しかし…
　看護婦さんはなかなかその場を立ち去ろうとしなかった。
「気分はどうですか？　麻酔でまだ意識が朦朧としているのかな？」
　やけになれなれしく話しかけてくる。
「はい。すこしぼーっとしています。」
「すごく、素敵になられましたよ。」
　なんだ、このへんな雰囲気は…
　生まれてこのかた、女性にこんな視線で見られたことはなかった。
「看護婦さんって、たいへんでしょう。」
　話しのきっかけがわからず、思いつきが口から出た。
「そうなんですよ。っていっちゃあいけないんですけど。うふふ」
　ニコニコ笑いながら会話が続くのを待っている感じだ。
「看護婦さんみたいに美人だと、誘惑も多いでしょ。」
　以前の俺がこんなことを言えば、バカ変態死ね！と罵詈雑言が飛んできた。
　しかし、看護婦はベッドに腰をおろして俺の腕をさすりながら「そんな、美人だなんて…」
　ひんやりとした手の感触は官能的だった。
「なにいってるの、こんなおばちゃんに…」
　30歳前後の看護婦は、いかにも誘惑して欲しそうに俺の耳元でささやいた。
　熱い吐息が耳を擽った。
　薄いピンク色のナース服と帽子は、色黒の彼女をさらに色っぽく見せた。
「おばちゃんなんてとんでもない…」
　ＡＶとかエロ小説で覚えた口説き文句を思い出しながら返事をした。
　胸のボタンがはち切れそうなほどの巨乳だ。
　ブラジャーのラインがクッキリと浮き出ている。
「うれしい。今度、誘ってくださいね。」
　そういって、小さな紙に電話番号を書いて俺に渡した。
　看護婦が名残惜しそうに部屋を出ていったあと、すぐに医者が入ってきた。
「ね、私の言った通りでしょ。大成功です。あなた、今日からモテます。ハハハハ…」

　やらせじゃねえの？
　俺は、そう思いながら病院を出た。電話のメモを一瞬捨てようと思ったが、思い直して財布に入れた。
　やらせで、やらしてくれるかも？　なんてね。

　腹が減っていたのでファーストフード店に入ることにした。これまではなるべく避けていた。
　可愛いアルバイトの女店員が満面の笑顔で「いらっしゃいませ。」といってくれた。
　こんなことはいままでなかった。
　俺が注文してお金を払うまで、ニコニコと俺の顔を見つめていた。
「ご注文はこれでよろしかったですか？」
　言ってみたい台詞があった。
「あと、君の電話番号を教えて。」
　きもーい！　店長！　変態！　きゃー！
　そういう反応がかえってくると思っていうのをやめた。
　俺はコーヒーを受け取り、窓際の椅子に座った。
　窓の外にはＯＬ達が歩いている。あのうちの一人でもいいから、俺の相手になってくれないかな〜。
　実際、今の俺にはブスでもデブでも年増でもなんでもよかった。
　女性に愛されてみたい。人生で一度でいいから…。
「はい、おまちどうさまでした。フィレオフィッシュとポテトでございます。」
　さっきの店員が注文の品を持ってきた。
「以上でよろしかったですか？」
　そうか、普通の男というのはこんな風に接客されていたのかぁ〜と感激していた。
　だって、いままでだったら必ず男の店員が持ってきたのだ。そんな事を考えていたら店員が小さな紙を渡した。
「もし、よろしかったらどうぞ…」
　そういって、恥ずかしそうに戻っていった。
　ん？
　紙を開くと可愛い字で携帯電話の番号と名前が書かれていた。

　なんだか、狐につままれているような気がした。
　もしかしてまだ、麻酔から覚めていないのかもしれない。

　それから、どの店に行っても女店員の愛想が良いのだ。希望がでてきた。
　しかし、不安もあった。電話番号を聞いてその後どうすればいいのだ？
　今まで女性と付き合ったことも話したこともないのだ。

　とりあえず、ソープに行く事にした。悲願をまず達成しようと思ったのだ。
　待合室には5人もいた。あぁ〜これはまずい展開だ。
「まさみちゃんって子を指名したいんですが…」
　壁に飾ってある写真を見て一番可愛いと思う娘を指名した。
　今、映画やＴＶドラマやＣＭで人気のあの子に似ている。
「あいにくその子は、予約がいっぱいで…ナンバーワンなんです。すみません。」
「そうですか、じゃぁ空いてる娘なら誰でもいいです。」
「待ち時間、少々かかりますが…」
「ハイ。いいですよ…」
　そういって俺はエロ本を開いた。どうせ、たっぷりと待たされるに決まっている。
　するとすぐに店員が俺を呼びだした。
「6番のお客様、お先にどうぞ。」
　え？　俺？　待合札には６番と書かれている。
　恐れることはない。どんな女性でも今の俺なら相手にしてくれるだろう。
「おまたせしました。まさみで〜す。」
　え？　うそ。
　目の前にはグラビアアイドルよりも可愛い子が、透け透けのキャミソールを着て正座をしていた。

「お客さん、こういうところ初めてでしょ？」
「え、あ、はい。初めてみたいなものです。」
「面白い人。もしかして童貞？」
「あ、はい。」
「え〜　私、童貞って初めてなの。」
「すみません。」
「きゃ、かわいい〜」
　抱きついてきた。プリプリの胸を擦り付けてくる。
「ねぇ、じゃあ、もしかしてキスなんかも…」
　そういって突然キスしてきた。
　ディープキスなんてモノではない。唾液を大量に送り込んできて、俺の口の中で舌が暴れまわる。ＡＶでもめったに見られないような激しいキスだった。
「こういうキスって初めてでしょ。うふ。」
「え、はい。キス自体初めてです。」
「うそー！！　ほんとうに？　え〜ごめんなさい。」
　まさみちゃんは、今度は優しくキスしてきた。
　今度はアイドル映画のワンシーンのようなキスだった。
「さっきのは忘れて。これがファーストキスよ。うふ。」
　かわい〜い　さっきのディープキスをした人と同一人物とは思えない。
　こんな清純な女性がソープにいるなんて…
　でも、キャミソールから透けた乳首は少し浅黒い。

「ほんとに、童貞なんですか？　だましていない？」
「はい。俺、モテなくて…」
「なにいってるんですか。おにーさん、カッコイイですよ。私、お客さんみたいな人が好みなんです。」
「うそでもうれしいです。」
「うそじゃないですよ。だって、指名されていた人の順番を飛ばしたくらいだもん。」
「え、すみません。」
「なにいっているんですか。私が勝手にしたことです。こういう役得もなくっちゃ。」
「もし、好みじゃない男性の場合はどうするんですか？」
「うん、仕事だから頑張るんだけど…どうしても、気が乗らない人の場合は…それでも一生懸命我慢する。」
「へぇー」
　昨日までの自分を思いだしてしまった。
「でも、今日はお客みたいな人がきてくれてラッキーなんです。」
　そうだ、今日からの俺は別人なのだ。くよくよしていても仕方がない。
　よーし。童貞を捨てるぞ！この可愛いまさみちゃんの中に放出するぞ！　ゴムつけるけど…

　俺は服を脱いで、お風呂に入ろうとした。その時、まさみちゃんはモジモジとしながらいった。
「あの…お願いがあるんですけど。」
「なんですか？」
「えっと…やっぱりいいです。」
「なんですか、気になりますよ。」
「お客さん、はじめてなんですよね。」
「そうです。」
「どうして、こんなところで…？」
「さっきも言ったけど、俺、全然モテないというか女性に嫌われるというか…」
「おかしいな〜。でも、うれしい。私が初めての女性になるってわけですよね。」
「うん、まさみちゃんみたいに可愛い子で良かったよ。」
「でも、なんか…」
「なに？」
「変に思わないでね。もしよかったらお風呂入らないでしてくれませんか？　私はちゃんと身体洗ってありますから。だめですか？」
「え？　でも俺、結構汗かいたし…」
「ですから、お願いなんです。それに、私、一度服を着替えていいですか？」
「え？」
「実は…」
　
　まさみちゃんは中学２年の時に、ヤクザの男に強姦されてソープに売り飛ばされた。店には隠しているがまだ18歳だという。
　ヤクザのヒモに監視されて家に帰ることもできない。もう、人生をあきらめている。だからこの仕事をしている間だけは自由を感じる。自分がリードしてするセックスは痛くないから我慢できるのだそうだ。
　それに、どのお客さんもほんの数秒でイッてしまう。店の女の子に聞くと、名器だということだ。だから、回転も早いしたくさんのお客をこなすことができる。
　家に帰るとヤクザの男に強引で激しいセックスを強要されるという。時には数人に廻されることもあるという。その時も、みんな挿入後すぐにイッてしまうらしい。
　ほんとうか？　

　セックスは仕事のためと割り切っているが、小説や映画のような恋もしてみたい。でも、自分には一生無理だと思っていた。
　そこで、願いというのは俺と疑似恋愛をしたいというのだ。ちゃんとしたセックスをしてみたいというのだ。
　疑似初体験をしたいという願いなのだ。
　話しているうちに、まさみちゃんは涙声になっていた。

　そこで俺は自分の事情を全部話した。今日、手術したこともだ。
　すると、まさみちゃんは「実は私も整形をさせられたの。年齢を誤魔化すために。これは神様がくれた運命ね。」といって涙を流した。

「まさみですけど、120分延長です。」
「え、困るよまさみ。予約がつかえているんだぞ。」
「でも、お客さんが料金を倍払うっていっています。」
「よし。わかった。」
　店員とのやりとりを聞きながら俺は服を着ていた。
　まさみちゃんが二人とも服を着てノーマルな状態でセックスを始めたいというのだ。
「いいんですか？　私が無理をいったばかりに、料金高いんでしょ。」
「あ、だいじょうぶ。思ったより手術代がかからなかったし。」
　まさみちゃんは同僚に頼んで待機室から私服を持ってきてもらっていた。
「ほんとはこんな服は趣味じゃないんだけど…」
　いかにも水商売という感じの派手な服を着たまさみちゃんは、それでもソープ嬢にみえなかった。
　厚めの化粧を落としたまさみちゃんは、幼さを増したが、可愛さは倍増した。顔立ちが清純な感じだ。
「可愛いよ。」
「ほんと、うれしい。」
「俺、初めてで上手くできるか自信ないけど…」
「いいの。私も初めてのつもりになるから…お願い。やさしくして…」
　いつも石鹸の匂いのセックスか、ヤクザの強姦的なセックスしかしていない。
　まさみちゃんはある意味、処女なのだ。

　俺はキスをした。まさみちゃんはさっきと違って、身を固くしている。ほんと、別人だ。
　モジモジとしながら唇を少し開ける。
　俺はそのすき間に唇をねじ込んだ。
「お願い。やさしくして…」
「ごめん、痛かった？」
「ううん。」
　ちゅ　ちゅ　まさみちゃんの顔にキスをする。
　ぬゅちゃ　唇を軽く吸う。
　まさみちゃんは両手を握り締めて宙に浮かしている。
「うれしい…やさしいね…」
　ちゅ　ちゅ　ぬちゅ

　首筋にキスをしながらブラウスを脱がした。
　きれいな鎖骨に思わずキスした。
「いやん！。くすぐったい。うふ。」
　張りのある乳房がブラジャーの中で窮屈そうだ。
「どうやってはずすの？」
「これ、フロントホックだから…はずして…」
　ホックをはずすと、ぷりん　と乳房がこぼれた。乳首は勃起していた。
「へんね。私、恥ずかしい…」
「電気消そうか。」
「うれしい…」
　照明を落としてベッドまで抱きかかえていった。
　女の子の身体がこんなに軽いとは知らなかった。
　まさみちゃんは俺の首に手を回していた。
「わたし、夢見ていたんだ。こうやってお姫さま抱っこされるの…。」
　また涙がこぼれた。
「いつでもしてあげるよ。」
「うん、そうだね。うそでもうれ…。」俺はそれ以上言わせないように唇をキスで塞いだ。
　まさみちゃんは強く抱き返してきた。

　どうしていいのかわからなかったので、とにかく全身をキスして舐めまくった。
「あん。いや。くすぐったい…あん。　いい…」
　乳房を触っても足を触っても柔らかくスベスベしていた。
　まさみちゃんは俺の服のうえから身体をさすってきた。
　俺が服を脱ごうとすると、恥ずかしそうに手伝ってきた。　ほんとにソープ嬢？　いやいや、いまのまさみちゃんは処女なんだ。
　俺は全裸になり、まさみちゃんはパンティーだけをつけていた。
　愛撫を続けていると、身悶えして自分の太ももをこすり合わせはじめた。
「おねがい…脱がして…」
　俺はパンティーの腰の辺りをつかんだ。すると、まさみちゃんは腰を浮かして脱がしやすくしてくれた。
「ねぇ、不思議。私、感じている。とてもいい気持ちなの…」
　パンティーを脱がしたとき、股間の部分に、つーっと愛液の糸が弾いた。
「きもちいいの？」
「うん。はじめて…」
　俺はまさみちゃんの両足をかかえて、秘部にキスをした。
「いやん！」
　そういいながらも、まさみちゃんは俺の頭を抱えてさらに押しつけようとした。
　少ししょっぱいけど良い香りがした。
　もしかして、前の客の…
　そう考えているのを見透かされたようだ。まさみちゃんは恥ずかしいそうに言った。
「だいじょうぶ。私、今日ははじめてだから…」
　俺はクリトリスを探し当てて、優しく愛撫を続けた。
「うそ、すごい。きもちい〜い！」
　まさみちゃんのからだが激しく波打った。
　俺は、懸命に愛撫を続けた。
「いあや〜！　だめ〜！　いっちゃう！」
　がくっと全身の力が抜けた。

「ごめんなさい。私だけいっちゃった…ごめんなさい。」
　そういいながら俺の肉棒をしごきはじめた。
「いいんだよ。そんなことしなくても。」
　俺は優しくまさみちゃんの手を肉棒からふりほどいて握り締めた。
　両手を握り締めた状態で、まさみちゃんの股間に肉棒をあてがった。
　ぬるぬるに濡れている秘部は、早く肉棒を受入れたがって蠢いている。
　俺はゴムを探した。
「つけないで。」
「え？」
「ピル飲んでいるから…病気もないから…」
　悲しそうな顔で俺を見つめてきた。
「いい？」
「ごめんね。バージンじゃなくて…。」
「ううん、きれいだし。可愛いよ。」
　まさみちゃんは初めてで戸惑っている俺の肉棒を、腰を浮かして受入れやすくした。
「ねぇ、いれて。お願い。」
「うん。入れるよ。」
　にゅるる…
「あああ〜ん　おおきい〜　すごい…」
　俺の肉棒は戸惑っていた。
　ギュウギュウと締めつけてくるし、愛液の熱さや、肉襞の小さな動きに戸惑っていた。
「おねがい、動いて…」
「うん」
　じーっとしていてもこの感触だ。動いたらすぐに射精してしまう。名器というのは本当らしい。っていうか、俺にとっては初めての感触なのだが。
「気持良すぎて…」
「そうね。ごめんね。そのままでいいの…。」
　そういいながらも、まさみちゃんの腰がクネクネと動く。
　俺は腰を動かしていないのに、強い摩擦と抵抗感が前後左右する。
　くちゅくちゅ　にゅちゅ　にゅちゅ
「あん！　あん！　いい！　あん！…」
　静かな部屋に隠微な音とまさみちゃんの可愛い声が響く。
「だめだ、もう出そう。」
「お願い、中に出して…」
「うん。」
　俺は腰をぐんと突いた。その瞬間、まさみちゃんの子宮の奥に亀頭があたった。
「ひゃ！」
　どぴゅ！　どく…どく…どく…どく
　ひくひく…

　頭に閃光が光った。
　柔らかいまさみちゃんの身体の中に俺のすべてが吸い込まれそうだった。
「あああ〜あ〜ん　すごい…　あ　あ　あ　あついいい…」
　ため込んでいた精子がまさみちゃんの小さな膣からどくどくと溢れ出た。
　肉棒を抜こうとしたが、まさみちゃんが俺の尻を抱えていて抜くことができなかった。
　ひくひくと膣の襞が蠢いて、ギュウギュウと締めつけてくる。
　精子をすべて出し尽くしたのに俺の肉棒は元気なままだった。

　それから、もう３回した。2回目は挿入後３０秒くらいで射精した。３回目も1分もたなかった。それでも最高の童貞喪失だった。

　しくしく…　まさみちゃんは泣いていた。
「うれしい…うれしい…」
　そういいながら顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
　それでも可愛い顔だった。

「また来てくれる？　お願い…来て。わたし頑張るから…」

　ここで俺は考えた。　
　今日を境に俺はモテるようになった。その気になればあの美人看護婦とも、ファーストフードの女子高生アルバイトともやれるかも知れない。
　いや、この調子だとまずやれる。

　たしかにまさみちゃんは可愛いし凄いテクニックを持っている。それにたぶんすごい名器だ。他に、こんなすごい名器の持ち主は稀だろう。
　気立てもいい。　でも、何人もの男が抱いた女だ。ヤクザとも関係がある。
　お金さえ払えばいつだって抱くことができるだろう。まさみちゃんよりも可愛い子と出会うチャンスもたくさん訪れることだろう。

　しかし…　俺は考えた。
　俺が今日まで童貞だったのは、まさみちゃんがいうとおりに運命だったのかも知れない。
　おかげで、こんな素敵な童貞喪失をすることができた。これまでの辛さを帳消しにした。いや、それ以上の体験だった。

　俺は考えた。

「ねぇ、まさみちゃん。今日はあと何人くらい接客するの？」
「いや、いじわる…」まさみちゃんは服を抱えてまだ泣いていた。

「早く着替えよう。」俺は急いで服を着た。
　のろのろと店のユニフォーム？　のキャミソールを着ようとしているまさみちゃんを制した。
「ちがうよ、私服のほうだよ。」
「え、だって…もうすぐ時間だよ。」
「だから、急いで。」
　私服を着させて、俺は自分が着てきたコートを羽織らせた。
　残り時間は少ない。店の者も延長した客だし注目しているだろう。
　ドアをそっと開けると、待合室のほうは混雑していた。外国の団体客が来ているようだ。
　チャンスだった。これを逃す手は無い。
　俺はまさみちゃんの手を握り締めていった。
「俺、まさみちゃんを誘拐するから。」
　泣きすぎて真っ赤な目になっていたまさみちゃんの顔が明るくなった。「ほんと？」
「だから、店をでれたら思いっきり走るよ。」
「でも、つかまっちゃうよ。ヤクザだよ。」
「大丈夫だよ。俺を信じて。」

　部屋から出て、まさみちゃんは俺の後ろを隠れるように歩いた。
　店員の一人が声をかけてきた。
「あれ、まさみは…」
　俺はまさみちゃんの手を握って一気に走り出した。もちろん裸足だ。
　外国人客をなぎ倒して店の外に出た。
　追いかけようとした店員は外国人客と揉みあっているようだ。

　そのまま俺はまさみちゃんを整形外科に連れていった。
「いいんですか？　できますけど…後悔しない？」
「いいんですよ。」
　まさみちゃんは清楚な服を着させて化粧を落とせばまったくの別人になった。
　それでもヤクザと町で出会ったら大変だ。
　まさみちゃんは大人っぽく見せるようにとヤクザに強要されて整形していた。
　そこで、なるべく元の顔に整形で戻すことにした。
　そして俺も、元の顔に戻してもらうことにしたのだ。
　まさみちゃんに嫌われてもいいのだ。このままの顔だとまさみちゃんを幸せにできない気がしたのだ。
　やっぱり本当の自分でないと。

　手術が終わった。
　まさみちゃんは以前の自分の顔に戻れて喜んでいた。
　ヤクザの趣味はわからない。まさみちゃんは超がつくほどの清楚な美少女の顔になっていた。
　18歳には見えない幼い顔に惚れなおしてしまった。
　しかし、問題は俺の顔だ。
　まさみちゃんじゃなかった、本名はつぐみちゃんだった。
　つぐみちゃんは俺の顔をじーっと見つめた。
　じーっと見つめた。じーっと見つめた。
「どこがかわったの？」
「え？」
　医者が部屋に入ってきた。
「先生、俺の顔もとに戻らないんですか？」
「なにいっているんだよ。私は天才だよ。完璧に元に戻しましたよ。」
「でも…」
「その証拠に、例の看護婦、この部屋に寄りつかないでしょ。」
「あ、そういえば…」
「ところでどうします？　この娘さん。」
「なにがですか？」
「極度の乱視なんだけど、いい眼科医を紹介しましょうか？　ハハハハ…」

　それから俺とつぐみは二人で暮すことになった。
　別にメガネやコンタクトをつけなくても普段の生活には困らない。
　というか、セックスの相性が良すぎてもう俺から離れられないだろう。
　つぐみの名器しかしらない俺の肉棒は忍耐強くなった。今ではあのスゴイ快感を３０分は堪えることができる。
　つぐみも、愛されるセックスに溺れはじめた。
　二人は毎日新しい快感を発見している。

　それにしても乱視の女性はいろっぽいね〜

おわり