この話は、僕が中学２年の時に経験した本当の出来事だ。
　中学２年の春、僕の学校の美術の先生は、休み中の宿題として、なにか美術品を鑑賞してその感想をレポートするようにと、僕のクラスに課題を出した。
　偶々、近くの西洋美術館で印象派展が開かれている事を知った僕は、モネの絵を目当てに、仲のいい友達３人とこれを見に行く事にした。
　広い美術館の窓口で僕らが目的の絵の場所を尋ねると、その窓口の人は中学生の鑑賞の目的を理解してくれて、説明のために学芸員を一人、僕らに付けてくれた。
　すぐに来てくれたその人は、眼鏡をかけた３０才ぐらいの女の人で、とても真面目そうな感じがした。
　紺のジャケットとタイトスカートのスーツを着たその人は、先頭に立って、僕らが見たがっている絵の場所を教え、その説明をしてくれた。
　その人の説明が、とても分かりやすく、手際がよかったために、比較的短い時間で目的の画家の絵を見終わった僕らは、最後に、閲覧室の前でその人にお礼を言った。
「どうもありがとうございました。とてもよくわかりました。」
「どういたしまして。お役に立てて嬉しいわ。」

　この時僕は、知らず知らずの内に、この女性の知的で落ち着いた魅力に憧れを持ち、緊張していたのかもしれない。
　僕は、頭を下げた拍子に、手に持っていたパンフレットとノートを、床に落としてしまった。
　落としたノートは床の上を滑り、彼女の前で停まる。
　僕が急いで前に飛び出してノートに手を伸ばすのと、彼女が屈み込んで、僕のノートを拾おうとするのがほぼ同時だった。
　僕は、彼女が片膝を立てるような恰好で腰を落とし、ノートに手を伸ばしたのに気づき、無意識に彼女の方を見た。
　下から上を見上げるような姿勢になった僕の視線に、彼女のスカート奥の隠された場所が飛び込んでくる。
　僕は一瞬ではあったが、そのまま動けなくなり、彼女の股の間を覗き込んでしまった。
　彼女は、そんな僕の視線にすぐに気がつき、「あっ・・・！」と息を飲みながら、両膝を合わせ、股の間に両手を翳す。
　視線を遮られた僕は、恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、急いで立ち上がった。
　僕のこの行動に気がついた３人の友人は、見なかったと言わんばかりに、急いで僕と女性から視線を外して、そ知らぬふりをした。
　この時、暗くてよく確認できなかったが、僕の眼には確かに彼女の白い太ももと、その奥の黒い陰毛らしきものが映っていた。
　彼女のスカートの中が脳裏に焼きついて、ボーッとしてしまった僕は、そのまま無意識の内に、その女性の服の下を想像しながら、彼女の腰から尻のあたりを、舐めるようにじろじろと眺めてしまう。
　それから、すぐに我に返った僕は、見つめていた彼女の腰から、顔に視線を移した。
　彼女は蔑むような遠い目つきで、そんな僕の顔をじっと見つめていた。
　僕はとても居たたまれなくなって、床に向かって深く俯く。

　それからしばらく、誰も口をきかない沈黙の時間が流れた後、彼女が「ちょっと、話があるの。ついて来てくれる？」と、僕らを職員専用の出入り口に誘った。
　この時僕は、てっきりこの女性に先程の不謹慎な行動を注意されるのかと思って、神妙な顔で彼女の後に従った。他の３人も、僕の後に続く。
　彼女は閲覧室の裏の廊下を進み、突き当たりにある小さな部屋に僕らを招き入れた。
　そこはソファやロッカーなどが置いてあり、どうやら職員の休憩所に使われている部屋のようだった。
　彼女は僕らを椅子に座らせると、「今日は私しかいないから、安心して。」と、告げる。
　それから、入り口のドアに鍵をかけながら、「私、幾つに見える？」と、唐突に質問を投げかけてきた。
　僕が正直に「３３才ぐらいですか。」と、答えると、その女性は笑いながら、「いいえ、２７よ。」と言う。
　そして急に「見たでしょう？」と、僕の顔をじっと見つめながら、恐れていた言葉を口にした。
　僕は必死で頭を下げながら、「ごめんなさい。見るつもりはなかったんです。つい眼がいってしまって・・」と、上ずった声で謝ると彼女は、
「そんなにおばさんのスカートの中が見たいの？」と、責めるような口調で問い返してくる。
「・・す、すいません。・・許して下さい。・・もう絶対にしませんから・・」僕はもう、しどろもどろだった。
　ところが彼女は、急に声のトーンを穏やかにしながら「責めてるんじゃないの。嬉しかったのよ。・・・興味を示してくれた事が。」と、独り言を呟くように言った。
　びっくりした僕らは、一斉に彼女の顔を見る。

「初めてよ・・あんなに露骨な目つきで見つめられたのは・・思わず熱くなっちゃった・・」
「・・もっと見たい？・・もし・・私の身体でいいなら、お礼に見せてあげる・・中まで全部・・」彼女は白い頬を赤く染め、眼鏡の奥の瞳を潤ませて、僕の顔を見つめながらそう言った。
「え、ええ・・見せて下さい。・・ぜひ、お願いします！。」僕は本能の赴くまま、思わずそう口走っていた。
「わかった。」彼女はゆっくりと立ち上がりジャケットを脱ぐと、いきなり腰の部分のファスナーを下げて、穿いていたタイトスカートを足元に落とした。
　下からは、黒のガーターベルトとストッキング、それと濃い紫色で、中身が透けて見える薄いレースのショーツが現われた。
　下半身だけが剥き出しになった彼女の、細いウェストと張り出した腰骨が、挑発的な下着によって一層、際立って見える。
　忽ち、僕らの視線が、彼女の股間に集まり、ショーツの中の黒い陰毛の影を、みんなで穴があくほど凝視する。
　彼女はその刺すような視線を楽しむかのように、酔ったような表情を浮かべながら、下半身にかかるシルクのブラウスの裾を、へその上まで捲り上げて、その魅惑的な下腹部を、僕らにじっくりと見せてくれた。
　この時僕の眼は、彼女の引き締まった脚に釘付けになり、刺繍をあしらった黒のストッキングと、その上に覗く真っ白なふとももの組み合わせに、我を忘れて見蕩れていた。
　すでに、僕の股間はビンビンに膨張していて、ズボンに大きなテントを張っている。
　他の３人も、大人の女性の妖艶な下着姿に、眼を見開き、口を半開きにしたまま、我を忘れて夢中になっていた。
　やがて彼女は身体を横に向けて、僕らの視線から大事な部分を隠すようにしながら、腰にかかるショーツの紐に指を絡めて、その紫色のショーツを足首まで引き下げた。
　僕らの眼に、屈み込んだ彼女の小振りだが、形のいいヒップが飛び込んでくる。
　僕は思わず、彼女の後ろに回り込んで、下から彼女の股間を覗き込みたい衝動にかられた。
　そのまま脚からショーツを抜きとった彼女は、体育座りの恰好でソファーの上に座り込んで、僕らの方に向き直る。
　それから、「ああ、恥ずかしい・・でも凄く興奮する・・もっと近づいてもいいのよ・・よく見て・・」と、言いながら二つの膝の隙間を拡げ始めた。
　僕たちは、我先にと、彼女の座るソファーのすぐ下まで身体を進めると、床に座り込んで下から彼女の股間を覗き込む。
　みんなが、下から食い入るように彼女の足の付け根を見つめる中、彼女の両脚が徐々に開いてゆく。
　やがて、彼女の股が180度に近く一杯に開かれて、その中心の、ふさふさとした真っ黒な陰毛と、その下のまだ見ぬ未知の領域がその姿を現す。
「わあぁ！・・スゲェ・・」思わず歓声が起こり、僕らは初めて見る女の秘部に、眼を輝かせさらに身を前に乗り出した。
　彼女は眼を大きく見開き、「嬉しいな、喜んでくれて・・ねぇ、女が自分の内部を愛撫するところ、見たい？」と、眼鏡の奥の目を細め、股間の割れ目を自分の指で押し開きながら、僕らに訊いてくる。
　僕が生唾をゴクッと飲み込みながら、必死に顔を縦に振って頷くと、彼女は微笑みを浮かべながら、
「あなた達が私の身体に触れないと約束するなら、好きなだけ見せてあげる。どう？」と、再び訊ねてきた。
　僕らが彼女の内部を覗き込みながら、一斉に頷いてこれを了承すると、彼女は「いいわ。じゃ、見せてあげる。」と、ゾクッとするほど低く静かな声で、そう答えた。
　それから一旦ソファから立ち上がった彼女は、ロッカーのところへ行き、中から見たこともない変な形をした、幾つかの道具を取り出した。
　後で解った事だがそれらは、太くてでこぼことしたバイブや、ピンク色のローターだった。
　それらを手に持ち席に戻った彼女は、ソファに背を預け、自分の腰を少し浮かせるようにしながら下腹部を上に向け、女性器の中心が僕たちからよく見えるように、その姿勢を調整した。
　それから、左手の指で陰唇を左右に押し開き、右手の中指を既に濡れているその中に、ゆっくりと差し込む。
　そして、僕らにその指の動きを見せびらかすように、手を大きく上下させながら、ピンク色の自分の内部でその中指を淫らに蠢かし始めた。
　すぐに彼女の右手は、自身の愛液でびしょびしょになり、溢れ出した体液がソファの上に滴り落ちる。
　彼女は薄く目を開けたまま、口を半開きにして顎を反らし、「はああぁ・・・」と、深い吐息を漏らしている。
　僕は初めて見る女性の内側に、胸がどきどきと高鳴り、頭がクラクラになっていた。もう、股間の方は興奮しすぎて、先端部がじんじんと痛み、まるで感覚が無くなっている。

　彼女は、僕らが膨らんだ自分の股間を、頻りに撫でていることに気がつくと、再び目を細め、
「ハッ、ハァ・・我慢しなくていいわよ。どうぞ・・・扱いて・・」と、僕らに自慰の快楽を許した。
　３人は、急いでズボンのファスナーを降ろし、自分のペニスを取り出すと、夢中でそれを扱き始める。
　彼女は垂直にそそり勃ったまま激しく扱かれる僕らの股間を、うっとりした表情で見つめながら、上気した顔をさらに赤く染め、「ああ・・素敵・・好きなだけ出して・・熱い精液を噴上げるところを、私に見せて頂戴・・」と、さらに卑猥にその腰をくねらす。
　すぐに僕の他の３人は、この強すぎる刺激に堪え切れずに、彼女の目の前で飛び跳ねながら、次々に白い精液を噴上げてゆく。
　僕の方は、不意に身体の奥から精液が駆け登ってくるのを感じて、急いでズボンからペニスを取り出そうとしたが間に合わず、もうパンツの中に射精してしまっていた。
　彼女は、僕たちが身を震わせ、涎を垂らしながら、強烈な射精の快感に恍惚とするところを、鈍よりとした眼で眺めながら、
「あぁ・・凄い。堪らない・・いいわ、特別に逝くところを見せてあげる・・さあ、よく見て・・」
　と、太いバイブを手にした。そして、その先端を舐め回して十分に濡らすと、それを自分の股間に宛う。
　彼女の手の中の太いバイブが、小刻みに動かされながら、徐々に彼女の股の間に咥え込まれてゆく。
　やがて、長く太いバイブが身体の中に根本まで差し込まれ、女性の手でそのスイッチが入れられると、ブーンという音と共に、彼女の細い腰が大きく跳ね上がった。
「はあうっ！・・おおぉ・・ううぅ・・」
　左手で出し入れされながら回転しているバイブの表面には、たちまち彼女の乳白色の分泌物が付着し、押し拡げられた膣口からは透明な愛液がポタポタと流れ落ちる。
　次に彼女は、ペン型の細長いローターを取り出すと、それを口に含みたっぷりと濡らした後、バイブの下にある穴にゆっくりと差し込んだ。
　その穴が、なんの穴なのか解らない僕は、女性の身体の不思議に、ただ目を丸くして驚いていた。
「おっうっ・・くっうぅーーっ！・・おっぐうぅ・・」
　２本の振動する棒を自分の内部で巧みに操る彼女の口から、低く絞り出すような嗚咽が漏れる。
　さらに彼女は、左手でバイブを操りながら、右手に卵形の小さなピンクローターを持ち、それを赤く膨れている自分の陰核に強く押しつけた。
「あっぐっうぅーーっ！・・アッアッ・・はっ、ひいぃーーっ！」
　たちまち彼女の口から悲鳴のような絶叫が飛び出し、その背中が弓のように大きく撓る。
　彼女が絶頂ポイントを探すために、自分の両手を忙しなく動かす度に、黒いストッキングを穿いたその美しい両脚が、大きく閉じたり開いたりする。
　３本の電動ローターを咥えた彼女の腰が、がくがくと震えながら空中に浮き上がり、すとんと下に落ちる。
　そしてまた、すぐに持ち上がり、下に落ちる。それを何度も繰り返した。

　この時僕らのペニスは、もう２回目の勃起をして硬くなり、そのピンク色の頭を輝かせながら、それぞれの手の中で跳ね回っていた。
　僕たちは、眼鏡の学芸員さんの、この信じられない痴態を眺めながら、夢中で自分の股間を擦り続ける。

　やがて、頂点に昇りつめた女性の淡い色の唇から、尖った舌が勢いよく飛び出した。
　さらに、彼女の細く白いウェストがぐにゃぐにゃと捩れ、へその下あたりの下腹部が大きく波打つ。
「アッ、あっあぁーーっ！・・い、イクうッ・・おうっ！・・おおぉ・・あ゛っあぁーーっ！」
　そしてついに、彼女の身体が、ソファの上で震えながら大きく反り返った。

　僕が彼女の座るソファのすぐ前で、跳ね上がるペニスの先端から、ドピュッ、ドピュッと何度も熱い精液を噴上げるのと、彼女が激しく痙攣しながら絶頂を迎えたのが、ほぼ同時だった。
「あんっ！、うんっ！、あん・・あぁ・・はあぁ〜」
　バイブを差したまま、ビクッビクッと痙攣する彼女の下腹部に、大きく飛び散った僕の精液の飛沫が降りかかる。
　同時に、他の３人も、床の上に大きな精液の染みを作っていた。
　突き上げるような何回かの射精の波が去った後、ぐったりと脱力した僕は、彼女の愛液でびしょびしょになったソファの上に、その頭を深々と横たえた。

「印象派の定義を知ってる？」彼女は、びしょびしょに濡れた自分の股間を、丁寧にティッシュで拭いながら、僕にそう訊ねた。
　僕が答えが解らずに困った顔をしていると、その女性は「目で見た通りに描く事よ。」と、僕に説明を始めた。
「それまでの主流は、対象物をそれらしく描く事だったの。」
「例えば、りんごを描くとするわね。りんごに見えるように、それらしく描くとすれば、全体を赤い色で塗って、光沢があるように色をつけるでしょう。」
「ところが印象派の人がりんごを描くと、光の当たっている側を白く塗ったり、影になっている側を黒く描いたりすることがあるの。」
「つまり、光の具合などによって、その度に印象の違う対象物を、目で見た通りにとらえるのよ。」
「解る？」彼女は、子供を諭す親のような顔つきで、僕に訊いた。
「はい。」僕は、先程見た日傘を差す女の、傘のまぶしさの意味が少し解った気がして、彼女に力強く頷いてみせた。
「女性も同じよ。」
「誰もが考える優しく美しい、女性らしい姿があるけれど、それとは違う、その時の、その人だけの女の姿もある。」
「あなた達も、年齢を重ねて沢山の女性に接すれば、きっと、わかるようになるわ。」
　説明を終え、再びショーツとスカートを身につけたその女性の眼は、また元の涼しげな学芸員の眼に戻っていた。
　彼女は、つい今し方、自分の内部を慰めたのと同じ細くしなやかな指で、スカートの埃を払い、シワを伸ばした。

　それから部屋のドアを開けながら、「またいつか、この美術館に来て下さい。同じ絵の、また違った一面が見られますよ。」と、にこやかに笑ってみせた。