「ジリリーン・ジリリーン」

　電話のベルの音が入浴中だった智子の耳に入る。
（夫達からの電話に違いない・・・）
　あわてて浴室から飛び出し、バスタオル一枚を体に巻き付けると、そのまま電話のあるリビングへ急いだ。

「もしもし・・・？、あっー、やっぱり！あなた達からだと思ったのよね。」

「でぇ？　試合・・どうだったの？　うん、うん・・そうぉ・・」

　電話はやはり夫達からだった。10歳になる一人息子がスポーツ少年団の大会で北海道へ行っているのだ。
　夫がその付き添いで同行していた。
　もちろん、智子も同行したかったのだが、パートがどうしても休めず、しかたなく今回は留守番となった。

　試合の結果や出来事など、5分ほど話しただろうか、オヤスミの挨拶を済ませると、智子はそっと受話器を置いた。

　と、その時だった。
　いきなり何者かが背後から智子目掛け飛び付いてきた。
　咄嗟の出来事に智子の身体が反射的にすくみ上がる。
　そしてそのすくんだ隙に何者かは智子の身体を羽交い締めにしていた。

「静かにしろ！　さわぐな！」

　低い男の声が耳元で響いた。
　その声に聞き覚えは無かった。

「だ、誰かぁぐんんー・・・」

　叫びだそうとする智子の口を、男がすかさずテープでふさぐ。
　さらに男は、智子の首筋に鋭利に光るナイフを押し当て、再び、低く迫力ある口調ですごんだ。

「痛い目に遇いたくなかったら、大人しくしてろ。いいな！」

　自分の首筋で不気味に光るナイフに、智子は恐怖で全身が凍り付く。

「いいか、わかったな。おとなしくしてろよ」

　男は念を押すと、ナイフを首筋に押し当てたまま、逆の手で上着のポケットから縄を取り出した。
　するとそこでナイフがスーっと首筋から離された。
　思わず智子の身体から強張りが消える。だが男はその瞬間を狙っていた。
　あっと言う間に男は、智子の両手を慣れた手つきで後ろ手に縛り上げてしまう。

　口を塞がれ声も出せず、両手を縛られ、首筋には再びナイフが押し当てられる・・・。
　まさに悪夢のような状況に智子の恐怖は極限まで高まり、このまま殺されてしまうのでは無いかとさえ思い始める。
　だが男の次に取った行動が智子をさらなる恐怖へ陥れた。

　体に巻き付けてあったバスタオルを男がむしり取ったのである。
　突然の出来事に、なすすべもなく智子の豊満な裸体が、無造作にさらけ出される。

「おぉお、思った通りだ。そそる体つきしてるじゃねぇか」

「んっんん〜〜〜〜」

　男のイヤラシイ言葉に我に返り、智子はとっさに悲鳴にならない悲鳴を上げ、裸体を隠そうとその場にしゃがみ込んだ。

「クッ・ク・ク、奥さん、胸もデカいけど、そうやってしゃがみ込むとケツもデカいんだな、ますますそそられるね〜〜」

「こりゃぁ、いいビデオが撮れそうだぜ」

　あまりにもおぞましい言葉に、智子は反射的に男の顔を見上げた。
　そこには智子と同じ３０歳ぐらいだろうか、見たことも無い男が片手にナイフを持ち、リュックを背負い、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら立っていた。

　男の目的が自分であることを悟った智子は、何とか逃れようと両手を後ろ手に縛られた不自由な体勢ながら、もぞもぞと男からあとずさり、そのまま一気にドアへと走った。
　だが・・・、無駄な抵抗だった。ドアには鍵が掛けられていたのだ。

　鍵の小さなツマミを回し鍵を開け、ドアを開ける。
　縛られた智子には、この一連の動作を素早く行う事など不可能なことだった。
　あっという間に、また男に捕まってしまう。

「おいこら！なにしてんだよ、大人しくしてろって言っただろ！」

「バシッ！！」

　男は怒りをあらわに怒鳴りつけると、力任せに智子の顔面を張った。

　今まで殴られたことなど一度もない智子は、暴力に対する免疫が無かった。
　たった一発の張り手とはいえ、その衝撃、痛み、恐怖に抵抗心が根本から奪われる。

「わかったな。今度暴れたらナイフで刻むからな」

「北海道に行ってる、旦那や息子に一生会えなくなってもいいのか？」

　美しく整った顔を涙で濡らしながら、智子は必死に首を横に振る。

「だったら、大人しくオレの命令をきけ、２度と逆らうような真似はするなよ」

　ナイフを振りかざしながら、男が詰め寄る。
　智子はなすすべもなく、ただ大きくうなだれるようにうなずいた。

「はぁっはっは〜、わかればいいんだ。よ〜し、ご褒美に口のテープをはがしてよるよ」

「ビリッ！」

「ウッ、ハァ・ハァ・・ハァ・・、ウゥゥ〜ぅーー」

　テープを外された智子の口から、荒い呼吸音と押し殺した泣き声が溢れ出す。
　恐怖と絶望に打ちひしがれ、もう言葉も出てこない。
　ただただ、悪夢の様な出来事にうなだれ、すすり泣いていた。

「それにしても、そそる奥さんだねー。思ってた以上だぜ」

「美人で、スタイルも人妻らしくムチムチしてて、こりゃぁ、もっと縄で飾ってやんないとなぁ」

　男はリュックを降ろし、中から新たな麻縄を取り出すと、バッシバッシと二度、勝ち誇ったように智子の目の前で麻縄をしごいた。

「いっ・いやっ。これ以上はいやっ、やめてください」

「クックック、大丈夫だよ。奥さんならすぐに縄の味を覚えられるさ」

「なんせ、こんないい体してんだからなぁ」

　男は再び背後に回り込むと、麻縄を乳房の上下にグルグルと巻き付け、キリキリと締め上げた。
　智子の豊満な乳房が麻縄によって下品に搾り出される。

「う、ううっ・・こ、こんな・・ヒドイ」

「おぉ、思った通りだ。奥さん麻縄が似合うよ。色っぽいぜ−」

「さてと、仕上げはと・・おっ、いいのがあるじゃないか」

　男はリビングの吹き抜け部分にある梁を見つけると、智子の乳房を縛り上げた麻縄の縄尻をその梁に渡した。
　そして躊躇することなく力任せに引いた。

「きゃあぁ〜、や、ヤメテーー。いたい、痛いわ〜」

　麻縄が巻き付いた上半身を中心に、智子の体が軽く浮き始める。
　そして男はそのまま、智子の爪先がかろうじて床に着く高さまで引き上げると、そこで麻縄を固定してしまう。
　巻き付けられた麻縄が智子の柔肌にギリギリと食い込み、耐え難い苦痛を生み出す。

「お・お願い・・・、許してぇ・・・。く・苦しいぃの〜〜〜」

「クックック、たまんないねぇ。胸が飛び出してきそうじゃないか、ヘッヘヘ、あとは・・・下の方だな」

　男がさらにもう一本、麻縄を取り出し、また梁からぶら下げる。
　そして懸命につま先立ちしている智子の右膝に巻き付けた。

「よーし、さてコレを引くと・・どうなるかな？」

「・・・イッ、イヤァッ。お、お願いです、そんなことしないで」

「へっ、何言ってんだ。そ〜れ、ご開帳だぁ〜〜」

「いやぁぁあぁ〜〜」

　男が膝に巻き付けた麻縄をグイグイと引いていく、なすすべもなく智子の右足は持ち上がり、高々と、張り裂けんばかりに吊り上がる。

「ハァッハッハー、すげーな。パックリってもんだ。丸見えだぜ」

　あまりに酷い仕打ちに智子の羞恥心は極限に達っし、意識がグラグラと揺らぎ始める。
　いっそこのまま、気を失ってしまいたかった。
　だが、麻縄の容赦ない食い込みが、それさえも許してはくれなかった。

「さ〜て、準備も出来たし、そろそろ撮影に入るか！」

　男がリュックからビデオカメラを取り出す。
　ファインダーを覗き込み位置を決め、三脚に固定する。

　智子は愕然とした。
　今のままでも死にたいほどの羞恥に襲われているというのに、さらに男はこれからの出来事を撮影しようとしている・・・。

「な、なぜ？どうしてそんなことするの。いやよ・・・さ、撮影なんて・・イ、イヤァッ」

「お、お願いです。大人しくしてますから・・・」

「ヘッ、大丈夫だって。すぐに撮影されてることなんか気にならなくしてやるからさぁ」

「どれ、奥さんのマ○コよ〜く見せてみろよ」

　男が下品極まりない言葉と共に智子の股下へと潜り込む。
　そして一呼吸の間を置いた後、うめくように感嘆の声を上げた。

「おぉぉ、すげぇな奥さん！こんな上品なマ○コ始めて見たぜ！」

「顔やスタイルだけじゃなくて、マ○コも美人だとは、まったく、たまんないねぇ〜〜」

「しかも、なんだこりゃぁー！しっとり濡らしてるじゃないか。クックック、さては奥さんマゾ気があるな」

「ヒィッ、いっ、いやぁっ、ウックゥッ・・・」

　気も狂わんばかりの羞恥の連続だった。だが、男の狂気と麻縄の締め付けに、智子は半ばされるがままとなっていた。

　やがて男は観察するように、クリ、ヒダ、チツ・・と、余すことなくまさぐってきた。

「ヒッ、うっくぅぅっ、ゆ、許して・・・お、お願いです・・・ヒィッ・・も、もうやめて、やめてぇ〜」

「あ〜？もうやめて？なんだよもう愛撫はいいからぶち込んで欲しいって事か？せっかちだな奥さん、だけど、コイツはまだおあずけだ」
　
　勝手なことを言いながら、男がおもむろにズボンから男根を露出させる。
　突然の露出に不意をつかれ、男根が智子の視界に飛び込む。

「キャァッ、ヒィッイ〜〜ーーー」

　それはドス黒く充血し、天を突かんばかりにそそり立ち、経験の少ない智子には信じられない大きさ、グロテスクさだった。
　絹を裂くような悲鳴が智子の口からこぼれた。

「どうだ。立派なもんだろ！コイツをぶち込まれりゃぁどんな女も泣いて喜ぶってもんだ」

「もう少し遊んだら、奥さんにもくれてやるからな」

　智子の悲鳴に気を良くしたのだろう、男の顔には満足げな笑みが浮かんでいた。
　そして笑みを浮かべた、不気味な表情のまま、男はゆっくりと立ち上がり、麻縄に搾り出された乳房に手を移した。
　形の良い膨らみを揉み込み、乳首を摘み、唇に含む・・・。
　時に激しく、時に優しく、もてあそんでいく。

「ウッ、んん〜、イヤッ、あっ・・・」

　智子は襲い掛かる感覚を振り払うように、顔を振り立てた。
　なぶられているとは言っても、男の動作は、女の官能を刺激する愛撫には変わりなかった。
　次第に智子は甘い痺れのような、疼きを感じ始める。

　そんな智子の変化を男は見透かし、乳房の愛撫を続けたまま、もう一方の手を秘穴へと伸ばした。

　二度、三度、指で肉の割れ目をゆっくりとなぞる。
　そして秘穴から蜜が溢れ出し、智子の身体が快感を訴えているのを確認すると、一気に二本の指を秘穴の内部へ押し入れた。

「ヒイッ！　いっ、いやぁ〜ーーー〜んんっ」

　経験人数さえ少ないが、智子は人妻である。
（感じてはいけない）
　いくらそう思っていても、成熟した女体は敏感に愛撫に反応し、意思とは無関係に、貪欲に快感を感じ取ってしまう。
　乳首がツンと隆起し、秘穴からシトシトと蜜が溢れ出す。

「奥さん、ずいぶん敏感なんだな。汁がダラダラ出てきてるぜぇ」

「こりゃ本物のマゾ女だな。それともよっぽど、欲求不満だったのかな？」

「ヒィッアッ、んぅ〜〜、そ、そんなこと・・・」

　智子は答えに詰まった。確かに最近、夫との性生活は遠のいていた。
　しかし、もてあそばれているというのに妖しい情感を生む自分の身体に、智子自身も戸惑うばかりだった。

「いっいやっ。こ、こんなことされて・・アッ・・どうして・・・」

　せつない胸の内が、思わず口をついて出る。
　しかも男の指が、唇が、追い打ちをかけるように、激しさを増し、縦横無尽に這い回り、狂わせてくる。

　ジーンと体の芯が痺れ出し、熱を帯び、とろけるような感覚が智子を襲う。
（感じてはいけない・・・、感じてなど・・・）
　唇を噛み締め、溢れ出しそうになる甘美な声を必死に押し殺す。

　だが、ジンジンとした疼きが身体中を駆け巡り、抑えきれない蜜がひとりでに秘穴から溢れ出してしまう。

「ヘッ、体は正直だな、奥さん。感じてるんだろ、下の口からヨダレが止まんないぜ」

「しかたない、そろそろブチ込んでやるかぁ」

　男が智子の背後に回り込む。

「イッ、イヤッ〜。それだけはイヤッ。夫がいるんです、それだけは・・」

　夢中で腰をよじり逃れようとするが、男はそんな智子の狼狽ぶりを楽しむように、剥き出しの秘穴に男根を押し当てる。

「おいおい、そんなに腰振ったら入っちまうぜ。ヘッヘ」

「まったくスケベな奥さんだ、わかったよ、入れてやるよ。それ！！！」

「アアァー、ヒイッイッ、あ、あなたぁ〜ーーー」

　智子はのけ反り、悲痛な声で夫の名を叫んだ。

「ウックゥッ、だめっ、無理よ、こ、壊れる〜〜」

　男の巨大な男根が、張り裂けんばかりに智子の秘穴を押し広げてくる。

「ぐぅっぅ〜、ハァッハァッ。いっやぁあぁッッッ〜〜ーー」

　歯を食いしばり、髪を振り乱し、智子はうめいた。
　だが男は容赦なく男根を根本まで打ち込み、感触を確かめるようにゆっくりと動き出した。

「オオォ、奥さんのマ○コきれいなだけあって、締まるな〜〜」

「いやぁ〜、う、動かないで。つらい、つらいわ〜〜」

「クック、何言ってんだ。奥さんほどの汁気が多いマ○コならすぐに馴染んで来るさ。そ〜れ・・」

　男の言うとおりだった。
　悲しい人妻のサガであろう、おぞましさとは裏腹に、否応なしにめくるめくる官能の波が沸き上がり、智子を翻弄していく。

　身体中が火照り、ドロドロにとろけだし、官能の波に巻き込まれていく。

「アンッいやぁ、あぁっ。んっ・・ん〜ああぁ〜〜、はぁああぁ〜あっあんっ」

　智子の唇から明らかな、あえぎ声が漏れ始める。

「ダメッ、だめよっ、あっあぁんー。ど、どうして・・・」

　この世の物とは思えない快楽に、もう甘い吐息を抑えることが出来なかった。
　頭の中は虚ろとなり、狂おしい歓喜に我を忘れ、鳴き叫ぶ。

「アアッ、あんっあんっー。あっうっぅん〜〜」

「ヒィアァ〜、ああぁ〜ん。あっあっあぁぁぁ〜ーーーーー」

　もはや立ち止まる事は不可能だった。
　めくるめくる恍惚の絶頂へ向け、智子の官能が暴走していく。

「おぉ、だいぶ馴染んできたな。それじゃ、遠慮無くやらせてもらうぜ」

　男が今まで抑えていた物を一気に爆発させるように、激しく腰を使い出した。

「アウンッ、ダァメッ、そ、そんなにしないで〜〜」

「あぁぁ〜、グッゥゥ、あ、あっ、あああっぅうぅ〜〜〜」

　猛烈なピストン運動に、智子がひときわ大きな鳴き声を上げる。
　直後、身体をブルッブルッと震わるとグッタリとうなだれ、そのまま反応を示さなくなった。

「おい！　奥さん！　何勝手にイっちまってんだよ」

「イクときは、イキますってデカい声で何回も叫びながらイクんだよ！」

「今度黙ってイったら、精子、中に出すからな！」

「ヒィッ・・・、い、言います。言いますから・・・」

　智子の返事に、再び男が激しく動き出す。
　縄に絡んだ智子の裸体がギシギシと音を立て、揺さぶられる。

「ウッアッ、あああぁ〜〜。い、いい〜、イヤッ、だめよ〜〜、あぐぅ〜〜〜」

「アアンッ。　だめっ、だめっ、だめえぇぇ〜〜〜おあ〜ぁ〜」

　これまでイッた直後に、なおも立て続けに責められたことなど無かった智子は、相手が卑劣な強姦魔だということさえ忘れ、女を剥き出しにして狂い叫んだ。

「アッ、あっ、あなたゆるしてー。私おかしくなちゃう〜〜」

「あぁあぁ、い、イイッ〜。はぐっうぅう〜〜、ダメッ、き、気持ちいい〜〜〜」

「あうっ、ダ、ダメッ、ダメッ〜。イイッ、いいのー、　も、もうイ、イキそう〜〜ー」

「イ・イ・・・イキます。イッ・イッ・いくぅ〜ぅ〜〜ーーーーー！！」

　髪を振り乱し、全身に脂汗をにじませ、智子はケモノのような絶叫を発しながら、絶頂へと昇りつめた。

　男も智子の、すざましいまでのエクスタシーを見届けると、ギュウギュウと締め付けてくる秘穴の動きに促されるまま、こらえていた白濁液を、一気に智子の尻肉へと浴びせた。

「わぁっ・はっはー、いや〜、良いビデオが撮れたぜぇ〜」

「こりゃぁ、次回作はもっと過激なのにしないとな。なぁ〜奥さん！わぁっはぁっは〜〜〜」

　男の悪魔のような笑い声が、部屋中に響きわたっていった。

終わり