「何か悩みがあったら言ってください。どんな問題でも、のりますよ。」
　久しぶりのやさしい言葉。心の中が温かくなった。勇気を出して、ゼロスに打ち明けることにした。
「ある上のお方から、『人間と魔族はあってはならない関係だ。いますぐ、ゼロスから離れろ。』って、言われたの・・・。でも、ゼロスのそばを離れるのはいや！！ずっと一緒に生きてくって決めたのに・・・。ずっとそばにいるって言ったのに・・・。私達はそばにいちゃいけないの！？そんなのいや！！ずっと・・・ずっといっしょに・・・ゼロスといっしょに・・・生きたい。」
　思いもよらない言葉だった。ゼロスは言葉が出なかった。必死で次の言葉を考えたが思いつかなかった。けど、１つの考えが浮かんだ。泣きじゃくるリンのそばによって、強く抱きしめた。
「あなたがそんなに悩んでるなんて思いませんでした。きづかなくてすみません。これからは、もっと早く言ってください。早く言えば、そんなに苦しまなくてすんだのに・・・。」
　ゼロスは心の中で思った。
『なんで僕は、立った１人の少女を救うことができないのですか！！どうやって救えばいいのですか！！僕に・・・僕に、リンを救うことができるのですか！！』
　リンを抱きしめながら、自分の無力さに、怒り、苦しみ、そして悲しんだ。

　少したって、リンは泣きやんだ。しばらくしても何も話さないので、ゼロスはリンの顔を覗き込んだ。泣きつかれて眠ってしまっていた。
「まぁまぁ、なんとも無防備ですね。リンさん。」
　けれど、今のゼロスにはリンを襲うことなどできなかった。する気がしなかった。ゼロスはリンをベッドまで連れて行き、額にそっとキスをして、隣に一緒に寝た。

　次の日の朝・・・。　　　　　１０時半

　ゼロスが目を覚ました。ふと、横を見るとまだリンは眠っていた。
「そうとう気にしていたんですね・・・。」
　悲しそうな声でささやく。その声にきづき、リンは目を覚ました。
「ゼ・・・ロス？」
「どうしたんですか、リンさん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
　リンは黙ってしまった。沈黙は1分間以上続いた。と、リンは突然
「私達・・・別れなくちゃいけないのかな・・・。」
　ゼロスは変動した。
「なっ何言ってるんですか！！誰かはわかりませんが、そんな人の言うこと信じてはいけません！！人間だろうが魔族だろうがそんなこと関係ありません。僕達はずっと永遠に愛し愛されていくのです。そんな言葉気にしないで下さい。もしもその言葉が本当でも僕は、どんなことがあっても、あなたのことをずっと愛し続けます！！」
　リンはすごく嬉しかった。ゼロスの言葉が・・・。
　重い荷物が取れたかのように倒れこむリンを支えるゼロス。
「だっ大丈夫ですか！？リンさん！！」
「なんか・・・安心して力が抜けちゃった。ごめんなさい。」
　苦笑するリン。ゼロスはすごく心配している。さっき以上に。

「リンさん・・・これから悩み事があったら真っ先に僕に言って下さい。どんな小さな悩み事でも言うことです。内緒はなしですよ。僕はあなたの将来のだんな様でもあるんですから。ネ！！」
　リンはカァ〜と赤くなった。
「しょ将来のだんな様！？」
「えぇ、そうです。僕はあなたと結婚します。どんなことがあっても結婚させます。僕はリンさんとずっと一緒にいたいんです。死ぬまでずっと一緒ですよ。」
　リンが１つ疑問に思った。少し悩んで思い切って言ってみた。
「ね・・・ねぇ、ゼロス。あのさ・・・ゼロスってもう１０００年以上生きてるんでしょ？ゼロスっていつ死んじゃうの？あと、私は人間だからゼロスをおいていっちゃうよ。それでもいいの？」
　そうだ・・・考えてみればゼロスは魔族。死ぬなど関係ない・・・滅びるまで生き続けるのだ。ゼロスはキョトンとしていた。そして・・・
「なに言ってるんですか、リンさん。僕はあなたに不死の薬を与えたじゃないですか。だからずっと、僕が死ぬまでいっしょですよ。そして、その年齢はずっと変わりません。その若さのままです。」
　リンはとまどった。いつ不死の薬などと言うものをもらったか。
　それと、ずっとこの姿のまま。頭の中が混乱でいっぱいだった。
「ちょっとまって！！いつ私が不死の薬をもらったの！？」
　リンは困惑した頭で必死に言葉を発した。
「あ〜言ってませんでしたね。この前のキスですよ。そのときに薬を飲ませました。言い忘れていてすみません。」
　リンは呆然としている。そして、またたく間に赤くなった。
「なっ・・・！？うそっあの時に！！」
「はい。そうです。」
　もっとパニクッタリン。頭の中はパンクしそうになっていた。と、次の瞬間、そっと唇にやわらかくて熱いものが。ゼロスがキスをしていた。そっと舌が入ってくる。すごくやさしい甘いキス。落ちつかせるためのキスのようだった。おとなしくなったリンをそっと抱き上げベッドまで連れていく。
「ゼ・・・ロ・・・ス・・・あっ！！」
　甘い声が部屋中に広がる。そしてその声が欲情へつながり、ゼロスの行為が激しくなる。
「あっ・・・やっ・・・ん・・・・ふぁ！？」
　のどの奥まで入ってくるゼロスの舌。まるで、生き物が口の中で動いているようだ。キスはだんだんと下のおりていき、首にゼロスの“証”が付いた。
　触るたび、動くたび、吸うたび、なめられるたびにリンは甘い声を部屋中に響き鳴らした。
「あんっ・・・ぁ・・・はぁ・・ふぁっ・・・ゼ・・・・ロ・・ス・・・あぁ！！」
「すごくいい声です。その声が聞きたかったのです。」
　ゼロスの欲情は最高点にたっした。ゼロスは、女を喜ばせるための最高の武器をリンの中へ押し込んだ。
「いっ・・・た・・ぃ・・・」
「大丈夫ですよ。その痛みがいつかは快楽へつながりますから。ですので、もう少し我慢してください。快楽を味わいたいのなら・・・。」
　ゼロスのイジワルにリンは少し怒った顔をした。その顔を見てゼロスは苦笑した。
「リンさん。怒らないで下さい。快感を僕で味わいたいのでしょう？それなら我慢してくださいよ。」
　ゼロスは困った顔をしていた。
「もっとやさしい言い方はできないんですか！！」
「僕は一応魔族です。やさしいとか関係ないですよ。それより、まだそんなふうにしゃべれる余裕があるのですね。では、そろそろの僕も本気を出しますんで覚悟してください。」
　リンはハッとした。今まで、ゼロスの本気を見たことがないからだ。『ゼロスの本気というものはどういうものなのか。』と、思った。少し怖い気もした。
「リンさん・・・今からあなたを壊します。」
　いつもの笑みを浮かべながら言う。
　ゼロスが本気を出し始めた。いつもとは比べ物にならなかった。意識が吹っ飛びそうな快感がリンの中にこみ上げてくる。
「あ・・・や・・・んは・・・はぁ・・・ふぁ・・・んあ・・」
　声を出すのもきつい快感。今までにない表情のリンにゼロスは喜び、微笑む。
「リンさん。すごく感じているようですね。けど、まだまだですよ。今から僕の最大のテクニックをリンさんにしてあげます。リンさんが第1号ですよ。喜んで下さい。」
　まだあるのかよ！！って、思ったリン。
「・・・は・・・はい、喜び・・・ます・・・」
　弱弱しい声で言う。でも、それが可愛かったらしくゼロスは喜ぶ。
「きゃう！！」
　始まった。ゼロスのとっておきが・・・。
　リンはもう何も考えられないくらいになっている。
「やん・・・あっふぁああ！！」
　リンの足がけいれんしている。もう少しで、最高点にたっしそうだ。
「あん・・・はぁん・・・ん・・ふぁ・・・はぁ・・・んあ・・やっ！！」
　リンが最高点にたっした。と、同時にゼロスも最高点に。
　発射されたゼロスの愛がリンの中に満ちあふれてくる。
「あっ・・・はぁ・・・きゃぅ・・・ん・・」
　お互い、１００ｍ走ダッシュをしたかのように疲れきっている。
「はぁはぁ・・・リ・・・リンさん・・・どうでしたか？」
　ゼロスがふらふらしている。リンは遠のいた意識を必死に戻そうとしている。
「リ・・・リンさん？」
　ゼロスはリンの顔を見る。
「ゼ・・・ロス・・すごかったよぉ。ありえないくらい。もう頭の中がゴチャゴチャだよ。」
　ゼロスが苦笑した。
「そうですか。けど、気持ちよかったでしょう？」
　リンの顔はりんごのように真っ赤になった。
「どうだったんですか？教えて下さいよ。」
　いじめだ・・・。リンは困った。でも、言わないとまた何かされるからちいさな声で言った。
「・・・・・・・・・・・・った。」
「えっ？聞こえません。」
「きも・・・・かった。」
「最後まで僕に聞こえるように言って下さい。じゃないと・・・。」
「バカゼロス！！」
「襲いますよ＜笑＞」
「うっ・・・言います！！言えばいいんでしょ！！」
「はい。」
「気持ちよかった・・・です」
　リンはもうやばいくらいに真っ赤だ。ゼロスはそっとリンを抱きしめて、耳元で・・・
「いい子です。」
　リンはクラっとした。耳元でささやく甘い声。またおかしくなってしまいそうだった。
「今日はさすがに疲れました。もう、おしまいです。」
　時計を見たらもう午後の５時を過ぎていた。『いったい何時間やってたんだろう？』と、思ったリン。

「お腹がすきましたね。リンさん。一緒に何かつくりましょうか？」
「はい」
　そして仲良く夕食を作った二人。

「これで１件落着ですね。」
　ゼロスがつぶやいた。
「うん、そうだね。」
　ゼロスが笑った。リンはなぜゼロスが笑ったのかがわからない。
「なんだか会話が新婚さんって感じがしますね。」
　リンは笑った。
「だって、ゼロスは私の将来のだんな様ですよ。」
　　　　チュッ。
　ゼロスのほほにキスをした。照れるゼロス。
「これからも、二人で頑張ろうね。ゼロス。」
「お互い、頑張りましょう。そして、永遠に愛していきましょう。」

　そして、二人の幸せは永遠に続くのであった。

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