こんどは私の初体験ですか？　お話ししてもいいのですが、ちょっと変わっていますよ。それでも‥‥あっ、いいんですね。それじゃあ‥‥
　こんなところで一緒になるのも、何かの縁でしょうから、喜んでお話ししますが、あなたの刺激的な体験談を聞いた後ですから、何からお話しすればいいのか少し迷うのですが、まあ、順を追って説明することにしましょう。

　あれは、私が高校に入った年の夏休みのことでしたから１５年前になります。両親の知人に不幸があり、ふたりとも三日ほど家を空けたことがあったのです。私は二才年上の姉と留守番をすることになりました。
　その日、大学受験を控えている姉は夏期講習へ出かけ、ひとり家に残された私は、何もすることを思いつかず、面白い本はないだろうかという軽い気持ちで姉の部屋に入りました。
　姉の部屋はきれいに整頓されており、本棚には当時流行っていた恋愛小説や参考書などが並んでいるだけで、男の私には興味がないものばかりでした。その中で目を引いたのが赤い背表紙のハードカバーだったのです。
　あれを手に取ることがなければ、私の人生は違う道を歩んでいたはずです。
　タイトルも何もない、その赤い本は、姉の欲望を綴った日記でした。
　その日記は、姉が両親の性生活を覗き見してしまった日のことから始まっていました。
　私たちの両親は子供の目から見ても、まるで恋人同士のように仲が良く、父などは弁護士という堅い商売とは思えぬほど家の中ではオープンで、何かといっては母にキスをしたり、抱きしめたりと、思春期の私など、ちょっと目を背けたくなるほどでした。そんな両親の寝室を姉はいつも覗いていたらしいのです。
　我が家は二階建てで、両親の寝室は姉の部屋の真下になり、ある日、二人のあのときの声が姉の部屋に漏れて聞こえてきたこと、それに気がついた姉は一階へ降りてドア越しに盗み聞きしたことが１ページ目に書かれていました。そして、その声に興奮した姉は、ドアの前で自らを慰めていたことを告白していました。
　県でも難易度の高い高校でトップクラスの成績をキープする優等生といった姉の印象とは正反対の、彼女の強烈な一面に、私は我を忘れて読みふけりました。
　そのうち、声を聞くだけでは満足できなくなった姉は、表のベランダから覗き見できるように両親の寝室のカーテンに細工をしたようです。二人がどんなプレイをしていたかを記録していました。
　おまけに、自分の自慰行為についても克明に書き留めてあったのです。
　姉は自分を慰めるとき、父が母にする手順を追っていたようです。指先でクリトリスをさわると二つに割れたようなところがあり、そこを擦り続けると腰全体が溶けたようになってしまうと書いてあるのを読んだときには、思わず姉の性器を想像してしまったものです。そのときは本物など見たことはありませんでしたけどね。
　圧巻だったのは大人のオモチャによる処女喪失、いや、処女膜喪失の話でした。
　姉は両親が使っているオモチャを自分でも使っていたのです。
　母のあそこに突き刺さるオモチャを目撃して、どうしても自分で試したくなったと日記には書いてありました。最初は痛くて血が少し出たものの、回を重ねるごとに発見する感覚が少女らしいタッチで表現されていて、悪友たちと回し読みしたエロ本などとは比べものにならないくらい刺激的でした。
　そして、驚いたことに、姉は私までをもオカズにしていたのです。
　姉は、私に犯されることを想像してオナニーをすると一番興奮すると告白した上で、その犯され方を微に入り細に入り描写していました。あるときは風呂場で、またあるときは寝入ったところを犯されることを、姉は望んでいるようでした。
　これを読んだ高校一年生の私がどんな気持ちになったか言うまでもないでしょう。姉のベッドに横になった私はズボンを脱いで自分の息子を姉の布団で擦り立て、一回では気分が収まらず、続けて二度ほどオナってしまいました。そして心に誓ったのです。姉をこの日記通りに犯してやろうと。
　それまで、ほとんど女として意識していなかった姉の存在が、このときから私の中で大きく変わってしまったのです。
　そして、日記を読んで分かったのですが、どうやら、姉には強姦願望があるようでした。私は、その日の夜、姉の部屋に忍んでいき思いを遂げることを決意しました。
　姉の部屋にいた痕跡を消した私は確認のため両親の寝室に入り、タンスの一番上の引き出しを開けてみました。すると、そこにはエロ本などでしか見たことのない大人のオモチャが入っていました。姉の日記に書かれていたことは事実だったのです。真っ黒い男性器の形をしたオモチャの横には、手錠や何に使うのか当時は分からなかったアナルパールなどが並んでおいてありました。
　今から考えると、姉のマゾがかった願望も今から考えれば遺伝的なものだったのかも知れませんね。
　夕方、ゼミから帰ってきた姉と近所のファミレスで夕食を済ますと、あとはほとんど会話を交わすことなく、姉は自分の部屋に行ってしまいました。私がリビングルームでテレビを見ていると、シャワーを浴びた姉が両親の寝室に入っていったようなのです。
　私は喉がカラカラになるほど興奮してしまいました。
　えっ、どうしてかって？　大人のオモチャを取りに行ったのだとピンときたからですよ。
　姉がいなくなるのを待って、両親の寝室へそっと私も入りました。例のタンスを確認してみると、案の定、黒いあれが無くなっていたんです。そのとき、悪計がひらめいた私は二つあった手錠を持って、足音がしないよう二階へ上がっていきました。
　姉の部屋のドアに耳をあててみると「ん、ん」と押し殺したような声、そしてベッドのスプリングがきしむ音が聞こえてきました。しばらく聞き耳を立てていると、姉の息づかいが荒くなっていくのが分かりました。私の興奮はすでに自制という言葉を忘れさせるほどになり、そっとドアを開けていました。
　ベッドの上で四つん這いになった姉は尻をつきだし、両手でオモチャを出し入れしていました。何も着ていない姿で。
　数秒後、私が部屋に入ってきたことに気がついた姉はパニックに陥ったらしく、声も出せずに固まってしまったのです。オモチャが「ボトッ」と音を立ててベッドの上に落ち「グイン、グイン」というモーターの音だけが部屋の中に響いていました。
「お姉ちゃん、俺、みんな知ってるんだ」
　たしか、そう言ったと記憶しています。私は呆然としている姉の手を取ると手錠をかけ、その一方をベッドの柱につなぎました。そして、もう片方の手も反対側の柱につなぎ、姉は全裸のままバンザイをする格好でベッドに固定されたのです。
「マ、マコちゃん‥‥やめて‥‥お願い‥‥」
　って、姉が言いました。私の名前、誠っていうんです。
　私は、真剣な顔をして懇願する姉の目に耐えられなくなり、手錠の下にアイマスクがあったことを思い出しました。そして、いったん階下へ降りたのです。
　戻ってみると、姉は虚脱したようになっており、私が近づくと顔をそむけました。目隠しをしたあと、私はやっと姉の身体を鑑賞することが出来たのです。
　お椀型でピンクの乳首をした胸、よく手入れされた脇の下、ぐっと凹んだお腹、そして、ヘソの下には黒々とした陰毛。初めて見る本物の女の裸、それはかけがえのない宝物のようでした。これから、この女体を自由に出来ると考えただけで有頂天になってしまったのです。
　まずは乳房をまさぐりました。手のひらに伝わってくる柔らかな肉の感触はこの世のものとは思えぬほど甘美なものでした。しばらく、その感触を楽しんでから乳首を口にふくみました。「ああ！」と声を出した姉は体をよじらせながら「やめて」「お願い」と泣き出しそうな口調で繰り返すのです。
　それでも、私が、ゆっくりと乳房を揉み続けながら、乳首を舐めていると、やがて、その感触が固いものになり、姉の声も甘さを含むようになってきたのです。
　しかし、その両足は固く閉じられたままで、私の右手の侵入を拒み続けていました。どうしても姉の性器を見たくなった私は、姉の足下の方へ移動し足首を思い切り持ち上げたのです。
　柔軟運動みたいな体勢になった姉の尻を舐めると「ひぃ」と悲鳴を上げて力がゆるんだので、こんどは両手で膝を割るようにして足を開かせました。
　思えばオナニーの最中に押し入られ、このようなことをされているのですから、姉も相当の興奮状態にあったのでしょう。スタンドの光りに照らされた姉のあそこはピンク色に濡れ光っており、私は隠れて見ていた裏本の性器などより数段美しい姉の性器を感激して眺めたものです。
　私は、何人もの女性器を見てきましたが、姉の性器はこの上なく美しいと断言できます。色素の少ない可憐な小淫唇、ふっくらとして無毛の大淫唇は神の造形の最大傑作と言ってもいいでしょう。
　私は、しばらくの間、見惚れていました。
　ただ、無理矢理足を開かされている姉の抵抗は今までにないもので、ベッドがギシギシと音を立て、手錠も引きちぎるばかりの勢いです。私は愛おしさのあまり姉の性器を口いっぱいにほおばり、舌でかき回すように舐めました。
「いやぁ〜っ！」
　ほとんど絶叫といった感じで、姉は悲鳴を上げました。
　あまり抵抗が激しいので、思うように舐められず、じれた私は意地悪な質問をしました。
「お姉ちゃん。クリトリスの二つに割れたところって何処？」ってね。
　私の言葉に、すべてを悟ったらしく、ついに姉はぐったりしてしまいました。
　そのあとの行為は大変楽なものでした。私は、舐めたいところを舐めたいだけ舐め、触りたいだけ触り、見たいところは穴があくほど鑑賞しました。その間、姉はされるがままの状態で、口から漏れるのは喘ぎ声だけでした。
　えっ？　具体的に‥‥ですか。そうですねぇ。両手の人差し指を使って膣口を開いて中の肉襞を覗いて見たり、そこへ舌を差し込んでみたりしました。
　特に、お尻の穴は魅力的に写りました。軽く突くと、ヒクッとすぼまるそこは、言い様のない愛らしさで、飽きもせず舐めたり触ったりしたものです。
　その間の、姉の悶え様も私を夢中にさせるのに十分なものでした。
　それから、ピンクの乳首。舐めても舐めても飽きることはありませんでした。
　そうやって、姉の身体を舐めたり揉んだりしているとき、ふと、私の目にとまったのは、ベッドの上に落ちて、まだ「グイン、グイン」と音を立てている、あの真っ黒なオモチャでした。
　私はそれを拾い上げると姉の膣口に差し込んだのです。
「あああ〜っ！」
　文字では表現できないような声をあげながら姉は身をよじりました。私は調子に乗ってオモチャをリズミカルに抜き差して、次第にその速度を速めたものです。
　なんというマセたガキですって？　そう思われるかも知れませんが、高校生がそれくらいの性知識は持っていてもおかしくはないでしょう。いわゆるエロ本とか、その手のマンガが氾濫してましたからね。
「ジュブ、ジュブッ」といういやらしい音を楽しんでいると、ついに姉は脚をぴんと伸ばし、おとがいをのけぞらせてオルガスムスを迎えてしまったのです。
　私はオモチャを引き抜き、服を全部脱いで、固くなりきった息子を挿入しました。そして抽送を繰り返しながらアイマスクを取り、姉の唇を奪いました。驚いたことに、姉はそれに応えてきたのです。その瞬間、私はどっと精を放ち、姉も痙攣しました。
　まあ、これが私の初体験のあらましです。えっ？　続きが聞きたいんですか？　いいでしょう。
　手錠を外し、次は後ろから姉を犯しました。なにしろ１６才ですからね。いくら出してしまっても、あっという間に回復しちゃうんです。
　いまでも、あの音はよく覚えていますよ。そう、尻の肉を打つあの音です。
　二回目には、もう姉は抵抗せず、むしろ積極的に私の欲望に応えてくれました。姉の身体の中は暖かで柔らかくて、全身がペニスになってしまいたいって、あのときは思ったものです。
　二度目の交わりが終わると、二人ともぐったりしてしまい、ベッドの上に倒れ込みました。
　信じられないことに、姉は、私と目を合わすと微笑み、そして、唇を重ねてきたのです。私も夢中になって姉を抱きしめました。その気持ちは一線を越えたものじゃないと分からないかも知れません。
「お姉ちゃん、ごめん。俺、日記読んじゃったんだよ」
　って、謝ったら、
「いいのよ‥‥」
　って、優しく答えてくれましたっけ。
　二人は、身体を洗うため一緒にシャワーを浴びました。
　そして、また元気になった私は、日記にあったとおり、風呂の中で石鹸まみれになった姉を弄びました。若かったんですね。
　ソープランドのプレイみたいですって？　私、行ったことがないので分かりませんが、石けんでお互いの肌を滑らすのって気持ちいいですよね。
　あはは、そんな顔しないでくださいよ。最初に言ったでしょ。私の体験はちょっと変わっているって‥‥
　両親がいない間、私たち姉弟は獣欲の虜となり、爛れきった日々を送ったのです。あのとき、姉が妊娠でもしてしまえば流れは変わったのでしょうが、幸いというか、それはありませんでした。
　姉が一番乱れたのは両親の寝室でのプレイでした。
　姉は、私にあれこれとプレイの仕方を指図しました。それは、両親の性生活そのままを踏襲したものだったのです。
　両親のベッドで姉を後ろ手に縛り上げ、私は言いつけを守って、姉のアヌスを犯しました。そのときの姉の乱れようは凄まじいものでした。
　初体験の翌日に、姉と私は肛虐の悦びを覚えてしまったのです。
　あなた、アナルセックスの経験はありますか？　そうですか、それは残念ですね。とてもいいものですよ。えっ？　なかなか入らないだろうって？　それは相手次第だと思います。ただ、女性の方が協力しないと難しいでしょうね。
　これは、姉からの受け売りなのですが、入れるとき力を抜くんじゃなくて、大きな方をするときみたいに息むといいそうです。
　姉は私と交わっているとき、自分がどんな状態にあるか、どんなふうに感じているかを、よく教えてくれました。
　初めて後ろで繋がったときも、痛みが快感に変わっていく様子を、実況中継みたいに教えてくれました。姉と弟っていう関係のせいもあったのでしょうが、むしろ、自分の状態を知られることで、姉は深く興奮していたようです。
　それに、どうやったら感じるのかを、文字通り、手取り足取り教えてくれました。キスの仕方からはじまって、腰の動かし方、膣の中のどの部分が一番感じるかなど、実験しながらですけどね。
　ある意味、私は姉を開花させ開発する道具のようなものだったのです。
　ですから、私は若くして女性の快感について詳しくなり、扱いが上手くなりました。
　姉以外との関係ですか？　けっこう、私はモテたんですよ。それに、近親相姦の後ろめたさから逃げ出したいと思って、かなり積極的に女を漁った時期もありましたからね。それは、大学を卒業して就職するまで続きました。でも、長続きした女はひとりもいません。いざ、肉体関係になって、相手が感じれば感じるほど、こちらは白けてしまうんです。
　これは姉も同じだったようです。
　お互い、異性と別れた後、ふたりの絆の深さを思い知らされるんです。泥沼でも、浸ってしまえば居心地はいいもんです。いや、泥沼の味を知ってしまったら抜けられないんですよ。
　姉も、大学に入って二、三人の男とつきあったようですが、すぐに別れてしまいました。そして、それ以来ずっと私が相手をしています。
　私は結婚していますが、世間に対するカモフラージュみたいなもんです。妻には可哀想ですが、姉以外には全く愛情を注げないんです。つい先日まで、週に一度、いやそれ以上ですね。姉と関係を持っていました。
　えっ？　先日までって、どういうことかですって？　私がこんなところにいるのは、末期ガンが見つかった姉から、涙ながらに死なせてくれって頼まれたからなんですよ。後を追って死のうと思ったのですが、人間って弱いものですね。とうとう、死ねずに自首してきたってわけなんです。
　私の話、退屈じゃありませんでしたか？