レイの双の手が力の限りにマットの縁を握り締めた！
　黒い男の凄まじい断続的な噴射が、ドッドッドッと強烈な脈を打つようにもの凄い爆発を起こした。
　それは、レイの女壺の奥深くであっただけに腹に迄響いた。
　必死で歓喜を抑えていたレイの最後の一枚の扉を遂に破り去った！
　身体の芯を膨らまされたレイの身体は、遂に歓喜に見舞われた。
　（壺底を強く叩かれている！）　
　断続的に叩かれる感覚が、一叩き毎に禁断の扉を固持開ける！
　呼応してレイの女窟は力一杯淫棒を締め上げ、痙攣して自身を爆発させようとしていた。
　「ぃっ、いやぁ！・いっちゃうっ！・・・ぁぁっ、あっ！・・・あ・な・たぁ・ぁ！」
　レイは夫、幸彦に助けを求めた。
　ビクンビクンとレイの身体は引き攣り、感覚が奈落の底へと墜ちて行った。
　夫に見られながら、つい先程出会ったばかりの黒い男に身を持て遊ばれ、夫では得られない程の怒濤のような、緊張感と絶頂に、心と身体が引き裂かれるような羞恥の極地を感じていた。

　レイが絶頂に達し、硬直している。それはレイが望んだものではなかった。当然、絶頂に至るのを抑えようとして、抑え切れずに達してしまった・・・。
　その姿を夫が瞬きもせず見つめている。

　しかも、レイを絶頂に導いたのは数時間前に始めてあった黒い男だった。
　夫は、その黒い男とレイとの交わりの一部始終を見つめていたのだ！
　今、レイは自分に身体を預け切っているこの大きな黒い男のなごりが肉壁と肉塊の間を潜り抜け、臀部へと伝わって行くのを感じていた。

　夫、幸彦は二人の交合の凄まじさに、興奮が極限に達っし、全身の力が抜けた。
　こんな卑猥な事が有るだろうか？
　妻、レイを弄ばれる怒り。
　黒い男の凄まじい欲情に意外と簡単に気を遣ってしまった妻への怒り。
　嫌がった妻に、強引に黒い男を宛がった自分自身への怒り。
　レイが陵辱される様を目の当たりにして、かつて無い程に怒張した自分自身。
　男と女の『意を押さえ付けた交合』を目の当たりにした事だけでも、云い様が無い程に刺激が強かったが、その女方が自分の愛すべき妻なのだ！
　それは異常とは思っても抑え切れない程の、空前絶後の昂奮を呼び起こしていた。
　普段は、妻の浮気さえ許す気にさえなれないのに、今、目の前で妻を犯し尽くして絶頂に導いた黒い男は、夫自身が連れ帰り望んだものなのだ。

　それは異常な興奮と言うほか無かった！
　妻の意に反した陵辱となった事も、大きな昂奮を呼んだが、その望まない交合にも、黒く巨大な肉の塊の、多分、極度に強い摩擦と長大さに強く付き込まれた膣底が、妻の胎内が良い様に翻弄され、妻はクライマックスに至らされてしまった、異常な場面。

　膣底を突かれる痛さに顔をしかめ、眉間に刻まれる強い縦皺。
　助けを求めるべき夫が仕掛けた屈辱の猥褻劇！
　レイの目には、怒りと諦めの焦燥しか無い筈だった。
　その筈だった。
　膣口が裂けそうな爆発しそうな体内圧は性悦の範囲を超えていた。
　想像すらした事もなかった強烈な身体の中心への摩擦！
　夢にも現れないだろう破壊的な膣底への突き！
　あまりの摩擦力に、身体は自衛の為に潤滑液を出した。
　摩擦が大きい分だけ余分に出した。
　隙間無く内圧を高めた肉塊と恐怖に縮こまろうとする窟肉。
　豊富にすぎた潤滑液。
　肉塊がレイの身体に出入りする度に、潤滑液が隙間から噴き出さされた！

　昂奮の要素が次々に浮かび上がり止め処無かった。
　いつとはなしに扱いていた夫自身は、レイのクライマックスを確認した時白濁した粘液を噴き出し、床のローズウッドに飛散し、液溜まりを作っていた・。
　端から見るレイのクライマックスは、想像を超えて淫らで、幸彦を淫猥の世界に押し込んでいた。
　その瞬間全力で硬直した全身は、反作用で脱力し、宙に舞う感覚に浸った。

　幸彦が連れ帰った黒い男に、レイは眉を潜めた。
　夫が何を言い出すかは、容易に想像が着いたからだった。
　２回目に酒の肴を運んだ時、夫はそれを口に出した。
「レイ、このミハエルとセックスして見せてくれないか？」
「伴侶以外とのセックスなんて、・結婚式の時の誓いを忘れたの？」
　それでも夫はレイとミハエルのセックスを見たがった！
「It's OK．・ Go！・You get obey！」(ミハエル・遣って良いよっ！)
　逃げようとしたレイを二人して寝室に連れ込み、ベッドに投げ出した。
「嫌っ！・止めてっ！・・・あなた達、何考えてるのっ！」
　夫がブラウスの前をボタンを飛ばして開き、ミハエルがマキシのスカートの中からショーツを取った！
　直ぐにスカートに頭を突っ込んだミハエルに、強引なクリニングスを受けてレイは力を失った。濃厚なクリニングスだった。
　レイの全身が突っ張り、硬直した！
　夫以上に強烈な淫悦を受けて、抵抗を諦めた。
　奥歯を噛み締め、淫悦の全てを抑え付けようとした。
　ミハエルは巧みだった。
　レイの身体は素晴らしい淫悦を脳に伝えて来た。
　受け入れきれなかったレイは、ベッドの縁を力一杯握り、夫の欲情の表情を見ながらも自らの淫悦を抑え続けた。
　夫が第三者として観察する中で、わたしが感じる訳にはいかない！・そんなにわたしは淫乱じゃないっ！

　幸彦が恍惚に浸った次の瞬間、夫の身体が強い力で押さえ付けられた！
　ソファーから立ち上がろうにも物凄い力がそれを完全に阻止していた。
　それはまさに一瞬の事だった。
　ドアが空いた音さえ感じ取れなかったのに、何人かの黒い人陰が部屋の中を制圧していた。

　夫を押さえ付ける数人の黒人を認めたレイは反射的にその場を逃げようとしたのだが、レイにノシ掛かっていた黒い男はその太い腕で、レイを抱き抑えた。
　伸し掛かっていた黒い男は、レイが黒い男の下から逃げ出せない様に、両手両足でレイを締め付け、レイが諦めるのを待った。
　日頃の訓練が行き届いているであろう、黒い集団は、部屋の中にホンの少しも隙を作らない様に立ち、全ての逃げ場を塞いでいた。

「What do you do！」レイは叫び、なんとしてもその場を逃げ出したかったが、それは客観的に見ても不可能な事だった。
　(これまでだわ・！) レイは全身の力を抜いた。
「Easy! easy.・・・They are my friends．」なだめるかの様に言う黒い男は、力を抜いたレイの身体を締め付けている力を緩めた。

　レイはざわつく心を押さえ、強い力を出さない様に男の腕を押し退けると、ベッドサイドに降り立って、黒い男達に完全に押さえ込まれている夫を眺めた。
「・・・・。」レイは何も云わなかった。
　ただ夫を眺めていた。
（わたしの淫烈な姿を見たがった結果は、こんなになってしまったわよ。）無言の表情は、それを視線に乗せていた。

　薄暗い部屋の中に剥ぎ残されていたスリップ１枚を透かしてレイの姿が浮かび上がる。
　ウォールライトの逆光にシルエットで浮かび上がったレイは、夫の記憶にあるどのレイよりも艶めかしかった。

　夫はもうソファーにしっかりと縛り付けられ、全く動けず、なんとも情けない目でレイを見返していた。
「What are you！？・・・What do you want?」夫は黒い男達に怒鳴る様に問い掛けたが、薄笑いのような理解出来ない言葉が戻って来るだけだった。
　後から入って来た黒人達と先の黒い男が小声で何か言っているが、レイには何の事だか理解は出来なかった。
　それでも、この状況では、他の事が起こる訳では無い！

（そう、私をみんなで回そうって言うのね。）レイは薄明かりの中でに浴びせられる視線を感じて、察した。
　どう考えても、無傷で逃げ出す事は出来そうも無い。しかも、頼りの夫は縛り付けられているのだ。
　さっきの様な恍惚感をまた味わえるのかも知れない？・そんな考えもレイの頭を掠めて去った。
　この状況の口火を切ったのは夫なのだ。
　レイが自ら望んだものでは無いのは明らかなのだ。

　ここで、レイは（勝手にして。）と、思い、全裸の身体を再びベッドに投げ出した。
「Phoooo・！」黒人の一人がすぐにレイにノシ掛かる。
「Don't do it！・・・Stop it！」すかさず夫の声が響いたが、何の変化も起こるはずもなかった。
　全身の力を抜き去っているレイの顔を黒い顔の目が覗き込む、一瞬、レイの視線が黒い男の視線と出会ったが、レイは黒い男の視線を振り解く様に首を振った。が、そこには夫の視線が待っていた。（すまない。）と、言っているのか？（良いのか？）と、言っているのか？・・・・・無言の夫の視線にレイは見詰め合わせている事にした。
　自分が、今度こそ本当に犯されるのを、夫がどんな顔をして見ているのかも知りたいと思った。

　大の字に四肢を広げて横たわるレイの上の黒い肉体が手を延ばして、レイの左腕を撫でた。手を変えて右腕を撫でる。
　可能な限りに力を抜き、まるで羽毛の様に前肩から指先まで、静かに優しく、そしてゆっくりと撫でて行く。
　片方づつ両脇を撫で下げられ、乳房をねっとりとした分厚い唇が摺り、乳首には触れない様にその少し上を吸った。
（うううぅ。）レイは瞬きをした。
　全身を電流が駆け巡って行く。そんな事は悟られてはいけない。
　そんな事で感じるなんて思われるのは、レイの自尊心が許すはずもなかった。
　レイはジッとしたまま、その刺激に耐えた。

　まだ最初の黒人兵の残骸を残している淫孔に指先を静かに這うと、余韻が冷め切っていないレイの身体は心ならずもピクンと反応してしまった。
　レイの淫孔の周辺が充分に濡れている事を察知すると、黒い身体はレイにぴったりと密着し、黒い両腕が両肩を掴むとレイの上を摺り上がって行く。
　淫孔の入り口に圧力を感じる暇もなく、レイの身体が圧し拡げられて行く。

（ハァァァ〜！）レイは大きく口を開き息を吸い込んだ！
　そのいきり立った黒い肉塊が押し入ってで来たのだ。
　出来る限り反応を見せまいとしていたが、レイの身体は大きく仰け反り、夫からそらさないまま視線は白く輝いて霞んで来る。
　尻を力一杯ベッドに押し付ける様にして逃げているが、充分に過ぎる大きさの黒い肉塊が入り込んで来る圧力は、口を大きく開かせ、息の補給をさせる勢いが有った。
　レイに進み入って来る黒い肉塊にはその逃げた腰を追い詰めるだけの大きさが有った。
　脚を延ばした格好のままでは、まさか入って来るとは考えていなかった。
　夫も何回か試みた事が有ったものの、脚は広げているとは言え、ベッドに着いている状態で始めからその中に入り込むのは不可能だった。
（大きいって・・・こういう事なの！）
　しかも、前の一戦でその中に残していた粘液が押し出され、潤滑剤にもなって、レイの淫壷を一気に押し広げた。
　一瞬、レイは目を一杯に開き、目の前が白い光で被われ、身体の中が爆発した様にさえ感じた。自分と、自分の身体が引き剥がされた様な気がしていた。
　それは３分の１程を残して止まっていたが、レイの身体は既にはち切れそうだった。
　壷の底にまで強い圧力を感じ痛いかった。
　レイに入り込んだ黒い男も、そこは心得ているようだった。
　ちょっとの間、入り込んだ侭で動きを止めていた。
　レイは失神していた。　それはホンのちょっとの時間だったろう。
　数分の一秒に過ぎないかも知れない。
　それでも、この身体を圧し開くなんとも言えない快感の様な感覚と、それがもたらす痛みとで、自分を失っていた。

「レイッ！」夫の声にフッと我に返ったレイが両脚を裂く様に打ち込まれたクサビが何であるかを思い出した途端に、自律神経の防御が働いたのだろう。レイの淫壷に滑らかな液体が分泌されて、スッと楽になった。
　夫の視線にやっと答えて瞬きをした時、打ち込まれていたクサビがズズズズッと引き抜かれて行く。
　レイは目が細まり、内臓までも曵き出して行くのでは無いか？と思える引き抜きに耐えて、大きく息を吐いた。
　それは決して急いで引き抜かれたのでは無かったので、息が詰まりそうになっていたレイに充分に息を吐かせて、少しだけ落ち着きを取り戻させた。
　全部引き抜くと、また、同じ様にグググッと、押し込まれる。
「アアアアアア・・・！」それは心の中で叫んだ。声には出したくなかった。
　こんな暴漢達に、嗚咽を上げるなどレイの自尊心が許さなかったからだ。最初のと違って、レイの身体は次第に満たされる様に感じていた。それは視線を外さずにいる夫には目を通して伝わっている事だろう。

　この感じは何かに似ていた。
　ある時夫が持ち帰ったティルドゥーだった。
　夫のに倍もの長さと太さを持ったそれは中空になっていて、夫のモノに被せて自分の中に押し込んで来た事が有った。
　余りの窮屈感に、何も感じなくなる。と、拒否したあの感触に似ていた。

　大きいと思った。
　夫が選んだ男のものよりも確かにひとまわり以上は大きく感じた。
　数度のゆっくりしたピストン運動の後、黒い塊の動きが少しづつ速くなり一定のリズムを刻む様になると、壷底の痛みは徐々に感じなくなった。
　レイは我慢出来ずに身体を一杯に開き、ベッドの端を握りしめた。この握る力で、自分の感じている感覚を周りの男達に知られない様に押し殺すのだ。
（夫は私が感じ始めているのを察知しているのだろうか？　でも、出来る限りは冷静に表情を保とう。周りの黒人達には知られたくない。）レイの精一杯の抵抗だった。
　もうその全てがレイの身体に埋め込める様になると、一段と動きの早くなった黒い塊が急にその膨らみを増してレイの目が険しくなる。
　夫の目がレイの目から二人の接点に注がれ、大きくなる。
「Waooooooh ！ 」
　次の瞬間、黒い腰が一段と深くレイに押し付けられ、レイは身体の奥にドッ・ドッ・ドッっと、噴出されて来るものの感覚を感じた。
　蜜壷が風船の様に膨らまされるのを感じた。
「フウゥゥゥッ！」それは物凄い快感となって、レイの身体を駆け巡ろうとしたが、アゴを引き、奥歯を噛み、全身に力を込めて、その感覚を押し殺した。淫孔と黒い塊のホンのちょっとしか無い隙間からブッと、粘液が吹き出す。

「Fine！ You gat ！」レイの足の方から眺めていた黒い一人が叫んだ。
「No,She's ice ！.」レイにもたれ掛かっていた黒人が叫ぶ。
　かたくなに反応を押し殺したレイに業を煮やしたようだった。
　ゆっくりとレイに納めていた萎え掛かった塊を引き抜くと、粘液がレイとの間に糸を引き、すぐにレイの中から粘液が流れ出した。

「Hey！・・・Ferrows ・look this！」一人が夫の股間を指差していた。そこは今、余りの刺激に吹き出してしまったもので、夫の前が濡れていたのだ！

「あなたっ！・・・」それ以上は声に出来なかった。済まなそうに打つ向いていた夫がその声に目を上げる。　レイは今、救いの手が完全に無くなっている事を確信した。

「My turn ・・・」次の黒い男がレイを裏返した。両手が腰を引き上げ持ち上げて、ひざを突かせた。（後ろから入れる積もり？）レイにはこんな体勢で事に及んだ事はなかったが、一応はこんな体勢も有る事は知っていた。
（こんな格好でされた事無いわ。）
　夫にしても四つん這いで侵入を待つレイなんて見るのも初めてだった。
　またしても頭の中がカーッと熱くなった。
「ウウォォォォォ！」次の塊がレイに侵入を始めると、今度は小さいとは云え、声になってレイの口から吐き出されて行った。
　レイはまたしても頭の中から叩かれるような、異常な快感を感じていた。
　一瞬は目をつぶったが直ぐに視線を夫に向け（貴方がそんななら、私が楽しんではいけない理由が有るの？）心の中で夫に叫びかけた。
　それでも、レイの自尊心は、意に添わない訪問者に自分の快感を認める事には不充分な気がしていた。
　今、自分の淫壁から刺激を送って来る黒い塊は、決して自ら望んだものではない！しかし、この快感を、ただ押し殺しているだけなのはなんとしても惜しい気もした。
　レイの中で、快感と自尊心の戦いが始まったのだ。

　出し入れされる度にレイの淫口が、ゴリゴリと音を立てている気がする。
　沖縄を去った後、もう一生こんなモノには出会う事もないだろう。
　一瞬だけ、振り返って今、突き入れを繰り返す男の顔を見た。
　黒鬼とはこういう顔なのか！そんな思いが脳裏を掠めブルブルッと、頭を振ると夫に視線を戻す。
　なんと、夫はまたもや昂揚しているではないか！　濡れたままのズボンの前がパンと張っている。

　髪の毛を引き上げられた！
　目の前に黒い肉塊がそそり立っている。先端は夫よりちょっと大きい位だったが、それに続く部分が先端よりも太いのでは無いか？と、思える形だった。しかも長い！
　「Suck it！」地獄の叫びの様な声が聞こえた。
　瞬間的に首を振って逃れたが、髪の毛を引っ張っているのとは違う手が下から顎の奥を鷲掴み、指先に力を込めた。（痛い！）それは声にもならなかったが、もう、口を閉じては居られなかった。
　仕方なく少し開いてしまった唇にその先端が触ると力任せに押し込んで来た。のどの奥にまで突き込まれ息が出来ない！吐き気で咳き込もうとするのに頭を押さえている力は強すぎる。
　苦しさと屈辱感で涙が溢れ出す。
　咽の奥にまで先端が入り込んでいる。
　気が遠くなる。
　淫孔がまた風船の様に膨らまされるのを感じるとピンク色の光がレイを包んだ。
　同時に咽の奥にも生臭い粘液が吹き込まれるのを感じて、全身を鋭い電流が走り抜け、レイの全肢を引き攣らせた。
　全てが真っ暗な闇と変わり、視覚を始め全ての感覚が無となり、レイは重力さえも無い空間に放り出されていた。
　こんなにも全てが無の感覚は今までに覚えが無かった。
　
『また・、逝っちゃったの・わた・し・・・。・こんなの逝っちゃいけないの。・・・わたし・そんな・淫乱じゃない！』戻ってくる意識の中でレイは、自らの感覚を否定していた。
　それから何回黒い男達がレイの上で暴れたのだろう？・・・何回女窟を風船の様にされたのだろう？
　一度は、レイに精を噴き出した男も、再度、再々度レイに乗った。
　レイの抑えた反応に、征服欲に駆られ、きつく弾力豊かにまとわり付く美味な女壺に黒い男達は駆られた。

　何回も無重力の世界を漂った。
　既に逆らう体力も気力も、レイには残っていなかった。
　能面の様になったレイの表情は、とっくに感情を失っていた。

　数メートルしか離れていない処にいる筈の夫も、既にレイの視覚には捉えられなかった。
　必死で振るった両の腕も、比較するのさえ無理と思える黒く太い腕に対しては何の力も持っていなかった。
　力を振り絞っても、結果には何の差し障りも無い事が思い知らされ、無駄に体力を浪費する事を避けようと考えていた。
　しかも、一度は全力を振るってしまったために、全身、全ての筋肉が張り詰めた痛さを持ってしまっていた。

　強い締め付けを起こしたレイの壺筋も疲労困憊、既に僅かな力を出す事も出来なかった。
　肉壺も内壁は伸びるだけ伸ばされ、黒い男達が多少乱暴な挿し抜きをしても、始めの時ほどの痛さも感じなかった。
　ただ、出入りする感覚だけが伝わっていた。

　レイの女壺は、挿し抜きされる感覚はあるものゝ、もう、性的な感覚を全て放棄してしまっていた。・それはレイ自身の性的感覚の全てが閉ざされた事だった。

　黒い男達がレイを如何に扱おうと、もう、レイに性的な興奮を起こさせる事は無く、黒い男達はただ、生身のレイの身体を使っているだけで、ダッチワイフを抱いているのと何の違いをも見出せなくなっていた。
　始めには恐怖感を持った黒い鬼の肉棒も、今は勝手にレイにを出入りしているだけにしか認識できなかった。

「We had finely night！・・・」
「It was fantustic ・・・！」
「I gat three ・・・・・」　
　遠退いていく言葉にドアが閉められる音が重なり、その後には静寂だけが漂った。
　遠くに潮騒が聞こえるような気がした。

　全てが気怠さの中に埋もれていた。
　今はもう、指の一本を動かすのさえ億劫になっていた。
　何人もの黒い肉体からレイの身体の中に放出された白く濁った粘液も、今はシーツの上に吐き出されている。
　夫はソファーに縛られたまま力無くうなだれ、涙ぐんでさえいた。
　窓の外からは夜明け前の幽かな光が差し込み始めていた。
　部屋の中には、レイと夫以外の姿は全く見えなかった。
　夫は壮絶な性劇に、精の全てを抜き去られていた。
　ズボンの前立ての大きな白いシミが乾かされ始めていた。

「あなた・・・？」力無く、夫を見ながら胸を両腕で隠し、膝を閉じ、うずくまった姿でベッドに投げ出されていた、レイが呼び掛けた。
　夫、幸彦は打ひしがれ、顔を上げようともしない。

　やっとの思いでベッドから降り立つと、夫に近付き、ソファーごと身じろぎ出来ない様に縛られたロープを解いた。
　よろよろと立ち上がった夫はレイをきつく抱き締めると、改めて涙を溢れさせる。
　溢れ、流れ落ちる涙が幾筋もの涙跡を作った。
「済まない・・・・・済まなかった・・・。」
　夫にはそれだけが精一杯だった。

　沖縄旅行の残された日々をキャンセルして逃げるように帰宅した我が家。
　あの惨劇に、幸彦は如何にレイを愛していたかを思い知らされていた。あれから幸彦はレイを中心に物事を考えるようになった。・・・以前に増して優しくなっていた。
　夜の生活に幸彦からの要求が出ることは、全く無くなっていた。
　仕事と云えば何でも済ませられると考えていた、かつての遊びの全てが姿を消した。
　稼ぐのは『レイとの生活を守るためだ！』考え方の根本が１８０度変わっていた。

　暮れが近付き、晴れの日にも肌寒さを覚える日が数日続いて、得意先との商談が上手く行った幸彦は、いつもより数時間も早く直帰した。
　寝室のドアを開けた途端目にしたのは、全裸で・・・、あの強烈に嫌がった筈の大きなティルドーを右手に強く握り締め、激しく出し入れしているレイの姿だった。