「ねぇ、先生。　僕ともラブホ行こうよう。」
「バカなこと言ってないで、もっと勉強に集中しなさい。」
「いいなぁ・・・。先生の彼氏。先生のオッパイを好きにできて・・・。」
「いいから、早くこの問題を考えなさい。」
「ねぇ、先生って濡れやすい方？」
「あのねぇ・・・。口で言って分からなければ、叩くわよ！！」

　まったっく。この子はまだ１７歳のくせに本当に女に手が早くてＳＥＸにしか興味が無いような子。部屋に入ると彼女が全裸でベッドで寝てたことなんか一度や二度じゃない。しかも全部違う女の子。中には、どう見てもこの子より年上の社会人にしか見えない子もいる。まったく呆れてしまう。
　不運だったのは、私が男性とラブホテルから出てきたところを、この子に見られたこと。まったく、私の弱みでも握ったかのように生意気な口調で二言目には「僕ともやらせろ。」とても、勉強など教えるどころではない。

「おい、祐二。入るぞ。」
「あっ、オヤジ。あれオフクロも？」
「京子君。今日、長男から聞いたんだが、いよいよ結婚するそうじゃないか。おめでとう。」
「はい。ありがとうございます。今後ともお願い致します。」
「いやぁ、君が長男と結婚してくれて家内も喜んでいるよ。なあ、母さん。」
「本当にありがとう京子さん。」

　両親が部屋から出て行くと祐二がニヤニヤして嬉しそうにしている。
「先生、兄貴と結婚するんだぁ！！」
「そうよ、聞いてなかった？」
「じゃぁ、先生・・・。僕とラブホで会ったとき、一緒にいた人は浮気相手？」
　言うと思った。
「ねぇ、先生・・・。」
「ストップ！！　言わなくていいから。」
　この子がなにを言いたいか想像がつく。
「浮気してたこと兄貴に秘密にするから、やらせろって言いたいんでしょ。」
「分かっちゃう？」
「ちょっと卑怯な口説き方じゃない？」
「そうだけど、浮気してた先生には、俺を非難できないよね。」
　その通り。おっしゃる通りです。
「でも、祐二の言うことと、私の言うこと、どちらを信じるかしら？」
「言葉だけなら、もちろん先生。でも、携帯のこの写真があれば、俺の方が信じられるんじゃないかな。」
　やられた・・・。完全にお手上げ。もう、泣き真似しかない？
「もう、先生・・・。祐二を弟のように思ってたのに。そんなひどいこと言うなんて・・・。」
「先生、無駄。　顔が笑ってる。」
　芝居が通じるような子じゃなのは分かってる・・・。
「分かったわよ。やらせてあげるわよ。でも、今はお父さんもお母さんもいるから、今度でいいでしょ。二人だけのとき。」
「なんでだよ。オフクロとかオヤジとか関係ないじゃん。」
「だって・・・。テクニシャンの祐二に抱かれたら、先生・・・。きっとすごい大きな声だしちゃって部屋の外まで聞こえちゃうもん。」
「なに、かわいこぶってるんだよ。」

　そのとき、部屋の外から聞こえる声が、私を絶望の渦に叩き落とし観念するしかなくなってしまう。

「おーい。祐二。これから、お父さんもお母さんも出かけるから、一人でちゃんと留守番してるんだぞ。」
「あらら・・・。　先生、もうどんな大きな声を出しても大丈夫みたいだよ。」

　この子、さすがに慣れているっていうか、躊躇することなく私を簡単にベッドに押し倒してくる。私の方が圧倒されてしまう。
「ちょ、ちょっと電気・・・。」
「このままがいいよ・・・。」
　すぐに、唇を優しく塞がれ、私の気分をその気にさせてくる。祐二に抱かれるのが嫌だとは思わない。むしろ期待の方が大きいくらい。
「先生の唇、やわらかい。」
　少し舌ったらずな甘えた言い方が可愛くなってくる。祐二の頭を抱きしめる両手に、つい力が入ってしまう・・・。
「これが・・・、夢にまで見た先生のオッパイ・・・。柔らかい・・・。」
　キスに酔わされているまに乳房を弄ばれている。これから祐二に、体の秘密を全て知られると思うと、体が震え少しづつ逆らえなくなってくる。
「先生の乳首・・・。こりこりになってる。」
　祐二の指先と舌先が、また一つ、私の秘密を明らかにしてしまう。
「先生・・・。」
　乳首の愛撫に飽きたように、祐二の舌先が下腹部に向かって落ちていく。途中、途中で私を狂わせる余韻を残しながら・・・。
　頭を上げると、下半身は祐二にむき出してされている。着けていたものは足元に追いやられている。もう、最後の秘密を知られるのも時間の問題・・・。
「ゆ、祐二君・・・。」
　私の全ての秘密をを握られたとき、自然と祐二を君付けで呼んでいる。女の部分がこの子の実力を認めたらしい。嫌がっているのか、求めているのか微妙な声を出してしまう。
「もう、濡れてるよ先生・・・。」
　嫌がっていない。この子を求めている。それが証拠に両足を開き、自分から祐二君を受け入れてしまう。もう、心も体もされるがまま。悔しいけど逆らえない。
「先生、もっと良く見せて。」
　私の乳房から執拗に離れない手と、下半身で蠢く祐二君の舌先に喪だえ苦しんでいた私の体は仰向けに転がされてしまう。あん、もっと続けてほしいのに。
「ほら、お尻を突き出してよく見せてよ。」
　祐二君の手が私のお尻を叩いてくる。こんなこと、誰にもされたことがない。この子は負けを認めている私を更に屈辱的に責めてくる。もう許して・・・。
「先生、お尻の穴まで濡れて、Ｈになってるよ。」
　この子、まだ私を苛めるの？今まで経験したことのない被虐的な刺激が快楽の底から戻ることを許してくれない。
「あぁぁぁ・・・・。」
　一気に貫いてくる下半身の刺激が私を雌犬にさせる。飼い主に媚まで売って快楽を得ようとする雌犬に。私は、簡単に絶頂まで押し上げられてしまう。
「まだだよ。先生。最後は正常位だからね。」
　半分意識を失いかけている私は仰向けに転がし、祐二君は上から余裕の笑みを浮かべ
ている。恥ずかしい・・・。私は、両手で顔を覆う。いくら私でも、女の最後を年下の祐二君に見られれるのは耐えられない。
「先生、顔を見せてよ。」
　嘘、この子には分かっている。悔しいけど、両手を簡単に顔から剥がされてしまう。あとはもう何度も、何度も絶頂に追いやられ、先生ではなく雌犬であることを祐二君に知られてしまった。

　私が目を覚ますと、私は祐二君の胸に抱かれていた。まるで彼女みたいに。
「祐二君は、サディストなの？」
　祐二君の胸の中で最初に頭に浮かんだのがこの言葉。
「そうだよ。先生みたいに強気の年上の女性を落とすには、ちょっと変態的のほう好かれるんだよ。」
「なんで？年上の女はスケベだって言いたいの？でも、先生、祐二君の罠に、まんまとはまっちゃったみたい。」
「うわぁ・・・。先生のそういう弱気なところ初めてみた。すげ〜〜、興奮する。」
「先生、もう、祐二君の虜なんだから。なんでもするから捨てないでね。」
「先生、ちょっと言いすぎ。」
「あら、わかちゃった？」
　茶化さないといられない。虜になったのは本当に嘘じゃないから。
「祐二君は、まだ子供でしょ。残念だけど私を幸せにはできないもんね。」
「そうだけど・・・。先生を幸せにするのって何？やっぱお金？」
「もちろん・・・。」
「じゃ、僕が将来、兄貴以上にＢＩＧになったらどうする？」
「う〜〜ん。祐二君のお妾さんにしてもらって、捨てられないように必死で尽くしちゃうな。多分・・・。」
「えっ？　先生ってお金を持ってたら、僕にまで態度を変えるの？こわいな先生。」
「そうよ。それが、大人の女じゃない。もちろん、ＳＥＸも大事よ。」
「あはっ。先生は、お金とＳＥＸに弱いのかぁ・・・。」
「そうよ。単純で扱いやすいでしょ。」
「じゃ、俺のＳＥＸはどうだった？ＳＥＸは合格？」
「さぁ・・・。どうかしら。一度だけじゃ分からないでしょ・・・。」

　生意気な祐二君の態度に素直になっている自分が心地いい。私はこのあと、祐二君に散々狂わされ意識が戻ったのは早朝だった。この子の寝顔を見てると、ベッドの中で「ＳＥＸは合格」と散々言わされたことを思い出し余韻が再び込上げてくる。

　祐二君は、無事に大学の第一志望に合格した。でも、一年もしないうちにアメリカに留学してしまい音信不通になってしまう。私は祐二君のお兄さんと結婚して、彼の父親が経営する会社の秘書として二人を支えていた。
　でも、ある日突然、夫と夫の両親が事故で亡くなり、跡を継いだ私も経営に参画したが、会社はすぐに軌道から外れてしまう。業績が悪くなると他の役員は次々に辞任し、いつのまにか私が代表取締役に祭り上げられていた。

「もう限界。このまま資金繰りできなければ来月には倒産・・・。」
　私は涙を堪え必死に頑張ってきた。しかし銀行から手を引かれた以上どうすることもできない。私は、真っ暗な社長室のソファーで泣き崩れるしかなかった・・・。

「先生！！あっ、姉さんか。姉さん、ここにいるの？」
　脳裏に、まだはっきりと残っている懐かしい声。えっ？祐二君なの？電気がついて部屋中が明るくなる。
「姉さん、ここにいたのか。なんだよ、泣いてたのか？アイシャドーが落ちて、目の周りがすごいことになってるよ。」
　入口には確かに祐二君が立って笑っている。でも数年前の少年ではない。凛々しい表情をした立派な青年。
「辛かっただろ姉さん。でも、僕が帰ってきたからもう大丈夫だよ。」
　私は、祐二君に抱きしめられた。
「何が大丈夫なの？もう、この会社、倒産するのよ。」
「何だよ、姉さん知らないのかい？僕はアメリカじゃちょっとした有名人なんだよ。アメリカンドリームを掴んだ男って・・・。」
　祐二君がカバンから出したのは、アメリカで有名な経済誌。確かに写真入りで載っている。年商○○億ドル・・・。
「明日すぐに、僕の会社と姉さんの会社が業務提携することで、銀行から融資を頼もう。もちろん、僕の会社からも融資はするよ。」
　私は夢でも見てるようで声もでない。
「どうしたの姉さん・・・。ねぇ、まずは目の周りの化粧をなんとかしないと。一緒に、食事にも行けないよ。」

　私は頭が整理できないままフラフラとトイレの洗面台の前に立っていた。祐二君の言うように顔は悲惨。入念にメイクを直していると、もしかしてこれは夢で、部屋に戻ったら祐二君はいなくなってるんじゃないかと心配になる。メイクを済ませ、部屋に戻る足取りは自然と早くなってしまう。

「あっ、姉さん。こっちこっち。ここに座って。」
　入口に立つ私を可愛い笑顔で見ていてくれる。この笑顔は昔のまま。嬉しい、夢ではなかった。私が横に座ろうとすると、手を引っ張られ、そろえた両足の上に座らされる。私は自然と彼の胸に体を預けてしまう。以前より見違えるくらいの厚い大きな胸に・・・。

「久しぶりだな。食事の前に少し話しをしよう。」
「そうね。本当に久しぶりね。でも、話しをするのに、祐二君はなんで、私のブラウスのボタンを外していくの？」
　一つずつ、ゆっくりとブラウスのボタンを外される・・・。胸がドキドキしてくる。
「アメリカでは愛してる人と話しをするときは、こうするんだよ。知らなかった？」
「知ってるわよ。プレイボーイさん」
　私も、祐二君のドレスシャツのボタンを一つずつはずして対抗する。でも、祐二君の指がブラの隙間に滑り込んでくると手が止まってしまう。もう、何年も男性に触れてない体は、私のいうことすらをきかない・・・。
「綺麗だ。姉さん。」
「そんな、老けただけよ。でも、祐二君は素敵になったわ。」
「老けただなんて。昔にはない妖艶さが加わって、いっそう綺麗だよ。」
「嬉しい・・・。」
「ねぇ、姉さん覚えてる？」
「あっ・・・。な、何を・・・」
　指の動きに声が出てしまう。私はすでに、完全に祐二君に弄ばれている。
「お金とＳＥＸだよ。僕は地位も名誉も、もちろんお金も手にしたよ。アメリカで姉さんのことを思いなががら必死で頑張ったよ。」
「わ、私のため？」
　嬉しい・・。「もう、好きにして。私は貴方の物よ」心の中で絶叫してしまう。
「お金を得た僕に、姉さんはどうなるんだっけ？」
　祐二君の言葉と指先が私を苛めてくる。あのとき、虜にされてしまった感覚が体に蘇ってくる。
「祐二君に・・、す、捨てられないように・・・一生懸命に尽くすの・・・。」
「なら、明日から、僕の秘書になってもらって一日中尽くしてもらおうかな。」
「う、うん。　あぁぁぁ・・・。」
「ミニスカートで仕事してもらおうかな。僕はサディストで変態だからね。」
「は、裸だって構わないわよ。なんなら、祐二様って呼ばせて、また私のお尻を叩く？」
　私はたまらなくなって、祐二君の唇に自分の唇を押しあて、二人で夢中で舌を絡めあった。舌を絡めあう音が二人を獣にさせる。私たちは深夜までお互いを求め合った。

　祐二君は、ビジネスマンとして最高だった。私も秘書としてではなく経営者として祐二君を支え、会社のために必死に尽くした。そのかいあって、わずか数ヶ月で会社は軌道に戻り、それまで以上の収益を上げるようになった。
　そして、祐二君は私の中ではもう、「彼」という存在に変わっていた。「やらせろ、やらせろ」は昔と全然かわっていない彼だけど、呆れるどころか、そのたびに喜んで体を開いてしまう。ちょっとサディスティックな彼の性癖が、二人の関係にちょっとしたスパイスを加えてくれる。

「祐二さん、お帰りなさい。」
「おぉぉ！！先生に祐二さんって呼ばれるまでに俺は成長したか。ああ、感動だ。」
「バカ言ってないで。食事にする？お風呂にする？」
　彼と私は無事に結婚することができた。ちょっとバカなやり取りに呆れるけど、彼の兄とは無縁だった、新婚さんの「イチャイチャ」に、女としてすっかりはまっている。
「ここで、一発する。」
「はい、はい。玄関先でみっともないから早く上がりなさい。」
　会社と自宅では別人になる。家では、私を先生と呼んで昔のように甘えたいらしい。
「なんだよ。そのみっともない僕に毎晩、迫ってくる先生はなんなの？」
　今度は、プチサディストの夫の自尊心を満足させる番。夫の虜になった弱い年上の女を演じてあげる。
「だって・・・。貴方に捨てられたら生きていけないもん。」
「そうだろ。ここで、させてくれないと・・・。り・こ・ん？」
「い、いやよ。何でもするから、私のことをずっと守ってよ。」
「だったら・・・。」
「祐二さん、生意気な京子を後ろから犯して。ここでお仕置きして。お願い・・・。」
　私は彼に背中を向けお尻を突き出す。そう、私は全裸にエプロンをまとっているだけ。
「な、なんだよ。京子、お前やる気マンマンじゃん。」
　あぁぁ・・・。先生って呼ばれるより、名前を呼び捨てにされるほうが燃える。
「まさか、京子のアソコはもう、濡れてるんじゃないのか？」
「そ、そんなこと・・・。」
　私は、「じらさないで」と心の中で叫びながら幸せを感じていた。

（完）