夫が部下を家に連れてくるなんて珍しかった。
　よっぽど気に入ってるのね。
　精一杯、もてなしてあげなくちゃ。
　普段は夫とふたりだけの夕飯に腕をふるった。
「田村さん、彼女いるんでしょう？」
「いませんよ。まだ仕事だけで精一杯です」
「うそ、モテそうなのに」
「モテませんよ」
　照れてうつむく若い男性を見ているのは楽しかった。
　ちょっとからかうと顔を赤くして。
　ビールを勧めながら、わたしもだいぶ飲んでしまったみたい。
　夫は、ほとんど口をきかずに、部下の田村とわたしの会話を愉しんでいた。
「綾香、ちょっとこっちへきなさい」
「はい」
　歳の離れた夫との関係は、普通の夫婦とはかなり違っているのかもしれなかった。
　夫以外に、男を知らないわたしには、それもわかりようがなかった。
　いつも優しい夫が、命令口調になったときには黙って従うのが習慣になっている。
「全部、脱いでベッドに上がれ」
「……はい」
　そうして、わたしは両手首と両足首を縛られてしまった。

「綾香が飽きてきたみたいだぞ。なんとかしてやれよ、田村」
「課長……もう、勘弁してください」
「ハハハハ……」
　夫の楽しそうな笑い声が響く。
　後ろ手に縛られている肢体が少しでも楽になるように、横を向いて膝を曲げる。
　男の指を咥えこまされた秘部が、よけいにあらわになってしまう。
「奥さん、大丈夫ですか？　課長は言い出したらきかない人だからなあ」
　奥深くまで侵入していた指が抜かれる。
「んんっ……はぁ……」
「すごい……奥さん、すごいですよ。ドロッとした透明な液が大量に出てます」
　田村が、指に液体を絡めているらしい。
「尻まで、こんなに濡らして……」
　ごくん。
　田村のノドが音をたてた。
「あっ……いやっ……」
　わたしの蜜液で濡れた男の指がクリトリスを包皮の上から強く押す。
　縛られて足を開くことができないのがもどかしい。
　尻のほうから、手探りでいじられているクリトリスは、ときどき包皮が剥ける。
　直接、指でこすられると、強すぎる刺激が痛い。
「痛っ……」
「すみません、奥さん」
　田村の指がわたしの肢体から離れていく。
「これなら、痛くないでしょう」
「ああぁあぁ……っ……あぁあっ……」
　じゅぷ、びちゅびちゅっ……じゅるじゅる……。
「綾香、若い男の舌は、どうだ？　いいか？」
「はうっ……んぁあぁあ……」
　夫の声が聞こえると、よけいに高まってくるのを感じた。

「あなた……おねがいです……もう……」
「しかたがないやつだな」
　笑いながらベッドに上がった夫のファスナーを歯で引きおろす。
　両手が背中で縛られていて不自由だけど、わたしは夢中だった。
　ブリーフの上から咥えた夫のペニスは、すでに勃起している。
　布ごしの感触では物足りなくて、口を使って脱がせようとしてみるけどうまくいかない。
「なんだ、綾香は、これが舐めたかったのか」
　夫がブリーフをずらすと、怒張したペニスがあらわになる。
「あぁ……」
　大好きな夫のペニスが、赤黒く怒張してわたしの頬を打った。
　傘の張った大きな亀頭をほおばる。
　同時に、田村の舌が、膣内に侵入してくる。
「んふ……」
　手を使えずに口だけでペニスを愛撫するわたしの両肩を、夫の手が支えてくれた。
　口からはずれて、ぶるん、と揺れるペニスは硬度を増していた。
　支えなくても、やや上を向いている。
　わたしはふたつの袋を交互に口に含み、丁寧に口内で転がした。
「ん……綾香、いいぞ」
「奥さん、こっちは、どうです？」
　舌で膣壁を撫で上げられて、腰に震えが走る。
　田村さん、舌が長いのね。
「んんっ……いいっ……」　

　手首と足首を縛られたまま四つんばいになっているのはつらかった。
　でも、快感のほうが強くて、わたしは黙って夫のペニスに奉仕した。
　裏筋を舌先で舐め上げる。
　カリの深い溝を丁寧にぐるっと一周する。
　舌先を尖らせて、鈴口をツンと突付くと、夫が武者震いのように震えた。
「綾香……」
　夫の顔を見上げて、濡れた唇を舌で舐める。
　そのとき……。
「あああっ……田村さんっ……」
　わたしの秘部に顔全体を押つけた田村が、長い舌でクリトリスを舐め上げた。
「いやあぁ……っ……」
　夫の部下の顔に、尻のあいだを押しつけながら、わたしは果ててしまった。
「田村の舌は、そんなによかったか、綾香」
「奥さん、イッてしまったんですね」
「ああん……恥ずかしい……」
　恥ずかしさのあまりに、夫のペニスを強く吸い上げてしまう。
「こらこら、綾香、やめないか」
「課長も、イッちゃいますか？」
「このくらいで、イクもんか。それより田村、おまえのほうはどうなんだ」
「どうって？」
「舐めるだけでいいのか」
　ごっくん。
「綾香に、挿入れてもいいんだぞ」

「課長、この、足首の縄、ほどいてもいいですか？」
「そのままで、挿入らないのか」
「無理ですよ」
「しかたないな、ほどいてやれ」
　足首の戒めが解かれて、田村が膝を割って背後に迫る。
「これは、ひどいや。奥さん、びしょびしょですよ」
　言われなくても、腿を伝わる濡れた感触でどうなっているのかわかってる。
「バックから、いいんですか。課長」
「ああ、思う存分やってくれ」
「それじゃあ、遠慮なく」
　まだ見ぬ田村のペニスが、濡れた膣口にあてられる。
　ぬるっ、と滑った亀頭は、熱を孕んで熱かった。
「あなた……」
　夫以外の男に犯されることに不安を感じて見上げる。
　優しい笑顔の夫が、大きな手のひらでわたしの頭を撫でてくれる。
「綾香、おまえの口で、イカせてくれるね」
「はい、あなた……」
　夫のペニスを咥えようと下を向いたわたしの秘部に、再び田村が挑んでくる。
　がっしりと両手で尻をつかまれているので逃げられない。
　指と舌で、ドロドロに溶かされた秘部は、熱い田村の亀頭を簡単に呑み込んだ。
　ずぶずぶずぶずぶ……。
「ああぁぁあっ……」
　一気に挿入れてきた田村のペニスは思っていたよりも長かった。
　奥まで収まってしまうと、先端が子宮口に届いている。
「田村は、馬並みだからな。綾香、大丈夫か？」
　夫の声は、わたしを心配しているようではなくて、愉しそうだ。
「奥さん、動いていいですか」
　声も出ずに、カクカクうなづくわたしの口に夫が自分のペニスを押し込んできた。

「たむら、さんっ……だめっ……」
　田村は、若さにまかせて、力強く腰を前後に打ちつけてくる。
　馬並み、とからかわれた田村のペニスは長くて太い。
　夫にフェラチオする余裕なんて、まったくない。
「ひぃぃい……いやぁ……っ……」
　悲鳴をあげて逃げようとするわたしの尻を田村の手ががっちり押さえる。
「課長の奥さん、すげえ、締まりがいいっすね、たまんねえや」
「いいだろ」
「課長がうらやましいっすよ。毎晩こんないい思いしてるなんて」
「毎晩は、してないさ」
「してないんすか？　もったいないなあ」
　わたしの背中の上でかわされる課長と部下の会話。
　田村の口調は、さっきまでの丁寧なものとは違っている。
　これが普段の田村なのか。
「ううっ……締まる……」
「なんだ、田村、もうおしまいか？」
「まだ、まだっすよ」
「あやしいもんだな」
　激しいけど単調な抽送に慣れてきて、夫を咥える余裕ができる。
　部下に妻を犯させていることで興奮しているのか夫のペニスは怒張している。
　それを深く咥えこんで、唇で愛撫した。
「おおっ……綾香っ……」
「へへ……課長も、若いっすね」
「ば、ばかやろう。上司に恥をかかせるな」
「えっへっへ……課長、お先にどうぞ」
「若造に、負けてたまるか」

「あなた、手首の縄をほどいてください」
「このままでいいだろう？」
「ずるいですよ、課長」
「なにが、ずるいんだ？」
「そうですよ。あなたはずるいわ」
　田村の馬並みのペニスが、わたしの膣壁をこすりながら最奥を突く。
　わたしの舌が夫の怒張を舐めあげる。
「うっ……」
　夫がうめき声を出した。
「先にイッたほうは、次は見学だって言ったのは課長じゃないっすか」
「そうですよ。あなた」
「なんで、綾香まで田村の味方をするんだ」
「だって、あなたがフェアじゃないから」
「あっ……奥さん、そんなに締めつけちゃだめだってば……」
「田村さん、イキそうなの？」
「イッていいぞ、田村」
「まだ、まだ……」
　動きを止めてこらえていた田村が、ゆっくりと抽送しながら手を伸ばしてくる。
「ああぁっ……イッちゃう……」
「田村、なにをしたんだ」
「クリをいじっただけっす」
「ああぁん……いやあぁ……」
「若造のくせに、そんなテクニックを使うな！」
「課長のくせに、こんなことも知らなかったんですか」
「くっそー！　綾香、もっと締めつけてやれ」
　夫の命令に従うのがクセになっているわたしは反射的に膣をギューッと締めた。
「あっ！　ヤバっ……」

　田村がイキそうになったのを感じて思わず膣の締めつけをゆるめてしまう。
「ふぅ……危なかった」
「なんだ、田村。イッたんじゃないのか」
「そう簡単にはイキませんよ」
　わたしがゆるめたおかげでイカなくて済んだのに。
「田村さん……もっと……して……わたしを……イカせて……」
「お、おくさん……」
　ごくん。
　再び田村が生唾を飲み込んだ。
　田村のピストン運動に合わせて、尻を動かす。
　逃げようとする田村のペニスを追って、深く咥え込む。
　しだいに田村は口数が減り、夢中になって腰を振った。
「あなた……」
　夫の袋を両手で包み込んで、揉む。
「あっ、おまえ、手首の縄をどうやって解いたんだ」
「自然に、解けたの……ふふふ……」
　片手で玉をころがしながら、もう一方の手で茎を掴む。
　上下にこすりながら、亀頭を口に含んで吸い上げる。
「おぁっ……あ、あやかっ……」
　田村が思い出したように、クリトリスをいじりだす。
「ああぁあっ……たむっ……さっ……」
「奥さん、締まるっ……あっ……いいっす……」
　田村が思いっきり奥まで突っ込んで、わたしの尻を揺する。
　馬並みのペニスが膣いっぱいに膨れあがる。
　尻を田村に押しつけると、子宮口に熱いほとばしりを感じた。
「ううっ……」
　同時に、夫のペニスの先を強く吸う。
「おおっ……綾香っ！」
　口の中いっぱいに夫の出した精液を受ける。
　膣のなかで暴れる田村の若いペニスを感じて、わたしも極まった。
「あぁーっ……いいっ！」
　誰が一番早かったかなんて、わからない。
　けど、明日の晩ご飯も三人分用意しておいたほうがよさそうね。

（完）