前編


　本日は夕方からゆっくりお食事の予定。
　でも・・・
　午前中に彼から電話。
「7時からの会合に出なきゃならなくなって。」
「そうですか。残念ですけど、仕方がないですわね。」
　いつもの事。もう慣れてます。お互い仕事第一。これ鉄則です。
「でもね、それまで午後空けられるんだ。予定入ってる？」
「ええ、一つ入っているのよ。」
「それ、何時に終わるの？その後は？」
　珍しく彼が引かない。
　本当はもう一つ片付けたい仕事があるけれど、フリーランスで私は仕事をしているので、なんとかしようと思えばなんとかなる。

　けれど・・・今日中に片付けたい。
　でも、彼と逢いたい気持ちが勝って言ってしまう。
「何とかなると思いますけど・・・」
「じゃあ、終わったら電話くれる？」
「いいの？オフィスですよね。」
「ああ、大丈夫だよ。」
「分かりました。後ほど。」

　午後の予定が思いのほか長びいてしまった。
　急いで彼に連絡を入れる。
「ごめんなさい。長びいてしまって。」
「終わったの？何時頃時間取れる？」
「早く逢いたい？」
「何言ってんだよ。」
「早く逢いたいのなら大急ぎで向かいますけど。」
「ばか言ってんじゃないよ。何時なら平気？」
　あくまでも自分からは「逢いたい」と言わない彼。

　仕方がないわ。折れましょ。
「そちらは早くて何時ごろなら大丈夫ですか？」
「俺は早くて3時半なら大丈夫かな。」
「わかりました。どうしたらいいかしら。どこで待ち合わせします？」
「うーん。時間的に一番無駄がないのは、会社に来てくれることかな。」
「えっ!!会社？大丈夫なの？」
「仕事で来てるんだから大丈夫でしょ。」
「ええ・・・そうします。では後ほど。」

　用事も無いのに彼のオフィスに私が行って大丈夫なのかしら？怪しまれないかしら？
　そんな疑問が頭をよぎる。

　彼のオフィスに行くと彼以外だれもいなかった。
「今日はみーんな出払っていてだれもいないんだ。」
　成程。
　彼は既にすぐに出られる状態に上着と書類バックを用意していた。
　ホラ。早く逢いたかったんじゃない。もう。
「こんな事でもないと出来ないよ。用事が入る前に出よう。」

　雨が激しく振っている。
「この天気いいね・・・こうしていても雨で送って行くって雰囲気でしょ。それにみんな傘さしていると見えないし。」
　信号待ちの車で彼が言う。
　人目を忍ぶ関係の私達。
　そう、雨は私達を隠してくれる。

　今日は「どこ行きたい？」がない。
　いつもなら、私に「二人だけになりたい」って言わせるのに。
「●●の××ホテルで会合だからそっち方面に行くよ。いい？」
「お好きなように。」
「何だよそれ。」
「最近、私わがまま放題でしょ。図に乗りすぎてるし、悪乗りしすぎてるから、原点に戻ろうかと思うの。」
「原点って？」
「言われる通りに、○○さんの言われるがままにって事。」
　パターン化するのもいやだし。たまにはこんなのも。
「そっか。」

　雨・夕方で渋滞の中、時々話が途切れワイパーの音だけが響く。
　これから向かう淫靡な世界への期待感のドキドキが彼に聞こえそう。

「ここ、凄い人気らしい、ラブホテル業界関係者が見学に来るくらいなんだって。」
　確かに駐車場には車がたくさん。
「列を成して待つらしいぜ。入れるかな・・・えーッ、一つしか空いていないよ。危ないところだったぜ。」
　ヨカッタ・・・

　お部屋に入るけど・・・
「見たところ、普通ね。どこに人気の秘密が隠されているかしら。」
「う〜ん。もしかしたら他の部屋はすごかったりして。」
「はずれって事？でも・・・一緒だったらどこでもいいわ。」
「んふ。まぁね。」

　軽くビールで乾杯。
　シットリしたいところで彼の携帯が邪魔をする。
　まぁ就業時間内ですからね。当然といえば当然。

　やっと終わり、私は堪えきれずに彼に抱きついた。
　言葉は言わない。背中にまわした手に「逢いたかった」を込める。
　彼の抱きしめる手からも「逢いたかった」が伝わる。
　しばらくじっと動かずに抱き合う。

「お風呂入ろうか。」服を脱ぎ始めるとまた携帯が鳴る。
　話しながら彼は一人でどんどん服を脱いでいく。
　まるっきり私の存在がないかのようにビジネスの話をしている。

　もう・・・。
　私はバスルームのドレッサーの前で仕方なく一人で脱いで髪をアップにする。

　LHにしては狭いバスタブ。
　向かい合っても抱きつくすき間もない。
　バスタブの縁に捕まって彼に覆いかぶさる。
　唇を重ねる。
　柔らかい彼の唇が首筋を通って胸に移動する。

　ワザと音をたててしゃぶる彼。
"ジュルジュル・・・チュパッチュパッ・・・ペロンペロン・・・"
「うふふ。音が凄くイヤらしいわ。」
「ねぇ、ますます肌、白くなってない？」
　彼が私の胸をもみながら聞いた。
「そう？hiと比べてるからじゃないの？」
　一年中真っ黒な彼。色白の私。腕を絡めるとミックスソフトみたい。
「いや、白くなってるよ。そんな感じ。何かしてるの？」
「どうして？」
「ホラ、腕とかはさ、この時期になると日に当てないから自然に白く戻るだろ。でも、胸とかはそうじゃないからさ。」
「そうよ。ちょっとね。」
「オンナの人はイロイロ大変だね。」
「ええ、イロイロ磨くのよ。」

　彼とお付き合いするようになって特に肌の色、艶、ハリに気を使うようになった。
　彼にはベストな状態で触れてもらいたい。
　私達は非日常の世界で逢っている特別な関係だから、特別な私を彼に差し出したい。

　狭いバスタブの中でキスをして体をまさぐり合う。

「ふぅ〜。熱くなった。」
　彼がバスタブに腰をかける。いつもの私ならここで彼のモノにしゃぶり付いてフェラチオをしてしまうけど、今日は「やって」と言われるまで何もしないつもりなので、ぐっと我慢。

「あがろう。」
　彼がシャワーで体を流す。
「このシャワーすごい気持ちいいよね。」
「ええ、何ていうのかしら、シルキータッチとでもいう感じ。優しい水圧なのよね。」
「ふふ、アソコにあてると気持ち良さそうだぜ。お尻向けて。」
　私は後ろ向きになってバスタブの縁に手を付けてお尻を高く突き出す。
「お好きなように。」
　シュワーという感じで当たる水圧が本当に気持ちいい。
　お湯なのに温かい風が当たっているみたい。
　上へ下へ彼が秘部にシャワーを撫で付けるように当てる。
「ああ〜ん。気持ちいいわ。ちょっと変な感じになっちゃうけど。」
「んふ。この位にして、さぁ出よう。」

　お風呂から上がり彼はビールをもう一缶冷蔵庫から出した。
「もっとアルコール飲まなきゃ、恥ずかしくていやらしいこと出来ないな。」
「酔った勢いで？」
「あははは・・・。」
　湯上りに冷たいビールが美味しい。

「今日は何にしようかなぁ。ここもイロイロあるぜ。」
　彼が自販ボックスのアダルトグッズを選び始めた。

「あのね。一つだけお願いしたいんだけど。何もない小さいのがいいの。ある？」
「あるよ。イロイロイタズラできるから？」
「ふふ。シンプルなのがいいの。」
　彼はシンプルなローターを取り出した。

　ヘッドボード側に足をむけてうつ伏せになっている私の腰をあげて彼が顔を埋めてきた。
　舌をいやらしく動かし蜜壺を舐め上げる。
「あぁ〜ん。溶けちゃうわ。」
"ジュブジュブ"と舐め"ちゅーッ"とクリトリスを吸い上げる。
「あぁぁぁぁ・・・感じるぅ・・・。ステキすぎ・・・。」
　感触といやらしい音に蕩ける。

　彼の指がジュンジュンと濡れている蜜壺の中に入る。
「あぁ・・・ここが凄くいいんだ。上のザラサラと下のザラザラ。ギューッと締まって気持ちいいところなんだ。」
"ぐちょぐちょ"と音をたてて蜜壺の中をこね回し、壁伝いに指を前後に出し入れをする。
「あぁ〜ん。ぐちゃぐちゃになっちゃう・・・。」
「あぁなってるよ。いやらしいお○○○だ・・・。ローター使うよ・・・。」
　彼はローターを尾てい骨に当たるか当たらないかのスレスレの所に降ろし、ゆっくりと下に移動してくる。
　コードを持ってヒダをじわじわ触っているのが分かる。
　蜜壺から愛液があふれてくる。
「あぁもぅぐっしょりだ。Ｈだー。クリトリスはどうかな。」
　クリトリスのベールを剥かれ直接ローターで刺激される。
「あぁぁぁぁ・・・んふぅ〜。エッチィ・・・。」
「いいよー。お○○○がヒクヒクしてきた。入れてあげよう。」

　彼はローターにコンドームを被せ、蜜壺にヌッポリとローターを当てた。
「さぁ入れるよ・・・ほうら、お○○○が吸い込んで行くよ・・・。あぁ見えなくなった。」
　蜜壺の中でローターが唸っている。
「よし、このままの状態で・・・俺、電話一本入れとかなきゃ。」
　えっ放置プレイ？ちょっと・・・そんなぁ。

「あっ、俺。どうなった・・・・」
　本当に社員に電話を入れている。

　ビジネスの顔になっているけれど、下半身はいきり立っている。
　そのいきり立ったモノをフット側で打つぶせになっている私の目の前に突き出した。
　彼は立ったまま電話をしながら、フェラチオを要求。
　もう、電話できないようにしちゃう。

　蜜壺にローターを入れられたままの私は、彼のモノを思い切り喉まで入れ込みしごいた。
　頂上をチュパチュパ音をたて舐める。
　彼の表情が溶け始めている。それでも会話は平静を装っている。
　裏筋をレロレロと舐め、カリの部分を舌を硬くしてチロチロさせる。

　まだ、電話は終わらない。・・・もうっ!
　口の中にすっぽり入れ、激しく出し入れした。

　電話が終わる。
「うわぁ〜もうダメだ〜。気持ちよすぎるぅ〜。」
　彼は我慢していた声をすべて出し切った。

「もう、気持ちよすぎるんだよー。」
　彼がうつ伏せになっている私に覆いかぶさってきた。
「もう我慢できないよ。」
　私の蜜壺に入っているローターを外しズブッと入ってくる。
　後ろから優しく抱きしめ、ゆっくりグラインドさせ、気持ちを鎮めている。

「ふぅ〜。落ち着くなぁ・・・こっち向いて。」

　仰向けになった私の秘部に彼はローションを塗る。
　クリトリス、蜜壺、そしてアナルにも。

　コンドームを被ったローターのスイッチを入れアナルに当てる。
「あっ・・・。」
「入れるよ・・・。」
　抵抗無くローターがアナルに入る。
「あぁぁぁ・・・・ん。」
　アナルにローターが入ると、蜜壺からは彼の侵入を待ち望むようにジュワーと愛液が溢れ出す。
　彼がズブズブズブとゆっくり感触を楽しむように蜜壺に入ってきた。
「うわぁ・・・いい・・・っ。」
　薄い壁一枚を隔てたローターの振動が彼のモノにも伝わっている。
「すごっ・・・ビリビリする・・・・痺れるぅ・・・。」
「そんなに？電気何とかみたい？」
「比べものにならないよ。あぁ・・・うっ・・・締まるぅ・・・。」
　彼は腰を激しく前後に動かしてくる。
「ひぁん・・・あん、あん、あん、当たるぅ・・・hiのが・・・当たるぅ・・・。」
　巧みに腰を動かし、蜜壺の中をかき回す。
「あぁぁぁぁっ!hiっ〜。すご・・い・・・気持ちよすぎー。」
　私はシーツを掴み爆発しそうな快感に耐える。
「あぁ・・・・いいよ・・・。エッチすぎるよ〜。」
　彼は息を荒くして更に奥深く侵入させて突いてくる。
「あぁぁぁぁ・・・・あぁん・・・突き抜けちゃう〜!」
　恐ろしいくらいの快感に襲われる。

「後ろ向いて。」
　彼の言うとおり私は四つん這いになって腰をあげる。
「お尻からコードが出ている・・・いやらしいなぁ。」
「恥ずかしいこと言わないで・・・。」

"ズブッ"
　彼が全力で突き上げる、
"ズン、ズン、ズン、ズン"
　更に更に私の声は大きく叫び声となる。
「イヤっ・・・・あぅっ・・・あぁんっ!ダメぇ〜もう、ダメぇ〜!」
「イクよ。背中に出すよ。出したらフェラチオするんだよ。精液ついたままのを・・・。」
　お清めね。
「いいわ。何でもするわ・・・きて、きてぇ・・・」
　勢いよく彼のモノが蜜壺から飛び出した。
　でも、その強い反動で彼の液体が背中を飛び越して私の髪の毛まで飛んだ。
「あっ、ごめん。勢いよすぎちゃったよ。こんなところまで飛んじゃった。大変なことになっちゃった。」
　お清めどころではない。あわてて私の髪の毛についた液体をふき取る。
　二人共急に現実に引き戻され、笑い合う。

「トリートメントなら許せるけど・・・。」
「ばか言ってんじゃないよ。お風呂行こう。とってあげるよ。」

　お互いのヌルヌルベトベトをシャワーで流しバスタブに入る。
「俺、さっき白目向きそうになっちゃったよ。ふら〜っともう別の世界に行く寸前だったぜ。」
「凄かったわ。これと同じモノとは思えない。」
　柔らかくなっている彼のモノを握る。
「私はこっちの柔らかいのも好きよ。可愛くって。」
「可愛いって、なんだよ。」

「男はいいよな。イク時ははっきりしていて。出してすっきりだもんな。」
「そうよね。オンナの場合は難しいわ。イケナイ時は全然だし、イクく時はザップーンなのよ。」
「何それ。」
「こう、波が引いていってね、来るわ、来るわ・・・で津波がザップーンって感じで果てるの。」
「ザップーンか・・・。そうみたいだね。」
　ずっと握っていた彼のモノが固くなってきた。
「ふぅ〜。回復したみたいだ。上がろうか。」