１

　　夜の公園で、二人はベンチに座ってる。私の首には赤い首輪。私は下着はつけることを許されず、二人で黙ってまだ蕾が固い桜の木を見ている。

　・・・私はマゾ。

　私の乳首は既に変化をしていて服の上から明らかにそうとわかる。口は半開きで上目遣い。あごを上げ、もの欲しそうな目で、これから何が起こるか様々な想像をしながらじっと待っている。桜の木を見ている。

　彼は時として恋人で時として私の主となる。

　じっと黙っている年下の恋人はいつしか主様に変化していて、それが私に伝わる。さっきまでの優しい恋人んじゃない顔つき。私は桜の樹の枝なりをみては女がお尻をつきだしている姿をそれに見たり、幹にくぼみを見つけてはアナルを想像する。

　あぁ、早く触れてください。私をこのままにしないで・・・

　悪いことを想像しては自分の奥から湿ってくるのがよくわかる。だけど、今日はいつもと違う・・・アツイ・・・もしここで主様に触れられたなら・・・きっと驚かれるでしょう。まだ何もしていないのに、想像だけでこんなになっている私を・・・きっとお前はいやらしい女だ、と口元では笑って目は鋭いままで諭される・・・・・だけど私はそこまで自分をコントロールできないもの・・・それに私はほんとにいやらしい女です。
　主様のおっしゃるとおり・・・朝つけた彼のお気に入りの香水の香りが、今はかすかにしか感じられず、今はもうあの匂い・・・むぅーっとした貪欲なメスの匂いに香水の香りはかき消されて、それはきっと彼にも届いているはず・・・主様はきっとお気づきのはず・・・私の中がこんなになっていることを。

　おもむろに・・・主様が私の片膝をぐいっと持ち上げる。ブーツのかかとをベンチに預け、私の秘密の部分を風が通り過ぎる。思わず吐息が漏れる。私のあの部分は無防備に空気中にさらされることになった。誰に見られることもないのだろうけど、もしかして・・・という気持ちが脳裏を掠める。

　主様は「どうなってる？自分で触ってごらん？」私は言われたとおり、触らなくても分かるのに、触ったらどういうことになるか分かるのに、指示に従う。

　予想通り・・・じゃない予想をはるかに通り越すくらい、私の中のいやらしい液体がスカートにシミをつけるくらい広がっている。

「どうして・・・・」私は自分でそう思う。

　主様は股間にうずめていた私の右手をつかみ、私の目の前へ・・・

「どうなってるんだ？言ってみろ」

「濡れて・・・・いっぱい濡れています・・・」

「そうだな、こんなにいやらしい汁をいっぱいたれて、糸まで引いて・・・僕はまだ何もしていないよ？お前は想像だけでこんなになってしまう淫乱な女だ。いつも男のモノをくわえ込みたいと思っているんだろう？」

「違います！・・・」

　主様は私のブラウスのボタンを乱暴にはずされ、私の右手をとってすっぱい匂いのする液体を乳首になすりつける。ねとねととした感触と匂いで私は我慢できなく、自分の乳首を弄ぶ。

「思い切りひっぱるんだ」

　主様に言われ引っ張る私。だけどどうしても加減をしてしまう。

「もっと！」といって主様はご自分で私の乳首をちぎれるかと思うほど思い切り・・・

「あぁー・・・」悲鳴に近い私のあえぎ声が公園を通り抜ける。

「静かにしろ！お前はいつもそうだ声が大きい！いつも言ってるだろ！」と仰って、私の頬をつかむ。そして左手で私のあごを押さえて上に引き上げ、

「今度大きな声をだしたら、もうやめてやるからな」と仰り、もう片方の手で私の溢れかえった壺からいやらしい液をすくいとり、ねっとりと私の顔に何度もなすりつける。

　私は自分の恥ずかしい匂いと主様の言葉で五感がさらに刺激され、自らもっと股を広げる。開いたアツイ壺に冷たい風はよく合う。
　私は主様の目を盗んで、一番気持ちがいい場所をこすって、怒られているのに、壺からはさらに蜜をだす。そしてもう声はださないと、目で主様に承諾の合図をする。

　主様は私にお厳しい。声が大きくもれてしまったときには容赦がない。だけど私はいつも大きな声を出してしまっては怒られている。声をださずに誉められるより、声を出してしまって、怒られるほうが好きなのだ。
　怒られて顔をゆがめられ、息が詰まるほど押さえつけられたときには、私は更に恍惚として悦びに浸ることができる。

　自分の突起した部分に中指を這わせ、今言われたばかりなのに、もう切ない吐息を漏らしてしまう私だった。私の指の摩擦はさらに激しくなり、喘ぎ声は高まった。私は主様の冷たい視線を感じながら、「い・・・いきそうです・・・いかせてください・・・」と許しを請う。

「イケ！」主様はおっしゃり、私は主様に見守られたまま体をのけぞらせ、股を晒したままあられもない姿で・・・

「あぁ・・・い、いきますぅ・・・あぁーー」

　主様にしがみつきながら、果てた。主様は冷たく「お前は淫乱女だ。どんなところでも誰が見ていても簡単にイッてしまう」と思わせぶりなことをつぶやき、どきりとさせた。　私はそのときはじめて主様以外の視線を感じた。

つづく