僕は今、大学４年です。自分で言うのも変ですが、すごくまじめな方だと思います。中学、高校と勉強だけを、本当にまじめにやってきたと思います。そのせいか、希望の大学に落ちてしまった最初の年、浪人して希望の大学を目指すと言った時、家族は誰も反対しませんでした。むしろ、僕なら当然そう言うだろうと、みんな思っていたようです。
　そのせいかどうか、僕は今まで女の人にはあまり関心がありませんでした。
　というか関心がないというのは嘘です。付き合った女の子はいますし、セックス高校１年の時に経験しました。けれど、女の子とは、一緒にいてもどう付き合っていいのか分からず、気を使って緊張するだけで、あまり楽しいと思ったことはありませんでした。
　セックスも同じです。初めてのセックスは、とても興奮はしましたが、正直言って、ただ疲れるだけで、射精の瞬間もけして気持ちがいいとは思いませんでした。相手の女の子も初めてだったので、キスをして、愛撫をして、挿入。挿入したのでピストン、最後はコンドームをつけて射精という感じで、ずっと次の手順を考えていました。実は、その手順の中にはフェラチオも入っていましたが、フェラチオをして欲しいと言う勇気がありませんでした。
　その女の子とは何度かセックスをしましたが、結局、最後までフェラチオなしで終わってしまいました。
　
　そんな中で、知美さんのような人が僕の義理の姉さんになったなんて、正直言ってって、すごく戸惑いました。
　兄は、僕と違って、社交的で話も上手なので知美さんのような人と知り合いになっても不思議は無かったのですが、まさか僕の姉さんに、僕と性格が１８０度も違う人がなるなんて。
　最初、僕は知美さんを避けるようにしていました。嫌いというわけではなく、今までそういうタイプの女の人と親しく話したことなど無かったので、どう付き合っていいのか分からなかったのです。しかも歳が僕と同じだけど、彼女は社会人で、大人です。僕も、自分が子供だとは思っていなかったけれど、僕の中では、働いている人＝大人、と言う方程式がなんとなくあるのです。
　しかし、何より、一番戸惑ったのは知美さんのファッションです。
　家にいるときにはいつも小さめのTシャツを着ていて、へそや背中が必ず見えます。胸も、どのくらいのサイズか分かりませんが、けして小さい方ではなく、歩くたびに大きく揺れます。
　ブラジャーも透けて見える色が、赤とか紫とか黒とか、僕が依然付き合っていた彼女はけしてつけなかったようなものを身に着けています。
　それに、ローライズのジーンズを履いていて、しゃがんだり、腰を曲げるとTバックのパンツ、というかお尻が見えるのです。
　また、お尻の幅が、すごく大きく見えます。基本的に体は細い方なので、サイズ自体は大きくないのだと思いますが、くびれた腰の部分との対比ですごく目立ちます。
　一緒に買い物に出る時などは、本人はまるで気にしない人なのですが、周りの人の視線が僕にはすごく気になります。
　結婚する前は、看護士という職業柄、清楚な人をイメージしていました。
　けれど、実際はまったく違いました。
　でも、不思議なのは、知美さんは、けして不快な感じを与えないということです。職業柄だと思いますが、嫌味の無いさっぱりした感じで、周りの人を楽しくさせるのです。

　僕は、だんだん知美さんが好きになり、彼女のことを考えながらぼーっとしていることがよくあります。いけないことだと分かっていますが、彼女がもしも兄の奥さんでなく、僕と付き合っていたらとか、知美さんは僕のことをどんな風に思っているんだろうかとか、意味の無いことをよく考えるようになりました。
　最近は、寝る前には必ず知美さんのことを考えながら、いやらしい想像をしてオナニーをするようになりました。
　ナースの制服を着たと知美さんに僕のものを咥えてさせて、制服のままセックスをしたり、最後は知美さんの大きな胸やお尻に射精をするところを想像します。

　そんなある日、僕はいつものように兄さんのアパートに遊びに行ったときのことです。
　兄さんの所へ行くと、ご飯を食べさせてくれたり、どうかすると兄さんがお小遣いをくれることがあるので、特に用事も無く行くのです。
　もちろん知美さんに会いに行くのも一つ目的です。
　その日、兄さんは、急に仕事が入ったということで、いませんでした。
　知美さんは例によって、掃除をして、洗濯物をしています。いつもなら、帰るというところですが、その日、僕は、何だか知美さんと沢山話をしてみたいという衝動に駆られていました。そんな僕の気持ちを察したのか知美さんが声をかけてきました。
「よっちゃん、今日もまたパンツとかブラとか干すけどごめんね。」
　知美さんが、冗談ぽく言います。
「でもね、今日は仕事用の白いヤツばっか。派手派手はなし。ほら、これ制服。私はスラックス履くのよ。スカートじゃなくてごめんね。」
「いや、僕は別に、そんな・・・」僕は、なんと言っていいのか分からない。
「よっちゃんが来るとわかっていたら、こういうの干してるとこ、見せてあげられると、よかったかな。」
　知美さんはそう言って、僕の方に背中を向けると、わざとお尻を突き出して、ジーンズを少しめくって見せた。めくられたローライズのジーンズの下には、例の黒と赤のTバックの紐が見えていた。
　知美さんは、振り向くと僕を見て、いたずらっ子のように笑った。
「あいにく昨日全部洗濯してしまったのでした。」知美さんが白い制服を干しながら言った。
　僕は相変わらず、どう反応していいか分からなくて、両手を、意味なくこすり合わせてもじもじしている。
「よっちゃんの彼女ってこういうの履かないの。」
　そう言って、また僕の方にお尻を突き出して見せた。
「いないです。彼女いないです。」
　僕は、自分でも不自然なほどむきになって言った。
「本当？よっちゃんなんか頭がいいし、優しい。それに大学なんて女の子いっぱいいるでしょ？」知美さんはわざと驚いたような顔をして言った。
「僕、もてないです。全然。」僕は、まじめに言った。
　自信を持って言うことじゃない。
「ごめん、怒った。」知美さんが、ちょっと真顔になって言った。
「全然。僕、女の人と話するの上手じゃないんです。」
　僕は、またまじめに言った。
「よっちゃんのお兄さんみたいに、話が上手で面白い人も好きだけど、よっちゃんみたいにまじめで、素直な人も、女の人って結構、いいって思うもんよ。話なんか、好きになれば、どんな話されたって面白く感じるもんよ。よっちゃんは、よっちゃんの良さを大事にしないとね。」
　僕は、その時、兄がうらやましいと心から思った。知美さんと結婚できたなんて。
　僕は、そんなことを思いながら何も言わずにいた。
「でもよっちゃんて、女の人にはすごく関心あるでしょ。」知美さんは、少し意地悪そうな声で言った。
「まあ、それは・・・」
　僕は、知美さんが急にどうしてそんなことを言い出したのかと、不思議そうにしていた。
「だって、結構、あたしのお尻とか、胸とか見てない振りして見てるでしょう。」
　知美さんは僕の耳に顔を近づけて小声で言った。
「そんなこと無いですよ。」僕は、向きになって大きな声を出してしまった。
「ほら、動揺してる。」そう言って楽しそうに笑った。
　僕は、言う言葉も無くて、困った顔をしていた。
　彼女には敵わない。同じ歳なんてきっと、本当は嘘じゃないか。
「ごめん、ごめん、あたしがいっつもこんな格好してるから、しょうがないよね。」
　そう言って、知美さんは自分の大きな胸を両手で持ち上げて見せた。
　僕は、下半身に電気が走るのを感じた。股間に力が入り、きゅっと締まるような感じがして、僕は無意識に自分の股間に手を伸ばした。
「よっちゃんて、かわいいよね。」それを見た知美さんが笑いながら言った。
「ギュウしてあげる。」
　知美さんは、僕に近づくと、子供にするように僕を抱きしめた。
　僕は、心臓が止まったかと思うほど驚いた。知美さんの柔らかな胸が僕の胸に押し付けられて、ブラジャーの感触が僕の乳首に当たってくすぐったい。
　きれいにまとめた上げた髪からは、名前は知らないけど花のような香りがした。
　唇が、僕の肩に当たり、Tシャツを通して彼女の息が伝わって来る。
　そして、彼女が僕から離れようと僕に回した腕を緩めた瞬間、今度は僕が彼女を抱きしめていた。彼女は、何も抵抗することなく、僕の胸にまた戻って来た。
　僕の息が震えた。
「ねえ、今だけ彼女になってあげようか。」
　知美さんは、僕の顔をじっと見てそう言った。僕は、よく意味が分からなかったので黙っていた。彼女は、僕の腕をすり抜けるようにして、しゃがみ込むと、僕のズボンのベルトに手をかけた。僕は、反射的に知美さんの手を押さえた。
「嫌?」知美さんは僕の顔を見上げると、そう言ってにこりと笑った。
「あたしね、あなたのお兄さんには秘密だけど、看護学校に通ってた時、風俗の店でバイトしたことあんのよ。よっちゃん、かわいいから、久しぶりにやってあげるよ。よっちゃん、何にもしなくていいから、あたしに任せてじっとしてて。でも、しっかり立っててね。もちろん、こっちもね。」
　そう言うと、知美さんは僕のズボンのベルトをはずし、パンツと一緒に下ろしてしまった。
「よっちゃんのって、まだきれいね。」
　僕のものは、パンツを剥ぎ取られて、空中に浮かんでいた。僕は、そんな状況になっているのも衝撃だったけど、知美さんが風俗にいた、というのもものすごく衝撃だった。けれど、確かにそう言われれば、けして想像のつかないことではない。
　知美さんには失礼だけど。
　知美さんは、まだまだ固くなりきらない僕のものを両手で包むように持つと、先の部分にキスをしてくれた。僕の腰に電気が走った。思わずううっ声を出してしまった。みっともない。
「よっちゃん、ひょっとして初めて？口でしてもらうの。」
　知美さんは、そう言って僕を見上げた。唇は僕のものをくわえ込もうと、少し口を開いている。
　僕はウンとうなづくことしかできなかった。
　すぐに先の傘の部分がすっぽりと飲み込まれた。
　舌が尿道の中に割り込んでくる。
　続けて尿道の割れ目から傘の裏の溝の部分を這い回り、まるで溝の部分を掃除しているかのように、知美さんの舌がぐるぐる回った。
　その間、舌のざらざらした部分が亀頭のつるつるした部分に擦れる。
　僕のものはどんどん固くなって行く。
　そして、このままこの瞬間が続けばいいと思った瞬間、知美さんの唇から僕の亀頭は離された。どうして止めちゃうの？
　と思っていると今度は、手で僕のものを持ち上げ、上に反らせると、尿道に沿って付け根の方へと舌を這わせ、やがて睾丸で舌が止まる。
　そのまま睾丸を舌で突付くようにして舐め始める。少し痛いようなくすぐったいような気がする。そして、睾丸を弄んだ唇は、睾丸の片方を丸々飲み込んでしまう。
　僕はあまりの刺激に思わず、睾丸を吸う知美さんの頭を手で押さえた。
　痛いような、むずむずするような、気持ちがいいような、でも「止めて」と言いたくなるような気がする、けど、止めて欲しくないような、そんな気分。彼女はそれにも構わず睾丸を吸い続ける。その間に、持ち上げていたペニスを握り、ゆっくりとしごきだした。
　僕の反応を楽しんでいるみたいだ。よく、エロ本の外国人の女の人がやるみたいに、いやらしい目つきで僕を見上げている。
　その目は、見ようによって淫乱でどうしようもない性悪女にも見えるし、男を手玉にとって勝ちをアピールするいたずら女のようにも見えた。
「止めて。」僕はたまらなくなって叫んだ。
「止めていいの。」
　知美さんは睾丸を口に含んだまま言った。声の振動が、睾丸に切なく伝わる。
「いや、その・・・、やめないで。」
　僕の声は、恥ずかしさでか弱く、消えてゆきそうだった。。
「兄さんにもしてあげたことないんだよ。よっちゃんだけなの。もっと喜んでよ。」
　いたずらっぽく言うと、知美さんはニコリと笑った。
　知美さんは、咥えたブドウを口から出すように大切そうに睾丸を口から解放した。すると今度はペニスを横から咥えると、あめをしゃぶるように吸い始めた。僕のものはすぐに反応して、どんどん固くなっていく。いや、それは錯覚だ。もう硬くなりようがない。
　血液も、もう行き場を失っている。
　唇は、側面から亀頭のほうへ移動し、今度は反対側へと移ってゆくと、飴のように細くなって行くのではないか、というほどしゃぶってくれた。
「そろそろ咥えてあげるね。」知美さんは、僕の顔を見上げて、言った。
　そして、僕の先から出た汁と唾液で濡れてしまっている厚い唇を滑らせるようにして、僕のものを飲み込んでいった。ゆっくりとペニスの皮を押し下げるように、根元のほうまで飲み込むと、先の方が知美さんの中で少し硬いものできゅっと締め付けられる。
　きっと喉の奥まで入っているのだ。
　知美さんはその間も、上目使いでずっと僕の顔を見ていた。
　僕は恥ずかしくて目を合わせることができず、知美さんの唇をずっと見ていた。
　知美さんの唇が激しく前後に動き出した。口ピストンが始まった。
　グチョグチョと音がする、というか明らかにわざと音を立てている。
　これも、昔習得したテクニックなのかな。彼女の口の中で、僕から出る透明な液と、彼女の唾液が混ざって、僕のペニスに絡みつく音だ。
　僕のペニスの根元には知美さんの細くて白い指が絡みついている。
　そしてその細さからは想像できないくらいの力で根元を締め付けている。
　僕のペニスの海綿体に溜まった血液が逃げ場を失い、ペニスを膨らましている。
「締まりのいい女」ってきっとこんな感じなんだろうな。
　知美さんは、相変わらず僕を上目使いでじっと見ている。
　なんて助平な、淫乱な女なんだろう。兄さんにはやったことがないと言っていたが、本当だろうか？本当は、誰にでもこんなことをしてるんじゃないのか？兄さんとだって、ひょっとして、これのおかげで結婚したんじゃないのか？
　彼女が前後に頭を動かすと、僕の体も小刻みに前後に揺れる。
　立っているのがやっとだ。しっかり立ってて、と言ったけれど、これのことを言ってたんだ。
　ああ、とにかく、すごく気持ちがいい。これだけでも結婚するだけの価値はあるかも。もうだめだ、イク。
　僕は、耐え切れなくなった。
「知美さん、出ちゃう。」僕の言葉に知美さんは、ずっと僕を見上げている。
「イッテ。」
　知美さんの声は、もう僕の知っている知美さんの声ではなく、アダルトビデオの中からやってきた女の声だった。
「ああっ、イッチャウ、イクヨ。」
　僕は、叫ぶように言うと、暖かいものを彼女の口の中に吐き出した。無意識に腰を彼女の顔に押し付けていた。知美さんは抵抗もせず、それを受け止めていた。
　そして、全部出切しきってしまった僕が、唇から抜こうとすると、知美さんは口の中で舌を回すようにして、亀頭を丁寧に舐めてくれた。
　その後、もう一度喉元までゆっくりと僕のものを飲み込んでから、吐き出すと、のどを鳴らして生暖かい僕の液を飲み干した。
　その間もずっと僕を見つめている。その瞬間、彼女の唇はもう僕から離れているのに、僕のペニスに電気が走るような快感が流れた。
「どう？よかった？上手でしょう？」
　知美さんは、まだ上を向いたまま血管を浮き立たせた僕のものを、ティッシュで丁寧に拭いてくれた。目じりには、ないたときのような赤みが差していた。
　ティッシュを丸めてゴミ箱に捨てると、拭き終わった後もまだ大きいままの僕を指で軽くはじき、元気ね、と言ってまた笑った。
　僕は、馬鹿になったみたいに、何もせずそのまま立っていた。
　知美さんは、僕の足元にあったズボンとパンツを持ち上げて、子供にするみたいに履かせてくれた。
　僕は、彼女のするままになっていた。同じ歳とは思えない。
　僕は世話の焼ける子供のようになっていた。
　ズボンのベルトを締め終わると、知美さんは立ち上がり、もう一度僕を抱きしめてくれた。
　僕は、その後、逃げるようにしてアパートを出た。
　知美さんは、残りの洗濯物を干していた。

　それから僕は、すごくとんでもないことをしたような気がして（実際にそうだ）、兄のところへは足を向けなくなってしまった。
　するとある日、兄から電話があり、知美さんとは離婚したことを告げられた。兄は僕に理由をはっきり言ってくれなかった。性格が合わなかったんだよ、と言っていた。知美さんは実家に帰ってしまったという。
　僕は、その後、知美さんのいなくなった兄のアパートに行ってみた。
　もう、洗濯物も干されてないし、無造作に置かれた畳んだパンツもなかった。
　僕は、兄のアパートの帰り道すごく空しい気分になって、泣いた。
　胸の、肺のある辺りが皆えぐり取られたような気分になっていた。
　知美さんの実家の住所や電話を兄から聞きだして、会いに行きたいと思ったけれど、会ってどうすればいいのか？結婚してくださいとでも言えばいいのか？
　僕はその夜、ビールを山ほど買ってきて、知美さんのことを考えながら酔っ払った。寝る前に、自分でペニスをしごいて、射精してみた。
　ティッシュに染み込んだ自分の精液がすごく汚いものに感じられて、射精の後の虚脱感がいつにも増して空しかった。
　どうしてあの日、知美さんは僕にあんなことをしてくれたんだろう。
　受験勉強で何も役に立つことを学べなかった僕には、今となっては、解けない大きな謎だ。