絵梨佳の膝頭の血は拭っても、まだ少し滲んでくる。
　吾郎は消毒を終え、塗り薬を丹念につけて包帯を軽く巻いてやった。
　その間、絵梨佳は脚がだるくなったのか少し脚を動かした時、ほんの一瞬であったが、白いパンティがちらりと覗いた。

（あっ！見えちゃった・・・くわぁ、いいなぁ〜・・・）

　吾郎の胸は高鳴った。
　だけど絵梨佳に気づかれないようにすぐに目を伏せてしまった。

「はい、これでもう大丈夫だよ」

　吾郎は手当を終えて絵梨佳の顔を見た。

「すみません。本当に助かりました。通りすがりの私に治療までしていただいて。何とお礼を言えばいいのやら」
「お礼なんて・・・」

　吾郎の目は何気に、絵梨佳の胸元に留まった。
　胸の谷間がカットソーからほんの少し覗いている。
　男というものは、「チラリと見える」というものに極めて弱い。
　吾郎とて同じで、絵梨佳のさりげないまだ幼さの残るお色気にすっかり虜になってしまった。

（うわぁ、すごく色っぽい。あの胸の谷間の奥が見たいなぁ・・・）

　吾郎の目が胸元に止まっていると、絵梨佳が見つめられていることに気が付いたのか、体勢を変えようと試みた。
　吾郎の目と絵梨佳の目が合った次の瞬間、どちらからともなく身体を寄せ合っていた。
　吾郎の手が絵梨佳の肩に廻った。
　絵梨佳は小さく震えてる。
　唇と唇が重なった。
　吾郎の手は肩から背中に廻り込んだ。
　手に力がこもっている。
　同時に唇も無意識に強くなっている。
　吾郎の舌が滑り込んだ。
　絵梨佳の舌を探す。
　絵梨佳の舌もそれに応えるかのように吾郎のそれに絡み付いてきた。

　くちづけをする二人が舌を絡ませ合えば、それは『セックスへの暗黙の了解』と言って先ず間違い無かろう。
　男と女は言葉にしなくても、感覚で語り合うことが出来る。
　初めて会ったその日であっても、それは同じなのだ。

　吾郎の手はゆっくりと絵梨佳の胸に伸びた。
　カットソーの中を探るとブラ越しに乳首に触れた。
　早くも昂ぶり見せて固くなっているようだ。

（ああ・・・とてもいい感触だ、もう我慢できないや）

　唇を放すと吾郎は絵梨佳のカットソーをせわしく脱がせに掛かった。
　絵梨佳の白く弾力性に富んだ乳房がカットソーから飛び出した。
　吾郎はすかさず既に固くなっている乳首を口を含んだ。
　舌先でなめ廻しながら、ときおりチュ〜っと吸い付いた。

「あぁ・・・あああぁ・・・」

　絵梨佳は甘く切ない声を漏らせた。
　先ほどの乳首の勃起といい、相当感度がいいようだ。

「絵梨佳ちゃんって敏感だね？」
「いやぁん・・・恥かしい・・・」

　絵梨佳に一言囁いた吾郎は、再び乳首を吸い始めた。

（チュ〜チュ〜）

　唇は右の乳首を吸い、左手は絵梨佳の左胸を優しく愛撫していた。

「いやぁ・・・」
「絵梨佳ちゃん・・・君ってすごく可愛いね・・・」

　絵梨佳は吾郎の声に反応し、閉じていた瞳を見開いてにっこりと微笑んだ。

「恋って急に訪れることもあるんだね」
「そうね」
「僕は君を見た瞬間に恋をしてしまったようだ・・・」
「私もよ・・・」

　吾郎はそれだけを告げて、またもや乳房をまさぐった。

「あぁ、あぁ、いやぁ・・・あはん・・・いやぁ・・・」

　絵梨佳は一際昂ぶって来たのであろうか、吾郎の背中に手を廻ししっかりと抱きついた。

　絵梨佳はショーツだけを、吾郎はトランクスだけを残して裸になりベッドにスルリと滑り込んだ。
　吾郎は絵梨佳の身体を見つめながらそっと囁いた。

「きれいな身体だね・・・」
「うふ・・・そう？嬉しいわ・・・」

　吾郎の手は胸を撫で次第に下に降りて行った。
　胃の辺りから腹部に向かって優しく撫でていた手は、まもなくショーツのワンポイントがある辺りに掛かった。
　手はそのままゆっくりと中に忍び込んで行った。
　小高い丘に茂る草むらを数回旋回して、やがて深い渓谷に向かって行った。
　渓谷は既にしっとりと湿り気を帯び吾郎の指を迎えた。

（クチュッ・・・）
「あ・・・」

　絵梨佳は耳を澄ましていないと判らないほどの微かな吐息を洩らした。
　昼間とはいっても、ここは商店街から入り込んだ閑静な住宅地。
　道路は車も少なく人気も疎らだ。
　二人の耳に聞こえてくるのは、お互いが洩らす吐息だけであった。

　吾郎の指は徐々に絵梨佳の心を高揚させていった。
　最初、羽がかするほどの愛撫であったが、次第に吾郎の指にも力が入って行った。
　まもなく吾郎の両の手が異なる動きをし始めた。
　片手はショーツの上を優しく撫でまわし、もう片方の手はクロッチの横合いから忍び込んでいった。
　忍び込んだ手は渓谷をまさぐり始めた。

「ああ・・・そこは・・・」

　そして渓谷を指でゆっくりと広げた。
　そしてショーツを撫でていた手は広げられた渓谷に食い込ませるように愛撫した。