「絵梨佳ちゃん！ううっ、すごくいいよ〜。あっ、こりゃまずいや！スキンつける暇がない！」
「あっ、あっ、あっ・・・ご、吾郎さぁん・・・」
「あ、ああっ、うわあっ！いくよ、いくよ！ああ、もういっちゃうよ〜！」
「ああっ！私もすごくいい、すごくいい！あああぁ〜〜〜！」

　その瞬間、吾郎が挿し込んだ物体を抜き、膣外射精を試みようとしたが時すでに遅く絵梨佳の中で果ててしまった。
　熱い感触が絵梨佳の下腹部を貫いた。
　吾郎は挿入した物体をそのままにして、絵梨佳を抱きしめ優しくくちづけを交した。

　そして僅かな時が過ぎ、吾郎はおもむろに絵梨佳から萎えたものを引き抜いた。
　絵梨佳の狭い隙間から白い液体がトロリと溢れた。

「あぁ・・・すごく良かったよ。でも早くイッチャてごめんね。絵梨佳があまりにも良過ぎて・・・」
「嬉しい・・・私も凄く良かったわ・・・」

　ふたりはお互い抱き合ったまま、再び時を過ごした。

「ねえ、吾郎さんっていくつなの？まだ歳を聞いてなかったわね。それとどんな仕事をしてるの？」
「俺？俺は２７だよ。仕事はコンピューターグラフィックデザイナーをやっているんだ」
「そうなんだ、凄いなぁ〜。私は１９歳でまだ学生なの」

　吾郎は満足そうにベッドに横たわりながら、絵梨佳と会話を楽しんだ。
　その癖、手だけはちゃっかりと絵梨佳の豊かな胸の膨らみを撫でていた。

　吾郎は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出しコップに注いだ。
　そして絵梨佳に手渡した。
　絵梨佳は喉が渇いていたのだろう、コップを受け取り一気に飲み干してしまった。
　吾郎が絵梨佳からコップを受取った時、ポツリと言った。

「もう１回しよ？」
「うん・・・」

　絵梨佳は悪戯ぽく微笑んだ。
　吾郎は左手を絵梨佳の背中に廻し、抱くようにして自らの膝に乗せた。
　そして空いている方の手は絵梨佳の繁みに忍び込んだ。
　先程からの湿りに加え、新たな蜜液が早くも溢れ出した。

（グチュグチュグチュ・・・）

　吾郎は指を亀裂に挿し込み強く擦り始めた。

「いやぁ・・・もっと優しくして・・・」

　愛撫の間に吾郎のモノは早くも元気を取り戻していた。

「絵梨佳ちゃん、今度は僕の膝にまたがって・・・」
「う、うん・・・」

　絵梨佳は体勢を起こし吾郎の膝に真正面を向いてまたがった。
　股間に硬いものが当たって来る。

　吾郎はモノを手で支え、絵梨佳の中心部に照準を合わせた。
　絵梨佳は静かに目を閉じて、腰をゆっくりと沈める。
　熱い鉄柱が花弁を開く。

「はあぁ〜、ああぁ〜・・・」
（ズニュッ・・・グググ・・・）

　絵梨佳の亀裂に硬いモノが半分ほど入ったようだ。
　更に吾郎は奥へ押し込もうと試みる。
　瞬間、絵梨佳の口から甘い吐息が洩れる。

　吾郎は絵梨佳の膝の両裏を抱え、少しリフトアップして腰をローリングさせた。

（ヌッチョン、ヌッチョン、ヌッチョン・・・）

　吾郎が腰を動かすたびに、粘着性のある淫靡な音がふたりの間から聞こえた。
　絵梨佳の吐息のピッチが次第に早くなって来た。

　吾郎の動きがさらに加速する。
　絵梨佳は吾郎に背中に廻していた腕を解いて、後方に両手を置いて自らを支えた。
　結合部分の角度が少し変る。
　ちょうどＧスポットが擦れる角度になったからか、絵梨佳が口を半開きにして何かを訴えようとしている。
　だが言葉は聞き取れない。

　やがて吾郎はベッドに背中をつけて、絵梨佳は馬上の女騎士と変わった。
　女騎士は腰を巧みに動かし、手綱をさばく。
　腰のピッチが一段と早さを増して来た。

「ああ、あああっ！ああ、吾郎さん、ああ、やだぁ、私、いっちゃいそう、ああん、いっちゃいそう！」

　絵梨佳は顔を上気させ、まるでうわ言を口走るように叫び始めた。

「お、俺もすごくいいよ、いいよ〜！」
「ああっ！ああっ！ああああ〜〜〜！いっちゃう、いっちゃう、いっちゃう〜〜〜！」
「だ、だめだっ！うはぁ〜〜〜！」

　絵梨佳は空からパラシュートで急降下するような気分を味わい、時を同じくして、吾郎は天に向って大砲を発射すような感覚に陥ったのであった。

「あ、あああっ、絵梨佳ちゃん、君が好きだ！俺放さないよ〜！」

　吾郎は顎を上げ、夢中で叫びながら手を伸ばしたが、そこには絵梨佳の感触が無かった。
　吾郎は慌ててベッドから飛び起きたがそこには誰もいない。

「えっ？絵梨佳ちゃん・・・絵梨佳ちゃんはどこに行ったの？」

　慌てて周辺を見廻したが、絵梨佳の姿はどこにも見えなかった。

　吾郎は自分の姿を見た。
　ちゃんとパジャマを着ているではないか？
　ということは今のは夢だったのか？
　吾郎は大きなため息を洩らしガックリと肩を落とした。

（なんだ、今のは夢だったのか・・・。それにしても生々しい夢だったなあ。絵梨佳って名前までしっかり憶えているし・・・）

（ピンポ〜ン）

　ちょうどその時、インターフォンが来客の訪れを知らせた。

（ちぇっ、何だよ、こんな時に全く。どうせセールスか何かだろうけど・・・）

　吾郎は機嫌が悪かった。
　不貞腐れたままインターフォンの受話器を取った。

「はい、板垣です。今、忙しいので・・・」

　吾郎は確認もしないまま、相手をセールスと決め込んで無愛想に応対したのであったが・・・

「あのぅ、私、今度、隣に引越しをして来ましたものなんですが。ご挨拶に参りましたぁ〜」

　インターフォンの向うからは若い女性の声が聞こえて来た。
　吾郎は早合点した自分に恥じて、先程とは打って変わって丁重に応対した。

「あっ、それは失礼を！すぐに開けますので」

「あっ！！」

　玄関のドアを開けた瞬間、吾郎は思わず絶句してしまった。
　それもそのはず、ドアの前に立っている女性が、夢に出て来た少女『絵梨佳』に瓜二つだったのだ。
　しかし、目の前に現われた女性は吾郎と初対面のようで慇懃に挨拶を交して来た。

「昨日こちらのマンションに引っ越しをして来た夢野と申します。今後ともどうぞよろしくお願いします。あのぅ、これ、つまらないものですけど、どうぞ・・・」

　女性はパッケージを吾郎に手渡し、深々と頭を下げた。

「はぁ・・・、あ、これはどうも。ご丁寧にすみませんね」

　吾郎は目前の女性の顔を穴が開くほど見つめた。
　初対面である吾郎にじっと見つめられて、女性は目のやり場に困っている様子だ。

「それじゃ、どうも失礼しました」

　女性は形式的な挨拶を済ませると、そそくさと玄関先から消えて行った。

　吾郎は女性が去ったドアに視線を預けたまま、茫然と立ちすくんでいた。

（こんなことがあるんだろうか。今の子、夢に出て来た絵梨佳とそっくりじゃないか。一体どうなんってるんだろう？不思議だなぁ・・・）

「何をくれたのかな？石鹸かな？」

　部屋に戻った吾郎は、今受け取ったパッケージを何気に見つめた。

「な、何だって！？」

　吾郎は一瞬、驚きのあまり跳び上がってしまった。
　それもそのはず、パッケージには熨斗（のし）紙が貼ってあって、『夢野　絵梨佳』と記されていたのだ。

「そうだ！」

　吾郎は突然何かを思い立ったようで、着の身着のままで部屋を飛び出した。
　向かった場所はアーケードの外れだった。

「あそこにあそこに、占星術師がいるはずだ！きっといるはずだ！」

　吾郎は夢と現実の狭間を駆け足で走って行った。

（完）