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「先生と出会って十年になります」
雪子の言葉にハッとする。彼女は僕のすべてを知っている唯一の女性だ。仕事、家庭、女性遍歴、性の嗜好もすべてだ。この間付き合ってきた女性は雪子だけではないが、彼女の存在を知っている女性は一人もいない。
彼女にとっても僕は同じ存在だという。自分のすべてを知っている唯一の男性は僕だけだと。彼女は姉にすべてを打ち明けている。もし自分が死んだら秘密のすべてを処理して欲しいと頼んだという。既婚であり同じく複数の男性と関係を維持している姉も同じことを雪子に頼んだらしい。
羽田で、僕はもう二度と雪子には会わないだろうと感じた。それでも気持ちが揺らいでしまったのは、十年という歳月の重みによるものだろう。雪子の長男は高校二年生で、医学部を目指す彼にとってこれが最後の夏休みになる。東京に遊びに行くというリクエストはその一つだった。家族旅行で使い慣れたお台場のホテルに泊まるのだから一人でもいいのだが、雪子は母親として付き添ってきた。
「昼間がお忙しければ金曜の夜にでも、ゆっくりお酒を飲むのもいいかなって」
日程は前から聞いていた。会えますかという誘いを、僕は仕事を理由にはぐらかしていた。もう会わない方がいいという羽田でも思いがあったからだ。あいまいな返事をし続けた僕に雪子が提案したのは夜の食事だった。
「お子さん一人にしてもいいの？」
「もともと一人でもいい旅ですから、行きと帰りだけいっしょにしてわたしは自分の予定で動くつもりです」
「夜お酒を、なんて誘うのはセックス抜きでどうという意味？」
ストレートな問いに、雪子は正直に答えた。
「先生がお嫌でなければもちろん抱いてほしいです。でもゆっくりお話しができれば、それはそれでいいかなと」
結局僕はホテルを用意することにした。お台場の部屋には突然息子が戻ってくるかもしれない。そして、会えるのは土曜の午前中だけ、と決めた。前日にチェックインし、僕は部屋に泊まらず帰宅した。翌朝彼女が着いたのは７時過ぎ、フロントに預けたキーで部屋に入り僕を待っていた。
僕は近くのカフェで買った朝食を片手に部屋に入る。雪子はシャワーを済ませ浴衣になっていた。今は外資の傘下だがいかにも昔のホテルであることは否めない。立地がいいから値段はそれなりだが、部屋は決して広いとは言えない。僕は雪子にコーヒーを渡し、食事をとりながら最近の様子を聞いていた。雪子の携帯が鳴る。夫からだ。僕はこのすきにシャワーを浴び、浴衣になってベッドにあがる。雪子も黙って僕の隣りに来る。
唇を重ね舌を絡めると、雪子の身体の力が抜ける。僕は浴衣の上から乳首を調べた。
「もう硬くなってるよ」
「だって・・・」
じっくりとしたキスが続く。いつもは着衣のままでフェラを要求し、彼女の口で果ててからベッドにあがったものだ。久しぶりの再会だったこの前の羽田のホテルでもそうだったが、今回は違った。
浴衣の上からゆっくりと、次第に強く乳房を揉みしだき乳首を刺激する。雪子は自分から浴衣を脱ぎ、直接の愛撫を求めた。
「ああ〜ん」
僕が乳首にキスをし、舌でころがすように愛撫すると雪子はなまめかしい声を上げた。彼女は、はだけた浴衣の間から飛び出している僕のペニスを握り、ゆっくりとしごき始める。僕は両乳首を執拗に攻め続けた。
「あ〜ん、これだけでイっちゃう」
そう言うと雪子は思い出したように体勢を変え、ペニスを口に含んだ。
「やっぱりすごくおっきい」
そんなことを言いながら片手を添え、先端部に舌を這わせたり唇でこすったりして刺激を与える。
僕は完全に勃起したペニスへの奉仕をゆっくり堪能するために、そのままの体勢で浴衣を脱ぎ身を預けた。フェラが好きだという彼女は僕の精液の味も好きだという。だから一度目の射精は口の中に欲しい、それを味わいたいという願いは初めのころに聞いていた。調教の結果なのかもしれないが、だから十年間、彼女とのセックスはいつもそうやって始まった。
「あ〜、ダメです。どうやって口に入れたらいいかわからない、久しぶりだとフェラができなくなっちゃった」
雪子はそう言いながら舌と唇で愛撫を続ける。
僕が乳首を弄ぶと雪子は愛撫を止めて喘ぎ、
「先生がそんなことするから、お口で・・・、できなくなっちゃうじゃないですか・・・」
「これがしゃぶりたかったんだろ？」
「はい、でも久しぶりだからなんだかどうしていいか・・・」
「今の彼のより大きいから？」
「はい、前はどうやってたんだろ・・・」
そんな雪子の乳首を強くひねる。
「キャっ！ 感じちゃう、先生。こうやって感じさせて、喘ぎもだえる女にしゃぶらせたいんでしょ」
「そうだよ、苦しがるのを無理やり喉の奥までつっこんで、犯すのがいいんだ、分かってるだろ」
雪子は意を決したようにペニスを飲み込むようにしゃぶった。頭を大きく上下させ、喉の奥から声にならないうめき声をあげ、舌を絡めながらようやくフェラを始めた。
雪子はまだ全裸ではなかった。僕が下着の隙間から指を滑り込ませるとそこには愛液が溢れていた。秘部に触れられた雪子はフェラを中断し、全身を硬直させ声をあげた。その喘ぎ声に欲情した僕は雪子の髪を掴んであおむけに押し倒し、下着を剥ぎ取って脚をＭ字に開いた。
乱暴にされ、雪子は少し当惑している。今まで幾度となく繰り返してきた行為だが、それでも無理やり開脚され、濡れそぼった秘部をさらけ出す女の姿は興奮をそそるし、当惑しつつ歓喜の瞬間を待つ彼女の表情には淫乱という言葉がふさわしいだろう。
僕は一気にクリだけを責めた。すでにむき出しになっている部分にいきなり吸い付くと、雪子は声をあげた。
「ああっ！！ ダメ、すごいっ！！」
かなり大きな声だ。隣の部屋にも廊下にも聞こえているに違いない。
僕は彼女の声に興奮する、声をあげさせることが僕にとっての性の楽しみであり、喘ぎ声は支配欲を満たす重要な要素でもある。
痛みを与えるくらいに吸い付き、ときおり歯を当てるようにすると雪子の声は絶頂のそれへと変わる。僕は割れ目全体に舌を這わせ、ようやく中指を差し込んだ。
「ああん、そんなことしたらダメです、もうイっちゃう」
「いいよ、今日は何度でも逝かしてやるからな、ほら、イヤラシイ声出して感じてごらん」
そう言って中指をさらに奥へと進め、親指をクリにあてがって動かす。雪子の秘部は僕の中指を一気に締め付けた。
僕は乱暴に乳房を握り潰し、両指に力を入れて前後させる。雪子はすぐに絶叫して果てた。
「あ〜、瞬間的に逝っちゃいました。すごいから、先生が・・・」
雪子はそういうと、気を取り直したさっきの体勢でフェラを始めた。僕は６９の体勢になるよう彼女を促したが、彼女は僕に向き直り、
「ねえ先生、入れてもいいですか？」と聞いた。
僕は仰向けのままうなずく。彼女がペニスの先端を割れ目にあてたところで、僕が少し腰を突き上げて挿入すると、
「待って！」と彼女が腰を引いた。
「痛いの？」
「ごめんなさい、少し慣らさないと奥まで入らないみたい」
恥ずかしそうな雪子の言葉に、僕は動くのをやめ、その先の行為を彼女にまかせた。
雪子は浅い挿入のまま腰を上下させ、
「ここが感じる、あっ、すごくいいです」
などと言いながら、ときおり僕の乳首にキスをしたり、身体をのけぞらしたりして快楽に浸っている。騎乗位で好きなように快感をむさぼる雪子はかつてのままだった。次第に深い挿入ができるようになると、雪子はさらに全身をくねらせ、腰をあやつって愉悦に浸っている。
僕は彼女の腰を掴むとゆっくり腰を突き上げた。
「ああっ！」
雪子は声をあげ腰を引いた。
「痛いの？ん？まだ奥まで入らない？」
「だ、だいじょうぶです・・・ でも、感じすぎて・・・ ああっ！！ これ、すごい」
彼女は上体をそらし息を止めてなにかに耐えている。
僕は両乳首をひねりながら腰をさらに突き上げる。先端が奥に突き当たっているのが分かる。あまり強くするとこっちが痛いが、突きあたるたびに痛さと快感を耐える雪子にさらに欲情する。
僕は彼女を四つん這いにさせ、背後から突いた。初めはゆっくりと挿入する。
「ああ〜、せ、せんせい、すごい、これだけでもう、ダメです・・・」
シーツを握りしめながら雪子が声を絞り出す。一番奥までたどり着く。まだ根元までは入りきっていないが、騎乗位よりは深い挿入が可能だ。
今まで抱いてきた女性の中で、おそらく雪子は狭く浅い方だと思う。締りの良さも、僕が知る女性の中では一番だ。だから彼女が達するときの収縮は僕に痛みを与えるほどだ。一番奥、先端でこりこりと刺激をすると雪子は呻き声をあげた。
窓の横に鏡がある。狭い部屋を広く見せたいのだろう。これがちょうどベットの上でつながる二人を映し出している。
「雪子、見てごらん」
「あ、いやらしい姿で先生に犯されてる・・・」
僕がゆっくりと腰を引くと、ヌメヌメとしたペニスが徐々に現れ、それにつれて引き出されるような陰唇の様子も見てとれる。ぎりぎりのところまで引き抜くと、雪子はそのあたりにカリが当たるのが感じるといって腰をくねらせる。
「ああん、これ、すごく感じます」
そう言って腰をくねらせる姿は実に扇情的だ。僕は硬直しきったものを一気に突きたてた。
「キャ！！」
快感ではなく、痛みの声だった。僕は遠慮せず奥を突き刺したまま腰に力を入れる。
「これ、無理みたいです」
苦しそうな声を無視してピストン運動を開始する。
「先生、ダメ、奥は無理です、こんなに深くすると、だめです、もうだめ、あっ、あっ、ほんとにこれはだめですから！」
僕はその言葉に従って雪子をあおむけにすると、今度は正常位で挿入した。
「ああ〜！！ ひ〜！！」
雪子の叫び声は激しかった。
「すごい！！ ほんとのセックス、こういうのがしたかったです！」
叫び声と喘ぎ声のさなかに、雪子はそう言って僕の腕にしがみついた。
雪子は汗まみれだ。全身は紅潮し、汗と愛液で股間はヌルヌルになっている。僕は全身を密着させたり、舌を絡めたりする。乳首を噛んで小刻みに腰を動かすと雪子は達した。浅く入れたまま動きを止めクリを指で弄ると雪子はすぐに達した。数えきれないほど達した雪子はすでに目がうつろだ。
雪子を見下ろしながら、
「中に出していいの？」
と聞く。
「はい、な、中にください、たっぷり出してください」
と、息も絶え絶えの中から答えると、雪子の目が光を取り戻す。
僕は体勢を整え、ゆっくりと腰を前後させる。
「ああ！ ああ！ はあ！ はあ！」
腰の動きに合わせて雪子のリズミカルな声が次第に大きくなる。
速度を速めると彼女は目を閉じて顔をゆがめる。雪子の声は喉の奥から絞り出すような喘ぎに変わった。
「ひ〜！ んっ！ んっ！ んっ！ んっ！」
僕はそのリズムに応えて腰を打ち付ける。奥を突き刺さないように、浅く深く。
雪子はそれに煽られるように、歯を食いしばって苦しい喘ぎ声をあげる。
「んっ！ んっ！ んっ！ んっ！ んっ！ んっ！」」
「雪子！ いくぞ！！」
「ああ！ おねがい、来て！ 中に出して！！ ダメ、もうダメ〜〜！！ ああ〜〜！！」
全身の筋肉を硬直させた雪子の中に、僕はドクドクと脈打ちながら精液を放出した。
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