（２８）

「礼子、帰ったぞ。」
「お帰り、どうだった。」
「ああ、金だけは取り返せた。」
「ほんとに？」
「ああ、何とか武田の女房を落とせたよ・・。」
「さすがね・・。康平・・ありがとう。」
「明日の夜、受け取ることになってるから明後日には宮口さんに渡せるだろう。」
「明日も？」
「ああ、ちょっとシンドイけどな。」

　康平は、礼子に協力して欲しい事を伝えた。
　礼子は、今日、康平が愛子から聞いた話を全て聞くと驚いた顔をして康平を見つめた。「ほ、ほんとにそう思うの？」
「あくまで俺の感だがな。」
「具体的に整理して話して。訳がわかんない。」
「いいか、よく聞けよ。愛子は武田に愛想を尽かしているんだよ。そして、別れたいと思っている。しかし武田は身寄りがないよな。まして子供もいないから利用できない。武田は愛子に別れられると困ることが山ほどあるんだ。」
「例えば？」
「まず、もう遊べなくなるということさ。今までの夜の遊び代は全て自分の給料と宮口さんから巻き上げた金で賄えた。しかし別れると自分が食っていかなくてはならなくなるだろ。住む所も必要だ。奴には貯金など一切ないらしいんだ。家の不動産や貯蓄は愛子が全て握ってるし奴は手をつけることも出来ない。ま、それは当然だろう、養子だしな。女房自身が信用してないんだから。長年の遊び癖はなかなか修正できないもんだよ。特に酒と女は・・・。」
「うん・・そうね。」
「となると奴は愛子の母親を誑し込むしか方法がないわけだ。」
　礼子が頷く・・・
「おそらく愛子の母も早くに亭主を亡くしてるし欲求があってもおかしくないはずだ。愛子の母親はまだ４７歳だし武田の性格なら自分を保障するためには愛子の母親に手を出している可能性も極めて高い・・・・・と思う。」
「うーん、でも、それを掴むのは難しいわよ。」
「そうだな。外で会わなくても愛子が居ないときに家で関係なんて持てるし・・。」
「そうよね・・・・。」
「ま、それは、もう一度、甲斐に頼んで興信所に調査してもらうよ。」
「で、私が協力することって・・。」
「今日、愛子の性行為をカメラとビデオに写してきた。武田は俺の顔を知らないよな家に送ることは出来ないから、礼子が、これを武田のバッグか鞄に入れて欲しい。」
「え・・逆効果じゃない？」
「ふふっ、鈍いな・・礼子。いいか、奴は愛子が、いつも違う男と遊んでることはおそらく知ってるだろう。でも、このビデオの中には愛子が武田を罵倒している音声も入っている。ましてや、かなり内容のキツイＳＥＸシーンだ。奴がこれを見て武田の悪口を聞くとどう思う。キッカケさへあれば愛子は自分と別れるつもりだと思うだろう。それを奴に理解させるだけでいいんだよ。」
「ははぁん、なるほど。」
「で、もうじき人事があるって言ってたよな。」
「ウン。」
「お前が新課に行くときに、お前を気に入ってる専務さんに、宮口さんを推薦しておくんだよ。仮に駄目でも武田に宮口さんが異動するかも・・という事を匂わせるんだ。」
「・・・」
「そうすると武田は焦る・・いや、焦らせるだけでいい。なぜなら礼子と宮口さんが共同を組んで武田の横領を首覚悟で告発するわ・・・と脅かしたらどうなる？」
「・・・」
「いいか、武田はビデオを見て愛子が別れたいと本音を吐いてるのを知る。宮口さんという金づるが自分の課から離れる。礼子と共同して脅かされる。会社を首になるかもしれない。さぁ、奴はどう思う。わかるだろう。」
「康平って・・なんか違う才能があるんじゃない。」
　礼子は康平の策略と考察に感嘆した。
　さらに康平は話を続ける。
「後は、決定的な証拠を掴むだけだ。」
「武田と奥さんの母親との関係ね・・。」
「ああ、掴んだ証拠を愛子に見せると離婚確実だ。しかし実際には見せない。それをネタに愛子にも黙っていてやるし、横領の事も会社には言わないから宮口さんから手を引け・・・とな。」
「康平って、超天才！」
「ま、さっそく明日一番で甲斐に無理を承知で頼んでみる。」
「やってくれるかしら？」
「お前が股を濡らして待ってるぞ・・と言えば頑張ってくれるだろう。」
「な・・ば・・馬鹿じゃない・・。」
　礼子が康平の胸を叩いた。
　しかし康平は、本当に証拠がつかめるか心配だった。

−　翌日　−

「そういう訳なんだ。」
　康平は、さっそく会社に来ると甲斐に電話をし昨日の内容を説明した。
［んーむ・・難しいなそれは・・。とりあえず頼むだけ頼んでみるよ。］
「すまんな・・甲斐。」
［水臭い事を言うな荒尾。とりあえず後で電話するよ。］
「ああ、解った。」

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　数十分後、甲斐から電話が入る。
「んむ、そうか・・・・解った。一度やってみるよ。とりあえず仕事の帰りに寄るよ。」　康平は電話を切ると考え込んだ。（うーん・・厄介だな・・）
　
　甲斐の電話の内容はこうだった。
　とりあえず、武田のいる土、日は常に張り込む事にするが家の中までは無理である。
　盗聴器と隠しカメラを、なんとか愛子を説得して仕込むことは出来ないかということだった。
　専門家の目から考察して、関係行為をするなら母親の部屋以外ないとの事だった。
　それもそうだろう。自分達の寝室では愛子も女である以上、敏感だし気付かれる。
　しかし母親の部屋なら愛子も入ることはしないだろう武田も安気だ。
（でも、どうやって愛子の母親の部屋に取り付けるかだな・・・。とりあえず今晩、愛子に本当のことを話すか、抱いて口説くか）

　康平は定時に会社を出た。
　まず、甲斐に紹介された興信所に向かい盗聴器と小型の隠しカメラを受け取り愛子の待つホテルに向かった。最上階のカウンターバーで愛子は待っていた。
　康平が、入ると満悦の笑顔で康平を出迎える・・・
「待ったか？」
「ううん、甲斐さんのためなら、いつでまででも待つわ。」
　愛子は今日もミニスカートを穿きショーツも身に付けていなかった。
　康平と会うときは必ず抱いてくれるものと思っているようだ。
　康平は、いささか疲れていたが今日は無理してでも愛子と寝なければいけない。
「愛子、食事はとったのか？」
「ううん、まだよ。」
「部屋に入って食べるか？すぐにでも、お前を抱きたいからな。」
　愛子は、二つ返事で承諾した。
　康平は、既に鍵を持っていた。
　愛子とエレベータに乗り部屋に入る。

　康平はフロントに電話し軽い食事と酒を注文した。
　しばらくして料理が運ばれた。
　ボーイが注文のものをテーブルに並べ終わると丁寧な挨拶をして部屋を出て行く。
　康平と愛子は料理を口にした。酒を愛子に注ぐ。
　愛子が、料理をつまむと康平の口に運んだ。
　康平は愛子の腰に手を掛け引き寄せる・・・・
「あ、甲斐さん。お金持ってきたわ。」
　愛子がバッグから康平に５００万を渡した。
「愛子、スマンな。」
「甲斐さんのためならいくらでも用意するわ。」
「・・・・」
（もう、お前から金を貰うことはないさ。）
　いずれ今回の件も本当のことを愛子には話さなければいけない。
　そうでなければ、ただの詐欺師と一緒である。
「でも何に使うの？」
　康平は、咄嗟にいい考えが浮かんだ。
「実はな、俺の女房の友人がある男性に騙されて金を巻き上げられてるんだ。」
「まぁ・・」
「それだけじゃない。身体も要求されてるんだが、更に会社の金を遊び代欲しさに横領して口止めのため彼女の裸の写真まで所有しているんだよ・・・。」
「ヒドイ男ね・・。」
「そう思うか？」
「ええ、許せないわね。」
「でも、俺も愛子の写真とビデオを撮ったぜ。」
「甲斐さんはいいのよ・・私も承諾してるし・・。」
　康平は、それを聞くと更に話を続けた。
「彼女は会社を辞めると言ってるんだが、新しい仕事を見つけるまでは多少なりとも金も要るし・・家も見つけなきゃいけなくてな・・・で愛子に頼んだんだ。」
「そうなの・・じゃ私も助け舟に乗った口ね・・。」
「ああ、感謝するよ。金は必ず返す。」
（お前の旦那がな・・。）
「甲斐さんになら返してもらう必要ないわ。私を抱いてくれる費用と思って・・。」
（んーむ・・マジかい・・・グラッっと来るぜ。）
「愛子、今日もいかせてやるぞ。」
　愛子の眼が淫様を増してきた。立ち上がるとスカートを捲り尻を康平に見せる。
　愛子の菊門には、約束通りア○ルプラグが埋まっていた。
「甲斐さん・・プラグ抜いてぇぇぇ・・」
　康平は、愛子の菊門に刺さっているプラグを抜く・・
「ン・・・ァ・・ァ・アァ・・・・ッ・・・ゥアッ！」
　愛子の広がった菊門がゆっくりと閉じていく・・。
「ぁぁーん・・甲斐さぁん、少しは広がったかしら・・・」
「どうかな？　今から挑戦するか？」
「甲斐さんに任せます・・・・。」
「シャワーを浴びよう・・」
　康平は服を脱いだ。愛子も一緒に脱ぎ始める・・
　二人は一緒にシャワーを浴びた。
　シャワールームでは、康平が愛子の菊門に指を入れていた。
「愛子・・３本入るようになったな。どうだ感じは？」
「ンッ・・・チョ・・チョット・・・・まだキツイかも・・」
　康平は愛子から指を抜くと愛子の身体を洗ってやる。
　愛子は言われるまでもなく足を開き腰を前へ突き出した。
　康平が愛子の女芯を指で摘み上げ上に強く引っ張った。
「クウゥゥゥゥゥゥーーー・・・ンァァァー・・・」
　愛子が激しく喘ぐ・・。
　康平は、そこまでにしてシャワールームを出た。
　愛子も慌てて出て行った。

　康平は、愛子を抱き寄せすぐに立ったまま挿入する。
　康平は愛子を持ち上げ駅弁スタイルになり愛子を刺激する。
　愛子は康平の首にしがみ付いている。
「愛子・・俺の言う事なら何でもいう事を聞いてくれるか？」
「・ァァァ・・え、ええ・・・・も、勿論・・よ・・・アァ・・ィィ・・」
　康平は愛子をベッドに寝かせた。
　ゆっくりと、ゆっくりと蜜壷に出し入れする・・・。
「愛子・・頼みがある。」
「な・・何・・？」
　康平は動きを止めた・・・
「イ・・イヤァァ・・・動かして・・動かしてぇぇぇぇ・・」
「愛子・・・愛子っ・・」
　愛子が、康平を見つめる・・。
「愛子、聞いてくれ。」
「ぅ・うん」
　康平はやけくそ気味に作り話をした。
「お前の母親は４７歳って言ってたよな。」
「え、ええ・・・？」
「まだ、年齢的には女盛りだ。」
「・・・・？」
「実はな・・・。俺は塾女・・・・それも中高年の女性の声が好きなんだよ。」
（な、なに言ってんだ。内容がグチャグチャだぜ・・。）
「・・え・・？・・・で・・なに。」
「お前のお袋さんの声が聞ききたいんだ。」
「電話すれば聞けるわよ。」
「いや・・なんというか・・」
　愛子は怪訝そうな顔をして聞きなおす。
「つまり・・だ・・。ひょっとして一人で・・・やって・・」
　愛子がクスクスと笑って康平に呟いた。
「甲斐さん・・そんな趣味があるの？」
「いや・・・あ・・まあ・・」
「いいわよ。」
　愛子から意外な答えが返ってきた。
「たぶん母も欲求はあると思うわ・・でも出不精だから男は居ないと思うけど。」
「・・・・」（それが解らんのだよ。）
「実は、かなり前だけど母宛てに小包が届いたことがあって間違って私が開けてしまった事があるの。中身はバイブレーターだったのよ。」
「ほぉう。」
「私もビックリしてすぐに封を元に戻して知らん振りしてたけど・・。母も父に早くにいかれちゃったから寂しかったと思うわ。たぶんＨも好きだと思う。小さいときによく声を聞いたもの・・フフッ」
　愛子の母親、恵美も長年、男のいない生活が続いたせいか欲求が溜まっているのだろう。一人でこういう行為をしていてもなんら不思議ではない。
「そうか。そりゃそうだよな。」
「で、甲斐さん・・どうするの。」
　康平は盗聴器はまだしもカメラの設置は愛子には無理だと思った。
「ああ、盗聴器を設置してほしいんだ。」
　康平は小型カメラのことは黙っていた。
　愛子が、しばし考えてるようだ。
「もし、良ければ今からでもいいわよ。叔母と旅行に行って明日しか帰ってこないし。それに私よくわからないわ。出来れば甲斐さんが直接つけた方がいいと思うけど。」
「本当か・・いいのか？・・・でも旦那がいるんじゃ・・。」
「いつも遅いからいいと思うわ・・・・。」
「・・・そうか。じゃ、お邪魔するか。」
「ええ、でも先に私を虐めて・・ネッ。」
（何て、ラッキーな・・・上手く行き過ぎて怖いくらいだぜ・・。）
　康平は、愛子を果敢に責めた。愛子は卑猥な言葉を吐きつづけ悶え狂う。。
　何度いかせただろう・・愛子は・・気絶寸前だった。
　最後は分身を飲みたいと要求してきた・・。
　康平が立ち上がると愛子は康平の腰にしがみつき大きく口を開けた。
　愛子は爆発した康平の分身を飲み込むと更に丹念に舐めつくす・・・・。
「・・・ぁ・・ぁぁ・・甲斐さんの・・オ・イシ・・イィィー・・」

　事の終えた二人はシャワーを浴びホテルを出ると康平の車で愛子の自宅に行った。
「甲斐さん、ここよ。」
　二人は愛子の家に着いた。
　かなりの豪邸だ。敷地だけでも有に６００坪はある。
　愛子の母親の部屋は母屋にあり隣併せに武田と愛子の家が並列していた。
　武田は、まだ帰宅していないようだ。
　愛子が康平を敷地内に誘う。

　愛子は母屋の裏口の鍵を開けて中に入ると康平を母親の部屋に案内した。
　中は、畳敷きの和室で優雅な置物が並べられている。
　落ち着いた感じの部屋だった。
「本当に大丈夫なのか？」
「ええ。」
　康平は、なるべく早く片付けることにした。
　部屋を見渡す・・・
　が、しかし、なかなか設置するような場所が見つからない。
　とりあえず盗聴器は蛍光灯のカサの裏に取り付けることにした。
　後は小型カメラだが、いい場所がない
　康平は興信所の探偵の話を思い出した・・・・・・・
（なるべく家具や置物は避けたほうがいいですよ。よく移動する事がありますからね。）　康平は固定してあるような者を探すが部屋が殺風景すぎてなかなか見つからない。
　全てを見渡した時、ふとカーテンに眼をやった・・。
（こ、ここだ。）
　康平はカーテンレールの隅に取り付けることにした。わずか数ミリのレンズに1センチもない型体だから解らないだろう。
　カメラだけは愛子に見つからないようにしなければいけない。
　康平は愛子に喉が渇いたと訴え水を要求した。
　愛子が部屋を出ると急いで小型カメラを設置する。
　愛子はすぐに戻ってきた。

「愛子、サンキュー・・終わったよ。」
「え、もう・・。」
「ああ。・・これでお袋さんの声を聞けるよ。」
　愛子が水を渡しながら康平に喋りかける。
「でも、甲斐さんも変わった趣味ね・・・。」
（チッ、、印象悪いな・・・。ま、しょうがねえか・・・）
「あっ・・」
（し、しまった・・。）
「どうしたの？」
　康平はカメラのアンテナを伸ばすのを忘れた。
　カメラは電波発信型であり内容を他の場所で受信するのでアンテナをつけなければ映像を取り込めない。
　康平は、愛子を引き寄せながら抱き締めキスをする。
　その隙に康平は手を伸ばしアンテナを奥へ引っ張った。

「・・・か、甲斐さん・・・。」
　康平は時計を見る。１２時近くをさしていた。
「さ、今日は帰るよ。旦那さんも帰ってくるだろうし。」
「ええ、・・・ね、・・・また・・・電話していい？」
「ああ、当然だ。」

　康平は愛子の家をでた。
　車に乗り込むとウィンドウガラスを下ろし愛子に一言告げる。
「今度は俺から電話するよ。」
「・・・？」
「電話をもらっても行けないと愛子もショックだろう。」
　愛子は少々考えたが康平の言葉に頷いた。
「解ったゎ・・・でも・・必ず・・・」
「ああ、放っておかないから心配するな。」
　愛子は笑顔を返し康平を見送った。
　康平は車を出すと早速、甲斐に電話をした。
「甲斐か？　こんな遅くにすまん。設置に成功したよ。明日の夕方頃に母親は　帰ってくるらしい。」
［そうか。じゃ、明日一番に俺から興信所に連絡を入れておくよ。］
「ああ、よろしく頼む。」
　康平は電話を切るとドッっと疲れが出てきた。
　自宅に戻ったのは午前１時を過ぎていた。
　家に入ると礼子は起きて待っていてくれた。
「おぅ、起きてたのか。」
「だって心配だもの・・。」
「そうか・・電話できなくてすまん。でも何とか成功したよ。」
「えぇー・・本当・・どうやって？」
　康平は笑いながら
「ま、簡単に言うと愛子を惚れさせた結果だ。」
　礼子は、康平のおどけた喋り方に微笑したが苦労したんでは・・という思いが沸いていた。
　康平は礼子に愛子から貰った５００万円を渡した。
「康平、本当に有難う。里美も喜ぶわ。」
「何言ってる。それに、まだ終わっていないぞ。今度の土日に愛子を誘って家を留守にする必要があるんだ。」
「・・・」
「武田が愛子の留守中に母親と接する機会を作ってやるのさ。」
「でも、そうなるとは限らないんじゃない。」
「だから昨日言ったことを、礼子がもう実行するんだよ。」
「武田に異動を仄めかすって言うこと？」
「ああ、そうだ。」
「でも、そうすると会社内にバレて大事になりそうだわ。」
「ははっ、奴は言わないよ。何故か分かるか・・・？」
「・・・そ、そうか・・墓穴を掘ることになるわね。」
「フッ・・その通り。」
「康平、やっぱり貴方・・凄すぎるわ。」
　礼子は康平にキスをした。康平と一緒にいる事を誇らしく思ったのだ。
「俺は、お前のためなら必死になるさ。」
　礼子が涙ぐむ・・・
「お前、俺に結婚を仄めかした時に言ったよな。」
「・・・」
「私と康平は運命で結ばれる様になってるって。貴方は私を放って置けないって・・。だから結婚してくれるはずだって・・・・。見事に見事に当たっていたな。」
　礼子は康平に抱きつき声をあげて泣いた・・・。
　康平は礼子を強く抱きしめ更に続けた。
「俺とお前は一心同体だ・・悩みや喜びも・・・・。ずっと探して行こう。俺達の幸せを・・そして、その裏側までも・・。」