（４７）

　礼子が会社の廊下を歩いていると専務から声を掛けられた。
「荒尾君。」
「あ、専務・・おはようございます。」
「おはよう。来週末の準備はいいかね。」
「はい。」
「うむ。手落ちの無い様に頼むよ。」
「わかりました。」
　いよいよ来週の週末から、この地方一体に拠点を置く各企業の管理職を集めた旅行の日である。ここ最近は、礼子の勤める観光会社が担当しており、企画によってはＩＫ観光の信用と契約とが確立されるため落ち度は許されなかった。
　礼子はデスクに戻り、出席者の一覧を確認した。
　約２２社の企業が参加し総勢４１名だ。
　礼子が書類に目を通していると康平の会社も載っていた。
（ふぅー・・神経使いそう・・。）

　礼子は、休憩を取りにロビーの自販機コーナーに向かった。
　途中、資料室を過ぎようとしたときに中から二人の男女が出てきた。
　営業部長の高田と庶務課長補佐の名倉元子だった。
　全く関連の無い二人が資料室から出てきたのだ。
　名倉はビックリしたように礼子を見た。
　礼子は、営業部長のネクタイが緩んでいるのを見逃さなかった。
　名倉の口紅も少々取れかかっている。
　高田は分が悪そうに足早に、その場を去っていく。

　礼子は、何も気にしないような態度で通り抜けようとした。
　しかし名倉に呼び止められた。
「荒尾さん。」
「はい。なんでしょう？」
「貴女も管理職になるんだったら、くれぐれも社内事情は口外しないでね。」
「・・・・」
　礼子は、冷笑し軽く頭を下げて、その場を去ろうとする。
　名倉は見られた事の悔しさからか礼子を静止し更に嫌味たっぷりに礼子に告げる。
「荒尾さん、精々、降格しないように頑張って頂戴。手違いでなった課長職だから。」
　礼子も負けじと名倉に言い返した。
「名倉補佐、口紅が半分取れてますわよ。よっぽど飢えて、お口に頬張ったんですね。」　名倉は、顔を真っ赤にして礼子に食い掛かった。
「な、何よ、その言い方。ちょっと美人だからって生意気よ。このスベタ！」
　礼子は、再度、冷静に言い返す。
「その弛んだお腹と、お尻を引き締めれば営業部長も喜びますわよ。」
　礼子は、そう言ってその場を立ち去った。
　名倉は腸が煮えくり返るほど怒っているようだ。
　後ろから声を張り上げて礼子を罵倒しているが無視して歩き出す。
　気をつけないと、また厄介な問題になると礼子は考えていた。

　礼子がデスクに戻り席につくと同時に内線が入る。
「はい。広報部第三課です。」
［荒尾君か？・・営業部の高田だが・・］
　礼子は、今さっき名倉と出てきた高田からの電話に驚いた。
「えっ・・あ、はい。」
［君に相談したい事があるんだ。名倉君に見つからないように何処かで会えないかな？］「は、はぁ。」
　どうも営業部長の様子がおかしい。
　どういう相談かはわからないが油断は禁物である。
（さっき見られた事の口止めかな。？）
　礼子は、食堂でならと答えた。
　ここなら高田も大袈裟な事は出来ないだろうと考えたのだ。
　そして高田も承諾した。

　礼子が食堂に向かう。
　ちょうど入り口で高田と一緒になった。
「荒尾君、すまんね。呼び出してしまって。」
「いえ。」
　礼子と高田は食堂の隅の席に座った。
「ところで話というのは何でしょうか？」
　高田は深刻そうな表情で礼子を見つめると小声で話し始めた。
「・・実は君に助けて欲しいんだ。」
「え？助けるって・・・」
「もう、解ってると思うが、さっきの名倉補佐とは、・・その・・不倫の関係なんだ。」「ええ。そのようですね。出てきた時に少々お二人の服装も乱れていましたから。」
　高田が俯く。
「知ってると思うが彼女は独身なんだが私は妻も子供もいる。」
「・・・ええ。それで？」
「彼女に脅かされているんだよ。」
「と、言いますと・・？」
　高田の説明によると、以前、庶務課に勤務する名倉の部下の女性と数年に渡り身体の関係をもっていたのだが、ある時偶然にもホテルから出てくるところを名倉本人に見られたらしい。
　そこまでは良かったのだが、その当時から高田は、次期昇格が噂されており、名倉は高田を利用して願わくば自分も恩恵を受けようと企み始めたのだ。
　そして今回の人事で高田は４月に営業部長から総務部長に異動が決定した。
　実質的に総務部長は次期役員候補であり昇格と同じ意味をもっている。
　更に総務部長は秘書課の管理も任されているため人事権にも影響力がありそれを知っている名倉は、女房と会社に黙っていてやる代わりに自分を課長に昇格させろと以前から高田に迫っていたのだ。
　そして、今回、名倉は高田が総務部長になる事が決定したため追い討ちを掛けてきた。　最初は、自分も抱いてくれたら全て秘密にすると言っていた名倉だったが礼子が昇格した事によって高田を再び脅迫し始めたのだ。
　そのため高田と付き合っていた女性を執拗に虐めだし結局、退社までさせてしまった。
　もし、自分を半年後に昇格させなければ、高田に無理やり犯されたと会社の上部に告発すると言って来たのだ。そして礼子を降格人事をするようにも命令してきた。
　高田は家庭では気が弱く妻には頭が上がらず、まして会社を辞めることにでもなれば人生の先は無いと考えている。
　高田も地位的に社内事情を把握しており礼子が専務をはじめ各部長達のお気に入り社員という噂は耳にしていたため、名倉の要望には、とても答えられないと判断したのだ。
　しかし名倉の言う事に従わなければ高田は妻にも離別されるだろうし、更に会社も辞める事になりかねない。
　この事情を誰かに説明する訳にもいかず、高田は思い切って役員に信頼されている礼子に助けを求めたのだ。

「・・酷い女性ですね。名倉補佐も。」
「私には、どうしたらいいのかが全くわからないんだ。荒尾君、助けてくれ。」
「・・・・しかし、なぜ私に？」
「君は知らないかもしれないが、専務を始め各役員からも評判がいい。それに近い将来君は女性役員になる可能性もある。私的な事で申し訳ないと思っているが、君の力で何とか　解決できるんじゃないかと判断したんだ。」
「部長、正直に言うと私には一切関係の無い事ですが、私の妨害をしている名倉補佐の行動が反人道的なことですし、社のためにも放っておけない事と考えています。。」
「私は彼女が怖いんだ。今まで有能な女子社員が何人も辞めていったが半分以上が彼女の策略によるものなんだよ。人を陥れる技術に彼女は長けているんだ。」
「解りました。・・でも、この事は、私個人でやらせて頂きます。でも部長に協力を依頼するかもしれませんが、その時は宜しくお願いします。」
「わかった。荒尾君・・・・すまん。頼む・・。」
　高田は礼子に頭を下げた。

　礼子は、食堂から出ると宮口里美と遠藤順子にロビーに来てもらい、このことを説明した。
「酷ぉーい。やることが汚すぎるわ。そもそも男に抱いてもらえるだけでも有り難いと思わなきゃ。それを反対に利用するなんて人間とは思えないわよ。」
　順子も里美に続く。
「要するに私たちの情報課を陥れて自分の昇格を計画してるって事じゃない。」
「その通り。絶対に許せないわ。」
　礼子は二人に冷静に話をした。
「でもね。里美、順子、よく聞いて。それだけでっていう言い方はおかしいんだけど、どうも、よくよく考えてみると、その他にも何かやってると思うのよ。あのオバサン」
　里美と順子が頷く。里美が思い出したように二人に喋った。
「そういえば、噂だけど若い男を食い物にしてるって話をよく聞くわ。」
「あっ、それ知ってる。でも男の人も弱みを握られて言い出せないらしいわよ。」
　礼子が付け加える。
「とにかく、あの女は程度が低くて、さほど頭も良くないから簡単に落とせるわ。ただし、ずる賢い所があるから、ちょっと気を付けないといけないかもね。」
「礼子、どうする？」
「かなり難しいけど名倉の欠点を出来る限り調べられるかしら？」
「反対に脅すのね。」
　礼子が頷く。
　里美と順子は、さっそく社内の調査を始める事にした。
　勿論、名倉の弱みを見つけるためだ。
　彼女の態度や行動は社員全員が迷惑している。
　礼子は、高田のためではなく会社の為に名倉を追放する事を決意した。
「じゃ、里美、順子。ヨロシクね。」
「ＯＫ！」
　礼子は、今回は康平には相談せず一人で解決しようと思った。
　これから管理職になると、いくつもの難関が待ち受けている。
　自分が成長するために色々な力を付けていかなければならないと考えたのだ。

−　その夜　−

　寝室で礼子は康平の激しい攻撃を受けていた。
「・・・クアァァァーーーー・・も、・・もう、イクゥゥゥゥゥゥゥーーー・・イヤァーーーーッ・・あぁ・・イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥー」
　礼子は絶叫しながら果てた。

　そのまま康平にベッドに寝かされるが康平は、まだ腰を動かしている。
　両足を康平の肩に乗せられ完全に身体が折れ曲がった状態で真上から杭を打ち込まれていた。礼子の蜜壷からは摩擦による淫音を発している。
「・・オォ・・うあぁ・・コ・・コウ・・ヘ・・ィ・・・も・・ぅ・・だ・・駄目ぇ・・許してぇー」
　康平は、思いっきり礼子の中に分身を爆発させた。
　礼子の蜜壷が急激に収縮していく・・・・
　康平は礼子の足を下ろしゆっくりと肉棒を抜くと礼子の隣に寝そべった。
　礼子が康平の胸に顔を預け唇を這わす。
「・・・・・ァァー・・・康平・・オ○ンコが壊れるかと思っちゃった・・。」
「フッ、しかし相変わらず絡み付いてくるな・・ココも。」
　康平は礼子の亀裂に指を這わし女芯を弄る。
　礼子が小さく喘ぎながら康平の大腿に足を絡めた。
「ねぇ、康平。ちょっと教えてくれる？」
「ん、何を？」
「例えば、ある人が弱みを握られてしまった時に、それを解決するための打開策として、どういう方法があるかしら？当然弱みを握られているほうが善人としてよ。」
「ん？何か会社であったのか？」
「ん、まあね。でも私の力で解決したいの。」
　康平は、礼子も、だんだんと力を付けていく次期に来たのかなと思った。
「ま、内容はわからないが方法はゴマンとある。」
「例えば？」
「目には目をっていう方法と、ストーリープランを使う方法だな。」
「うん。それで？」
「でも肝心なのは、何十種類ものシュミレートをしておく事だ。そしてターゲットにする人間の長所・短所を徹底的に分析する事だな。後は一人で実行しない事。コレは絶対に　ボロが出てしまう。つい結果を出したくて急いでしまうんだ人間は・・・。」
「他には・・ある？」
「んー・そうだな。相手が明らかに悪者だとすると俺は手段を選ばない。」
　康平の目が鋭くなる。
（こ、怖っ）
「まず男なら、この間やったように家族を利用するもいいぞ。男は臆病者だからな。」
「康平を見てるとそうは思わないけど・・。」
「・・な・・ちゃんと聞けよ。」
「ご、ごめん。」
　康平は気を取り直して話を続けた。
「女なら肉体的に責める方法とプライドをギタギタにして精神的苦痛を最大限に与える方法と2種類あるな。ま、極悪系は身体を使うけど。」
「ふぅーん。なるほどねぇ・・」
「ま、焦らずじっくり責めるのが基本さ。」
「ありがとう、康平。何となくわかったわ。」
「だけど、あまり無理するなよ。」
「うん。」

　礼子は、康平の肉棒を口に含み丹念に舐め始めた。
　康平も礼子の舌技で早くも怒張し始める。
「礼子、後ろを向いてくれ。」
「アァーーン・・今度は優しくしてね・・・」
「いや・・気絶させてやる・・・」
　礼子は四つん這いになると両手で蜜壷を広げて康平を見つめた。
「ァン・・康平・・大ぁーぃ好き！」
　康平と礼子は２回戦目に突入した。