（５０）

「礼子君」
　山岸が出社してきた礼子を呼ぶ・・。
　礼子は山岸とロビーに出た。
「課長ありがとうございました。どうでした、彼女は？」
「どうもこうもないよ。まるで飢えた雌犬のようだった。
　礼子がクスクスと笑う。
「礼子君、笑い事じゃないよ。」
「すいません。このお礼は必ずしますので・・」
　そういって山岸の肉棒をズボンの上から擦った。
「れ、礼子君・・」
「名倉補佐との決着がついたら、また・・・ね。」
　山岸は、苦笑いした。
　そして昨日の元子とのプレーを撮ったビデオを渡した。
「んーむっ・・かなり恥ずかしいが笑わないでくれたまえ。」
「フフッ、想像してしまいます。」
　礼子は、ビデオを受け取ると再度、山岸に礼をいいデスクに戻った。
　礼子は、高田に内線で連絡し今夜、元子を誘うように指示した。
　高田は了解し礼子から次のシナリオをメールで受けとった。

　高田は、礼子から受け取ったシナリオを頭に叩き込み元子を資料室に呼び出す。
　元子も高田に話があるといって、直ぐに資料室に駆けつけてきた。
「部長、お話って。」
「ああ、今日、山岸君から後期の人事の件で話があってね・・。」
　元子は、さっそく山岸が高田に話してくれたと思い込んでいた。
「ええ、それで・・・・」
「ああ、今夜、その話がてら・・どうだい？・・・君を抱きたいし・・。」
　元子は山岸と今夜も会う約束をしているため高田の受け入れる事が出来ない。
　それに、もう山岸が抱いてくれるので早漏気味の高田には身体を任せる必要はなかった。しかし、人事権をもつ以上、高田を無視するわけにはいかない。
「今日は・・ちょと・・友人に相談事を持ちかけられていて・・。」
「そうか残念だな。」
「あの、部長、今まで脅迫まがいの強要をしてすみませんでした。」
「ん、あ、ああ、別に気にしてないよ。」
「もう部長を誘ったりしませんので、今までの事は許してください。」
　元子は高田との関係を清算なければならないと思っていた。
　それも早いうちに話をつけなければ山岸に感づかれる可能性もある。
　もし、ばれるような事があれば山岸の実力からいって高田を押さえる事も可能であるからだ。
　いずれにせよ、高田とは、もう一度肌を合わせなければならないと考えた。
「部長、近い内に誘いますわ。」
「ああ。わかった。」
　高田は、そう言うと見つからないように資料室を出ていった。
　少し時間をおいて元子も出る。
　また礼子に見つかってはと思い慎重にドアを閉め左右を見渡して部署に戻っていった。

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　仕事を終え元子は足早に会社を出る。
　一旦、自宅に帰り下着を取り替えると、また濃い化粧をし軽い食事を採ったあと急いで昨日のホテルに向かった。

　まだ、約束の時間までには３０分ほどある。
　元子は、フロントで山岸の名前を告げた。
　山岸の言ったとおり予約が入っている。７０１号室の鍵を受け取ると元子は踊るようにエレベーターに乗り込んだ。
　部屋に入ると元子は一人ではしゃいだ。
「あぁー、嘘みたい。ハンサム課長の愛人になれたし昇格も約束してくれたし。ＳＥＸも、もう一人でやらなくてもいいのね・・。」
　元子は、ベッドに横たわり山岸を待った。
　自然と手が股間にいってしまう。
　元子はショーツをストッキングごとを股下まで降ろすと女芯を擦り始めた。
　いつもの癖なのか自慰を始める・・・
　つい没頭してしまったのか知らず知らずのうちに一人で果ててしまった。
　山岸に抱かれる前にいってしまったことを後悔したが、さほど気にしない。
　何度でも快感を得る自信を持っていたのだ。
　ふと時計を見ると　既に７時を回っていた。
（山岸課長、遅いわね。）
　その時、部屋に電話が鳴った。
　元子が受話器を取る。山岸からだった。
「ええ・・そんな。」
［すまない。専務に頼まれては嫌といえないんだ。］
「専務から・・それじゃ仕方ありませんね。」
　山岸は、得意先の接待を専務から急遽依頼され止む無く行けなくなった事を伝えた。

［元子、せっかく来たんだし、ゆっくりしていきなさい。飲食も部屋代も私につけておくようにフロントに話しておくから。何なら泊まっていってもいいんだぞ。］
「はい。わかりました。では次回は・・」
［ああ、解ってる。今度は約束を守るよ。］
　そう言って山岸は電話を切ると直ぐに折り返し高田に連絡をとる。
「高田部長、ＯＫです。・・はい。じゃ予定通り２時間後にホテルに向かいます。」
　山岸は、今のところシナリオ通りに運んでいる事を確認した。
　後は、高田が上手く元子と会うよう口説くかである。

　一方、高田は少し間をあけ元子の携帯電話に電話をした。
「もしもし、名倉君か？」
［あ、部長・・］
「すまない。すぐ済むから聞いてくれないか。会社で君に言う事を忘れて。」
「え？」
「人事の件でね。」
　元子は考えた。山岸とはキャンセルになってしまったし、その気になって準備していたため身体の欲求は解消されない。それに人事の事となると元子は気が気でなかった。
　どうせ高田との関係を絶つため会おうとしていたので、いい機会と思い高田を誘う事にした
［あの、部長よろしければ今から会いませんか？］
「え、いいのかい。」
［ええ、もう用は済みましたし今一人なので・・。］
　元子は高田を誘い了承を得た。
　ホテルと部屋の番号を伝えると元子は電話を切った。

　３０分ほどして高田が到着する。
　元子がドアを開けた。
「名倉君。凄いホテルに居るね。」
「え、ええ。たまに贅沢して身体をリラックスさせてるんです。」
　元子は適当な言い訳をした。
「ところで話なんだが、山岸君から強い推薦を受けてね。勤務成績や内容をまとめたレポートを作成するんだが多少、無理な部分があって・・。」
「・・・」
「つまり、業績部分はどうしても嘘を書けないんだよ。」
「な、何とかならないんですか？」
「うむ・・ま、私が虚記入すればだが・・・ばれるとね・・・。」
「部長・・今日抱いてくださる？」
「え・・？　」
「もう部長には一切、迷惑をかけませんし会社や家族にも訴えるなんて絶対に言いません。だから今日を最後と思って・・・私を・・・。」
「本当かね？」
「ええ。だからなんとか・・・」
　元子は必死だった。
「失礼だが彼氏でも出来たのかい？」
　元子は、一瞬顔色が曇ったが即座に否定する。
「いえ、違います。将来の役員になる方の足手まといになってはと・・。」
「名倉君、そうか・・ありがとう。」
「でも、部長、今日は私を抱いてくださいよ。」
　元子は、その気になっていたため欲求が溜まってしょうがない。
　どうせ山岸に断られたし今日は高田に抱いてもらおうと思った。
　元子は高田のスラックスのベルトを外し下に降ろす。
　そして高田の肉棒を口に含むと音を立てながら貪りはじめた。
「ングッ・・ングッ・・グッ・・ぁぁぁ・・美味しぃぃぃぃぃー・・」
「な、名倉君・・」
「部長・・ベッドにいきましょう。」
「あ、ああ・・」
　元子は着ている服を脱いだ。
「部長も脱いで。」
　元子はベッドに仰向けになると足を開いて愛撫をせがんだ。
　名倉は元子の恥丘を見て驚いた。
「名倉君・・それ・・ハ、ハート・・」
　元子が、陰毛を見て答えた。
「あ・・こ、これ・・い、今、お風呂で剃ったの部長が喜ぶと思って・・。」
「・・・」
「あ、あの・・ほら・・いままで・・・毛深くて舐め難いって言ってたでしょ・・。」
　元子は、ハート型に剃っている事を忘れていたため高田に無理な言い訳をする。
「だから・・その・・部長の為に・・・剃ったのよ。」
「そうか。」
　高田は、山岸が言っていた悪戯とは、この事かと笑いが込み上げて来た。
「今日が最後なら名倉君の乱れた姿を見てみたいよ。」
「部長・・今日は私、燃え尽きたいわ・・」
　そう言うと、元子は高田を引き寄せた。
　高田は、元子の女芯に舌を押し付けると元子はいきなり声を張り上げ喘ぎ始める。
「アゥゥゥゥゥーー・・ク・・クリが・・オォォー・・気持ちいぃぃぃー・」
　高田は、元子と結合した。
　今まで見た事も無いような元子の激しい腰の振り方に高田も驚愕した。
　元子は、何度か絶頂を向かえたが、まだ満足していないようだ。
　高田は元子に少し休憩を訴えた。
「部長、情けないわよ。私、まだ満足していませんから・・。」
「ああ、解ってるよ。」
「お酒でも頼みましょうか？」
「ああ、そうだね。喉も渇いたし・・。」
「じゃ、部長、フロントに電話して適当に注文して。」
「ああ、解った。」
　高田が酒とつまみを注文するのを確認すると元子はトイレに立った。
　それを見て高田は急いで山岸に電話を入れる。
　山岸は了解しホテルに向かう。

　しばらくするとボーイが、オーダーを運んできた。
　高田はチェスターごと受け取りサインをした。
　ボーイが出て行くと高田は外を覗く。
　エレベーターの待合ソファに山岸が居るのを確認した。
　山岸が高田に気づき軽く手を上げた。
　高田は軽く頷き部屋に入る。
「部長、早く持ってきてください。」
「ああ、今行く。」
　高田がテーブルに酒とつまみを置くと元子は自分でビールを注ぎ一気に喉に流し込んだ。
「ふぅーー、美味しいわ。部長も飲んだら？」
　高田はウィスキーの水割りを作って飲んだ。
　そしてシナリオどおりの台詞を吐く。
「あれ、私が頼んだつまみが無いな・・。」
「いいじゃない、そんな事。また持ってくるわよ。」
　元子は全裸のままソファに座っている。
　そして隣に居る高田の肉棒を上下に摩りながら巨乳を自ら揉み始めた。
「ああ、部長・・早く大きくなって・・コレを頂戴ぃぃ・・」
「ああ、わかった。」
　元子は高田をベッドに連れて行く。
「ね・・まだなの？」
「ああ。最近、復帰が遅くて・・君の乱れ姿を見せてくれないか？」
「フフッ・・いいわ。そのかわり私を見ながら部長もシゴイて見せて。」
　そう言うと元子は仰向けになった。
　そして一人で蜜壷を愛撫し徐々にエスカレートしていく。
　高田は、元子を見て肉棒を握り締めた。
　元子は、高田が自分を見て上下に動かしている姿に満悦していた。
「ンオォォーー・・あぁ・あぁ・・○ンコがぁぁ・・クリも・・ううぅぅー・・部長、私の○ンコも見てぇぇ・・ホラッ・・もう、こんなに・・オァァァー・」
　元子は手馴れた手つきで蜜壷と女芯を弄っていた・・
　早くも中からは淫汁を垂れ流している。
　元子は、ピッチを上げていった。飛び出た女芯を指で激しく摩擦している。
「クゥゥゥゥゥーー・・イイィィ・・・・・・もう、イキソォォー・・」
　その時、部屋がノックされた。
「ぶ、部長・・たぶんボーイよ・・出て。・わ・・私・・い、いま・・いい所なの・・」　元子は、蜜壷とアナルに指を入れて狂ったように悶えていた。
　一応、聞こえないように声を押し殺す。
　高田はドアを開けに入り口に向かう。扉を開くと山岸が立っていた。
　高田が山岸に耳打ちした。頷く山岸・・・
「わかりました。じゃ部長、台詞を間違わないで下さい。」
「わかった。」
　ドアの閉まる音を確認すると元子は再び声を荒げて淫声を発し始めた。
　山岸が高田とベッドに向かう。
　元子は腰を思いっきり突き上げて蜜壷を大きく開き中を見せようとしている。
　そして元子はちょうど昇天するところだった。
「部長ぉぉーー・・イクゥー・・見てぇぇー・・私の、○ンコを見てぇぇぇぇー・・ウオォォォォーー・・・マ○コが、マ○コが、いっくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーウンォォォーーーー・・・痺れるゥゥー・・グガァァァァァァァァァァァァァァーッ」
　元子が、高田を確認しようと入り口を見ると、そこには山岸と高田が立っていた。
　元子は、山岸を見つめ一気に顔色が蒼ざめていく・・・
「ェ・・・・い・い、いやぁぁぁぁぁぁぁーー・・・」
　元子は、ガクガクと全身を震えながらか細い声で口を開いた・・
「ど・・どう・・して・・・・・きょ、今日は・・・来ないって・・」
　山岸は、ワザと顔を強張らして言い返した。
「先方が接待中、急に所用で帰られたんだ。君が一人で寂しいと思って急いで駆けつけたんだが、まさか高田部長とこういう関係だったとは知らなかった。」
　元子は、もはや声が出ない。顔は真っ青になり唇の震えも止まらない。
　山岸は高田に問いただした。
「高田部長、どういうことなんですか？　」
「どういう事って・・・私は、彼女に誘われたんだよ。」
　山岸も言い返す。
「部長、恥ずかしながら私も、名倉君と愛人関係になることを約束したんですよ。」
「な、なんだって？・・そうか、それで今日を最後にしたいと・・。」
「えっ？　どういうことなんですか高田部長。名倉君と今まで・・」
「ああ、彼女とは不倫関係だったんだ。」
　山岸と高田は、打ち合わせどおり台詞を言い合い、時に元子を見従えながら会話を続けた。
　元子が、嗚咽を漏らす・・・
　山岸が元子に話し掛ける。
「名倉君・・どういうことかね？男はいないって言ってた筈だが。」
　元子は無言だった。
　再び、山岸と高田は今までの元子との経過を話し始めた。
　元子はいつの間にか二人の会話を聞いているうちに泣きやんでいた。
　呆然としながらも薄笑いを浮かべている。
　そして、やっと口を開き始めた。
「部長・・課長も・・・・私、クビにはなりませんよね？」
「ん？」
「だって、そうでしょ。お二人は私の身体を弄んだんですよ。」
　山岸が言い返す。
「君は２０人もの男を弄んだじゃないか・・」
「ぅ・・・ッ・・・ク・・」
「しかし、クビにはしないよ。いつまでも会社にいればいい。ま、君から辞めるなら別だがね。」
　元子が開き直って二人を中傷し始めた。
　そして高田と山岸、二人の家族を脅す事を仄めかす。
　山岸が、言い返す。
「はは、どうぞ、ご自由に・・君の戯言なぞ信じないさ。それに君が今まで侵した内容を証言した事実もビデオに残っているしね。プライドの高い君のことだ。これが誰かの手に渡れば、一体どうなるかは想像できるだろ。」
　元子は、昨日、山岸に自分が行ってきた悪事や男遍歴、さらには汚い手を使って幾人もの若い社員を退社にまで追いやった事などを山岸に話してしまった事に気づいた。それもビデオに写っている以上、今さら言い訳は言えない。
「・・・・・・・ゥ・・」
「何より、君の戯言など、揉み消す実力が我々にあるのは君が一番良く知っているだろう。」
　元子は、ガクッっと肩を落とした。
　高田と山岸は、部屋を出た。
　山岸が、一言告げていく。
「ま、一人で、じっくりオナニーでもしてくれたまえ。約束どおり、ここは私が払っていくから。」
　山岸と高田は部屋を出た。
　廊下に出ると高田が山岸の手を握り感謝をする。
「山岸君、本当にありがとう。」
「部長、貴方は優秀なんですから二度と、あんな女に引っ掛からないで下さい。」
「すまない。これから気をつけるよ。」

　部屋に残された元子は呆然としていた。
（辞めるしかないのかしら・・・）
　しかし会社を辞めても他に勤め先は無い。
　仮に残ったとしても、もう昇格はありえないだろうと思った。。
　ならば、こうなった以上、荒尾礼子も何とかして蹴落とさなければ気がすまない。
（こうなったら・・・あの手で・・・荒尾礼子に・・・・）

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−　翌日　−

　元子は、何事も無かったように会社に出勤した。
　自分のデスクに座ると嘘の経費支出台帳を作成し使用者を礼子の名前にするとフロッピーに記録し経理課に向かった。
　この課には以前、元子が騙して肉体関係を持った青木という男性が勤務している。
　元子は、青木を呼び出した。
「久しぶりね。青木君」
「な、名倉さん・・何の用ですか？」
　青木は、元子にフロッピーを渡された。
　そして、支出コードの一覧に、このフロッピーの内容を記録するよう頼んだ。
「名倉さん、そんなことをしたら経費コードが狂ってしまいますよ。」
「知ってるわよ。そんな事。」
「え、えぇ？知ってて・・・」
「やるのよ。青木君。でないと貴方の秘密を社内に流すわよ。それに無理やり私を機械室に連れ込んで犯したこともね・・。」
「あ、あれは名倉さんが無理やり・・」
「何よ、何なら今から部長に話してもいいのよ。」
「そ、そんな・・・わ、わかりました。」
「いいこと。何かあってもシラをきるのよ。」
　元子は青木に念を押して立ち去った。
（ふっ、どういう展開になるか楽しみだわ。）

　午前中の仕事も終わり、元子は食堂に足を運んだ。
　回りを見渡し礼子を探す。
　礼子は、順子と談笑をしていた。元子がその場所へ足を運ぶ。
　二人は、近づいてきた元子を見上げた。
「あら、お二人さん。作戦会議かしら？」
　いかにも横暴な態度で元子が切り出した。
　順子が答える。
「名倉補佐、何か用ですか？」
「別に用は無いわ。ただ忠告をしに来ただけよ。」
　順子が聞き返す。
「忠告？」
「荒尾さん、あなた経費を勝手に使ってるっていう噂が流れてるけど本当なの？」
「えっ、何のことですか？」
「トボケなくてもいいわよ。あなたの事だから、そのお金使って、男共に、下半身を開いてるんじゃない。色気使って無理やりに。」
　元子は、薄笑いを浮かべて礼子に言い放った。
　礼子は、呆れて溜息が出た。
　そして元子に説く。
「名倉さん、青木君に渡したフロッピーは、総務部長のところにありますわよ。」
　元子の顔が一気に崩れていく・・・・
「ェ？・・・・・な・・・そ・・」
　元子は、目が飛び出るくらい驚いた。
　何も口から言葉が出てこない。
「それに、男を無理やり誘うのは貴方でしょ。何十人も。」
　更に、順子がトドメを刺すように礼子に続く。
「名倉補佐こそ、まさか、アソコの毛をハート型にしたり洗面器に太いウンコを男に見せて喘いでるんじゃないですか？　挙句に卑猥な言葉でココを見てぇーとか言って。私の想像ですけど大陰唇も真っ黒で伸びきってるんでしょうねー。」
　名倉は、顔が青ざめ目尻が引き攣っている・・・。
「な、なんで・・・あなた・・たち・・・・何でよぉぉーーっ・」
　食堂にいる社員が大声を上げる元子に一斉に注目した。
　礼子は、静かに、そして諭すように元子に言い放つ。
「名倉さん、貴方と私達とでは、出来が違うんです。私達を甘く見たようね。」
　礼子が、言い終わると社内アナウンスが掛かった。
『庶務課の名倉補佐、名倉補佐、社長室まで。繰り返します。庶務課の・・・・』
　名倉は、ふらつきながら食堂を後にした。
　二人は名倉の背中を見ながら安堵の溜息をついた。
「礼子、やったわね。たった二日で終わったわよ。」
「いかに単純で頭が悪いかっていうことね。でも、ある意味、気の毒な人かも。」
　礼子と順子は、笑いあった。
　名倉は、社長室には行かず、そのまま会社を逃げ出してしまった。
　その後、高田と山岸の計らいで、何とか退職金は口座に振り込まれたようだ。

（ふぅーっ・・もう二度とこんな事はゴメンだわ。康平の苦労がほんと解る気がする。）
　礼子は、そう思いながらデスクに戻った。