（５２）

「じゃ、康平２日間ヨロシクね。」
「ああ、しっかりやって来いよ。」
「うん、ありがとう。」
　今日から礼子は、各企業の幹部が一堂に集まり親睦を会する旅行の日であった。
　ここ数年はＩＫ観光が、この企画を担当しており、礼子が今その役を担っていた。
　康平の会社も参加しており新常務が出席するようだ。

　礼子は、早めに会社に向かい各企業の役員達を迎える準備をする。
　マービラスというＩＫ観光が誇るデラックスサロンバスが、早くも到着しており、専務、そして山岸と共に集合場所のＪＲ駅駐車場に向かった。
　礼子は、バスガイドの林に詳細を説明する。
「林さん、先日も説明したけど、うちの社行事だから落ち度の無いようにヨロシクね。」「はい、解っています。係長も引率は今日が最後になりますね。」
「そうね。無事終わりたいわ。」
　
　バスはＪＲ駅に着いた。
　バスガイドの林は乗り入れ口に赤い絨毯を敷く。
　礼子は名簿を手に、入り口ドアの横で各者を待った。
　続々と黒塗りの高級車が到着してくる。
　礼子は、山岸と共に丁重に応対しガイドを促して社内に案内した。

「課長、全員が集合されました。」
「うむ。では出発しようか。」
　礼子と山岸は、バスに乗り込んだ。
　さっそく専務が丁重に挨拶をし、そして同行の山岸と礼子を紹介する。
　全員から拍手が起きると、太平洋製鉄の常務が声をあげた。
「みなさん、今、ＩＫ観光の専務さんから紹介された荒尾さんは、４月からうちの総合センタービルに局長として就任する荒尾君の奥さんなんですよ。」
全員が声をあげて礼子に注目した。
「ほぉう、彼女が・・・彼の・・。」
　そして、専務と山岸も驚きを隠せなかった。
　礼子は、会社には、まだ康平の昇格の話をしていなかったのだ。
　しかし、ある意味二人は既に今回の旅行が成功したと思った。
　太平洋グループは国内でもトップ企業であり、その中でも太平洋製鉄は鉄鋼業界大手の中で業務シェアの７割を有する大会社であり、そこの役員を夫に持つ礼子が、今回の旅行の担当となれば文句を言う者など皆無だからだ。
　それどころかセンターの局長となれば、各社の役員は媚びさへ礼子に向けるであろう。
　礼子は、それを気にしてか全員に発言をした。
「みなさん、私はＩＫ観光の社員であり、主人とは一切関係はございません。今回の旅行で私共に不備等がございましたら遠慮なくお申し付け願います。」
　各社の幹部は礼子の適応な説明に感心した。
　ガイドが機を察し飲み物の注文を聞き出した。
　礼子はガイドを手伝い冷蔵庫から酒やジュース等を出しテーブルに運ぶ。

　各企業の幹部達は、会社事情や経済関連の話題で盛り上がっていくがバスガイドの話や専務、山岸の酒の勧めで場が徐々に和んでいく。
　礼子がカラオケを勧めると歌自慢の一人がさっそく先陣をきって歌い始めた。
　段々と仕事話から趣味やゴルフの話題に移って行く。
　こういう状態に持っていくのも礼子の大事な役目なのだ。
　一息ついた礼子は、各自に酒を注いで回る。
　バスは２、３箇所の見学地を巡ったあと無事、目的地の観光ホテルに到着した。

　礼子は、宴会の準備を確認し全員に宴の開始時間を報告した。
　皆、礼子の説明を聞き終えると、それぞれが部屋に案内され温泉に入ったりロビーで寛ぐなど自由に過ごすようだ。

　礼子もフロント横のカウンターカフェで山岸と一息つく。
　山岸が礼子に話し掛けてきた。
「礼子君。ビックリしたよ。ご主人が太平洋製鉄の役員になったとは。」
「ええ、機会があれば話そうと思ってはいたんですが。」
「君のご主人もやり手なんだね。まだ若いんだよね。」
「私より４つ上です。」
「３０代で役員かね・・。」
「当の本人がビックリしてますわ。」
「しかし、今回はもう安心だよ。皆さんの君を見る目が違うのが解るくらいだ。」
「私、返って、それが重荷で・・。」
　礼子は苦笑いをした。
「宴会は同席するが、２次会は専務しか付き合わないし後は自由でいいそうだ。」
「そうですか。」
　礼子は、ホッとした。
　２次会まで付き合うとなると反対に相手のほうが神経を使ってしまう。
　それだけ康平いる太平洋製鉄は色々な業界に対しても力のある会社なのだ。
「礼子君・・その・・今夜・・」
「ふふっ・・一応約束ですものね。」
　山岸の顔がみるみる緩んでいく。
　礼子は、声をあげて笑い出した。

　二人は宴の準備のため宴会場に入った。
　自社の提携旅館であるため、ここでも落ち度は許されない。
　念入りに料理の確認から部屋の装飾の位置まで事細かくチェックを繰り返す。
　確認が終わると電話で集合の放送を頼んだ。

　全員が集まり、改めてＩＫ観光専務の挨拶と御礼の言葉が述べられ、太平洋製鉄常務の乾杯の音頭で宴が開始される。
　既に待機していた１０名ほどの和服を着たコンパニオンが一斉に散らばり各人に酒を注いで回った。
　途中、女将の挨拶も入り万端に宴会は進んでいく。
　みな、今回の旅行に満足した様子であり礼子と山岸も胸を撫で下ろしていた。
　３時間ほど続いた宴会も最後は、Ｔ銀行支店長の１本締めで締めくくり２次会に行く者や早くも床につくものなどバラバラになる。
　山岸は専務に財布ごと社経費を渡して２次会に見送った。

「礼子君、ご苦労さん。」
「はい。やっと終わりましたね。」
「ああ、明日は帰るだけだからな。」
「では、私、お風呂に入ってきます。」
「私も、そうするよ。」
「礼子君・・・えー・・・」
　礼子が微笑みながら答える。
「課長、お風呂から出たら、部屋に電話します。」
「ああ、待ってるよ。」
　礼子は、自分の部屋に向かった。
　ドアを開け中に入ると礼子は洋服を脱ぎハンガーに掛けて洋棚にしまった。
　礼子は康平に電話をした。
「もしもし、私。」
［おう、どうだ、そっちは？］
「うん、無事に宴会も終わったわ。今からお風呂に入ろうと思って。」
［そうか。ま、ゆっくりと、今までの疲れでもとってこい。］
「うん、ありがとう。・・・亜美は？」
［今、寝たところだよ。今から義兄さんと将棋の勝負だ。］
「まぁ、来てるの？」
「ああ、優子さんが晩飯を作りに来てくれたんだよ。」
「えっ、お姉ちゃんが。」
［ああ。かなり助かったぜ。］
「そう。お土産買っていくわ。ヨロシク言っておいて。」
［わかった。じゃぁな。］
「うん。」
　礼子は電話を切ると下着も全て脱ぎ、ポーチにしまうとバッグから新しい下着を取り出す。
　白地にパール色の刺繍が入ったセクシーな上下の下着を出した。
　礼子は何も着けずに浴衣を着ると浴場に向かった。

　礼子は浴衣を脱ぎ浴場に入った。
　中には数人の中年女性が会話をしながら湯に浸かっていた。
　礼子は、シャワーで身体を流し湯船に浸かる。
　久しぶりの温泉に礼子も心身がリラックスしていった。
（あぁー、これで広報部の仕事も終わりだわ・・・・）
　礼子は、入社後、８年間に渡って広報部に従事してきた。
　四月からは、新設の情報課、初代の課長として新たな仕事に追われる。
（頑張らなくっちゃ。）
　礼子は、身体を洗った後も、ゆっくりと湯船に浸かり身体を癒した。
　贅肉のない礼子の真っ白な肌が淡いピンク色に染まっていく。

　礼子は、風呂から上がると部屋に戻り薄化粧をする。
　腰につけたボディーチェーンを外し大切そうにバッグにしまった。
　そして、そのバッグからジョイのブラックボトルを取り出す。ジャン・パトウだ。
　康平からプレゼントされた、この香水を小指につけ、うなじに滑らした。
　礼子は立ち上がり、山岸の部屋に向かった。ドアをノックする。
　中から山岸が扉を開け礼子を部屋の中に入れた。
　山岸の目が眩んだ。
　甘い香水の香りと礼子が放つ女香が山岸を刺激する。
「礼子君・・凄く不思議な香りがするね。」
「そうかしら。主人がプレゼントしてくれた香水をつけてきたの。」
　山岸は礼子を抱きしめた。
　引き寄せられた礼子は山岸の固くなったモノを下腹部で感じ取った。
　礼子が山岸から静かに離れ浴衣の帯を解く。
　そして、ブラジャーとショーツも脱ぎ全裸になった。
　形の良い乳房と適度に盛り上がった恥丘、腰ライン、そして品のいい薄目の陰毛が山岸の心臓を圧迫させる。
「礼子君、素敵だ・・・」
「課長、優しくしてね。」
　礼子は、そう言うと既に敷いてあった布団の上に仰向けに寝た。
　山岸は、急いで浴衣を脱ぎ礼子の下半身に覆い被さる。
　礼子は膝を立てて足を開いた。
　山岸は礼子の芽を唇で挟むと優しく下で転がし始めた。
「ァァ・・アァァァァァ・・・」
　礼子の蜜壷から愛液が湧き上がってくる。
　山岸は礼子の蜜を啜りながら舌を亀裂に這わせた。
「ウゥゥゥゥー・・・」
　山岸の肉棒は既にはちきれんばかりの勢いで怒張している。
　礼子は山岸の肉棒を右手で握ると亀頭部分を口に含み左手で袋を包み優しく揉み始めた。
　山岸が、呻き声をあげる。
「礼子君・・・気持ちいいよ。」
　礼子は長い舌を使って根元から肉棒を包み込んでいく。
　山岸も礼子の蜜壷に手を伸ばし指で女芯を愛撫していた。
　礼子の蜜は太腿を伝い布団に落ちていく。

　礼子は自ら手足を付き四つん這いになる。
　山岸は後ろから礼子の亀裂と菊門を丹念に、そして長い時間を掛けて舐めあげていった。
　礼子は止め処なく蜜を流し続けた。
「課長・・いいわ・・キテェ・・」
　山岸が礼子の腰を掴み、ゆっくりと感触を味わいながら挿入していった。
「ンアァァー・・・課長・・動かしてぇぇぇぇー・・」
　山岸が礼子の催促に応える。
　しかし、十分に濡れきった内部と纏わりつく肉襞に山岸は早くも果てそうになった。
（く・・うぅっ・・・す、凄い・・相・・変わらず・・・め、名器・・だ・・）
　礼子の蜜壷の中で山岸の肉棒は悲鳴をあげていた。
　吸い付くような感触とザラつく天井の心地よさが一層山岸を虜にしていく。
「礼子君・・すまん・・もういきそうだ・・。」
「ぁぁー・・いいのよ課長・・中に出して・・・」
「オォォーーッ・・・た、た、まらん・・」
　山岸は、わずか数分で爆発をしてしまった。
　礼子は、それでも山岸の肉棒を締め付け始める。
　山岸は、礼子の中から肉棒を抜きたくなかった・・・・
　しかし礼子のほうが山岸から離れた。

　ニッコリと微笑み、仰向けになった礼子が一人で女芯を弄り始めた。
　礼子を注視し肉棒を握り締める山岸・・・・
　その夜、山岸は主導権を握る事無く礼子に魂を完全に抜き取られてしまった。

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　帰りのバスの中で山岸は完全熟睡している。
　何とか礼子を満足させようと夜中遅くまで頑張ったが結局は礼子に弄ばれてしまったのだ。
（ほんとに・・課長ったら・・・やっぱり康平じゃないと駄目ね。）
　礼子は、早く家に帰って康平に抱かれたくてしょうがなかった。
　やはり礼子は康平でないと満足が出来ない身体になっているようだ。
　無事、出発時の場所に到着した。
　各社の運転手が既に待っていた。
　専務を先頭に山岸と礼子が、お辞儀をして見送った。
　全員の解散を確認すると専務が礼子に労を労った。
「専務、私は、ここで失礼させて頂いてよろしいでしょうか。」
「ああ、ご苦労さん。我々は社に車を止めてあるからそっちに戻るよ。」
「はい。お疲れ様でした。失礼します。」
　礼子は専務と山岸に頭を下げて、そのまま駅のホームに向かった。

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「ただいまぁー。康平ありがとう。」
　奥から亜美が走り寄ってきた。
「ママー、お帰り。」
「あれっ、亜美、パパは？」
「叔父ちゃんと将棋やってるー。」
「えぇー、まだ居るの？」
　優子が顔を出した。
「お帰り。昨日泊まらしてもらったのよ。」
「あ、お姉ちゃん。ありがとう。ご飯も作ってくれたんだって？」
「康平さんから電話貰ってね。一緒に食事へ行かないかって。でも外だとリラックスできないし、それなら私が作るからってね。」
「そう、でも良かったわ。お姉ちゃんが来てくれて。」
　礼子は、居間に顔を出して康平と一男に声を掛ける。。
　康平と一男は真剣な顔をして将棋を指していた。
　全く礼子に振り向かない。礼子が声を荒げて叫ぶ。
「タダイマッ！」
　やっと康平が礼子を見た。
「おう。帰ったか？・・今いいところだ。」
「あ、礼子さんお帰り・・、康平君、飛車取りだ。」
「な・・ちょ・・ちょっと義兄さん・・タンマ・」
「いや、もう昨日から５回も負けてるんだ。待たない。」
「ぐぅぅぅーーー・・・・くそぉー・・」
　礼子が呆れてキッチンに向かう。
　優子が食事の準備をしてくれていた。
「お姉ちゃん、ありがとう。後は私がやるわ。」
「疲れてるんでしょ。休んでなさい。私がやってあげるから。」
「えぇ・・ホント、もういいわよ。遅くなるし帰ったら？」
「ううん、明日は日曜だし今日も泊まるわ。」
「えぇぇーー・・何でぇ・・帰ったら、お姉ちゃん。」
「なに、礼子、その言い方。・・・もしかして今夜、康平さんと・・・」
　礼子は顔を真っ赤にして黙ってしまう。
「その顔は図星ね。いいわよ礼子、耳塞いでるから・・」
「もぉう、お姉ちゃんったら・・・」
　結局、姉夫婦は泊まる事になり礼子は康平に甘える事が出来なかった。
　とても康平の責めに声をあげないで果てる自信がなかったのだ。
　その夜、礼子はベッドで康平の背中に密着して興奮を押さえていた。
（っとに・・お姉ちゃんたら・・こうなったら明日は朝まで康平に虐めてもらおっと。）　聞こえていないはずの康平は顔を顰めて寝返りをうった。