（８０）

−　空港ロビー　−

「おい、恵美子、美紀が来ないじゃねぇーか。」
「おかしいなー、遅れる子じゃないんだけど・・・・。」
　康平が時計を見ながら苛立ちを見せた。
「本当、大丈夫かしら。」
　礼子も心配そうに入り口を眺めている・・・・
「遠藤、ちょっと美紀に電話して・・・・・・あ、来た来た。」
「すいませーん。遅くなりました。」
「ビビらせるんじゃねーぞ。美紀。」
「すいません。」
「よし、じゃ、上がるぞー」
　康平ら一行が急いで搭乗ターミナルに向かう。
　康平家族を含め礼子の姉夫婦、美紀、恵美子、遠藤と桜井、甲斐も来ている。
　当初、来ないといっていた黒田も行き先がキャンセルになり女房の強い希望で康平らと行くことを決定し、それならと東堂も同じく家族で参加していた。
　仁美も子供を連れて来ているが亭主は仕事で留守番をするらしい。
　しかし仁美にとっては、返ってそれが良かったみたいだ。

　礼子が康平に愛子の事を聞いてくる。
「愛子さんは、もう先にハワイに向かってるんでしょ。」
「ああ、向こうで何かやりたい事があるって３日前から行ってるらしいぞ。」
「へぇー・・何やるんだろう？」
「愛子の事だから、アッチ方面だろう。」
　康平の言い方に、礼子も顔を顰めながら笑っていた。
「でも、プライベートと言っても大所帯ね。」
「ああ、楽しくていいよ。」
　礼子も新婚旅行以来の海外旅行だし仲間も多く参加し喜びを隠せない。
「でも、よかったわ。仁美のところとか東堂さんのお子さんもいるから亜美も遊び相手がいて、かなり喜んでいたわよ。」
「そうだな。・・・・でも、お前もかなりウキウキ状態だな。」
「フフッ、わかる？」
　康平は、苦笑いをしながらゲートを潜っていった・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

　税関チェックを済ました康平らがロビーを出ると甲斐がレンタルしてくれたマイクロバスで、海沿いに車を走らせながら、まずホテルに直行した。
「キャーーッ、素敵ぃぃぃーー。」
　女性陣が一斉に歓声を上げる。
「局長、ゴルフ行きましょうゴルフッ！」
「はは、気が早いぞ黒田。それに新婚だろ、奥さんにサービスしてやれ！」
「あなた、ご迷惑よ、疲れてるのに。」
　黒田が女房に制止されて舌を出していた。
「とりあえず、もうじき昼だし皆で飯でも食おう。」
　甲斐が全員に昼食の件を話した。
「みなさん、ホテルの中庭がプールなんですけど、ここを３時間借り切っていますので飲み食いしながらバァーっと騒ぎましょう。」
「ヤッタァー！飲むわよぉー！」
　美紀と恵美子が大声ではしゃぐと一斉に笑い声で車内が埋まった。

　ホテルに着き、荷物を各部屋に置くと全員が水着に着替えてきた。。
　日本では、とても着れない様な格好で美紀と恵美子が現れる。
「おぉぉー、榊原係長も三林係長も似合いますねー。ナイスプロポーションっすよ。」
「あら、遠藤係長ありがとう。」
　遠藤の一言で隣りに居た桜井が脇腹をつねった。
「テテッ・・・な、なんだよ。社交辞令だって・・」
「目と鼻の下が垂れてるわよ。」
「・・・・そ、そうかな・・・」
　芝の上では２名のシェフが、色々な料理を作りフロントテーブルに並べていた。
　礼子が康平にビールを差し出す。二人で椅子に座ってブロックステーキを頬張っていると美紀と恵美子が割り込んできた。
「礼子さん、局長の独り占めは駄目ですよー。」
「フフッ、どうぞ、ご一緒に。」
「おじゃましまぁーす。」
「でも康平、ここにいる女性って、全員が康平の関係してる女性ばかりね。」
　ビールを飲んでいた康平が勢いよく口から吹き出した。
　咳き込みながら返答する康平・・・・
「グッ・・、そ・・・そうかな・・・」
　輪をかけて恵美子が責言する・・・
「身体持ちます？局長・・」
「・・・・い、一気に疲れが出てきたよ。」
　礼子と美紀、恵美子が声を揃えて大笑いをした。
「それにしても、お前ら凄い水着だな。」
　美紀が答える。
「あら、局長、これ礼子さんが選んでくれたんですよ。」
「ほぉー、・・・ちょい、ずらすと割れ目が見えそうだな。・・見せてみろ。」
　礼子が康平の背中を思いっきり叩いた。
「ばっかじゃないの康平、昼真っから・・・」
「おまえ、冗談っちゅーもんがわからんのか。雰囲気で、そういう台詞がでるだろ。」
「根がＨなのよ。」
「ところで、何でハワイまで来て長袖着てんだよ。」
「やっぱり肌が焼けるのが怖いわ。」
「礼子さんの肌は、真っ白ですもんね。」
　美紀と恵美子が羨ましそうに礼子を眺めた。
　そうこうしているうちに、続々と康平たちの周りに人が集まり始めた。
　黒田と東堂の女房らが、康平に酒を注いでくる。
　二人とも普段の生活から開放されたのだろう。酒の酔いも心地良さそうだ。
　一男と優子は、プールで子供らの遊び相手になっていた。
　どうやら甲斐が仁美を口説いているようだ・・・・・
　桜井が遠藤の口にポテトを運んでいた。
　康平は礼子を見つめながら目で合図した。
（・・・やっぱり、来てよかったな。）
（康平・・私も楽しいわ。）

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

　康平と礼子は、ホテルの最上階のバーで酒を飲んでいた。
「康平、明日は何処に行く？」
「そうだなー・・・・・マウイ島でも行くか？」
「そうねぇ・・」
「亜美は？」
「お姉ちゃんが子供達を全員連れて船に乗るって・・東堂さんたちも喜んでいたわ。」
「仁美さんは？」
「それが、甲斐さんと黒田さん、東堂さん４人でゴルフに行くって。」
「ははっ、仁美さんも結局エンジョイする気になったか。」
　二人が話に熱中していると、後ろから康平を呼ぶ声が聞こえる。
　礼子が振り向くと全てスレッドが入っているスカートに胸だけが隠れているトップシャツを着た愛子が近づいてきた。
「礼子さん、お久しぶりです。」
「あら愛子さん、お久しぶり。いつ来たの？」
「さっきホテルについたんですけど、みんなを探していたんです。部屋に行ったんですけどいなかったのでホテル中を探してました。」
「ごめんなさい。ね、そっちで一緒に飲まない？」
　３人は、テーブルのある窓際の席に移動した。
「愛子、凄ぇー格好してるな。」
「やっぱり、こっちにくると身も心も開放的になりますから。」
　康平がボーイを呼んだ。
「愛子、何飲む？」
「んー・・じゃ、礼子さんと同じ物を・・。」
　礼子は、ボーイにブルーアイズブルーを注文をするとなにげに耳たぶを指で撫でながら愛子を見つめて何か考えているようだった・・・
　礼子の癖で、この仕草をとっている時は、何か良からぬ事を考えているに違いない。そう思った康平だった。

「ね、愛子さん、明日、一緒にマウイ島行かない？」
「え、いいんですか？」
「もちろんよ。ね、康平。」
「・・え、あ・・・・あぁ・・いいけど。」
（・・・・・こりゃ、やることになるな・・早く寝ないと・・・）
　しかし、そうと決まった礼子は愛子と他愛もない話を延々と喋り合っている。
　愛子も図に乗って卑猥な話に相槌を打ち始めたようだ。
（やれやれ、礼子の奴、相当、開放感味わってやがる。）
　結局、康平は、二人を残し先に部屋に帰ることにした。

（８１）

翌日、マウイ島の島の東部海岸のビーチレストで、康平は半ば青ざめながら女性陣に囲まれていた。
　笑いながら礼子が呼びかける。
「康平、どうしたの？」
「・・・なんで、美紀と恵美子がいるんだ？」
　美紀がおどけて言い返した。
「あら、局長、楽しみは皆でわかちあわないと・・・。ね、恵美子。」
　美紀、恵美子は、愛子とは初対面だが昨夜、康平が部屋の戻った後偶然、美紀ら二人がバーに拠り礼子たちと出くわしたようだ。
　当然ながら４人の性格上、意気投合し間髪を問わず合流が決定したのだ。
　すでに４人は、昔からの付き合いのごとく仲の良さを披露している。
　して関わらず、３０前後の女性ばかり４人が、まるで１０代の女性のようにはしゃぐ姿を見て、康平も、この後の事が気が気でなかった。
（・・・・ひょっとして、ハワイで死ぬかも・・・）

　恵美子が、礼子に今からの行き先を聞いてきた。
「ね、ね、礼子さん。ハウスウェディングは、どこにあるんですか？」
「フフッ、この近くよ。ファンタジー・ハウスっていう名前なの。」
　礼子は朝一番にマウイ島にあるハウスウェディングを予約したようだ。
　通常１泊５万近くする料金なのだが、なんと半日借り切ってしまったのだ。
　愛子が康平を気遣って声を掛けてきた・・・
「康平さん、いいんですか。凄く高いんでしょ。私が持ちますけど。」
　このハウスは有名で、まるで天・海を望む宝石箱のような、豪華なプール付ヴィラ。そして天井から自然光が差し込むジャクジーバスは、旧ローマ時代を彷彿とさせ、夜は満点の星を眺めながらゆったりと寛ぐことができきることで人気の高いハウスウェディングの一つだった。
「愛子さん、大丈夫よ。康平はお金持ちだから・・。」
　礼子は、製鉄のときに康平が得た会社からの報奨金の事をまだ覚えていたのだ。
　確かに、その金額からすれば１日位借りたって痛くも痒くもないが康平は、金額よりも、たった一人で４人を相手にするのが不安でたまらない。
（・・・ま、なるようにしかならないな・・）
　康平も半ば覚悟は決まったようだ。ジンライムを一気に喉に流し込み席を立つ。
「さ、じゃ行こうか。」
　５人は、ビーチを後にしファンタジー・ハウスに向かった。

・・・・・・
「キャァァー、素敵ぃぃー！」
「すっ凄ぉーーい！」
　女性陣から一斉に歓声が上がる。
　礼子は、ビールとソフトカクテルを作りに部屋に入っていった。
　美紀と恵美子が康平を両脇から掴むとプールに飛び込んでいく。
「・・ば、バカ・・やろ・・」
　康平は、突然の二人の行動に水を飲んでしまったようだ。
　はしゃぐ二人に康平は潜りながら近づくと美紀が着けている水着を引き下ろす。
「キャァー・・局長ぉ！」
　しかし、何故かいつもと様子が違う。美紀は上に身に着けている
　水着も自ら脱ぎ捨ててしまった。
　当然、恵美子も同じ行動をしていた。
「愛子さんもいらっしゃいよ。」
　愛子が頷きながらプールサイトで水着を脱ぐと頭から飛び込んできた。
　そのまま康平に抱きついていくと後ろから康平にしがみ付く。
　礼子がサイトに酒を用意して出てきた・・・・
「ま、楽しそうね。」
「礼子さんも来てよぉー。」
「私はいいわ。肌が焼けてしまうもの。夜入るわ。それより飲み物どう？」
　４人はプールから上がると礼子の用意したカクテルをそれぞれ口にした。
　礼子を除く３人は真っ裸でベンチに座っている。
　恵美子が真正面に座る愛子の股間のタトゥをマジマジと見ていると愛子が気付いて声を掛けた。
「フフッ、恵美子さん、どうコレ？」
「・・え・・あ、本物よね・・・・・ソレって？」
　愛子が微笑みながら手で恥丘を撫で上げた。
「ええ、そうよ。蝶なの。」
「・・・そのー・・もしかして羽のＫってイニシャルは・・」
「え、康平さんのＫよ。」
　あっさりと答える愛子に美紀と恵美子は驚いていた。
　康平はビールを飲みながら煙草を噴かしている・・・
　美紀は礼子と視線を合わせて何か言いたげな表情を見せると礼子もそれに気付き答えた。
「知ってるわよ。」
「礼子さん、知ってるって・・・その・・。じゃ愛子さんが、その・・・例えば・・・結婚しようと思うと・・・そのタトゥじゃ・・相手が・・」
　すかさず愛子が答える。
「恵美子さん、もう結婚はしないつもりよ。それに万が一そうなってもイニシャルが康平さんと同じＫの人を選べばいいのよ。ね、簡単でしょ。」
「簡単って・・・本当に簡単な説明ね・・・」
「礼子さん、何とも思わないんですか？」
　礼子が優しく微笑みながら丁寧に答えた。
「恵美子さん、愛子さんの気持ちは、私も十分わかってるのよ。愛子さんも私と康平の関係と考え方を理解してもらってるの。」
　礼子は、愛子の了解を得て康平が愛子と付き合うようになったいきさつを説明した。
「そ、そうなんですか。」
　少々の静粛の間を空けた後、話題を切り替えた愛子が、先日、ハワイで入れたピアスの話を皆に聞かせた。
　乳首に光るシルバーの細いチェーンが左右に垂れ下がっている。
　美紀と恵美子は興味を持ちながら酒を喉に流し込んでいった。

　礼子も顔が紅潮し酔いが高くなってきた。
　当然ながら行動も大胆になってくる。
　美紀が康平にビールを注ぎながら乳房を押し付けてきた。
　康平は恵美子を連れて部屋に入っていく・・・・・・・
　礼子も康平に腕を組みもたれる様に着いていく。
　礼子が康平の股間に顔を近づけると恵美子も礼子と一緒に舌を康平の肉棒に這わせていった・・・
　ベッドに倒れた康平は礼子と恵美子の舌技を堪能していた。
　いつの間にか愛子と美紀も部屋に入ってきていた。
　愛子が鞄を取り出し中から道具をベッドにすべて放り出す。

　愛子が、女性用の男根付の皮ショーツを腰にはめると礼子の背後に回り蜜壷を舐め始める。
「ンァァーー・・・」
　礼子の喘ぎ声が淫宴の開始合図となり一斉に艶やかな声が部屋中に鳴り響いていく・・・・・・・・

（８２）

　礼子と愛子がシックスナインの形になり四つん這いになった
　礼子の蜜壷には康平の肉棒が深々と埋まっていた。
　時折、抜いては、結合部を覗いている美紀に礼子の愛液が、たっぷり付いた肉棒を口に含ませ美紀に呻き声を発せさせる。
　愛子の股間には、恵美子が腰に着けた擬似の男根が突き刺さっていた。
　何を言うでもなく、それぞれが暗黙で位置を代わり康平の肉棒を堪能している。
　３０分程たっただろうか、恵美子が愛子に女芯を舐められながらバイブで弄ばれていた時、瞬間的に昇天してしまった。
「ンアァァァァァー・・・イクゥゥゥー」
　倒れこんだ恵美子の蜜壷からバイブを抜いた瞬間、大量の愛液が愛子の顎に垂れてくる。そして、礼子も康平に跨り騎乗位で腰を振っている最中、１回目の大絶叫が康平の頭上で響き渡った。
「ウゥゥァァー・・・イィ・・イクゥゥゥーッ・・」
　康平は礼子を静かに横に寝かせると、隣りで愛子に擬似男根を突き刺している美紀の背後に回りこみ本物をゆっくりと突き刺していく・・・。
　美紀が後ろを振り向きながら大きく口を開けて歓喜の表情を見せた。
「うぅぅ・・気持ちいぃぃー・・局長・・もっと・・もっとぉぉぉぉー・・！」
　康平の腰を動かす振動が、美紀の擬似男根が突き刺さる愛子の蜜壷も同時に刺激し二人のソプラノ的な淫声が、さしずめハーモニーのように奏していた。

　隣りで頬杖をつきながら横たわっている礼子が康平の袋部分を優しく揉んでいる。
　康平もさすがに、こ状況の興奮を隠せない。一気にボルテージが上がり爆発を余儀なくされた。
　一気に攻め立てる康平・・・
　ついに美紀は愛子と同時に絶叫しながら果ててしまった。
　康平は爆発寸前の肉棒を美紀から抜くと朦朧としている愛子の口に強引に挿入した。愛子は無意識に肉棒を握り上下に擦っている・・・
　勢いよく放出する康平の分身を躊躇せず喉に流し込んでいった。

　康平が、ゆっくり愛子と美紀から離れてテーブルに移動する。
　ビールを手にすると瓶ごと口に流し込んでいった。
　礼子が笑いながら康平に声を掛ける・・
「康平・・パラダイスね・・」
「・・・・・・次がプレー出来るか不安だよ。」
　礼子が椅子に座る康平に跨いで抱きついた。
「お昼ね。何か注文しようか？」
「ああ、そうだな。」
　礼子は康平にキスをすると立ち上がって電話で料理を注文した。
　康平がベッドの上を見つめると酔いなのだろう。恵美子は、まだ寝ているようだ。
　タフな愛子は、意味ありげな微笑み顔で康平を見ながら足を開き女芯を触っていた。
　美紀が寝返りをうっている。愛子が気付き美紀の腰に嵌っている男根付きのショーツを外してベッド脇に置くと、裸のまま外にでてプールに飛び込んだ。
（きれいな泳ぎだな・・。そういえば愛子と最初に出会ったのもプールだったな・・・）「あら、康平、見とれてるの？」
　礼子が後ろから声を掛けてきた。
「いや、愛子の奴、最初に会った時に比べると、かなり変わったなと思って。」
　確かに顔つきも優しくなりスマートになった感がある。
　全体的に大人の女性を漂わせる高貴な雰囲気も身についてきた。
「確かにね。でも、康平って不思議な人間だわ。仁美もそうだけど女性を変身させる力を持ってるような気がする。わたしも康平に出会ってなければ、どういう人間になってたか想像もつかないわ。」
「・・・俺が大学卒業したばっかりの時だったな。お前と出会ったのは。」
「康平が新入社員で歓迎会の２次会してたお店に偶然、私も大学の友達と合コンしてたのよね。」
「フッ、そうだったな。思い出したよ。俺が一人で店を出ようとしたんだ。」
「お前、合コン中なのに、皆をほったらかして店を出た初対面の俺に声掛けてきたんだよな。」
　礼子も思い出したのか照れ笑いを浮かべる。
「康平、その時、何て言ったか覚えてる。」
「ん・・何だっけ？」
「フフッ・・・・俺に何の用だって・・・言ったのよ。」
「んな事、言ったかな。」
「触ると切れちゃうんじゃないかって雰囲気だったのを覚えてるわ。」
「大袈裟だぜ。」
　礼子がクスクスと笑い更に話を続けた。
「それから毎日毎日、飽きもせず駅で待ってたのよね。」
「・・・・・・」
　康平が背後の異様な感じに気が付いた。
「・・・・ん？・・お前ら何聞いてんだ。」
　康平と礼子の後ろで美紀と恵美子が聞き耳を立てていたのだ。
「あーん、もっと聞きたかったのにぃー。」
「ったく、お前らは・・・・もう喋るなよ、礼子。」
「礼子さぁん、お願い、それからどうなったの？　教えて！教えて！」
　礼子が康平を見つめた後、微笑みながら、ゆっくりと語り始めた・・・
「その時からかな。この人と一緒になれないのなら私が生きてる意味がないって思ったのは・・・。」
「キャァー、礼子さん素敵ぃぃー・・」
　康平は、とても、その場には居れずにプールサイトに向かった。
　部屋の中では、美紀たちが真剣に礼子の話に耳を傾けている・・
　プールでは、愛子が気持ち良さそうに泳いでいた・・・・

　康平は、リクライニングに腰掛けると真っ青な天を仰いで思いふけった。
　自然と瞼が閉じていく・・・・・

　仁美・・・美紀・・・・・・恵美子・・・・
　愛子・・・・・恭子・・・・・
　そして・・・妻、礼子・・・・
　男・・・女・・・愛・・・・・夢・・・・・か・・・
　俺って・・・大馬鹿野郎かもな・・・

「康平さん。康平さん・・・」
　愛子が、いつの間にかプールから上がって康平を揺すっている。
「お、おう、愛子か・・」
「皆がお待ちかねよ。」
　ふと部屋を見ると康平を見て微笑んでいる・・・・・
（人生、満喫・・・・・我、悔いを残さず・・・か・・・）
　康平は、起き上がると心の中で大笑いをしながら愛子と共に部屋に向かった・・・

------

　あっという間にハワイでの４日間が過ぎた。
「あー、楽しかった。」
　仁美が、空港ロビーで大きな声を発する。
　みな、真っ黒に日焼けし、十分に休暇を満喫した様子だった。
　こちらの雰囲気に慣れたのか遠藤が人前も気にせず桜井を抱きながら一つのソフトクリームを二人で仲良く食べている。
　黒田は、女房に土産の付き合いをしに空港ショップに入っていった。
　東堂が、康平に声を掛けてきた。
「局長、何となくやつれてますね。大丈夫ですか？」
「ああ、さすがに５人も・・・・うっ・・・あ、いや・・大丈夫だ。」
　康平は、慌てて話を切り替えた。
　ウォーターフォールにいった次の日の夜には、仁美と一戦交え何とか失神させたものの、昨夜は昨夜で礼子と二人きりで淫宴を演じていた。
　さすがのタフな康平も少々ガタきたのか、元気がない。
　甲斐が、康平にニタニタ笑いながら近づいてきた。
「康平、・・仁美さんと寝たぞ。」
「・・ああ、仁美さんから聞いたよ。彼女も満足そうだったぜ。」
「しかし、いい旅行だった。昨日は美紀さんと恵美子さんが部屋に来てくれたんで飲みまくったよ。よぉーし、また計画して来ようぜ。」
「・・・俺は、当分いい・・・」
「何ぃ、何故だ？　面白くないのか？」
　康平は折りたたんだ雑誌で甲斐の肩を叩き股間を指差して言い放った。
「ここのタンクが悲鳴をあげてるよ。」
　甲斐は、少し間を置き顔を真っ赤にしながら大笑いした。
　康平は怒る気力もなく、まだ、はしゃいでる女性陣を見ながらガックリと肩を落として飛行機を待った・・・
（・・・やっぱり女の方がタフだ・・・・）