（１１４）

　康平と澪はエレベーターから降りると部屋に向かった。
　カードを滑らしロックを解くと澪を先に部屋に入れる。
　澪は、サマージャケットを脱ぎベッドに放り投げるとゆっくりと奥に進みカーテンを開いて夜景を眺める・・・・・
「綺麗だわ。」
　康平は澪の背後に近づいた。
　そして澪を引き寄せると優しく舌を絡めていく・・・・・
　澪は康平のキスで身体の力が一気に抜けていった。

（・・・・こ、こんなキス・・・・ぁぁ・・・）

　澪は、康平のキスに全身を麻痺させていく。
　今まで経験した事無いような甘く情感溢れる接吻に澪は全身が性感帯に変化していった。
　康平は、腰の後ろに手を回し澪のスカートのジッパーを降ろす。
　滑るようにスカートが床に落ちた。
　ガーター越に澪のヒップを掴み静かに撫で上げる康平・・・
　康平は、澪を抱き上げベッドに運んだ。
　仰向けに寝かされた澪は康平を見つめる・・・・
　康平は全ての衣服を脱ぎ捨てた。

　康平は澪のブラウスのボタンを外しブラジャーのホックも外す。
　背中から伸びる刺青の模様が乳房と下腹部に延びていた。
　澪の乳首は早くも硬くなりはちきれんばかりに突起している。
　ゆっくりとシルクのショーツを下げると中心部から溢れた愛液が糸を引くようにショーツに纏わり付いていた。
　静かに亀裂に指を当てゆっくりと下から撫で上げながら乳首を口に含む康平・・・
「・・ゥゥー・・・アァァァ・・・・・」
　澪は康平の愛撫に全身を震わせている・・・・
　康平は、既に潤いきっている澪の蜜壷に指を入れ壁を刺激した・・・
「ンアァァァァァァー・・・・ゥゥゥゥゥーッ・・・」
　澪は、康平に抱きついた。

（こりゃ一気にいっちまうな・・・何がいかせてみろだよ・・・）

　康平は、一旦愛撫を中止することにした。
「・・・・澪・・・一緒にシャワーを浴びるか。」
　虚ろな目で小さく頷く澪・・・・
　澪を起こして立たせると康平に寄り添うように持たれかかり浴室に入った。
　シャワーをひねり身体に水を浴びる康平・・・・
　澪は後ろから康平に抱きつき乳房を背中に押し付けると康平の肉棒を握りながら唇を背中に這わせた。
「・・・・・洗ってあげようか？」
「・・ん？・・お前が・・か・・」
「そんな女に見えないかしら？」
「まあね。」
　澪は、康平の言葉に怒るわけでもなくソープをスポンジにつけると康平の全身を洗い始めた。
「・・・ほう慣れてるな・・」
「・・・・」
　康平の身体を洗い終えた澪は、そのまま自分の身体も擦っていく・・・・
　そしてノズルを康平の首筋からゆっくりとかけて泡を落としていった。
　ノズルをフックに掛けた澪は、そのまましゃがみ込み康平の怒張した肉棒を静かに口に含んだ。

（ほぉぅ・・・意外と上手いな・・・）

　澪は、康平の肉棒に舌を絡めながら、ゆっくりと上下に頭を動かしていた。
　シャワーの水が澪の頭上に降りかかっている・・・
　しかし、澪は気にすることなく康平の肉棒に執着していた。

　康平は、澪を立たせて軽くキスをする。
「ベッドにいこう。」
　康平はシャワーを止めると澪にバスタブを掛け、抱き上げて浴室を出た。
　澪は康平の胸に顔をつけながら抱擁感を覚える。
　静かに澪をベッドに寝かせると足を開き女芯に舌を当てていく・・・・
「ンァァァァァー・・・・・」
　康平は舌先で転がすように愛撫を続けると新たに大量の蜜が溢れてきた。
　さらに康平は、上に手を伸ばし乳房を掴みながら指の間に乳首を挟むとリズムよく揉み始める。
「ンォォォォォー・・アァァァァァーッ・・・・イ、イィィー」
　康平は、途切れることなく愛撫を続ける・・・
　澪の亀裂は左右に開き溢れ出る愛液でみるみるシーツを濡らしていった。
　康平は向きを変え澪に覆い被さるとシックスナインの形で澪の蜜壷に指を挿入し中の敏感な壁部分を優しく撫で上げていく・・・
　澪は康平の肉棒を口に含みながら低い唸声を上げている・・・・
「ングゥ・・ゥグッーー・・ッ・・・ンォォォー」
　康平は、蜜壷の中に埋まった指を激しく動かした。
　その時、澪の身体が硬直し声が止まった瞬間に小刻みに大腿を震わせながら小穴から勢いよく２、３度飛沫があがり康平の首筋に当たる・・・・

　ほんの僅かな時間ぐったりしていた澪が淫声を上げながら康平にしがみ付いてきた。
　康平の後頭部を掴み激しく口に舌を入れながら絡めてくる・・・・・
「・・ぁぁ・・素敵ッ・・・ンァァ・・・・ングッ・・」
　康平は、澪を押し倒して両足の膝裏を持つと大きく左右に開いて一気に肉棒を挿入した。
「ウグゥァァァァァァァァァーッ・・・・」
　奥の壁に康平の肉棒の先がコツコツと当たった。
　康平は遠慮せずに激しく打ちつけていく・・・・
「ンァ・・ゥゥゥ・・アァァァァァー・・す、凄い、凄いぃぃぃぃぃぃぃぃイ、イヤァァァァァ・・・・ウグゥゥゥゥゥ・・・だ、駄目ェェェ・・・こ、壊れるぅ・・・んあぁー・・・オ、オ○ンコが・・アァァ・・・・・」
　康平と澪の結合部からは淫音を発しながら蜜がはみ出ている。
　澪が、白目を剥きはじめるのを確認した康平は澪の身体を限界にまで折り曲げ真上から杭を打ち込むようにしてピッチをあげた。
「グゥハッァーーーーーッ・・・・・・クゥゥゥゥゥー・・・　イ、・・イ・・イグゥ・・・・モ、・・・アァ・・モ・・ダ・・・メ・・・・ウ・・ゥァ・・・イ、イクゥゥゥゥゥーッ・・」
　康平は、ゆっくりと肉棒を引き抜いた。
　澪の蜜壷から静かに愛液が滴り落ちてくる。
　グッタリと足を投げ出し無意識に乳首を摘みながら指を動かしていた。

　静かに目を開く澪・・・・・・康平が煙草をふかしているのが見える。
　気付いた康平が澪に喋りかけた。
「よぉ、凄い乱れようだったな。約束どおり薬無しで２回もイカせたぜ。」
　澪がゆっくり起き上がって康平から煙草を奪い取ると大きく煙を吸い込んだ。
「・・・・アンタ・・・・やっぱり凄いわ。こんなに責められ方は初めて・・・」
「とりあえず・・・・・こっちは、俺の勝ちだな。」
　暫し無言だった澪が小さく囁いた。
「確かに・・・私は貴方に勝ちたいと思った。・・・・・・でも諦めたわ。無理よ、アンタに勝とうなんて・・・・・全てにおいてアンタは・・・・・」
「お前は、俺に惚れている・・・・・・だろ。」
　澪は、康平を一瞬睨むが、徐々に淫艶な表情で眼を潤ましていく。
　康平に近づき吸っている煙草を康平の口に挟んだ。
　正面に座る澪の股間に手を伸ばし女芯を撫で上げる。
「言えよ。桜貿易とお前の関係を。」
　澪は、康平の首に手をかけて抱きつくと、耳元でゆっくりと話し始めた。

　桜貿易は、日本の貿易企業の中でも歴史が古く常に他社の先頭を走ってきた会社だ。
　貿易指針として当初から桜貿易が懸念を抱いてきたのが情報収集に重きを置かなかった事であった。近代企業の重要項目である情報収集の必要性を感じた桜貿易の重役の一人、筆頭専務の尾形は、澪の愛人であった法務事務次官、鎌田の大学時代の同僚で澪の手腕を尾形に聞かせていた事が縁で先月初めに直々にオファーがあったらしい。澪は桜貿易が太平洋グループとも関わりを持っている事を知り康平に挑戦するにはもってこいの話と二つ返事で了承したのだ。
　しかし澪自身、情報関連の事については知識がなく直接は携わっていなかったが人選に絡む権限を与えられていたため社内から手当たり次第、優秀な人材をかき集めていたようだ。
　康平は、澪からその話を聞き、かなり強引な選抜をしたことに不安を抱く。

「ふむ、しかし、かなりヤバイなそれは・・・。」
「・・・・・・・」
「何処まで進んでいるんだ。」
「人選が終わったばかり・・・・・資料や機密書類を半年後にオンラインとシークレットバスに移す作業が始まるわ。私の役目はそれまでに機能できる情報部を完全な組織として完成させる事なの。実質にはまだ情報部は・・・。」
　内心、康平は胸を撫で下ろした。
「・・・俺の情報と知恵をやるから、もう一度最初から情報部を作り直せ。」
　澪は、康平の言葉に静かに頷いた。

（１１５）

　康平は、先程フロントに注文したビールをベッドに座って喉に流し込んでいた。
　康平の足元では、澪が跪き康平の肉棒を口で奉仕している。
「アァァー・・・・凄い・・・・」
　康平は、澪の顎に手を当て中止させた。
「・・・・・・・・・・？」
「どうした。お前らしくないな。男に屈するタイプじゃないだろ。」
「・・・・・あ、・・・・アンタは・・・・・・・・・・別よ。」
　か細い声で囁く澪に対し、康平は、澪が遂に自分に惚従したことを確信した。
　しかし、それを決定づけさせなくてはいけない。

（少々、演技してみるか・・・）

「さて、イカせる約束は果たしたし、そろそろ行くか？」
　康平の言葉に顔色を焦がしながら小声で答える澪・・・・・
「・・・・・ぇ？・・・・ぇぇ、・・・・・そうね。」
　康平はベッドから降りて立ち上がった。
　澪は困惑と失望感なのだろうか寂しそうな表情を康平に見せる。
　まだまだ、澪は満足してないのだろう。
　いや、むしろ、このまま康平と別れるのを苦痛に感じているのだ。

　澪自身、心の中では、今後も康平が自分を抱いてくれるのを願っていた。
　しかし、性格上、自分の口からはとてもその希望を言い出せない。
　澪は、胸がはちきれんばかりに鼓動を早くしていた・・・・・
「・・・・・あ、・・・・あの・・・・・」
「ん？なんだい。」
「・・・・・・そ・・・その・・・・・・・・ま、また・・・・」
　康平は、咄嗟に澪の胸の内を読み取り微かに笑みを浮かべる康平・・・・
　程よい無言状態を経過させた後、康平が絶妙のタイミングで澪に言い放つ・・・・
「・・・・・澪っ・・・・・俺の女になるか？」
　康平の、その一言で澪は一瞬身体が硬直してしまう・・・・・

　康平は、向きを変え澪に近づいた。
　澪が目の前に立つ康平を見上げる。
　康平は澪の両足の間に片膝を入れながら広げると澪の亀裂に手をあて指を挿入した。
　小さく声をあげる澪に康平が囁く・・・・
「もう１回戦行くか？」
　澪は、康平に抱きついた。
「・・・・わ、・・・・・私・・・・・アンタが好きっ・・・」
「ベッドにいくか？」
　言うが早いか澪は康平の肉棒を口に含んだ。
　何とか康平を喜ばそうと淫乱な音を立てながら奉仕し始める。

（フッ、フッ・・東堂君・・・・いただきっ！）

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「ウアァァァァァァァー・・・凄いっ・・凄いぃぃー・・」
　澪は、後ろから康平に突き上げられていた。
　四つん這いの状態で激しく背中を反らしている
　時折、後ろを振り向いては康平に淫艶な視線を投げかけていた。
　康平は澪と目が合うたびに肉棒を強く突き上げて歓喜に歪む澪の表情を楽しんでいる。
　康平は澪の乳房を鷲掴みにすると胡座をかき澪を上に乗せた状態で腰を揺すった。
　片手で女芯を摘み上げると一段と絶叫する澪・・・・・・
　既に康平の股間部を通過しシーツが澪の愛液を吸い取っていく。

　そろそろ康平も限界が近づいてきた。
　再度、澪を倒し四つん這いにさせると激しく肉棒を突き上げていった。
「グゥァーーーーーッ・・・・クゥゥゥー・・・イ、・・イ・・イクゥ・・・イクゥ・・イくゥ・・・ウ・・ゥァ・・・イ、イックゥゥゥーッ・・」
「・・・・んー・・・なかなか締めてくるな・・・・・」
　康平も遂に爆発をした。
　澪の奥の壁に康平の分身が勢いよく当たる。
「・・ァァ・・熱い・・・熱くて・・ぁぁ・・気持ちぃぃー・・・・」
　グッタリと前に崩れ落ちた澪は、康平が放つ分身の心地良さを味わっていた。
　康平は澪の臀部を鷲掴みにして上下に揺すった・・・・
　澪が後ろを振り向きながら淫艶な視線を投げかける。
「澪、必ずしも俺に服従する必要はないぞ。」
「え？・・・・・」
「お前は、お前らしく、強情で気の強いほうが似合ってる。俺はそういう女をベッドの上で狂わせるのが好きなんだ。」
「あ・・あの・・・・」
「あの時、お前が言った、イカせてみなっていう台詞、イカしてたぜ。」
「・・・・・・」
「さ、そろそろ出るぞ。」
　澪は小さく頷いてベッドを降りた。
　二人はシャワーを浴びて服を纏うと何も無かったように部屋を出た。
　ホテルを出る康平に澪が話し掛ける。

「ねぇ・・・送ろうか？私車なの。」
「いや、タクシーで帰るよ。」
「・・・そ、そう。」
　康平は煙草を１本取り出し火をつけた。
　澪を見つめる康平・・・・・・・
「・・・・・やっぱり送ってもらうかな。」
　澪の顔が一瞬明るいだ。
「とってくるわ。待ってて。」
「ああ。」
　澪は地下にある駐車場に急いだ。
　走り行く澪のヒールから奏でる音が妙に心地良く聞こえる。
　康平は、大きく紫煙を吐き出した。

　煙草を吸い終わる頃、康平の前にキャデラックが止まる。
　康平が前を回って助手席に乗り込んだ。
「すまんな。」
「・・・・・・・いかせてくれたお礼よ。」
　苦笑いしながら康平は、ドアを閉めた。
　澪は同時にアクセルをふかし車を発進する。
　車のクーラーが心地いい・・・・
　康平は、シートを深く倒しリラックスする。
　ジャジーなリズムがステレオから流れていた。
「ビリー・ホリディか・・・渋いのを聞くな。」
「・・・・・・・好きなの、彼女の歌が・・・・」
「ビリーホリディの苦難を知ってるかい？」
「・・・えぇ・・・知ってるわ、・・・よくね。」
　ビリー・ホリディは、伝説ではあるが15歳と13歳の子供のような両親の間に生まれ、10歳で強姦され、15歳のときには売春罪で投獄されたという痛ましい少女時代が回想されている。そしてその伝説が、多くの人に信じられ、彼女の歌声を聴くときもそのことは、聴き手の脳裏をかすめてしまうのだ。
「・・・・・・ビリーとは内容が全く違うが、何となく生きざまが君に似てるな。」
　澪は、康平の言葉で瞼を震わせた・・・・
　なにか思い出したように耽っているようだ。
「・・・・・・」
　康平は前を見たまま話を続ける。
「苦い経験や苦境を受けたトラウマが人生を決定付けたと言う意味では・・」
　そこまで言うと澪が、話を閉ざすように割り込んできた。
「基本的に一人で育って・・・・誰にも心から愛する事をせず、でも・・・でも・・・・光を射し込んでくれた人が現れたわ。」
「・・・・・」
　直ぐに答えない康平に澪が囁く・・・・
「さしずめ、あなたがレスター・ヤングってところかしら・・・」
　康平が声を出しながら小さく笑った。
「精神的支柱か？」
「あなたが言うように、両親が殺されてからトラウマを背負いながら・・・でも・・・でも・・・そう敵ではあったけど、あなたに出会えたと言う意味では、そうかも・・。」
「・・・・・・・・・」
　曲がオール・オブ ・ミーにかわった。
「・・・・私、この曲好きなの。詩っていい？」
「・・・・ああ、・・・・・・聞かせてもらおうか。」
　恥かしがるでもなく、ややハスキーな声で歌い始める澪・・・
　歌いなれてるのだろう。なかなか上手だった。

　澪もレディ・ディになりきっているのだろうか。

（魂の叫び声か・・・・・・フッ、なかなか歌い方もイカすな・・・・）

　しばらく聞いているうちに康平は、まるで本当にビリーホリディが横に居るような錯覚を覚えた。
　それだけ澪の歌に感情がこもっていたのだ・・・・・・

　ネオンの反射で康平と澪の顔を光が流れていく。
　歌い終えた澪に康平が囁いた・・・・
「君が歌うとバラードに聞こえるな・・・」
「・・・・・バラードよ。」
「・・・・・・・・」
　康平は、言いかけた言葉を飲み込むと
　澪の心底に潜む塊を理解し、静かに瞼を閉じた・・・