（２４）

　剛士は、沙良を後ろから抱くようにして寝ていた。
　二人とも、何も身に付けないままの状態だ。

　いつものごとく、自然に目を覚ます剛士・・・・・・
「・・・・んー・・・・ん？・・」
（・・・そうか・・・一緒に寝たんだな・・・）
　剛士は、しばらく、そのままの状態で完全に覚醒するのを待った。
（・・・ん？・・・お、立ってるな・・）
　剛士は、含み笑いをしながら沙良を抱いていた。
（・・・んー・・せっかく立っているし、もったいないな・・・・よし・・）
　剛士は、沙良の片足を前に上げさせ、股間に指を滑らせた・・・
　沙良の蜜壷は、潤いを見せている。
（お・・・ラッキー、濡れてるな・・・ついでに起こしてやるか・・・ククッ・・）
　剛士は、立った肉棒を沙良の蜜壷にあてがった。
　ゆっくりと亀裂を上下し肉棒を湿らせていく。
（・・よし・・いいかな・・・）
　剛士は、軽く腰を突き上げた。
　半分ほど埋まると沙良が、身体を揺すりながら小さく呻き声を上げる・・・
「んー・・・ん・・・・？・・・」
　数回、擦った後、剛士は、根元まで肉棒を埋めこんだ。
「・・・・・・ゥゥー？・・・・ぇ・・・な、何？・・・・・・」
　剛士は、沙良のウェストを押さえて肉棒を出し入れした。
「・・・・つ、剛士ぃぃー・・・な、何やってんのよぉー・・」
「あり、起きちまったか？」
「あ、当たり前じゃない。オ○ンチン入れられて、寝てれるわけないでしょ・・」
「ハハ・・起きたら立ってたもんでな・・・今日は、運がいいと思って、つい。」
「う、運がいいって、茶柱が立つのとは、意味が違うでしょ！」
「上手いこと言うな・・・じゃ、抜くか・・・」
「あ、イヤァーン・・・・せっかくだから気持ちよくさせてぇぇ・・・」
「いや、トイレに行ってくる・・・漏れそうだ。」
　剛士は、沙良から結合を解くと、ベッドから起き上がった。
「エェェーッ、せっかく立ってるのにぃー・・・・・」
「生理現象で立ったんだ。本物は、またな・・」
「ケチィーっ！・・・・戻って来ぉーぃ・・・・剛士の馬鹿ぁぁーっ！」
　沙良の声を無視し、剛士はトイレに向かった。

−　３０分後　−

　剛士は、キッチンで呆れながら、朝食の支度をする沙良を見ていた。
　先程の反抗心からか、沙良は、何も身に付けないで、丸裸のままエプロンを着けただけの姿でフライパンを振っていた。
「おい・・・沙良、いくら俺の前でも恥ずかしくないか？」
「ぜぇーんぜん・・・」
　沙良は、拗ねた口調で剛士に返答する。
　移動する度に、腰をくねらせ、わざと亀裂を見せ付けている。
（・・・しかし、確かに、ムラムラするな・・・）
　剛士は、沙良を見ているうちに下半身に力が漲ってきた。
　沙良は、ヒップを剛士の方に突き出して漬物を包丁で切っている。
「ダァー、ハッ、ハッ、ハハハハッ！」
「何がおかしいのよっ！」
　沙良が、顔を後ろに向けて剛士を睨んだ。
「あ、いや・・・・挑発の仕方が面白くて・・・普通、ケツ突き出して包丁をつかわんだろうが。」
「フンッっだ。男だったら襲ってみたら・・・」
　沙良は、足を広げて更に腰を突き出した。
　蜜で亀裂は、濡れきっている・・・・
（い、いかん・・・このシュチュエーションに、マジ、ハマってきたぜ。）
　沙良が、後ろを振り向きながら、妖しい笑みを浮かべて剛士の様子を伺った。
「立ってるでしょ？」
「・・・・・チッ・・さすがに我慢できん。」
　剛士は、食卓のテーブルに読んでいた新聞を置くと沙良に近づいた。

「やっと、来たわね。」
　甘えた声で囁く沙良・・・
　剛士は、穿いているハーフパンツを下ろして、いきり立った肉棒をいきなり沙良の蜜壷に挿し込んだ。
「ゥゥゥゥゥゥゥゥゥー・・・・・・アハァァァァァー・・・」
「・・・・・沙良君、参りました・・・」
　冗談っぽい口調で、剛士は言い放った・・
「アン・・剛士ぃぃー・・・」
　沙良は、キッチンに手をついて自らも腰を打ちつけていく・・・
「ァァ・・感じるぅぅ・・・・い、一度でいいから・・・・・キ、キッチンで・・」
「・・・確かに・・・こりゃ、いいな・・」
　剛士は、前に手を回し、沙良の女芯も撫で始めた。
「ウアァァァァァー・・・気持ちいぃぃぃぃ・・・・・」
　剛士は、沙良をキッチン台の上に座らせた。
　足を大きく広げて蜜壷を自ら開く沙良・・・・
「んー・・・いい、ポーズだ・・・」
「早くぅぅぅー・・・」
　剛士は、沙良の要求に応えた。
　真上から結合部を除きこむ沙良・・・
　剛士の肉棒が、中に入ってくる感触を目で確認していく。
「あぁぁ・・・す、凄いぃ・・・減り込んでくる感じぃぃ・・・」
　剛士は、出し入れするスピードを上げていった。
「アウゥゥゥー・・・・ハァッ・・ウッ、ウッ、ウッ、ウゥゥゥゥゥーッ！」
「こ、こりゃ・・・いいいな・・・」
「剛士ぃぃー・・・・いぃぃぃーもっとぉー・・・もっと激しくしてぇぇー・・あぁぁぁ・・・もっと、もっと、ここが、焦げるくらいに擦ってぇぇぇー・・」
　剛士は、後ろのテーブルの椅子を引き、沙良を抱いたまま腰掛けた。
　座位の格好で沙良は、腰を激しく上下させている。

「もぅ・・・もぉー、駄目ぇぇぇー・・・。」
「沙良、このままで・・・」
「う・・・ぅん・・・・・キテッ・・・アァァーゥゥゥゥゥゥ・・ウゥゥゥゥゥゥーッ・・・アゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ！」
　沙良の身体が、剛士の腰の上でビクンビクンと痙攣した。
　結合部の熱がお互いの全身を駆け巡っていく・・

　二人は、あまりにも熱中していたのかフライパンから煙が上がっているのを気づかなかった。
「ん？・・・沙良・・・・ココもだが、フライパンも焦げてるぞ。」
「ゥゥゥ・・・・・・ぇ？・・・あぁぁぁー・・・ベーコンが・・」
　沙良は、慌てて剛士から離れると火を止めてフライパンをコンロから離した。
「・・・あぁぁぁーっ・・・・・・こ、焦げちゃったわ。」
　沙良の股間からは、剛士の分身が、大腿を伝って床に滴り落ちていた。
　そんな事は、お構いなく、沙良は、慌てながらフライパンの処理をしている。

（焦がすし、漏らすし、慌てるし・・・・しかし、３日連続だぜ・・・俺もタフだな。）　剛士は、沙良に気づかれぬよう、そっと、浴室に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「沙良、そろそろ行くぞ。」
「待ってよ、自分だけ先にシャワー浴びてさ・・私は、片付けとか、お化粧とか・・」
「わかった、わかった・・・・待っててやるから早くしろ。」
　沙良は、浴室から上がったばかりで、下着だけの格好で剛士に文句を言っていた。
　縛っていた髪を解き、カラージーンズを穿くと急いでシャツを羽織り自分の部屋に駆け込んだ。。

　３０分後
「お待たせ。」
「よし、行くか。それから、沙良、病院には、話は既にしてある。俺が、田口さんの女房をお前の車に運ぶから急いで病院に迎え。」
「解ったわ。剛士は？」
「田口さんの女房の履物や、衣服を加奈子のマンションに置かなければいかんからな。幸三には、住所を教えて既にドアを開ける準備をしているはずだ。その後、四郎から葵組に加奈子が男に襲われているという連絡を葵組に電話させる手筈になってる。」
「田口さんは？」
「今日は、仕事を休んで自宅に居るように頼んでおいた。」
「大丈夫？」
「ああ、俺が付き添うつもりだ。」
「解ったわ。」
　剛士と沙良は、それぞれ自分達の車で岡島のマンションに出かけた。

　駐車場には、岡島の高級車は止まっていなかった。
（ん？・・・出かけてるのか・・・・・）
　
　剛士は、車から降りると沙良の車に近づいた。
「沙良、ラッキーだぜ。岡島は、今、いないようだ。」
「チャンスね。」
「ああ、しかし、時間的に帰ってきてもおかしくはない。急いで行ってくるぜ。」
「気をつけてね。」
「ああ。」
　そう言うと、剛士は、皮手袋をはめて５階に上がった。

　５０２号室の前で止まると、剛士はドアに耳を当てた。
　微かにテレビの音声が確認できる。
（よし・・・居るな・・）
　剛士は、左右を見渡しチャイムを鳴らした。
　しかし、里子は一向に出てくる気配はない。
（なるほど、岡島に、言いつけられてるな・・・）
　剛士は、例のごとく特殊な金属棒でドアのロックを外した。
　カットカーブされたフックでドアチェーンもいとも簡単に外す剛士・・・

　剛士は、ゆっくりと部屋のドアを開けた。
　奥のリビングで里子は、テレビを見ていた。
　ゆっくりと近づく剛士・・・・

　気配に気づいた里子が後ろを振り向く・・
「！　だ、誰なの？　あんた・・」
「ご主人の田口さんから頼まれてアンタを連れ出しに来た。一緒に来てもらおう。」
「・・・い、嫌よ。・・わ、私は・・・」
　剛士は、立ち上がった里子の鳩尾に拳を食らわした。
　呻き声をあげて気を失う里子を軽く担ぎ上げ、壁に掛かった里子の衣服を紙袋に詰め込んだ。
　そして、玄関にある靴もバッグに入れ急いで部屋を後にする。

　剛士は、沙良の車に急いだ。
　沙良は、車の後部ドアを開けて待っていた。
「よし、沙良、頼むぞ。両手と両足は固定帯で止めておけ。目が覚めて暴れてもいかんからな。なんせ中毒患者だ。」
「ええ。じゃ、行くわ。」
　沙良は、剛士に頷くと急いで病院に向かった。

（さてと、次は加奈子か・・・）
　剛士は、幸三が待つ里子のマンションに急いだ。

（２５）

　剛士は、加奈子のマンション前の路上で待っている幸三の車に近づいた。
「幸三っ！」
　ウィンドウを叩き幸三を呼ぶ剛士・・・

「あ、兄貴・・早かったですね。」
「ああ、偶然、岡島は留守だったからな。」
「そうすか。・・・今、少し調べたんですが、全てオートロックのマンションなんです。」
「何？・・・で、入れそうか。」
「１５分は、掛かりますね。」
「解った。慎重に頼む。服は、ベランダに掛けてくれ。靴は玄関に置けばいい。」
「了解っす。」
「依頼人が、危ない目に合うかもしれないから俺はそっちに向かう。」
「ええ、わかりました。・・兄貴、終わったら電話します。」
「解った。」
　剛士は、幸三の肩を叩き車から離れた。

　数十分後、剛士は、田口の家に到着した。
　居間に通され、話をする剛士・・・・

「田口さん・・・電話は？」
「まだ、掛かってきません。で、伊武さん・・・・・女房は？」
「先程、病院に連れて行きました。もう大丈夫です。」
　田口は、安堵の表情で剛士に礼を言った。
「あ、ありがとうございます。」
「それから、田口さん、いまから起こるであろう事件や出来事は、一切口外しないよう願います。」
「え？」
「詳しい事は聞かないで下さい。岡島は、もう２度と貴方達の前に現れないはずです。」「・・・わ、解りました。」
　剛士は、田口に念を押すと岡島からの電話で話す内容を説明した。
「わ、わかりました・・・そう言えば、いいんですね。」
「ええ。」
　その時、剛士の携帯に幸三から電話が入った。

『兄貴、俺です。荷物を置いてきました。バッチリです。』
「そうか。」
『完全に熟睡してましたよ。音立てても起きませんでした。』
　幸三は、笑いながら剛士に説明をした。
「幸三、後から連絡を入れるが、今度は、岡島のマンションに行ってビデオを回収してきてくれ。田口さんと若い女性の絡んだテープだ。」
『了解っす！』
　剛士は、電話を切ると笑みを浮かべて煙草に火を点けた。

　それから、２０分後、居間の電話が鳴った・・・・
　剛士の顔を見る田口・・・
「大丈夫、先程説明したとおりに喋って下さい。」
　頷く田口は、恐る恐る受話器を上げた。
「も、もしもし・・・」
『おぉぅっ、田口かっ！・・・里子が逃げたぞ、テメェーだろうっ！』
「・・・お、岡島さん・・・さ、里子は、私の・・・妻です。」
『舐めんじゃねぇっ！　里子は、俺がいいと言ってるんだ。何処へ連れて行ったっ！』
「・・そ、それは・・・・」
『・・・言わねぇと、今から銀行に乗り込むぞ。』
「わ、解りました・・・・・あ、ある女性に匿ってもらって・・・」
『ケッ、女だと・・・そいつの住所を言えっー！』
「し、しかし・・・・お、岡島さん・・里子は・・」
『早く言わんかいっ！』
　田口は、加奈子のマンション名と住所を岡島に教えた。
「お、岡島さん・・・・その女は、岡島さんが覚醒剤を・・・」
『な、何ぃー・・・・・言ったのか？』
「・・・彼女は、里子を渡さないと思いますよ・・・・ぜ、絶対に・・」
『・・・田口よ・・・ただで済むと思うなよ。』
　岡島は、叩きつけるようにして電話を切った。

　剛士は、早速、田口に問いただした。
「何て言ってました？」
「タダで、済むと思うな・・・と・・・」
（ククッ・・・それはどっちかな・・）
「田口さん大丈夫です。さ、出かけますよ。」
「え・・・・ど、どこへ？」
「一応、一緒に居ないとね。」
「・・・・はぁ・・・」
　剛士は、田口を促し、急いで加奈子のマンションに向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　剛士と田口は、岡島が到着するのを待った。
　そろそろ、時間的に岡島が来る頃だ。

　そして、数分後・・・・
　岡島の運転する外車が、マンションの前で停止した。
　剛士は、それを見て四郎に電話を掛けた。
「・・・・・お、四郎か？　伊武だ。」
『あ、剛士君・・・』
「いま、加奈子のマンションに岡島が入った。連絡してくれ。」
『解ったわ・・フフフっ・・・どうなるか楽しみね。』
「頼むぞ。」
「はい。任せておいて。」

　四郎は、葵組の事務所に、組長の娘である加奈子が凶暴な男に、弄ばれているという連絡をするのだった。
　続いて幸三にも電話し、ビデオテープの回収を言い渡す。
（よしと・・・後は、待つだけだ・・・）

　岡島は、加奈子の部屋のドアを叩きチャイムを押し続けていた。
　岡島は、イラつく態度を隠せないでいる。
　既に、幸三が部屋のロックを外していたため、ノブに手を掛けると開いている事を気づき中に飛び込んでいった。
　足元を見る岡島・・・・・
（・・・こ、これは、里子の靴・・・・クソッタレー・・）
　岡島は、土足で部屋の中に入り込んでいった。
「里子ぉーっ！・・居るのかっ？　出て来いっ。」
　大声で叫ぶ岡島・・・・
　しかし、返事は全くない。

　浴室では、加奈子が、シャワーを浴びており岡島の声にきづかないでいた。
　それに気づいた岡島が、大声で叫びながら浴室のドアを開た。
「里子ぉぉーっ！」
「・・・キャァァァァァァーッ！・・・・・だ、誰よっ、あんた！」
　加奈子は、驚きながらしゃがみ込んだ。
「お前か、里子を隠してる女は・・・何処に居る？」
「・・・な、何言ってるの・・・警察を呼ぶわよ。」
「上等だぁっ！」
　岡島は、加奈子の髪を引っ張り、浴室から引きづり出した。
「いやぁぁぁぁぁぁーっ！」
「舐めんじゃねぇーぞっ！　お前が里子を匿ってる事は解ってるんだ。何処だっ！」
「さ、里子って誰よ。・・・あんた、私が、誰だか知ってるの？」
　岡島は、加奈子の頬を思いっきり拳で殴りつけた。
「グゥェッ・・」
　加奈子は、口から血を流しながら倒れこんだ。

「何処だ・・・・言わんと殺すぞ。」
「何のことなのよ。私は、一人で暮らしよ。誰一人、家になんか入れてないわっ！」
「玄関の靴とベランダに干してある服は、里子のもんだぞ。ここに居る事は、解ってんだ。早く里子を出せぇーっ。」
「だから、知らないって言ってるじゃない。」
　強い口調で言う加奈子の言葉に、岡島は、怒り狂った。
　加奈子の腹部を何度も蹴りあげていく岡島・・・
「ギィィィー・・・」
　更に恥丘の陰毛を鷲掴みにし思いっきり引き千切った。
「イギャァァァー・・・」
「言えっ！」
「・・・・・・し・・・知ら・・・な・・」
「シブトイ、女だな・・・・・・なら、しょうがねぇー」
　岡島は、自分のベルトを外し下着ごと膝までズボンを降ろした。
　腹部を蹴られ朦朧とする加奈子の足を広げると唾を肉棒に擦りつけ強引に蜜壷に挿入した。
「ぅ！・・・ヒィィィィィー・・・」
　加奈子の首をしめながら、腰を動かす岡島・・・・
　暴れる加奈子の頬を何度も叩きながら居場所を吐かせようとしている。
　岡島は、錯乱状態だった。

　その頃、剛士は、ダンヒルをふかしながら、車内からマンションを眺めていた。
　そこへ、黒塗りの高級外車３台が、猛スピードで現われた。
　中から人相の悪い男達が、血相を変えて加奈子の部屋に向かっていく。
　剛士は、笑いながら、その様子を眺めていた。
（ククッ・・・来たか・・・）
　剛士は、俯いて黙っている田口に声を掛けた。
「田口さん、これで全て完璧に終わりますよ。」
「え・・・」
　田口は、不思議な顔をして剛士の顔を眺める。
「今、地獄からの使者が、部屋に入っていきました。」
「・・・・・？」
「もうじき、岡島が、出てきます。奴の顔を見納めで眺めておいたらいかがですか？」
「・・・ぇ・・・・は、はぁ・・・」
　そして、しばらくすると、顔の形が変わった岡島が、両脇から男らに抱えられながらマンションから降りてきた。
「・・・あ、あれは・・・・」
「岡島です。今から地獄へ連れて行かれるんでしょう。」
「え？・・・地獄・・・」
　岡島は、高級外車に乗せられマンションから去っていった。
（・・・ジ・エンドだ・・・）

　岡島の変わり果てた姿を見て、田口が、唾を飲み込んだ。
　その音が、やけに大きく聞こえる。
　剛士は、田口に声を掛けた。
「さ、奥さんの居る病院まで送りましょう。」
「は・・・は、はい・・・」
　剛士は、何事もなかったように車をスタートさせた。

−　翌日　−

　新聞には、岡島が自分の車の中で焼死している記事が小さく載っていた。
　内容は、覚醒剤中毒による発作的な自殺行為と書かれており事実、解剖結果で、岡島の体内より大量の覚醒剤が検出されていた。
（・・・・殺られるまえに、打たれたな・・・・）

「はい、剛士、コーヒー入れたわ。」
「お、サンキュー！」
「しばらく休みたいわね。」
「んー・・・だな・・・そうだ、沙良、今夜は、飯でも食いに行くか？」
「本当？」
「ああ、高額報酬も入ったしな。」
　沙良は、剛士の背中から抱きつき、頬を擦り付けながら、さらに要求をしていく・・
「ね、ね、買い物も行こうよ。欲しいもの一杯あるからさー。」
「・・・フッ・・・はい、はい、付き合いますぜ。」
「剛士の好きなエッチ下着も買おうね。」
「アホォー！」
「いいじゃなぁーぃ・・・・」
　沙良は、はしゃぎながら、剛士とのじゃれ合いを楽しんだ。