（４８）

「うぅぅー・・・寒い、寒い・・・」
　沙良は、そう呟きながら、剛士のベッドに潜り込んできた。
「ゲゲェー、アホォォー、冷てぇじゃねーか。」
「しょうがないじゃない。この寒空の中を洗濯干してたんだから。」
「乾燥機を使えよ。せっかくあるんだから。」
「だって、服が傷んじゃうんだもの。」
「どうでもいいが、何で、俺の布団に潜り込んでくるんだ。」
「身体を温めようと思って・・・・」
「・・・俺は、湯たんぽかいっ。」
「いいじゃないさ・・・」
　沙良は、そう言って剛士の背中に身体を密着させた。
　何気に手を伸ばし剛士の肉棒をパジャマの上から握っていく。
「・・・・・・」
「フフフッ・・・・硬くしてあげようか？」
「たまには、早く寝たらどうだ。」
「だって寝れないんだもの・・・疲れてないし。それに、もう1週間も抱いてもらってないのよ。」
「まだ、一週間っていうんだよ。それに、先週３回もやったんだぞ。」
「回数なんて関係ないわよ。」
「・・・・・・・じゃ、明日な。」
「えぇぇぇぇぇー・・・我慢できないぃぃー。」
「何ちゅー、大袈裟な声を出すんだ。」
「だってぇー・・・その気になっちゃったら、もう無理よぉ。」
「ったく、お前っちゅー女は・・・・・・・・・１回だけだぞ。」
　沙良は、言うが早いか、剛士のパジャマの中に手を入れて肉棒を握った。
　仰向けになった剛士の股間に移動し、肉棒に貪りついていく。

「・・・ンッ・・・ンゥゥ・・」
　沙良は、剛士の肉棒を咥えたままパジャマを脱ぎ捨てた。
「器用だな・・沙良・・」
　剛士は、手を伸ばして沙良の亀裂に指を滑らせた。
「ンゥゥゥゥゥー・・・」
　剛士が指を動かすと、早くも蜜を溢れさせる沙良・・・

　沙良は、肉棒を咥えたまま、股間を剛士の顔の上に持っていった。
　剛士と沙良は、シックスナインを開始した。
　沙良の舌を絡める音と、剛士の女芯を吸う音が部屋に響き渡る・・・

　沙良の舌使いは、相変わらず絶妙だった。
　長い舌が、全体に絡みつき、まるで無数の生き物が刺激をしているような錯覚を覚えるほどだった。

（んー・・・上手い・・・）

　沙良も、剛士の舌に蜜壷を押し付けながら呻き声をあげる。
「ンゥゥ・・ンゥゥッ・・・ングゥゥゥ・・・ンゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・」
　剛士が、女芯を吸引するたびに、唾液が増加し咥えている口元から零れていく・・・
「ンゥゥゥゥー・・・ハァァァ・・・も、もう我慢できない・・」
　沙良は、起き上がって剛士の肉棒を蜜壷に押し込んだ。
「アッハァァァァァァァァァー・・・・・」
　挿入した瞬間、沙良は、剛士の上に背中から倒れていった。
　剛士は、女芯を指で擦りながら、もう片方の手で乳首を摘み上げる。
「ウックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ！」
「・・・・・沙良・・・相変わらず感度がいいな・・
「ァァ・・・剛士・・・もっと・・もっと・・・擦ってぇぇー・・」
　沙良の乳首と女芯は、硬く突起し敏感さを増していく。

　剛士は、沙良を起こし、そのまま四つん這いにさせた。
　沙良は、股間から手を伸ばし剛士の袋部分を握るとリズムよく揉み始めた。
「ウグゥゥ・・・剛士・・・もっと・・・もっと、オ○ンコを突いてぇぇぇーっ！」
「激しいっすな・・沙良君・・」
　冗談っぽく、そう言い放つと、剛士は、沙良の蜜壷に強烈な杭を見舞った。
　先が奥の壁に当たるのがわかる。
　その度に、沙良の背中が大きく反り返った。
「アッフゥゥゥゥゥゥァァァァァァー・・・・・」
　数分続いた剛士の攻撃に沙良も限界の悲鳴を上げた。

「つ・・・剛士・・・・・抱いて・・・抱きながら・・・・・お願いぃぃぃ・・」
　剛士は、沙良を仰向けにした。
　すかさず結合をする二人・・・
　沙良は、剛士の首にしがみ付き足を腰に巻きつける。
　まるで狂ったように剛士の舌に絡ませていく沙良・・・
　しっかりと腰に巻きつけているため、剛士が、動かすたびに腰が宙に浮いていく。
「ゥゥゥゥ・・・・アァァァァァァー・・・・イィィィ・・・凄くいぃぃぃぃーっ！」
「さて・・・行くぞ・・沙良・・」
「クゥゥゥゥゥゥゥゥゥー・・・わ、私も・・・ぁぁ・・・いぃぃ・・・イクッ・・フゥゥゥァァー・・・・イク、イク、イク・・ァァ・・イクゥゥゥゥゥゥゥーッ！」
　剛士の分身が、沙良の奥の壁に直撃した。
　沙良は、大きく仰け反り、それを受け止めてる。
「ぁぁぁ・・あ、熱い・・・・剛士のがぁぁ・・・・・気持ちいぃぃぃぃ・・・」
　グッタリとしながら沙良の足が剛士の腰から滑り落ちた。
　ゆっくりと沙良から結合を解いていく剛士・・・

　沙良の横に身体を移動し大きく息を吐いた。
「ふぅぅぅぅー・・・疲れた。」
　沙良は、剛士の肩に顔をつけしがみ付いていった。
「・・・・剛士・・・凄かったゎ・・・・・」
　汗ばんだ剛士の胸に指を這わせながら肩に歯を当てていく。
　いつの間にか、沙良は剛士の力を失った肉棒を口に含んで舌を躍らせていた。
「ダハハッ・・・くすぐったいぞ沙良っ。」
「ンゥゥゥゥ・・・・綺麗にしてあげる。」
　そう言って、剛士の肉棒を根元まで咥え込み吸引にしていった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−　翌朝　−

　剛士の事務所に一人の男性が、訪れていた。
　男性の名は、三屋郁夫５５歳、飲食店をいくつも経営する社長である。

「それは確かな情報なんですか？」
「ええ、妻が電話で話す会話を直接聞いたんです。」

　郁夫には、２０歳も歳が離れた妻が居た。
　妻の名は、優子といい浮気相手の男と郁夫を殺害する相談をしていたというのだ。

「しかし、三屋さん・・・奥さんも冗談で話していたんじゃないですか？」
「いや、間違いないんです。」

　三屋は、数年前から勃起能力障害、いわゆるインポテンツで悩んでいた。
　愛する妻を抱く事が出来ず、かわいそうな思いをさせている事を悩み唯一、月に一度だけと言う条件で他人の男性と関係する事を許していたのだ。
　三屋は、妻と関係する男性を特に追及するわけでもなく妻、優子をあらゆる面で信じていた。
　事実、当初は断固として拒否していた優子だったが執拗に勧める亭主の言葉に一度くらいは、と言う軽い気持ちで了承したのだ。
　三屋は、妻が、関係してきた日には、かならず詳細を聞き出しその話に興奮しながら、装着型のバイブで妻を虐めるのが楽しみの一つだった。
　また、優子も、そんな三屋をいじらしく思っていたらしい。

　ところが３ヶ月を過ぎた頃だろうか、月に一度だけと言う約束だったのが頻繁に外出するようになり、その男を好んで会うようになっていた。
　既に、男と妻の関係が始まって１年半が経とうとしている。
　その浮気相手の男は、谷川信二といい、まだ２０代後半の若さであった。

　定職を持っておらず、アルバイトで、少々、金を貯めては、遊んで暮らしているというチンピラ風情の男だ。
　ところが先日、優子が大金を費やしワンルームではあるが谷川にマンションを買い与え、そこを愛の巣として出入りするようになった。
　優子は、マンションに入り浸りで、帰ってくるのは、週末だけという状態になっていた。

　剛士は、腕を組んで三屋の話を聞いていたが・・・・・・・・

「三屋さん、非常にきつい事を言うようですが、墓穴を掘ったとしか言いようがありませんね。」
「・・・は・・はぃ・・・・」
「正直、浮気をする奥さんと、それを勧めた三屋さんに責任はあるが、この男性は、言ってみれば、奥さんに誘われたほうなんですから。」
「そ・・・そうなんですが・・・・・。」
「ま、確かに、この男性も金目当てというのは予想がつきますが、まだ、話だけで未遂にも至っていないんですから、私にはねぇ。」
「・・・・・・」
「まあ、三屋さん、どうしてもと言われるのなら、私も商売ですのでやらない事はありませんが、また同じような結果に成りかねませんよ。」
「・・・・・・？」
「つまり、奥さんは、男を知ってしまったわけです。不能な三屋さんよりも、とね。ぁ、し、失礼・・。」
「いえ・・・いいんです。」
「実際、離婚を避けるために、三屋さんが、奥さんに再度、浮気を容認すれば、同じ事の繰り返しですよ。」
「・・・・・・・ゥゥ・・」
「ま、しかし、本当に殺される可能性もあるわけだから、そちらの方は、何とかしてみましょう。どうしますか？」
「・・・・は、はい・・・・・・・・お願いします。」
「それから、離婚と言う言葉は、三屋さんからは口に出さないで下さい。」
「え？」
「いいですか。離婚すれば、奥さんは慰謝料しか貰えない。本来は、浮気なんだが、勧めたのは三屋さんだから、払うのは当然です。しかし三屋さんが死ぬと遺産がそのまま奥さんに転がり込んできます。つまり、奥さんは、離婚はせずに莫大な財産が入ってくる。つまり殺害計画が本当なら、それを狙っている訳ですから。」
「・・・・・ぅ・・ぅぅ・・・・で、では・・・どうすれば。」
「殺害計画を掴んだ時点で、離婚すればいいんじゃないですか。未遂だが計画自体は、犯罪なんですから。離婚も可能だし金も払う必要がない。」
「・・・・解りました。・・・・・お願いします。」
　剛士は、哀しそうな表情で俯く三屋を見ながら溜息をついた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「沙良、下準備は整えておいてやるから、お前一人で片付けて来い。」
「うん・・・いいけど・・。下準備って？」
「警察に話をしておいたほうがいいだろう。」
「なるほど、そうね。事がおこってからじゃ・・・・でも、私一人で出来るかしら。」
「なに、簡単なことだ。男を揺すればいいんだよ。報酬は、全部お前のもんだぞ。」
「本当？」
「ああ。お前のやり方でいい。幸三を使ってもいいし、単独でもいい。」
「わかったわ。フフッ・・成功したら剛士に何かプレゼントしてあげる。」
「ククッ・・・ま、期待して待ってるぜ。」
「じゃ、さっそく、谷川信二の身辺を洗ってくるわ。」
「俺は、麻衣子に話をしておいてやる。あいつを利用すれば簡単だ。」
「麻衣子さんに？」
「ああ、一応、本物の警察だ。脅しにはなるだろう。今から警察署に行ってやる。」
「うん。じゃ、私も早速、出かけるわ。」
「ああ、気をつけろよ。」
　沙良は、やる気満々の顔で剛士に手を振って事務所を出て行った。

（４９）

　沙良は、谷川が、以前アルバイトをしていた店を数件訪れていた。
　谷川は、性格的に全く根気がなく数日で店を辞めていく事が多かったらしい。
　また、店の女性に手を出す事も多く、業務態度も最悪であった。

（ふぅぅー・・・しかし、とんでもない男ね。）

　谷川をよく知るパチンコ店の店員の話はもっとひどかった。
　付き合う女性の部屋に住み込み、隙を見て金目の物を奪い遊ぶ金に変換しているというのだ。

（まあ、三屋の奥さんも騙されているのは間違いないわね。）

　沙良は、更に詳しく調べるため、パチンコ店の店員から聞き出した、元彼女だったという女性を教えてもらい会いに行く事にした。

　その頃、剛士は、麻衣子のアパートを訪れていた。
　事務所に出る前に警察署に電話をしたところ非番であるということだった。

　麻衣子のアパートのチャイムを鳴らす剛士・・・・

（おかしいな？　非番と言っていたのに。）

　剛士は、ドアをノックする。
「麻衣子ぉーっ。居るのかぁ。」
　剛士の声に返事はない。
　剛士はノブを回した。

（あれ？開いてるじゃねぇーか。）

　剛士は、ドアを開けて中に入った。
「麻衣子ぉ、入るぞ。」
　剛士は、声を上げながら部屋に足を踏み入れた。

（っかしーな・・戸締りしないで外出するわけねぇーし・・）

　その時、奥の部屋で小さな呻き声が耳に入った。

（ん・・寝てるのか？　風邪でも引いて唸ってんのかな・・）

「上がるぞ。」
　剛士は、声のする部屋に向かってドアを開いた。
「麻衣子っ、風邪でも引いたか？」
　そう言いながら、部屋に入った剛士の目に飛び込んできたのは下半身に何も身に着けず、ヘッドフォンをはめて、アダルトビデオを見ながらバイブで自慰をする麻衣子の痴態だった。
「ゲッ・・ま・・麻衣子・・・」
「キャァァァァァァァァァァーッ！」
　剛士を見て大声で悲鳴をあげる麻衣子・・・
　股間には、深々とバイブが突き刺ささっている。
　手は、まだ乳房を握ったままだった。

　麻衣子の悲鳴に慌ててドアを閉め部屋を飛び出す剛士・・・

「い、伊武さんっ！いきなり開けるなんて失礼じゃないのっ。」
　部屋の奥から麻衣子が怒鳴った。
「・・・・・何度も呼んだんだぞ。」
「今見たこと誰かに喋ったら拳銃で撃ち殺すわよ。」
「・・い、言わねぇって・・・」
　しかし、剛士は、笑いがこみ上げてきて言葉に信憑性が伴わない。

　その時、服を纏った麻衣子が、真っ赤な顔をして出てきた。
　剛士に近づき何度も叩き始める。

「馬鹿っ、馬鹿っ、馬鹿っ、馬鹿ぁーっ。」
「痛てててっ・・・麻衣子・・や、やめろ。」
「こんな恥ずかしい目に合ったの初めてだわ。」
「普通、こんな朝っぱらからやってるなんて思わないぞ。それに鍵も掛けずに。」
「・・・・そ・・それは・・・・」
「そんなに欲求が溜まってたのか？」
　剛士の言葉に、麻衣子は一段と顔を真っ赤に染め剛士を叩こうとする。
「ぁぁ・・・ご、ごめん、ごめん・・・」
「こ、こうなったら、恥を上塗りで言うわ。今から抱いてっ！」
「えぇぇぇーっ！」
「そんな、大袈裟な声出さなくてもいいじゃない。それに、始めて私を抱くわけじゃないんだし。」
「し、しかし・・・」
　麻衣子は、躊躇する剛士をよそ目に、大胆にも目の前で服を脱ぎ始めた。
「お、お前・・・ちょ、ちょっと待てって。」
　無視して下着を脱いでいく麻衣子・・・
　剛士は呆れながら溜息をついた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「へぇー、そんな人だったんですか。」
　沙良は、谷川と依然付き合っていた女性に話を聞くことが出来た。

　谷川は、元来、怠け者で汗して働く事を嫌い、自由奔放な生活を送っていたようだ。
　しかし、女運が強く、不思議と金回りの良い女性に巡り合っていた。
　この女性の話では、谷川は、母性本能を擽るタイプであり、またセックスにかけては、あらゆる手を駆使して女性を悦ばせる術を持ち合わせていた。

「どういう事なんですか？」
　沙良の質問に、女性は、恥ずかしそうに答えていく。
「・・つまり・・その・・・言葉づかいとか・・・・・とにかく念入りに前戯を繰り返すんです。もう、限界に近づく寸前まで・・・・・・・・」
「へぇー。」
「とにかく、彼は、セックスだけには妥協しないんです。」
「そんなに、上手なの？」
「上手と言うか・・・言葉を巧みに使って羞恥を快感に変えさす技術というか・・。」

（なるほど・・・三屋の女房も谷川に嵌ったというわけね・・・）

「でも、何故、貴女は谷川と別れたの？」
「だって、働かないし、浮気はするし、挙句に私の貯金は食いつぶす。こんな男と付き合ってられないわよ。それに、アブノーマルなの。」
「・・・アブノーマル・・・って、でも、上手なんでしょ。」
「うーん・・・だんだんとエスカレートしてくるのよ。変わった道具を使うし変態的な・・そうそう・・手を入れようとするのよ。そういう事が好きみたい。」
「へぇぇー。俗に言うフィストっていうやつね。」
「ええ。彼は、そういう行為で興奮するのよ。断わるとすごく怒るし。」
「そうなの・・・。色々と聞かせてもらってありがとう。」
　沙良は、女性に礼を言って谷川のマンションに向かう事にした。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「じゃ、麻衣子、頼んだぞ。」
「・・・・・・・・ぇ・・ぇぇ・・・・わ・・・・わか・・った・・・・ゎ・・」
　麻衣子は、ベッドの上で大の字になって朦朧としていた。
　股間の下のシーツは、大きな染みを作り亀裂からは、剛士の放った分身が流れ出ている。

　剛士は、笑いながら麻衣子のマンションを出て行った。

（さて・・・昼でも食いに行くか。）

　沙良のために下準備を済ませ、暇になった剛士は、離宮に向かった。

−　離宮　−

「へぇー、沙良さんが一人で。」
「ああ。これから簡単な仕事は、沙良に任せることにした。」
　剛士は、ビールを飲みながら穂波の作った料理を美味そうに頬張っていた。

「ところで、穂波、これ美味いな。」
「でしょ。鯛を昆布締めにして一晩寝かしたのを生姜でちらしたのよ。」
「ほぉう。」
「お客様にも評判いいわ。」
「んー・・・穂波、吟醸酒くれ。」
「えぇ・・まだ飲むの？」
「なんで？・・いいじゃねぇか。」
「だって・・・・それ以上飲むと・・・・・その・・・」
「何だ・・何か都合でも悪いのか？」
「・・・そのぉ・・・つまり、エッチ出来ないじゃない。」
　穂波は、照れ笑いをしながら剛士を見つめる。

「エッチ？・・・・ぁ、い、いや・・・今日は・・・・やめておこう。」
「えぇぇー・・・だって、最近、全然抱いてくれないじゃない。」
　膨れっ面でそう言う穂波に、剛士は、正直に答えていく。
「つまりだな・・・・昨夜、沙良と一戦交えて、今、さっき麻衣子に強要されて・・」
「え・・・ま、麻衣子さんとも・・・・・・」
「つまり・・体力がだな・・・・」
　穂波は、剛士の腕を抓りながら駄々をこねる。
「剛士さん、私も絶対に抱いてもらいますからね。不公平じゃない。」
「不公平って・・・そんな問題じゃないだろ。」
「そういう問題なの。」
「・・・な・・・無茶苦茶だな・・・」
「抱いてくれないと刺身包丁で刺すわよ。」
「・・・・・・・」

（・・ったく、拳銃で撃ち殺すと言ったり、包丁で刺すといったり・・・・女は・・）

　剛士は、呆れながら穂波の顔を見るが、その真剣な表情を見て苦笑いに変わった。
「・・・・・・じゃ・・・・１回だけな。」
　剛士の、その言葉に穂波に笑顔が漏れる。
「お布団引いて来るから待っててね、剛士さん・・・・」
　穂波は小走りで２階に駆け上がっていった。

　大きく息を吐きながらカウンターに肘を付く剛士・・・・
　ビールをひと息に飲み干すと、股間を静かに撫でながら溜息をついた。

（50）

「クゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・アァァァァァァァ・・・・ァァ・・・ィィィー・・・」
　仰向けになり大きく足を開いた穂波の蜜壷に剛士は指を入れ愛撫を繰り返していた。

　剛士の愛撫に耐え切れず穂波は、肉棒に貪りついてくる。
　強く握った肉棒に舌を這わせる穂波・・・
　剛士は、指を挿入したまま、もう片方の手で乳首を摘んだ。
「ンムゥゥゥゥゥ・・・ングゥゥゥゥゥー・・」
　既に、蜜壷を刺激する剛士の手は蜜でビッショリと濡れている。
　肉棒から口を離した穂波が、我慢出来ずに剛士に抱きついてきた。

「・・だ・・駄目・・・もう・・・・剛士さん・・・・」
　穂波は、胡座をかく剛士に跨っていった・・・
　腰をくねらせ剛士の肉棒を握ると自ら蜜壷に導いていく。
「・・ァ・・・ァァ・・・ゥゥ・・・アァァァァァァァァァー・・・」
「穂波・・・異常に濡れてるな・・・」
「あぁんっ・・・変な言い方しないで・・・・ァゥゥゥ・・・」
　剛士は、穂波のヒップを下から支えながら上下に動かし始めた。
　穂波は、舌を剛士の首筋に這わしていく・・・
「アッァァ・・・ウクゥゥゥゥゥゥゥ・・・・き・・気持ち・・ぃぃ・・」
　剛士は、そのまま仰向けに寝ると穂波を腰の上で踊らせた。
　
　穂波は、足底をつき手を剛士の胸に当てて上下にスライドを開始した。
「ウックゥゥゥゥゥゥゥゥゥー・・・ハァゥゥゥゥー・・・・」
　穂波は、上から結合部を覗き込みながら興奮を倍増させた。
　剛士の肉棒が蜜壷に埋まるたびに、淫声を張り上げていく。
「ァァァ・・・剛士さんのが・・・・ゥゥ・・気持ちいぃぃぃぃ・・・」
　髪を振り乱して腰を動かし続ける穂波・・・
　既に剛士の股間は、穂波の蜜で激しく濡れていた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　谷川のマンションに着いた沙良は、７階建てのマンションを見上げた

（確か最上階だったわね・・・・）

　その時、谷川の腕を組みながら優子が、エントランスから表に出てきた。
　二人は、１階が駐車場になった入口に向かっている。

（・・ん・・・出かけるのかな・・・）

　沙良は、二人が駐車場から出てくるのを待った。
　しばらくすると谷川は、優子が運転する車に乗り込み何処かに出かけていった。

（ラッキーだわ。）

　沙良は、急いで幸三に電話をした。

「・・・・・あ、もしもし、冬木さん・・私・・そ、沙良・・今から直ぐに手伝って欲しいの。」
　沙良は、幸三に頼んで部屋に盗聴器を仕込み、三屋郁夫の殺人計画が真実なのかを確かめようとしたのだ。

『ふぅーん・・沙良ちゃんが一人でやってるのか。』
「手伝ってよ、冬木さん。」
『ま、いいけどさ・・・で、場所は？』
　沙良は、谷川のマンションの住所を幸三に教えた。
『わかった、直ぐ行くよ。』
「待ってるわ。」

　２０分後、幸三が道具を持って駆けつけてきた。
「沙良ちゃん、お待たせ。」
「早く、早くぅっ。」
「わかってるって。」
　幸三は、車のトランクから道具を取り出した。
「冬木さん、私が、見張るから仕掛けてきて。もし帰ってきたら携帯を鳴らすわ。」
「ＯＫ！　ワンルームなんだろ。ま、あっという間に終わらせるさ。」
「頼りになるわ。部屋は７０２号室よ。」
　幸三は、自信満々の笑顔でマンションに入っていった。
　エントランスのメンテナンススイッチを切りいとも簡単にエレベーターに乗り込んでいく。

（・・・・さ、さすが・・）

　沙良は、何気にこなす幸三の腕に、つくづく感心を示した。

　７階に上がった幸三は、特殊な鍵で谷川の部屋のドアロックを解除した。
　部屋に上がりこんだ幸三は、ベッドの下に盗聴器を仕込むとベランダのガラスに透明シールの高感度アンテナを取り付ける。
「よしと。」
　幸三は、部屋を見渡した。
　テーブルの上には、バイブレーターや外国製の巨大なディルド、そして優子が着るのであろう、セクシーな下着類が散乱している。

（・・・凄ぇ、太いバイブだな・・・・入るんかい・・）

　幸三は、隅にある観葉植物の幹の部分に小型のカメラを取り付けた。

（・・・さてと・・行くか。）

　幸三は、部屋を出てロックを掛け直す。

　その間、わずか３分、驚くほどスムーズで素早い仕掛けだった。
　エントランスから出てくる幸三に、沙良は、声をかける。

「冬木さん、どうしたの？　入れなかったの？」
「え？・・・ああ、もう仕掛けてきたよ。」
「えぇぇっ？・・・・は、早いわねぇ。」
「ま、これが仕事だから。あ、ついでにカメラも仕掛けておいた。」
「なんで？　会話が録音できれば問題ないのに。」
「いや、バットくらいあるバイブが転がっていたんだ。入れるところを見たくて。」
　沙良は、呆れながら幸三の肩を叩いた。
「ったく、もぉぅ・・」
「はは、ま、いいじゃない。・・・・・あ、俺、急ぐからこれで。」
「え・・・お昼御飯、奢ってあげようと思ったのに。」
「いや、キャシーの店に行くからさ・・・ヒヒヒ・・」
「キャシー？・・・ああ、裕香さんね。・・・・しかし、冬木さんも好きね。」
「ちぇっ、沙良ちゃんほどじゃないよ。」
「どういう意味よっ！」
「はは、・・じゃ行くね。あ、録画したビデオは、俺にも見せてよ。」
「・・・え、ええ・・・」
　幸三は、受信機と録画用デッキを沙良に渡して車に乗り込んだ。

（あぁーぁ、一人か。電波が届かないから、ここから離れるわけにはいかないし。）

　沙良は、溜息をつきながらトーラスに乗り込んだ。

（お腹すいたな・・・・剛士に何か買ってきてもらおうかな。・・・そうしよっと。）

　沙良は、早速、剛士に電話を掛けた。

（おかしいわね・・・コールしてるのに出ないじゃない・・・・）

　沙良は、首を傾げながら受話器を耳に当てていた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ぁぁ・・うぅぅ・・も、もう・・・・剛士さん・・・・だ、駄目ぇぇぇ・・・」
　穂波は、四つん這いの体勢で、剛士に後ろから強烈な杭を打ち込まれていた。
　後ろを振り向きながら剛士にフィニッシュを要求している。
「・・・つ・・剛士さ・・ん・・・・・ァァァァ・・・ウァァァァ・・・」
「穂波、もう限界なのか？」
　剛士は、穂波の腰を引きつけながら奥の壁を突付いている。
「・・・ゥ・・・ゥン・・・・・は、早く・・・・い、一緒に・・いきたい・・」
　剛士は、頷くとピッチを上げていった。
　湿った摩擦音が、部屋中に響いていく。
「グゥゥゥゥゥゥゥ・・・アハァゥゥ・・・ウグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥー・・・ウゥッ、ウゥッ、ウゥッ、ウゥゥゥゥゥゥゥゥッ、・・・・アァァ・・アゥゥ・イ・・・イ・・・イキソッ・・ゥゥ・・イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ！」
　穂波の蜜壷が急激にしまった瞬間、剛士もそれに合わせて爆発をした。
　肉棒を包むように、小刻みに内部が痙攣している。
　穂波の全身に鳥肌が立ち大きく背中が反り返った。
「ンゥゥゥゥゥゥー・・・・」
　呻き声をあげた穂波は、布団に崩れ落ちた。
　剛士は、ゆっくりと肉棒を引き抜き抜いていく。
　穂波は、ヒップを高く上げた状態で目を瞑り、荒い息を発している。

　剛士は、悪戯心で穂波の蜜壷に指を滑らせた。
「アァン・・・」
　穂波は、身体を崩しながらうつ伏せに倒れこんだ。
　その瞬間、蜜壷から剛士の放った分身が亀裂から零れ落ちる。
「・・ゥゥゥ・・・・・つ、剛士さん・・・・」
　穂波は、目を瞑ったまま小さく呟いた。
「フッ・・・久しぶりのセックスは、どうだった？」
「気持ち良過ぎて・・・・・息が止まりそうだった・・・」
「・・・俺は、連ちゃんで死にそうだ・・・・・さて風呂借りるぞ。」
「ええ・・私、もうちょっと、このまま・・・・」
　剛士は、穂波のヒップを軽く叩いて浴室に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「もうっ、剛士の馬鹿っ・・・なんで電話に出ないのよ。」
　沙良は、何度掛けても通じない剛士を諦め、信吾に電話をかけることにした。

「・・・・・信吾？　私よ。」
『あ、沙良さん・・最近、電話がないからフラれたかと思ったよ。』
「フフッ・・馬鹿ね。仕事で忙しかったのよ。あ、ところでいま暇？」
『すごい暇だよ。試験も終わったし。』
「そう。　悪いんだけどさ、何か食べる物買って、こっちに来てくれないかな？」
『え？・・』
「今、仕事中なんだけど、この場所を離れられないのよ。」
『御安い御用っす。直ぐ行くよ。』
「ゴメンね。・・・場所はね・・・」
　沙良は、真吾に谷川のマンション近くの住所を教えて車の中で待っていると伝えた。
『了解！　連れに近くまで送ってもらうよ。』
　信吾は、元気のいい声で、そう答えると電話を切った。

（・・・・フフッ・・せっかくだから可愛がってあげようかな・・）

　沙良は、妖艶な笑みを浮かべながら電話をしまうと、車のシートを軽めに倒した。