（７）

　車に戻った剛士と幸三は、ビデオ録画の設定を始めた。
　秀子の持つ携帯電話の盗聴設定も済まし一息つく剛士と幸三・・・・
「兄貴っ、まだ１４時まで時間ありますよ。何か買ってきましょうか？」
「そうだな・・・・じゃ、適当に買って来てくれ。」
　剛士は、幸三に金を渡して買い物に走らせた。
「幸三っ、ビールも買って来いよ。」
　指でＯＫサインを出して幸三は、地上に上がっていった。

　その時、秀子の携帯の受信音が鳴った。

（お、掛けたな・・・・）

　しばらくして相手が出た。青田だった。
≪良一さん？　私です、秀子・・・≫
≪やぁ、いつものホテルに１４時に予約しておいたよ。先に部屋で待っているからね。１０７１号室だ。≫
≪解ったわ。　早く良一さんに抱かれたいわ・・≫
≪今日は、激しくさせてもらうよ。≫
≪嬉しい。　我慢してたの。≫
≪じゃ、待ってるよ。≫
　そう言って、青田は電話を切った。

（　クックク・・・・・激しくねぇ・・・）

　剛士は、ダンヒルを口に咥えて火をつけた。

　しばらくして袋包みを抱えて幸三が戻ってきた。
　幸三が買ってきたシェフサンドを頬張りながらビールを流し込む剛士・・・
「そろそろだな・・・」
「そうっすね。」
　その時、車に設置したモニターに青田の姿が写った。
「兄貴、男の方が来ましたよ。」
　剛士が、モニターに目を向けた。

（・・・・・・フッ・・・女房が何を企んでるかも知らずに・・・）

　そして、１０数分後、秀子も部屋に現れた。

　いきなり抱き合う青田と秀子・・・・
　青田は、秀子のスカートを捲ってショーツに手を入れている。
「ンフゥゥー・・・良一さぁん・・・」
「秀子、凄い濡れてるじゃないか。」
「もう、我慢できないわぁ。」
「午前中、電話したんだぞ。何処に行ってたんだ？」
「ぇ・・・そうなの？・・ごめんなさい。ちょっと・・・用で・・」
「また、あの若い男か・・」
「・・ぇぇ・・でも、あの子は遊びよ、良一さんと一緒になれたらもう会わないわ。」
「・・・・フッ、可愛い奴め・・」
　青田は、背広を放り投げ、ベルトを外すとスラックスを下ろした。
　秀子は、青田の肉棒を口に咥えて呻き声をあげる・・
「ンムムゥゥゥゥー・・・・」
　卑猥な音を立てて、青田の肉棒に舌を躍らせていく秀子・・・
「うぅぅ・・ひ、秀子っ・・いいぞ・・・・・今日は、うんと厭らしい事をやってやるからな。」
　青田は、肉棒を咥えさせたまま、ネクタイを外しシャツを脱いで真っ裸になった。
「さ、秀子、お前も全部脱げ。シャワーを浴びよう。」
　秀子は、虚ろな目で肉棒を離すと服を脱ぎ始めた。
　二人は、浴室に一緒に入った。

　秀子の身体に、シャワーの湯をかける青田・・・
　石鹸を秀子の陰毛に擦りつけて泡立てると剃刀を手に持った。
「秀子、浴槽に座れ。」
　秀子は、言うとおりにして足を大きく広げた。
　青田は、慣れた手つきで秀子の恥丘と蜜壷周りの陰毛を剃り落としていった。
　シャワーで、洗い流すと青田は、蜜壷に指を入れて刺激していく。
「アフゥゥゥー・・りょ、良一さぁん・・・・」
　秀子は、自ら薄皮を捲り、女芯を撫で始めた。
　青田は、まるで掻き混ぜるようにして指を激しく動かしている。
「ングゥゥゥー・・・気持ちいいぃー・・良一さん・・・お尻にも指入れてぇー！」
　秀子は、浴槽から腰を浮かせると壁に手をついて腰を突き出した。
　足を大きく開いて膝を軽く折ると青田の方に振り向く。
「良一さん・・・早くぅぅ・・・」
　眉を顰めて挿入をせがむ秀子・・・
　青田は、石鹸を手に擦りつけて秀子の菊門に人差し指をゆっくりと入れ始めた。
「ンォォアァァァー・・・・・」
　青田は、さらに２本、３本と指を入れ始めた。
　秀子の菊門は、３本の指が前後されて蠢いていた。
　蜜壷からは、透明な液体が、大腿を伝っている。
「良一さぁん・・・早くベッドに行きたいぃ・・」
「そうだな・・・そうするか・・」
　青田は、菊門から指を抜くと簡単にシャワーを浴びた。

「秀子、先に行って待ってるからな。」
「ええ。直ぐ行くわ。」

　秀子は、青田からシャワーのノズルを受け取ると蜜壷と菊門に湯をあてた。
　口を半開きにシャワーの当たる水圧でさらに体が燃えていく・・・・
「ハゥゥ・・・」

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「兄貴・・・駄目っ・・・立っちまうよ・・」
　モニターを見ている幸三が、股間を押さえながらうめいた・・
「フッ・・あんなババァでもか・・」
「いや、この浮気というシュチュエーションに興奮して・・・」
「アホかい、おめぇーは・・」
　幸三は照れながら独り言のように言い放った。
「これ終わったら、ランセルに行こっと。」
「まだ、あの、ソープに通ってるのか？」
「ええ、ここのキャシーっていうソープ嬢が最高なんすよ。」
「キャシー？」
「本名は、裕香っていうんですけど結構いい女なんです。」
「ほぉー。」
「俺、常連だから外でもたまに会ってくれるんっすよ。」
「彼女作ったほうが早いだろうが・・」
「ま、そうっすけど・・・・」
「お、幸三、秀子が浴室を出たぞ。」
　幸三は再びモニターに目をやった。

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　ベッドに寝転ぶ青田に近づいていく秀子・・・
　青田の顔の真上に跨ると両手でツルツルになった股間を押し付けた。
「ンアァァァァー・・・・舌をいれてぇぇー・・・・」
　青田は要求どおり亀裂を割って舌を挿した。
「アウゥゥァァァァー・・・・」
　秀子は、そのまま青田の股間に上体を倒しシックスナインの格好になった。
　お互いの性器に貪りつく二人・・・

　しばらくそれを続けると青田は秀子を仰向けにさせた。
　青田は、鞄からバイブを取り出し秀子に手渡した。
「秀子、それで淫乱なオナニーを見せてみろ。」
「・・ぁぁ・・・いいわ・・・・見ててね、良一さん・・」
　秀子は、バイブを舐めて先を湿らせると亀裂に沿ってバイブを滑らせた。
　まんべんなく根元まで蜜で濡らすと片手で亀裂を開きバイブを挿入した。
「ハァァァ・・・・・ァァ・・・」
　完全に埋没させた秀子は、バイブを両手で持ち腰を高く浮かした。
　青田が見ている事を確認した後、
　激しい摩擦音を立てながらバイブの出し入れを開始する。
「ウハァァァ・・・・・ウァァァァ・・・」
　青田は、興奮しながら自ら肉棒を握り締め上下に擦った。
「ァァ・・・見てる、ねぇ、良一さん、見てるぅー・・」
「あ・・・秀子、見てるぞ・・もっと激しく上下しろ。」
　秀子は、良一の要望を満たすかのごとく両足を抱えて真上からバイブを操った。
　入れるたびに菊門が、膨れ上がり蜜が掻きだされていく。

　青田の我慢が限界にきた。
　秀子からバイブを取り上げると覆い被さって肉棒を挿しこんだ。
「ウッハァァァァァァー・・・・良一さぁぁぁん・・・・」
　青田は、狂ったように腰を動かした。
「いい・・最高ぉぉぉー・・　グフゥゥゥゥゥー・・・・」
　青田は、菊門にも指を入れて刺激した。
　あっという間にお互いの昇天時期が重なる・・
「秀子・・・もう駄目だ・・・」
「ぁぁ・・わ、私も・・ねぇ・・・い、いつものようにお尻に・・・・」
「好きだな・・秀子・・・」
「早くぅぅー・・」
　青田は、秀子の蜜壷から肉棒を引き抜くと菊門に当てがった。
　ゆっくりと腰に力を入れていく青田・・・
　そして、完全に埋めると秀子の乳房を思いっきり握って叫んだ。
「秀子、出すぞぉー！」
「キテェェェェェェー・・」
　青田は、秀子の菊門に分身を爆発させた。
　きつく締まる快感に全てを搾り取られていく青田・・・
「き・・気持ちいぃっぃぃぃー・・・ンァッァァッァァァァッァー！」
　秀子は、涎を垂らしながら絶叫した。

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「兄貴っ・・たまらんっすね。・・・あぁ、俺もア○ルやりてぇー。」
「何だ、やったことないのか？」
「え？　兄貴経験あるんすか？」
「まぁな・・沙良と・・・・・っとと・・」
「ぇ？　何すか・・・今、何て言ったんすか？」
「いや、・・・独り言だ。」

（ま、とにかく撮影は成功だ。　後は、絶望を与えるってことだが・・・）

　そんな事を思っていると、沙良から電話が入った。
『剛士、青田の奥さん、男とホテルに入ったわ。』
「ほぉー・・そうか。」
『雰囲気から察して、かなりラブラブね。写真も一応撮っておいたわ。』
「わかった。もう、青田の女房は他っておいても問題はない。青田も秀子も、俺たちの仕事が終われば一文無しだしな。」
『そうね。・・じゃ、私は先に事務所に帰ってオナってるから。』
「・・・・・・・・布団干しておけよ。」
　剛士は、そういって電話を切った。

　既に、秀子と青田は、２回戦に突入していた。
　菊門にバイブを挿入され狂ったように首を振る秀子の卑猥な姿がモニターに映っていた。

（８）

　翌日、夕方

　剛士は、沙良とともに加藤の会社を訪れていた。

「・・・・・伊武さん、こんな短期間に・・・本当にありがとうございます。」
「一応、ここにくる前に、奥さんにもテープを渡しておきました。」
「ふん、家内の奴、今ごろ大慌てで青田に電話をしているでしょうな。私もアオイ通電から電話が掛かってくるのが、待ち遠しいですわ。」
「これで、私の仕事は終わらせていただきますので。」
「伊武さん、本当に感謝してます。」
　加藤は、そう言って現金で謝礼を渡した。
「伊武さん、多少、色をつけておきました。ありがとうございました。」
「それは、どうも・・・では、私たちはこれで。」
　剛士は、現金の入ったバックを受け取ると社長室を出た。

　加藤の会社を出てチェロキーに乗りこむ剛士と沙良・・・
　剛士は、バッグを沙良に渡すと車をスタートさせた。

　高速道路に乗る剛士・・・・・・
　ダンヒルに火をつけると剛士は、沙良に呟いた。
「沙良、中を見てみろ。」
「うん。」
　沙良は、嬉しそうにバッグを開いた。
「あら、剛士、かなり余分に入ってるわよ。」
「ほぉー。」
「凄い。倍の１０００万円よ・・」
「ま、口止め料も含んでいるな。一応、世間体もあるだろうし。」
「これなら、冬木さんに手数料渡しても、かなり残るわね。」
「だな・・・・・よし、約束どおり、今夜は、高級ワインを飲みに行こう。」
「ヤッタァー！」
「事務所に帰って着替えてから行こうぜ。」
「そうね、お股も綺麗に洗っておかないと。」
　剛士は、平然と言い放つ沙良に、ガクッっとしながら事務所に急いだ。

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　二人は、シャワーを浴び着替えを済ますと中央高速を飛ばして、夜景を彩る湖畔のレストランに向かった。
　１時間程走ると、数件の店が建ち並ぶレストランに到着する。

「素敵ぃー・・こんな店よく知ってたわね、剛士・・・」
「昔、穂波と来た事があってな。」
「・・・・剛士っ・・普通、デート中に違う女性の話する？」
（い、いけね・・・）
　怒った視線が剛士に突き刺さる。
「ハハ・・・違った、一人で来たんだ・・」
「もう、遅いわ。　今日は高いものばかり食べてやるから。」
　沙良は、膨れっ面でレストランに入っていった。
（本当に食べそうだな・・）

　席に案内された二人の前に、ボーイが注文に現れた。
「いらっしゃいませ。オーダーを・・」
　剛士は、メニューを見ながらボーイに尋ねた。
「この店で一番高いワインは？」
「ぇ・・・は・・・はぁ・・・シャトー・ぺトリュス１９８６でございますが。」
「じゃ、それを・・」
　剛士と沙良は見合って笑みを浮かべる。
　ボーイが驚いて再度、剛士に聞き直した。
「あ、あの・・・シャトー・・」
「そうだ、それをくれ。」
「し、失礼ですが・・・・１本・・２２万円です・・・が・・」
「失礼なのは君だ。それを注文したんだよ。料理は鴨のフルコースで。」
「か、かしこまりました。お待ちくださいませ。」
　ボーイが、慌てて厨房に走っていった。

「剛士、ビックリしていたわよ。」
「・・・ふっ・・らしく見えなかったのかな？」
「でも、高いワインね。」
「俺も一度しか飲んだ事はないんだ。」
「どういうワインなの？」
「んー、ボルドーの中では、最も高いワインだな。世界で一番高いワインが、ブルゴーニュのロマネ・コンティなら、世界で２番目に高いワインがこれさ。」
「へぇー、そうなの・・」
　そこへ、シェフが、直々にシルバーのワインクーラーにシャトーを入れて現れた。
「いらっしゃいませ。料理長の川田でございます。以後、ご贔屓に・・・」
（ククッ・・・シャトーの力は偉大だぜ・・）
　料理長は、沙良にシャトーを注ぎ、続いて剛士に瓶を傾けた。
　剛士の目を合図に料理長は、頭を下げて空気のように消えていく・・・

　剛士と沙良は、軽くグラスを交わした。
「乾杯っ！」
　優雅な音楽をバックに、二人はワインと料理に舌鼓を打った。
　そして、沙良は、楽しみの一つである剛士の話に耳を傾けた。
　最高のワインと料理、そして何より剛士と二人だけの空間に・・・・・

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「剛士、楽しかったわ。」
「ああ。料理も美味かった。」
　剛士の運転するチェロキーは、再び中央高速に乗った。
「そう言えば、沙良、お前に給料を払わんとな・・・」
「ウフフ・・・・ね、ね・・・・私にはいくらくれるのかな？」
「沙良、バックを取れよ。」
　沙良は、バックを取ると中身を広げて微笑んだ。
「何度見ても、いいわねぇ・・・」
　剛士は、手を伸ばして一束だけ取ると沙良に囁いた。
「残りは、全部お前にやるよ。」
「えぇー・・な、何で・・・」
「いいから、持っていけ。」
「で、でも・・・」
「お前、部屋を改装したいって言ってただろ。それからシャネルのワンピースにゴロアのティーカップに、んーと、マホガニーの小机に・・それから・・・・そうそう・・久しぶりにロンドンの街も見に行きたいって言ってたじゃないか。」
　沙良は、バッグを後ろに放ると、剛士のスーツのチャックを下ろして肉棒を露出させた。
「な？　何やってんだ、あほぉぉーっ！」
　沙良は、剛士の声に耳を貸さずに肉棒を口に含んだ。
「ア、アブねぇーぞ・・・ぶつかるって・・・おぉぉーい・・・」
「剛士となら一緒に死んでいいもん・・」
「馬鹿やろぉぉぉー・・俺が死にたくねぇーんだよっ！」
　チェロキーは、高速道路を蛇行していた。
　剛士は、緊急停車帯に車を停めて沙良をこついた。
「タワケェー！　沙良っ、マジ、ぶつかるじゃねぇーか・・・」
「私、お金なんか要らない。私が・・・・私が、一番欲しいのは剛士なのっ！」
「お・・おい・・・・・沙良・・・」
　沙良は真剣な顔で剛士を見つめた。
　沙良は涙を浮かべていた。

（さ・・・・沙良・・・・）
　剛士は、笑顔を見せて沙良に囁いた。
「いいから、持っていけ。その金使って、もっと女を磨けよ。それに、俺より、もっといい男が現れるかもしれないぞ。」
「・・・・・・・剛士って、デリカシーが全く無いゎ・・・・・いつも答えをごまかして、話をはぐらかして・・嘘吹いて・・」
　沙良は、これ以上無い寂しい目をしていた。
　剛士は、思いっきり息を吸ってゆっくりと吐き出した。
「ふぅぅー・・・わかった。・・・沙良・・・正直、俺もお前が好きだ。」
　剛士は、チャックを上げてベルトを締めると沙良の頬にキスをした。
　そして車を発射させると、前を向いたまま沙良に言い放った・・・
「ただ、俺も、まだ男を磨き足らんのだ。いつか・・・いつか・・・お前を・・・」
　剛士の首に飛びつき、思いっきり抱きしめる沙良・・
　涙を見せないよう、ずっと剛士を助手席から抱きしめていた。
「言い訳しないで・・・いいの・・剛士・・・・もう、もう、言い訳しないで・・・」
「・・・さ、沙良・・・解ったから・・・首を離してくれ・・・い、息が・・」
　車は、またしても蛇行していた。
「・・・ゴメン・・・」
「馬鹿だな、沙良・・・・・・事務所へ帰ってから、天国に連れて行ってやるぜ。」
　沙良は、頬を染めて頷いた。
　前方を見たままラジオのスイッチを入れる沙良・・・

（あ・・・この歌・・・）

　スピーカーからは、二人の好きなビリー・ホリデーの歌が流れ始めた。
　ナンバーは、偶然にも「Don't Explain」・・・・・・
　ハスキーな、声が心魂に響き渡っていく・・・
　沙良は、この曲が流れた事を天に感謝した。

≪何も言わないで。言い訳はしないで。

　ただ、ここから出て行かないとだけ言って。

　貴方が帰って来ただけで、私は嬉しいの。

　だから、言い訳はもういいの。

　黙っていて。言い訳が何になるの？

　口紅のことはもういいの。言い訳なんてもうたくさん。

　わかっているわね、どんなに貴方を愛しているか。

　愛しているから、どんな事でも我慢できるの。

　私が思うのは貴方だけ。

　私は完全に貴方のものだから。

　人の噂には泣かされるわ。貴方の嘘も知っている。

　それは、嘘でも本当でもいいの。

　貴方がいてくれさえすれば。

　何も言わないで。言い訳はいいの。

　貴方は私の喜び、そして苦しみ。

　私の人生は貴方のもの。だから、言い訳しないで。

　沙良は、剛士が、この歌をどういう気持ちで聴いているのかと想像しながら静かに視線を投げかけた・・・・・・

　剛士は、優しい目をしていた・・・・・・・