（７８）

　剛士は、清美に連絡を入れ、城戸と対立する浜田の詳細を尋ねていた。
『伊武さん、電話では、話す事が出来ません。よろしければ、先日の岩井をそちらへ向かわせますが、駄目でしょうか？　内の若頭ですが使える男です。』
「かまいませんよ。」
『では、今からさっそく向かわせます。』
「お待ちしてます。」
　剛士は、受話器を置くと、次の作戦のシュミレートを思い浮かべた。

−１時間後−

　岩井が、事務所に到着した。
「先日は、どうも。」
　応接室に案内された岩井が剛士に頭を下げた。
「いえ。・・・ま、どうぞ。」
「早速ですが、伊武さん、どういう風に事を進めていくのか教えて頂けませんか？」
「濡れ衣を着せ、高津と浜田の関係にヒビを入れます。」
「・・・・・どうやって？」
　剛士は、先程、高津の女房と関係した事を岩井に説明した。
「なんですってぇっ！・・・・そ、それは・・・本当の話なんですか？」
「ええ。」
「バレたら、とんでもない事に・・・・」
「ま、それはないでしょう。」
「し、しかし・・・・」
　岩井は、信じられないといった様子で剛士を見つめていた。
「あの女を・・・・・伊武さん、彼女は・・・かなり危険な女ですよ。」
「ええ、知ってます。白鴎会会長の孫娘でしょ。」
「・・・・・知ってたんですか。・・・・・貴方は、一体、何者なんです。」
「ただの探偵です。」
「昨日もそうでしたが、私にはそうは見えないんですが。」
「ま、そんな話は、後にしましょう。」
「・・・・」
「色々考えていたんですが、貴方に協力してほしい事があります。」
「はい。」
「実は、浜田に高津の女房を抱かせようと考えています。」
「えぇぇーっ！・・・・は、浜田の・・・お、叔父貴と・・・・・・」
「浜田も高津の女房も互いを知らないはずです。」
「そ、そうかもしれませんが・・・・・」
「いい手なんですがねぇ・・・」
「しかし、叔父貴は、かなりの愛妻家ですし、そんな話に乗るかどうか・・」
「それが出来なければ、作戦は上手くいきません。」

　岩井は腕を組みながら考えた。
　いくら同じ組織といえども組は違い、更には次期組長を狙う対立した組織である。

「貴方が言いたい事は分かります。しかし、何らか手はあるでしょう。」

　岩井は暫し思考を繰り返した。
　クラブに宮子を連れていく事など到底無理な話である。。
　まして、こちらから出向くなど抗争の口火を切っていくようなものだ。。

「伊武さん・・・・・・つまり抱かせるという事は？」
「元々、暁会と青葉会は抗争相手・・・その敵対する直系の組長同士が上部に内緒で、手を組んでいることが知れたらどうなります。破門どころじゃすまないでしょう。」
「・・・・・しかし、証拠を潰す事など、我々の組織なら簡単ですよ。」
「岩井さん、抱かせるだけじゃないんです。ビデオを撮ります。」
「な・・・なんですって・・・・」
「それを互いの系統組織に流せばどうなりますか？」
「な・・・・・・・・・か、考えただけでも恐ろしい・・・・」
「しかし、一気に邪魔者が減りますよ。城戸さんは、次期組長確実ですしね。」
「・・・・・・」
「もう一つ、言っておきますと、清美さんと高津の関係しているところもビデオに撮らせて頂きます。」
「えっ、姉さんを・・・・・・そ、それだけは・・・」
「既に、先日、本人に承諾を得ました。」
「・・・・・・・えっ？・・・・・あ、姉さんが。」
「ええ。」
「・・・・・・まさか・・それを・・」
「そう、高津の女房、宮子の祖父に見せます。」
「でも、考えようによっては、それを見せれば一発で解決できるんじゃ・・・」
「浜田が、チクリますよ・・・・両方とも失脚させないと意味はありません。」
　岩井は、驚愕した表情で剛士を見つめた・・・・・
　剛士の案に、なかなか、言葉が出てこないでいる。

「ま、岩井さん、これがどういう事か良くご存知だと思いますが、下手をすれば、破門どころか、高津は・・・・・クククッ・・。」
「あ、貴方は・・・・・・」
「ま、岩井さん、私の案でなくても結構ですので浜田を誘いに乗せる方法を考えておいてください。」
　剛士の冷静な態度と、驚くような案に岩井は、肝を抜かれた状態になっていた。

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−　三日後　−

　清美は、約束どおり高津とホテルの一室で密会をしていた。
　高津の跨りながら清美は、腰を振っていた。
「清美・・・相変わらず、お前のマ○コは最高やのぅ・・・」
「ぁぁ・・・・あんたぁ・・・」
　高津に気づかれないよう、部屋には超小型のビデオが設置されている。
　事前に場所を知り得た剛士は、幸三にビデオの設置を頼んでおいたのだ。
　高津は、腰を動かしながら清美に囁いた。
「清美、早く、城戸を諦めろっ。暁会は浜田が適任だ。そうなれば、お前も安心して俺と関係が続けられる。女房と別れる事は出来ないが、お前を独り占め出来るんだ。」
「で・・・でも・・・・ァゥゥゥゥ・・・・・」
「損得を考えてみぃ。浜田が次期組長になれば、わしと盃が交わせる。そうなれば、一大勢力に押し上がれるんじゃ。お前にも天下がくる。」
　高津は、清美の乳房を鷲掴みしながら腰を突き上げる。
「ウフゥゥゥゥゥー・・・・・ゥゥゥゥゥ・・・・」
「清美・・・よく考えるんじゃ。」
「で、でも・・・・私は、白鴎会会長を尊敬してるし仇を返すような事は・・・」
　清美は、剛士に言われたとおりの台詞を喋った。
　ビデオを見せた時に、城戸と清美が一切、関わっていない事を証明するためだった。

「あほんだら、先の短いジジィを恐れるんじゃねぇっ！」
「だって・・・そもそも、私は、アンタが青葉会の人間なんて知らなかったのよ。」
「いまさら、そんな話はいいだろう。」
「でも・・・貴方にとっても奥さんの祖父なのよ。裏切り行為じゃないの。」
「だから、見つからないよう進めるんだよ。今は、もう俺たちの時代だ。」
「・・・・・でも・・・」
「いいか、浜田が暁会の組長になれば、わしら青葉会とは同盟を組めるんだぞ。そうなれば、お前とも堂々と会う事が出来る。もちろん城戸は落とすがな。」
　清美は、剛士に念を押された肝心な質問を高津にした。
「でも・・なんで、立派な女房がいるのに私なんかと・・・・」
「俺は、出世したくて、嫌々、あの女と一緒になったんじゃ。あの女を貰えば、皆が、わしに一目置くし、それに親分衆も味方に出来る。それは達成できた。
　今は、好き勝手やってる女房など、どうでもいいんだ。わしは馬鹿女房など放ったらかして、ずっと、お前と一緒にいるつもりだ。お前はわしの物じゃ。」
　高津は、そう言うと清美を腰から下ろし仰向けに寝かせた。
　両足を真上に持ち上げ、肉棒を乱暴に蜜壷に打ち込んでいった。
「ンッ、アァァァァァァァァァァァァァァー・・・・・」
「清美っ、城戸を諦めぇーっ！・・・わかったのぉっ！」

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　その日の夕方、岩井は、剛士の事務所を訪れていた。
「岩井さん、どうでした。上手く浜田を誘えましたか。」
「伊武さん、色々と私なりに考えましたが、やはり浜田の伯父貴に抱かせるのは無理があります。そこで、非常に危険なのですが、ひとつ、いい手がありまして。」
「ほぉぅ・・・聞かせてもらいましょう。」
　岩井は、剛士に案を説明した。

「先日、浜田の伯父貴が、愛妻家と言う話をしましたね。」
「ええ。」
「姉さんを拉致して犯すんです。」
「ほぉぅ・・・」
「つまり、直接、伯父貴が、高津の女房と関係ぜずとも犯した男の行方を不明にし家捜しをする。そして男の女房を宮子と言う設定にする事が出来れば、上手く。」
「クククッ・・・さすが考える事が凄い。つまり、男の居場所を明かさずに、女房に設定した宮子を連れ出すというわけですね。」
「しかし、当然ながら暁会の人間を使う事は出来ません。」
「ん？・・・じゃ、誰が・・・・・・ま、まさか。」
「ええ。私が全力を持って責任をとりますので、・・・伊武さん・・・貴方に。」
「んー、まあ、こちらの思惑通りに事が進めば、私も危険ではありませんからね。」
「私が思うに、仮にそうなっても貴方なら何とかなるような気もしますが。」
「岩井さん、私を買い被っていませんか。普通の男ですよ、私は。」
「・・・・とにかく、その事については私が自信を持ってお約束します。」
「わかりました。」
「あと、証拠作りのビデオ撮影ですが、報復するのは浜田組の連中にしないといけないので、少々難しいと思ったのですが、浜田は、帰宅した女房の事情を聞いた時点で、一斉に捜索を組織に掛けます。それを我々の組が発見した事にしておけば。」
「なるほど・・・」
「それに先に拉致しておけばいいことですし、それを知り得て駆けつけた浜田組の連中に、事情を説明して交代させればね。場所は、その拉致した場所を使用すれば、事前にビデオも設定しておく事が可能だと思うのですが。どうでしょうか。」
「岩井さん、かなり考えましたね。しかし、失敗したら彼方は愚か城戸組・・・いや、暁会全体の存在も危うくなりかねませんよ。」
「何度も言いますが、伊武さん・・・貴方は失敗しないと思います。」
「・・・・・・何か企んでいませんか・・・岩井さん。」
　剛士は、目だけで笑いながら岩井を見据えた。

（７９）

　剛士の異様な気迫と視線に岩井の背中に汗が滲み出した。
「と、とんでもない。私は、姉さんを・・・・・」
「ま、岩井さん、私なりに頑張ってみましょう。」
「・・・お願い致します。・・・・それで、いつ？」
「明日は、どうですか？　というのも高津の女房から連絡があり明日なら都合がつくと言ってきましてね。」
「明日・・・ですか？」
「早い方がいいですから。・・・・それとも無理ですか？」
「夜は、浜田が女房の経営するクラブに必ず迎えに行くんです。できれば、明るい時間の方が女房も隙が出来ると思いますが。自宅も若い衆が、常にガードしていますので店に行く途中に。」
「では、その時点で。高津の女房とは、夕方に会う約束をしてあるので十分です。　・・・浜田の女房を拉致したら私に連絡してください。」
「わかりました。」
　岩井は、剛士との打ち合わせを済ませると、その準備のため事務所を慌しく出て行った。

「ふぅぅー・・・俺がか・・・ま、しかし、いい手かもな。」
　剛士は、苦笑いをしながら自室に上がろうとした。
　その時、一人の老人が、岩井と入れ替わりに事務所を尋ねてきた。
「伊武さんでしょうか？」
「はい・・・・・貴方は・・・・・」
「白鴎会の蓑田と申します。」
「！・・・・・・」

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−　翌日　−

　浜田の女房、多喜子が美容院から出てきた。
　岩井に雇われた男が、車に乗り込もうとしていた多喜子の口を押さえてワンボックスに押し入れる。
「な、なによ、アンタたち。私を誰だか知ってんのかいっ！」
「知らねぇーよ。　俺たちは、あるブティックの女店長に頼まれただけだ。」
「ブティックの店長・・・」
「ああ、ローズって店のな。」
　男たちは、岩井に言われたとおりの事を喋ると多喜子に猿轡をはめ目隠しをして猛スピードで走り去った。

　
　剛士は、廃虚したビルの地下にあるレストランに浜田の女房を連れてくるように岩井に連絡してあった。
　このビルは、四郎の所有であり他の人間が入ってくる事はなく安全な場所だった。

　そして、遅い朝食を済ませた剛士に、岩井から電話が入った。
『岩井です。』
「伊武です。どうでしたか？」
『いま、雇い者が、美容院帰りの姉さんを捉えました。今朝、聞いた地下のレストランに拘束しておきます。』
「そうですか。わかりました、直ぐ向かいます。」
『・・・・・お願いします。』
　岩井は、神妙な様子で電話を切った。

　剛士は、ビデオと、様々な道具をバッグに詰め込むと応接室に下りていった。。
「じゃ、沙良、行ってくるからな。」
「・・・・・剛士、くれぐれも気をつけてね。」
「ああ。既に、後々の事まで考えてあるから大丈夫だ。」
　心配する沙良をよそ目に剛士は、先に、廃虚ビルへ向かった。

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　廃虚ビルに到着した剛士は、地下レストランに降りていった。
　中に入ると、僅かに呻き声が聞こえる。
　さらに奥へ進む剛士・・・・
　浜田の女房、多喜子は、下着姿でテーブルの足に両手両足を縛られ、更に、目隠しと猿轡をされていた。
「ほぉぅ・・・４０近いと聞いていたが、さすが金をかけているだけあって、いい身体をしていますな。」
　剛士の声に体を震わす多喜子・・・・

　剛士は、覆面を被ると多喜子の目隠しとタオルを外した。
「・・ア、アンタッ・・・私が何処の誰だか知ってるのっ！」
「さぁ・・・」
「私はねぇ、暁会、浜田組の女房やでぇっ！」
「またまた、そんな嘘を・・・」
　剛士は、ビデオを設定すると多喜子の全体が映る様に三脚で固定した。
「な、なにするつもりっ！」
　多喜子は、鬼のような形相で剛士を睨んでいた。
「うるさい奥さんだ。」
　剛士は、ギャグボールを多喜子の口にはめた。
　更に、ノーズフックを鼻の穴に入れると真上に引っ張り上げていく。
「ングウッゥ・・・ングゥゥゥゥゥゥゥー・・・」
　もはや、言葉は喋れず、喉を鳴らすだけの状態だ。
「なかなか、面白い顔ですな。さてと・・・・楽しませてもらいますよ。」
　剛士は、多喜子のいかにも高級そうなブラジャーを毟り取った。
　ラメが入ったヒップハンガーのショーツもナイフで切り裂くとヒップから伸びている刺青が、恥丘付近まで施されていた。
　剛士は、剃刀で多喜子の陰毛を全て剃り落としていく・・・
「ンゥゥゥゥゥゥゥー・・・・・」
　身体を揺らし暴れる多喜子・・・
「おっと・・・暴れると肌が傷つきますよ。」
　剛士は、多喜子の陰毛を綺麗に剃り上げた。
　真っ黒に卑水焼けした蜜壷からは、僅かに透明な蜜が湧き出ている。
「ほぉう・・感じているんですか。」
「ングゥゥー・・・ンググゥゥゥゥー・・・・アグゥゥー・・」
　なにやら叫んではいるのだが、何を言っているのかはわからない。
　剛士は、特に気にする事無く、バッグから電動バイブを取り出して多喜子の蜜壷に挿入した。
　低いモーター音とともに多喜子の股間に力が入っていく。
「アガァァァァー・・・アァ、アァ、アァゥゥ・・・」
　剛士は、何度も繰り返しバイブを出し入れした。
　次第に滑りが良くなりバイブに多喜子の蜜が付着し始める。
「ククッ・・・感じてきたようですね。」
　剛士は、奥にバイブを刺し込むと根元を細い紐で縛りその延長を両方の乳首に結びつけた。
「アアアアアアァァァァァァー・・・・アガァ・・・」
「感じるだろう・・・・」
　剛士の言葉に、顔を真っ赤にして睨みつける多喜子・・・
　動くたびに乳首が引っ張られ下方に伸びていく。

　剛士は、多喜子の女芯に被る薄皮を捲り上げて専用のキャップを装着した。
「ンッアアアァァァァァァァー・・・」
「もう１本、別の穴に入れてみましょう。」
　剛士は、ア○ルバイブを取り出すと、それを多喜子の菊門にも挿入した。
「アガガァァ・・・アァァァァァァァァー・・・」
（・・・・・・さてと・・・しばらく放っておくか・・・）

　剛士は、椅子に腰掛けて煙草を吸い始めた。
　ビデオを確認しながら多喜子に見入る剛士・・・
　多喜子は、次第に蜜量が増え、快感で身体を赤く染めていった。

　１５分ほど過ぎたであろうか、多喜子の下腹部が異様に波打ちし始めた。
　全身が硬直したかと思うと、低い呻き声をあげながら多喜子は潮を吹きあげる。
（・・・フッ・・・いったか・・・・）
　数回、飛沫を上げた多喜子は絶叫した。
「ンアハァァァァァァァァァァァァァァァァァー・・・」
　目は、真っ赤に充血しギャグボールの間から涎を垂らしていた。

「ほぉーっ・・・凄いですな・・・」
　剛士は、立ち上がって多喜子のギャグボールを外した。
「・・ゥゥッ・・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・・」
「なかなか、感度がいいですな・・・」
「・・・アンタ・・・命は、ないよ・・・」
「・・・・さて、それはどうですかな・・・」
　剛士は、多喜子の女芯に付けられたキャップを人差し指で弾いた。
「ウッ・・ゥゥゥゥ・・・」
「フッ・・・身体は正直ですね。」
「・・・アンタ・・・・何者なんだいっ！」
「さて、何者でしょう？」
　多喜子は、怒りを露にしながら早口で捲くし立てた。
「確か、私をここに連れてきた連中が、ローズってブティックの店長に頼まれたって言ってたけど、どういう関係なんだい。言いなさいよっ！」
「言う必要はない。」
　剛士は、そういうと菊門に刺さったア○ルバイブのスイッチを入れた。
「ウグゥゥゥゥゥー・・・・ア、アンタ・・・ただじゃ・・・すま・・・」
　剛士は、再度ギャグボールを多喜子に装着し身体中を擽り始めた。
「ングゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウッゥゥウゥゥー・・・・」
　多喜子は、苦痛で全身を硬直させていく。
　しかし、剛士は一向に、擽るのをやめなかった。
　更には、足の裏や鼻の穴を細いひごのような物で刺激していく。
　多喜子は、咳き込んだり、くしゃみをしたりともがき苦しんでいる。
　そして、遂には、失禁し始めてしまった。

「よっぽど、気持ちよかったんですね。」
　剛士の言葉に、遂に多喜子は、屈辱の涙を流し始めた。

（ククッ・・・さて、これくらいでいいだろう。）

　剛士は、腕時計を見て時間を確認した。
　そろそろ、宮子と会う時間だ。
　剛士は、ビデオを止めるとテープをバッグに仕舞い多喜子を縛ってあるロープをナイフで切った。
「なかなか、スリルがあって快感を味わえただろう。」
　そう言うと、剛士は急ぎ足で廃虚ビルを出て行った。

　階段を上る途中で覆面を外し、何事もなかったように車に乗り込むと岩井との待ち合わせ場所へ向かった。

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　息を飲み込みながら、岩井は剛士からビデオテープを受け取った。
「こ・・・これが・・・・」
「ええ、浜田の女房が映っています。それを、今直ぐに浜田に送ってください。」
「・・・・・わかりました。」
「それでは、今から高津の女房と会います。何処へ連れて行けばいいですか？」
「港の第８倉庫に・・・」
「わかりました。。でも、どうやって高津の女房が、港の第８倉庫にいる事を浜田に知らせるんですか。」
「浜田が女房の事を知ったら、組織に一斉に連絡が入ります。当然内の組にも・・・そして、我々が見つけた事にします。」
「ふっ、なるほど、警察より機動力がありますからね。」
　剛士は、首を回しながら気だるそうに車に乗り込んだ・・・・・