（９７）

　豪は、俊一が襟を離した瞬間に、咄嗟に駆け出した。
　しかし、俊一に足を掬われ転がってしまう。
「逃げるなよ。」
　豪に近づく俊一・・・・

（クッソォー・・・・ヤベェな・・・）

　豪は、観念をした。
　逃げられる状態ではない事を判断したからだ。

（こうなったら、一か八かだ・・・カマを掛けてやるか。）

「おい、正直に言えよ。俺に何の用で来たんだ。」
「・・・・・・金子さん、あんた女性をさらっただろう。」
「・・・・・・」
「玄関に女性の靴があったぜ。」
　俊一は、一瞬険しい表情を見せたが薄笑いをしながら言い放った。
「なるほど、光江に頼まれたのか？」
　豪の表情を見て俊一が鼻で笑った。
「紀子と俺は付き合ってるんだ。もちろん典子が光江と同性愛者だって事は知ってる。俺は、典子が好きだ。そんな、異常な生活を送らせる事は我慢できんのだ。」
「・・・・俺には、そんな事、全く関係ないぜ。俺は、ただ居場所を調べていただけだからな。」
「お前、探偵か？」
「・・・・・・」
「なーる・・・らしいな・・・・・何処の探偵事務所だ。」

（ここまで、はっきりしてるんなら話してもいいか。）

　豪は、俊一が正直に典子を拉致した事を話している以上、隠す必要はないと考えた。
「・・・・伊武探偵事務所の者だ。」
　豪は、そう言って立ち上がった。
「失礼する。」
「待てよっ！」
　俊一は、そう言って、豪の肩口を掴んだ。
「離せよっ。あんたに迷惑掛けた覚えはないぜ。」
「俺の周りをちょこまかと嗅ぎ回るのが迷惑なんだよ。」
　そう言って、俊一は豪の胸に軽く拳を当てた。
「ウッ・・・何するんだっ！」
　豪がファイティングポーズをとった。
「ククッ・・・」
　俊一が、豪を挑発し始めた。
「掛かって来な、ボクちゃん。」
　豪は、常々、剛士から不用意に暴力を振るうことを禁止されていたが、さすがに、俊一の態度には我慢が出来なかった。
　渾身の力を込めて顔面にパンチを繰り出す。
　しかし、軽くフェイクされると同時に肘が豪の鳩尾に食い込んだ。
「グエェッ・・・」
「あれま・・・ボクちゃん、大丈夫かな？」
「ゥゥ・・・クッ・・・・くそったれがぁ・・・」
　豪は、足を俊一の股間目掛けて蹴り上げた。
　しかし、同じくフェイクされると裏拳を鼻に打ち込まれてしまう。
「グハッ！」
　大量の血を流して豪が仰向けに倒れた。

（つ・・・・強ぇぇ・・・・）

　俊一は、薄笑いをしながら豪の腹を踏みつける。
「光江に言っておけ。お前のようなチンピラ探偵に頼んでも典子を帰さないとな。」
　そう言って俊一は、林の中を出て行った。

（ク、クッソォォー・・・・・・）

　豪は、鼻を押さえながら悔しさを滲ませていった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「帰りました。」
「ど、どうしたのっ、豪君っ！」
　事務所に入ってきた豪を見て、沙良が、驚きながら声を掛けた。
「有紀ちゃん、タオル持ってきてっ！」
　沙良の声に、有紀が何事かと思いながらタオルを取りに走った。
　ソファに座り込む豪・・・・
「す、すいません。」
　タオルを持って応接室に入ってきた有紀が豪を見て大声を出した。
「ご・・・・豪ちゃんっ！　どうしたのっ？」
「た・・・・大した事ねぇーよ。」
　奪うようにタオルを受け取った豪は、血だらけの顔を拭った。
「どうした、騒がしいぞ。」
　剛士が、２階から降りて応接室を覗き込んだ。
「剛士っ、豪君が・・・・」
　豪を見る剛士・・・・
「ほぉー、整形手術でもしたか？」
「冗談言ってる場合じゃないわよ、剛士っ。」
　怒った顔で怒鳴る沙良に、剛士は、頭を掻きながら豪の前に座った。
「豪、話してみろ。」
「はい・・・・」
　豪は、先程までの事を詳しく剛士に説明した。

「ふむ。・・・・・相手は間違いなかった訳か。・・・で、やられた・・・だな。」
「す・・・すいません。・・・・」
「いいさ。・・・・それで、福田典子はいたのか？」
「確認はしていませんが、玄関を見たら女性の靴がありました。でも、本人の口から、典子は光江に返さないと伝えておけと言っていたので、福田典子が、奴の家に居る事は確実です。」
「そうか・・・ま、そこまで判ってるんなら話は早い。俺が、直接、そいつのアパートに行って連れ戻そう。」
「伊武さん、奴は空手を・・・・かなり強いっす。」
「ほぉー・・・」
「パンチが見えないんです。」
「二つも目がついてるのに見えなかったのか？」
　冗談っぽい口調で言う剛士に、豪は言葉がなかった・・・・
「そ・・・そりゃ・・・・その・・・・つまり・・・・」
「剛士っ、豪君をあなたと一緒にしないでよ。」
「え？・・・・・ああ・・・まあ・・・・・んだな。」

（伊武さんだって、あいつに勝てるかどうか・・・）

　豪は、小声でブツブツと呟いた。
「ん？何か言ったか豪・・・」
「い、いえ・・・何にも・・・」
　その時、事務所のドアを激しく叩く音が響いた。
　沙良が、立ち上がって入口のドアに向かう。
「はぁーい。」
　沙良が、ドアを開けると体格のいい銀髪の男が凄い形相で声を張り上げた。金子俊一だ。
「典子を出せぇーっ！」
「・・・ちょ、ちょっと・・・貴方、なんですか？」
　俊一は、沙良を突き飛ばして中に入ってきた。
「きゃっ！」
　応接室を出る豪・・・
「あ・・・て、てめぇーっ！」
　俊一は、豪の胸座を掴んで突き上げた。
「おい、典子を何処に隠してる。」
「おい、何言ってんだ、てめぇー。」
「隠すんじゃねぇー。大人しく典子を出さないとブッ殺すぞっ！」
　そこへ、剛士が応接室から顔をのぞかせた。

「おいおい、兄ちゃん、あんた礼儀を知らねぇのかよ？　人の家に土足で上がりこむような真似するんじゃねぇ。」
「テメェが、ここのボスか？」
　そう言って、俊一は豪を突き飛ばした。
「まあな。・・・・あんたが探してる女性はここにはいないぜ。」
「馬鹿やろう。信用できるかっ！・・・・ここに居なくても何処かで匿ってるだろう。」　剛士は、呆れながら俊一に言い放った。
「あんた勘違いしてないか？　俺達は、依頼されただけだ。あんたの意に反しようと、そんなことは知ったこっちゃない。」
　剛士の言葉に俊一の目が据わった・・・・
「おい・・・あんたも、このボクちゃんのような目に合わせてやろうか？」
「クッ、クッ、クッ・・・・・・出来るのか、お前程度の腕で。」
　俊一は、余裕綽々の表情で薄笑いを浮かべると強い口調で剛士に言い放った。
「居るんだよな、あんたみたいな自信過剰の人間が。」
「俺は、常に冷静に受け答えする男だぜ。・・・・ボクちゃん・・・・」
　剛士は、俊一の真似をして冗談っぽく言い放つ・・・

　俊一の怒りのボルテージが瞬間に上がった。
「アホな、おっさんだ。力の違いを見せてやるぜ。」
　俊一は、そういうと正拳を物凄いスピードで剛士の顔面に見舞った。
　しかし、俊一の目の前から剛士の姿が瞬時に消えた。
（何っ？）
　そう思った瞬間、俊一の右の脇腹に剛士の拳がめり込んでいく。
「ウゲェェェッ。」
　片膝をつく俊一・・・・・
「どうした？　ボクちゃん・・・早く力の違いを見せてくれよ。」
（・・・ば・・・ばかな・・・）
　豪が、驚きながらも声を張り上げる。
「どうだ、見たか、実力の違いをっ！」
　豪に振り向きながら剛士が言い放った。
「豪っ、お前、さっき俺でも勝てるかどうかと言ってたくせに。」
「え・・・ぁ・・・き、聞こえてたんですか？」
「俺は、地獄耳だ。」
　二人の会話に、俊一は、顔を顰めながら立ち上がった。
「な、舐めやがって・・・・」
　俊一は、怒りを込めミドルキックを剛士に見舞う・・・
　しかし、剛士は距離を見計らったように後退すると異常ともいえるスピードで俊一の鳩尾に膝を食い込ませた。
「グッハァァッ！」
　俊一は、蹲って気を失ってししまった。
「豪、ソファに寝かせておいてやれ。」
「・・・は、はい・・・」
　豪は、俊一の身体を引きずるようにしてソファに運んだ。

　沙良は、俊一に目をやった後、剛士に声を掛けた。
「剛士・・この人の話だと・・・・福田さんは、逃げたってこと？」
「どうも、そうらしいな。・・・沙良、豪にも言ったんだが、多分、吾川光江は、この男、金子俊一の事を知ってるぞ。」
「え？」
「豪の話では、金子と福田は吾川に内緒で付き合ってると言っていた。隠し続けて、二人が付き合う事が可能かな？　俺は、それを吾川は知っていると思うんだ。というよりも吾川も、この男と・・・・・。」
「つ、剛士・・・・・もしかして・・・・さ、三角関係・・・・」
「推測だがな・・・・・可能性の高い推測だ。依頼に来たときの吾川の態度が気に入らない。相手は知っているが直接手を掛けたくないという雰囲気だった。」
「・・・・・」
「恐らく、もうじき吾川から電話が掛かって来るだろう。依頼キャンセルのな。」
「え？・・・」
　そこへ、受話器を持った有紀が剛士と沙良の間に入ってきた。

「伊武さん、吾川さんから電話です。」
「だろ・・・」
　剛士は、沙良に口元だけで笑いを見せると有紀から受話器を受け取った。
「伊武です。」
『吾川です・・・・・あの・・・光江のことなんですが・・・・』
「はい。」
『先程、帰ってきたんです。男の家から逃げ出してきたみたいで。』
「ほぉー・・・それは良かったじゃないですか。」
『ええ・・・・そういうことですので、ご依頼の方は・・・』
「判りました。キャンセルという事で。」
『色々と、ご迷惑をお掛けしました。』
「いえ、無事で何よりです。・・・では。」
　剛士は、電話を切ると受話器を有紀に渡した。

「な・・・・だろう。」
「・・・しかし・・・・」
「・・・・・ま、相手はキャンセルしたんだ。これで、俺達も仕事は終わりだ。」
　剛士の言葉に、意味ありげな視線を投げる沙良・・・・・
　その時、俊一が小さな呻き声をあげながら目を覚まし始めた。

「沙良、水でも持ってきてやれ。」
「・・・うん・・」
　俊一は、脇腹を抑えながら、顔を顰めている。

（気の毒な男だ・・・・女に弄ばれて・・・・）

　剛士は、煙草を咥えて火を点けると長く細い紫煙をゆっくりと吐き出した。

（９８）

「よう、目が覚めた様だな。」
　剛士の声に、一瞬、鋭い視線を剛士に向けた俊一だったが、剛士の実力を身を持って知ったのか、ゆっくりと身体を起こし溜息をついた。
「どう考えても、あんたには勝てねぇ。・・・失礼を許してくれ。頭がパニくってて。」「いいさ。それより、もうあんたには関わらないから帰っていいぜ。」
「・・・え？・・・どういう意味だ。」
「依頼者から、キャンセルの連絡が入ってな。」
「・・・・・・吾川・・・光江か。」
「・・・そうだ。」
「典子は・・・・・ふ、福田典子は、光江が？」
「ああ、帰ってきたと言っていた。」
　俊一は、暫し下を向いて考え込んだ。
　沙良が、水を持って応接室に戻ってきた。
「・・・・ぁ・・・・ど・・・どうも・・・」
「飲めよ。」
　俊一は、剛士の視線を向けて何か言いたげな表情を見せる。
「？・・・・・なんだ。」
「ちょっと、相談に乗ってくれないかな？」
「相談？」
「というか・・・今度は俺の依頼で・・・」
「まず、話を聞こう。」
　俊一は、グラスに入った水を一気に飲み干すと静かに話し始めた。

「俺は、いま、福田典子と付き合ってるんだ。もちろん、吾川光江には、内緒でだが。
　吾川と典子が同性愛者って事は知ってる。俺は典子を愛してるんだ。普通に典子と結婚して、普通に子供を儲けて普通に生活する事だけを望んでる。別に困った要求を典子にしているわけじゃない。ところが、先日、典子からの電話で吾川光江と一緒に暮らす事を決心したと言ってきたんだ。俺は、慌てた。電話では話せないと思った。」
「で・・・福田典子を連れ去ったってわけか。」
「ああ。別に誘拐だなんて大袈裟な事じゃないんだ。俺は、吾川光江に典子と別れろと電話をしたんだ。吾川は、俺の話をまともに聞こうとしなかった。」
「なるほど・・・」
「なあ、典子を反対に取り返してくれないか？」
「おいおい、俺は探偵だぞ。互いの恋愛やプライベートな問題を解決する仕事じゃないんだぜ。それに、吾川光江と福田典子が、お互い好き合って決めたのなら、しょうがない事じゃないのか？」
「・・・・典子は騙されてるんだ・・・」
「騙されてる？」
「そうだ。吾川光江は、女性同性愛の秘密クラブを経営してるんだ。」
「秘密クラブ？」
「ああ。吾川が相手にしている女は、典子だけじゃないんだよ。」
「ほぉぉー。」
「それに、吾川は俺に個人的な恨みを持っているんだ。」
「恨み？」
　俊一は、一旦喋る事を躊躇った様子だったが、思い切って話を続けた。

「・・・・実は、俺は、二人の大学時代の同級生なんだ。二人は、空手部のマネージャーだったんだが、典子と関係する前に、吾川光江とも付き合っていたんだ。」
「なるほど・・・・やはりな。」
「え？」
「いや、光江の態度が妙に落ち着いていたし、あんたを知っているような感を受けたんだ。」
「・・・・・」
「つまり、連れ去られても、さほど慌てていないような、そんな感じだった。」
「・・・・そうか。そうだろうな。光江とは半年で関係が終わったんだ。ほんの、些細な事だった。その１ヶ月後に、典子から声を掛けられたんだ。俺は、そんな事があったばかりだし最初は躊躇したんだが、色々と話したり典子の世話を受けているうちに、典子の優しさというか、人間性に惚れて。」
「それを吾川光江は知っていたのか？」
「いや、最初は俺も典子も隠していた。もちろん典子は、俺が光江と付き合ってた事は知らない。だが、光江は薄々気付いていたかも。」
「だが、吾川光江の話だと、福田典子とは大学時代から今のような同性関係が続いていると言っていたぞ。」
「俺は、軽く考えていたんだ。二人がじゃれ合ってるのは知っていた。まさか、本当に同性愛になるなんて考えてもいなかったから・・・・」
「つまり、あんたを典子から切り離そうと・・・」
「それだけじゃないんだ。」
　俊一は、歯軋りをしながらしたに俯いた。

「？・・・・どういう事だ。」
「秘密クラブで、典子を晒しモデルにする様なんだ。」
「晒しモデル？」
「つまり、女同士のＳＭなんだが、光江は典子をメインモデルにするつもりなのさ。」
「・・・・・違法か？」
「いや、風俗認可までとって営業届も出しているらしい。典子も、それを承知してるっていうから不思議なんだ。」
「それなら・・・・」
「伊武さん・・とかいったな。光江は、俺に仕打ちをしてるんだ。そして、別れた腹いせに典子を奪い、俺を苦しめようとしている。
　あいつが、レズに走ったのは、俺と別れてからなんだ。光江には典子以外に本命がいるんだ。だが典子は、光江を信用しちまってる。」
「・・・つまり、お前とくっつけないように・・・という事か？」
「ああ。」
「光江に典子以外の本命がいるというのは本当なのか？」
「ああ、間違いない。なんせ、その女のところに入り浸ってるんだから。」
「じゃ、福田典子をＳＭモデルにするという話は何処で聞いたんだ。」
「光江が、直接俺に言ったんだ。同性愛の本質を同じ種類の人間に見てもらうと。馬鹿な事をっ！」
「なるほどな。・・・・福田典子は、相当、言葉巧みに言い込められたようだな。」
「頼む。俺に力を貸してくれ。」

　剛士は、俊一の気持ちもわからなくはなかった。
　光江が、単に俊一への腹いせで典子を渡さないのは明白だからだ。
　おそらく、俊一に対して怨念に近いものを持っているかもしれない。

「わかった。ただ、吾川の仕事を妨害する事は出来ない。まず、取り返す方法として、福田典子以外に光江に本命がいる事を説明してやる事だな。証拠が必要だ。」
「どうやって？」
「お前が正式に依頼をすれば俺達がやってやる。」
　俊一は、少々考え込むと、さほど時間をとらずに納得した。

「・・・・わかった。」
「で・・・肝心の吾川光江の本命の女とは？」
「・・・中央警察署の・・・法医学検死官で、常盤とかいう女だ・・・」
「中央警察？」

（・・・・麻衣子のところじゃねぇか・・・・よし・・・麻衣子に頼むか。）

　剛士は、麻衣子に協力させてみようと考えた。

「解った。やってみよう。」
「どうするんだ？」
「現場を押さえれば間違いないだろう。」
「現場って？」
「つまり、最中のところを録画するのさ。」
「で、出来るのか・・・そんな事が・・・・」
　剛士は、意味ありげな笑みを見せて小さく頷いた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「典子、大丈夫だった？」
「ええ。ゴメンね、光江、心配掛けちゃって。」
「いいのよ。」
　光江は、典子の体を後から抱きしめながら、うなじに舌を這わしていた。
「ァァァ・・・・」
　光江の典子を抱く手に力が入った。
「典子・・・・今まで黙ってたけど・・・・貴女、金子俊一と付き合ってるでしょ。」
「！・・・・ぇ・・み・・・光江・・・」
「いいのよ、隠さなくても。・・・私、前から知っていたのよ。」
「え？・・・・・」
「大学時代からでしょ。」
「・・・・・・み・・・光江・・・」
「私もね・・・・実は、典子が俊一君と付き合う前に、半年間、彼と関係していたのよ。別れちゃったけど。」
「・・・・ほ・・・・・本当なの？」
「ええ・・・・でも、私は、同性愛に目覚めたの。そう、典子と出会ってから。私は、貴女なしでは生きていけないわ。でも、でも貴女は、俊一君と・・・・」
「・・・・・ゴメン・・・・・でも、私、俊一さんに、ちゃんと言ってきたわ。光江と一緒に暮らす事になるから、二人の関係は、今日を最後にしてって。」
「本当に？」
「ええ。私はいつでも光江と一緒よ。」
「そう。・・・・・嬉しいわ。でも、典子・・・彼に抱かれてきたんでしょ？」
「・・・・・仕方なかったの・・・・逃げる隙を作るために・・・」
「そうだったの・・・・いいわ。私が清めてあげる。」
　光江は、そういうと典子の背面越しに舌を伸ばして口づけをしてきた。
　典子は目を閉じてじっとしている・・・・・・・

　光江は、典子のブラウスのボタンを外して乳房に手を差し込んで来る。
「・・・ぁぁぁ・・・・光江・・・お仕置きしてぇ・・」
　典子は、甘ったるい声を出しながら光江に身体を預けていった。
　床に静かに典子を寝かせる光江・・・
　光江は、典子のブラウスのボタンを全て外すと、スカートのファスナー外し下着も全て脱がせた。
「典子、待ってて・・・・」
　光江は、そう言うと隣の部屋に入って行った。

　しばらくして戻った光江は、服を全て脱ぎ捨て股間には、男性の形をしたディルドが装着されていた。
　手には、シェービングクリームと剃刀が握られている。

　典子は、光江がするであろう行為に即座に納得した。
　にっこりと微笑んだ光江は、シェービングクリームを典子の陰毛に塗ると手の平でゆっくりと馴染ませていく・・・・
「典子、私とあなたの愛の証よ。私も昨日、剃毛したの。」
　そう言って、自分の恥丘を見せる光江・・・
「・・・光江・・・・」
「剃るわよ・・・」
「ええ。」
　光江は、静かに剃刀を典子の陰毛に当てていった。
　足を広げさせ蜜壷と菊門の周りも綺麗に剃り落としていく。
「ぁぁぁ・・・・光江ぇ・・・・」
「さあ、剃れたわ。」
　光江はそう言うと、ベッドに腰掛けて股間に填るディルドを上下に擦り始めた。
「典子・・・これをシャブって・・・・」
　典子は、虚ろになった目で、典子の股間に填るディルドを見つめた。
　大きく反りあがったディルドは、典子の子宮を刺激していく・・・
「・・・ァァッァ・・・」
　典子は、四つん這いで光江に近づいた。
　ディルドの真下に位置する光江の蜜壷は、既に愛液が零れている。
　典子は、光江の蜜壷に指を挿入しながらディルドを咥えていった・・・・
「ぁぁ・・・いい・・・典子・・・もっと舌を伸ばしてぇ・・・私に見えるように。」
　典子は、光江の表情を窺いながら懸命に舌をディルドに絡ませていく。
　光江は、乳首を自ら摘みながら典子の舌使いに興奮を高めていった・・・・