（１０１）

　小水で汚れた床に夏子は尻餅をついていた。
　先程までの知的な表情は、微塵も見られない。
　夏子は、飢えた獣のような目で剛士に飢望の視線を送っている。
「・・・・も・・・もっと・・・・・・もっと、虐めてほしい・・・・・」
「常盤さん・・・・シャワーを・・・」
　剛士の言葉に、小さく頷きながら夏子は立ち上がった。
　片手で乳首をつまみ、もう片方の手を蜜壷に埋めながら浴室に歩く。
「出てくるまで帰らないで・・・・・絶対に帰らないで・・・」
　念を押しながら、夏子は浴室に向かった。
　剛士は、溜息をつきながらソファに座った。
　携帯電話をジャケットから取り出し、幸三に電話をする。
「幸三か、俺だ。」
『あ、兄貴・・・どうしたんです。』
「マンションにカメラを設置したい。用意しておいてくれ。また、後で電話する。」
『了解です。』
　剛士は、電話をジャケットにしまうと煙草を取り出した。
　火を付けて煙を吐き出す剛士・・・・

　しばらくして夏子が慌しく浴室から出てきた。
　真後から剛士に抱きつきキスをせがんでくる。
「ちょ・・・っと、常盤さん・・・・」
「いやっ・・・夏子って呼んで。」
　夏子はそう言うと、剛士の耳に舌を差し込んできた。
　荒い鼻息がうなじに当たり妙にくすぐったさを感じる。
「ベッドに行こうか？」
　夏子は、それを聞くと剛士の手を強引に引っ張りベッドに急ごうとする。

（・・・ちょっと、思考誤差に陥ってるな・・・）

　剛士は、苦笑いをしながら夏子の手に引かれていった。

　夏子が慌ててベッドの下から赤い箱を取り出した。
　中には、プラグやラビアチェーンなど、ＳＭ道具が納まっている。
　夏子は、箱の中から小型のフックがついたチェーン付の鉛玉を両側に填るリングピアスにそれぞれ取り付けた。
　夏子は、立ち上がって剛士の目の前に立った。

（・・・・・・参ったな・・）

　剛士は、そう思いながら鉛玉に引っ張られて延びるラビアを見た。
　女芯は、異常に大きく、それを覆う薄皮は上に捲りあがっている。
　夏子は、指で女芯を搾り出すように摘みながら刺激していた。
「ンアァァァァー・・・・虐めて・・・虐めてぇぇぇ・・・」

（虐めるって言ったって・・・あまり、そういう趣味はないんだけどな。）

　しかし、無償で証拠を作ってくれるという夏子の気を変えることはできない。
　剛士は、止む無く、希望通り夏子を甚振る事にした。
　箱に手を伸ばし、大型のビーズチェーンを取り出す。
「常盤・・・・あ、いや・・・・夏子、四つん這いになるんだ。」
「はい。」
　夏子は、悩ましげな目で返事をし、ヒップを剛士の方に向けながら四つん這いになった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「典子、一緒にお風呂に入りましょ。」
「ええ。」
　光江は、典子と共に浴室に入っていった。
　浴室に入った光江はシャワーのノズルをひねり紀子の身体に湯を掛けていく。
　手の平で優しく乳房や背中、そして股間を丁寧に洗い流していった。
「ぁぁぁ・・・」
　光江は、シャワーを典子の股間に集中的に浴びせた。
「ウフゥゥゥゥー・・」
「ねぇ・・・典子・・・」
「なあに？」
「例の話だけど・・・・」
「・・・・ああ、クラブ会員の前でするショーの事？」
「ええ。・・・実はね、・・・・・私の知り合いのＡＶ会社の人に依頼されたんだけどビデオ撮りして、商品化したいって言うのよ。」
「え？・・・ビデオを・・・・で、でも・・・・」
「もちろん、顔が判らないようにモザイクは掛けるって言ってたわ。」
「で・・・でも・・・・会員の前だけっていう話じゃ。」
「典子、よく聞いて。ビデオの販売数が増えれば報酬も入るわ。それに、これから二人で生活していくわけだし経済的にもね。」
「・・・・・・」
「私は、貴女を愛してるの・・・・二人の将来と思っての事なのよ。」
「光江・・・・・・わかった・・・・いいわ、やってみる。」
「ありがとう、典子・・・私は、ビデオ構成の助手につくことになるから、相手は、会員の女性とお願いしたいの。撮影は、約３時間くらいだけど。」
「え？・・・相手は光江じゃないの？」
「うん・・・・・でも、大丈夫よ。相手は私が太鼓判を押してる女性だから。身分もはっきりしてるし、社会的地位もあるし、なにより警察勤めだから。」
「警察？」
「ええ。彼女には、会員用のビデオ撮影って話してあるから。」
「それって・・・その人を騙してるんじゃ。」
「典子、よく聞いて。・・・一応、風俗認可も受けてるし営業許可もとってあるわ。決して違法じゃないのよ。
　それに、彼女を出演させておけば、後々、何かと都合がいいこともあるし。その界の情報も入りやすいと思って。」
「どういう方なの？」
「検死医で、常盤夏子って人よ。典子と同じＭなんだけど彼女と二人で絡み合っているところを撮りたいのよ。」
「・・・・・・・」
「大丈夫、心配しないで。それに貴女と私は、もう家族なのよ。」
　家族と言う言葉を聞いて典子は、一気に不安が消えていく。
「・・・光江・・・・わかった。・・・わかったわ、やってみる。」
　光江は、満足そうに微笑むと足を跪いて典子の女芯に吸い付いていった。
「ンアァァァァァァー・・・・」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

リクライニングチェアに座らされた夏子は、大きく足を開いていた。
　キャスター付の大型のミラーを目の前に持ってくる剛士・・・・

（・・・よしと・・・）

「常・・・・盤・・・・・・・っとと・・・・夏子・・・自分で抜いていくんだ。」
「はい・・・」
　夏子は、ビーズチェーンで埋まった菊門を鏡に映し出し根元の部分を持った。
　ビーズは、全部で２０個が繋がっている。
「最後まで目を離さないようにな。」
「ええ・・・・ね、伊武さん・・・私の醜態を見てて・・・・」
「は・・・・？」
「私、見られてると物凄く感じるの。私から目を離さないでいてね。」
「・・・・・ああ・・・・・解った。」
　剛士は、そう言うとギャグボールを夏子に装着した。
「ンゥ・・・ンゥゥゥ・・・ッンゥ、ンゥゥ・・」
　夏子は、剛士に赤い箱を指さして何かを訴えている。
「え？・・・なに？」
　剛士は、箱を持って夏子に近づいた。
　夏子は、ノーズフックを手に取り剛士に手渡した。
「これを？」
　頷く夏子・・・
　剛士は、苦笑いしながら二股に分かれたフックを夏子の鼻の穴に入れると頭頂部に回しギャグボールの固定帯に取り付けた。
「ハォォォォー・・・・」
　夏子の知的で、美貌ともいえる顔が醜態を欲するメスと化していった。
　既に、夏子の蜜壷からは大量の愛液が流れリクライニングチェを汚していた。
　夏子は、後に立つ剛士の顔と菊門を交互に見ながらビーズチェーンを抜き始める。
「ンカァァァァ・・・・ハァァァァァォォォー・・・・」
　舌を伸ばせず言葉も発せない夏子の口からはギャグボールの穴を通して大量の涎が滴り落ちた。
　夏子は、妖艶かつ虚ろな目で菊門からビーズを引っ張り出している。
　その度に、蜜壷からは透明な液体が、これでもかと言うほど溢れ出てきた。

（・・・凄ぇーな・・・）

　夏子は、小刻みに身体を震わせていた。
　後に立つ剛士を真下から見つめる仕草を繰り返す。

（？・・・・何かしてほしいのかな・・・・）

　剛士は、見ているのも手持ちぶたさであったため、夏子の乳首を摘んだ。
「アハァァァァァァ・・・アアア・・・」
　夏子は首を横に振っている。

（なるほど・・・・・もっと強くか。）

　剛士は、指に力を入れ捻るように乳首を引っ張った。
　その瞬間、夏子は快感でビーズチェーンを一気に抜いてしまった。
「ンアハァァァァァァァァァァァァァァ・・・」
　夏子は、長い絶叫と共に何度も潮を吹き始めた。
　飛沫が、キャスター付のドレッサーミラーに当たり下に流れていく。

（・・・な・・・なんと・・・・・）

　剛士は、拷問以外でのＭ的プレーで、これほど、じっくりとこのような光景を見たことはなかった。
　立ち上がった夏子が、ノーズフックとギャグボールを自ら外し剛士の腰に勢いよくつかまると肉棒を咥えていった。
　いや、むしろ飲み込んでいくという表現が相応しいかもしれない。
　喉元まで、肉棒を入れ苦しみを快感に変える術を知っているようだ。

（クッ・・・マジ気持ちいいぜ・・・・）

　夏子は、涙を流しながらも肉棒に執着していた。
　少し間を置いて、夏子が立ち上がった。
　剛士をベッドに押し倒し、身体中を舌で愛撫し始める。
　銃創で盛り上がった肉塊を指で擦りながら荒い呼吸を続けていた。
「凄い・・・貴方の身体・・・凄すぎる・・・・」
　虚ろな目で身体の傷跡を見ながら、股間を剛士の太腿に擦りつけていた。
「夏子さん・・・・」
「嫌っ・・・呼び捨てで呼んで！」
「ぇ・・・あ、ああ・・・・・あの・・・」
「なぁに？」
　夏子は、首筋に舌を這わせながら返事をした。
「失礼な事を聞くけど・・・・・君、彼氏は？」
「いないわ。・・・・職業柄、なかなか・・・ね。」
「・・・・」
「それに、私のようなマゾを満足させる男なんて、そうそう居るもんじゃないわ。」
「だからレズ・・・ぁ、失礼・・・その同性愛に・・・」
「それもあるけど、女性が好きなのよ。女同士のセックスは感じるわ。でも、さっきも言ったけど、男性とのセックスも大好きなのよ。だけど、ほとんどが、私の性癖を見て退くわね。フフフッ・・・・」
「だろうね・・・・・でも、なぜ、吾川とも？」
「専門のクラブで出会たの。その後、彼女は自分でクラブを作って。一度、遊びに行ったんだけど、それから、ずっと付き合ってるわ。彼女、責め方が上手いのよ。それに、私にかなり惚れてるみたい。」
「ほぉぉー・・・」
「男性より、ツボを知っているし。」
　そう言って夏子は、剛士の肉棒を握った。
「でも、初対面の俺と・・・」
　夏子は、肉棒を握ったまま剛士の腰に跨った。
「・・・・・貴方を見た瞬間、全身が痺れたの。貴方みたいな男を今まで見た事なかったし。」
　そう言って、夏子は肉棒を蜜壷に埋め込み一気に腰を落としていった。

（１０２）

「す・・・・・・凄いぃぃぃー・・・」
　剛士は、立ったまま夏子の身体を背面から持ち上げていた。
　小さな子供に、用を足たせる格好で肉棒を菊門に挿入し上下に身体ごと揺すられている。
　剛士は、鏡の前に立ち、その姿を夏子にも見えるように立っていた。
　夏子は、鏡を見ながら両手を挙げて剛士の首にしがみついている。
　持ち上げられる度に剛士の肉棒が脈打ち、そして身体を落とされるたびに深々と肉棒が菊門に隠れていく。
「こ・・・・こんな・・・・・・い、いっちゃうぅぅ・・・ぁぁぁ・・・」
「まだまだだぜ。」
　剛士の腕の筋肉が、はちきれんばかりに盛り上がっている。
　しかし、息も乱さずクールな顔付きで夏子を責め立てていた。

　夏子は、剛士という男に驚嘆していた。
　立ったまま軽々と自分の身体を持ち上げ、まるで人形を操るような感じで、いとも簡単に貫いていくパワーを・・・
　夏子にとっては、初めての体験であり、またマゾの性癖を持つ自分にとって、この体位は、串刺しされているような強烈な快感を引き出していたからだ。
「ングゥァァァァァァァァァァァァァー、イッグゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ！」
　夏子は、背を剛士に預けたまま大絶叫を放った。

　グッタリと背を持たれかけてくる夏子を剛士は、静かにベッドに降ろす。
　肉棒が、スルリと菊門から抜けた。

（・・・・ふぅぅー・・・夏子さん・・・俺はまだだぜ・・）

　剛士は苦笑いをしながら、夏子をおいて浴室に向かった。

≫≫≫≫≫≫≫

　浴室から出た剛士は、ベッドに戻った。
　夏子が、薄目を開けて剛士を見つめていた。
「すまん・・・勝手にシャワーを使わせてもらったよ。」
「いいの・・・・それより帰ちゃったかと思って・・・」
「・・・ふっ・・・俺は、まだ一度もいってないし、このまま、帰っても精神衛生上にも身体にも悪いよ。」
　夏子は、完全に剛士の虜になってしまったようだ。
　ゆっくりと身体を起こすと剛士に抱きつくようにもたれかかっていく。
「今日は、私を無茶苦茶にしていって・・・・」
　そう言って、剛士の胸に唇を寄せていく。
　その時、部屋の電話が鳴った・・・・
「ごめんなさい、ちょっと待ってて・・・」
　夏子は、ボード上にある受話器に手を伸ばした。

「はい、常盤です。・・・あら、光江さん。」

（！・・・光江・・・・・・吾川光江だな。）

「・・・・ええ。・・・・・・例の会員用のビデオの事でしょ。」
『日取が決まったの。それで、プロのカメラマンに頼む事になったんだけど。」
「え？・・・・会員の女性が撮るんじゃないの？」
『ええ・・・・やっぱり、本格的に撮りたいし、会員も増やしたいから。』
「・・・・そう・・・・専門の会社なの？」
『ＧＧ映像企画という会社なの。』
「へぇー・・・」
『私のクラブのプロモーションで使うだけなの。駄目かしら。』
「いいけど・・・相手は、光江さんなんでしょ？」
『うぅん・・・福田典子っていう女性なんです。』
「福田典子？」
　剛士が、夏子の会話に耳を傾ける。

『私は、構成とアングルをカメラマンに指示したいの。』
　夏子は、受話器を耳に当てたまま剛士に振り向いた。
　剛士が、ウィンクを夏子に投げる。

「福田典子って、貴女のパートナーね・・・・・・ええ、わかったわ。」
『ちゃんと、モザイクを掛けるし他には流れないから安心してください。』
「わかったわ。・・・・それでいつ？」
『今週の土曜日はどうですか？』
「ええ、仕事も休みだし構わないわ。」
『夏子さん、ありがとう。』

　剛士が、夏子に近づき耳打ちをする。
【・・・・彼女を誘ってくれないか？】
　夏子は、剛士を見て小さく頷いた。
「ね、光江さん・・・明日当たり来ない？・・・最近、仕事で会えなかったし。」
『え、いいんですか？　絶対に行きます。』
「じゃ、夕方には家に帰ってるから。」
『はい。』
　夏子は、剛士にウィンクを返しながら電話を切った。

「伊武さん、明日、吾川光江さんが家に来るわ。」
「そうか。・・・・それより今、福田典子の名が出たが・・・・」
「ええ、今度、クラブ会員専用のプロモーションビデオに私が出てほしいって頼まれてるの。ＯＫしたんだけどね。」

（・・・・・・・・怪しいな・・・）

「会員専用なのかい？」
「ええ、そう言ってたわ。でもプロカメラマンに依頼したって。」
「プロカメラマン？」
「ＧＧ映像企画って言ってたけど。」
「そうか・・・・」
　剛士は、何か裏がありそうな気がしてならなかった。

「ところで、明日なんだけど、吾川さんが来たときに証拠作りをするのね。」
「ああ、本当にすまない。」
「いいのよ。・・・それより、録音でもすればいいの？」
　剛士は、断わられるのを覚悟で正直に話した。
「いや、俺もビデオを撮らせてほしいんだ。」
「彼女との行為を？」
「ああ。」
「そう、いいわよ。」
「え・・・本当？」
「貴方は、信用出来るわ。解るのよ、私・・・・・貴方の性格が。」
「・・・・・・・」
　夏子は、そう言って剛士に飛びついた。
「虐めてぇぇーっ！」

≫≫≫≫≫≫

　シャワーを浴びて浴室から出てきた剛士は気を失っている夏子を見た。
　菊門には、まだバイブレーターがモーター音を発して動いている。
　剛士は、ゆっくりとバイブを引き抜きスイッチを切った。

（ふぅぅー・・・我ながら壮絶だった・・・）

　思い出し笑いをして、剛士は、服を着始めた。

　夏子が、物音に目を覚ます。
「・・・い・・・伊武さん・・・」
「夏子さん、明日、冬木幸三という男がカメラを設置しに来るからよろしく。」
「ええ・・・・分かりました。」
「・・・・俺は、これで帰るよ。」
　夏子が、慌しく起き上がってガウンを羽織った。
　剛士に近づく夏子・・・・・
「あのぅ・・・・また・・・・また、会ってくれる？」
　剛士は、予想していた通りの夏子の言動に笑顔で答えを返した。
「じゃ・・・」
　夏子は、剛士のジャケットの裾に手を掛け玄関まで見送った。
　うっとりとした視線で剛士を見る夏子・・・・・
　妖艶な瞳と身体中から発する色香がセクシーだった。
　剛士は、軽く目で頷いて玄関ドアを閉めた。

−　翌日−

「おう、幸三かっ。　今から教えるマンションにビデオを仕掛けてきてくれ。住人は、常盤夏子という中央警察の検死医だ。話はしてあるから心配するな。」
『分かりました。』
「○○区○○町のエクトリアっていうマンションの７０１号室だ。」
『了解っす。』
　電話を切ったと同時に、沙良が、剛士にコーヒーを持ってきた。
「剛士、コーヒー入れたわ。」
「お、サンキュー。」
「上手くいきそう？」
「ああ、常盤さんが、上手く演技して吾川を喋らせてくれるだろう。その、ビデオを福田典子に見せれば、さすがに信用せざるを得まい。」
「でも、福田典子も普通じゃないからね。」
　笑って言う沙良を見て、ふと昨日の夏子との会話が頭に浮かんだ。

≪・・・・・・クラブ会員専用のプロモーションビデオに私が出てほしいって頼まれてるの。ＯＫしたんだけどね。≫
（確か、ＧＧ映像企画って言ってたな・・・）

「どうしたの？剛士・・・・・」
「んむ・・・沙良、ＧＧ映像企画って会社を調べてくれ。」
「ＧＧ映像企画？」
「ああ、社員、ビデオ販売の業績、その内容全てを。ＡＶ作成会社だと思う。」
「解ったわ。」
　
　沙良は、さっそく最近、購入したデータバンクソフトのシークレットオンエアを使ってＧＧ映像企画を調べ始めた。
　李が、有する独自のネットワークを使用しており、オリジナルサーバーを経由しているため自由に使用する事が可能だった。
　沙良は、３０分ほどで詳細を調べ終えた。
　プリントアウトして、剛士に書類を渡す沙良・・・・・

「なにっ？・・・・たったの３人か？」
「後は、学生アルバイトを使ってるようね。」
　この会社が制作したビデオの出荷先を見ると、ほとんどがネット販売だった。
　月計算で、80%万はあり、恐らく国内だけではなく海外受注もしているようだ。

「沙良、サンプルがＨＰで紹介されているみたいだ。アクセスしてみろ。」
「うん。」
　沙良は、アドレスを打ち込み、ＧＧ映像企画のサイトを開いた。
「剛士、パスワードが入るみたいよ。」
「サンプルなのにか？・・・・・李から貰った解読ソフトを使ってみろ。」
　沙良は、Ｎｅｅｄｌｅ　Ｈｏｌｅというソフトを使ってパスワードを解読した。
「あ、入れたわ。」
　剛士は、沙良が操作するパソコンに近づいた。
「ほぉー、サンプルといっても種類がたくさんあるんだな。沙良、そのカテゴリーの中のレズをクリックしてみろ。」
　沙良は、言われたとおりにクリックし、更にサンプル動画をクリックすると映像が流れ始めた。
「・・・！・・いやぁーん・・・丸見えじゃない・・・キャハハ・・・」

（・・・・やはりな・・・ノーカットだぜ。）

　剛士は、吾川が夏子に依頼したビデオ撮影は、紛れもなく一般販売向けに撮影するノーカットビデオと確信した。
　サイトの下部を見ると、レズビデオの販売予告がされており、既に、予約数が３千本を超えている。
「１本、１８０００円か。・・・ざっと計算して５４００万もあるわよ。」
「んむ・・・大した機材も使わないからボロ儲けだな。」
「よく見ると、シリーズ第４弾って書いてあるわよ。」
「ちっ・・・・とんだ狸だったな・・・・今までにも撮影してるって訳か。」
「自分のクラブ会員を騙して、それを売るなんて最低ね。多分、この動画に写っている女性もクラブ会員じゃない？」
「可能性大だ。・・・・・これはお仕置きが必要だな。」
「剛士の出番かしら？」
「いい考えがある・・・・クククッ・・・・」
　剛士は、冷笑しながらコーヒーを啜った。