（６２）

　３日後、洋平は、部下と共に仙次郎の部屋に訪れていた。
　桂側との接触方法を掴んだのだ。

「ＳＯＲＨ‥‥‥‥なんだ、それ？」
「Ｓｅｘｕａｌ ｏｒｇａｎｓ ｒｅｍｏｄｅｌ‐ｈｕｍａｎの略さ。」
「？‥‥‥‥‥性器‥‥‥改造人間‥‥‥」
「ああ、その通り。」
「どういう事なんだ。」
「聞いて驚くな。」
「えぇぇぇぇーっ！」
「お前ぇ‥‥‥‥‥仙次郎っ、まだ何も言ってねぇーだろっ。」
「いや、お前の言う事は、いつも驚かされるから、先に驚いておこうと思って。」
「今度、俺が言うより先に驚いたら殴るぞ。」
「へい、へい‥‥‥」

　洋平は、気を取り直して仙次郎に説明した。

「桂川は、桜クリニックの院長とツルんで生身のセックスマシーンを作り上げようとしているんだ。つまり、桂川が勧誘した女性の性器を手術で改造して名器にし、闇の売春クラブを経営しようとしているのさ。」

　一気に仙次郎の顔が曇った。

「‥‥‥‥なんて、こった‥‥‥‥」
「だから、メンバーの女性は、３０人あまりと少なかったんだ。手術に時間も掛かるし、金も要る。だがな、一人の女性には約３０人以上の固定客が居るらしい。一回のプレー料金が１０万円、一人で、２千万稼ぐ。それが３０人だ。莫大だぞ。」
「‥‥‥‥６億円か‥‥‥‥それも一ヶ月で‥‥‥」
「一日で、一人２回のプレーをすれば、それ以上だな。」
「荒稼ぎか‥‥‥年間にすると膨大な金になるな。」
「小さい町の年間予算より多い。」
「んー‥‥‥‥」
「更に、驚く事に、不法入国している外人女性にも手を延ばそうとしている。」
「なんだと‥‥‥」
「つまり、警察に捕まっても、後腐れなく、そしてシラを切ることが出来る。奴らは、マインドコントロールなど掛けなくても簡単に応じてくるからな。」
「で、肝心の、ＯＬ女性は、どうやって？」
「やはり、相手の心理を探って、売春行為を洗脳させている。だがな、お前の言ったとおり、専門的な知識ではなく脅しだ。」
「ん‥‥‥というと‥‥‥」
「ＯＬ女性全員は、多額の借金を背負っている。それも、金の魔力に取り付かれている女性ばかりだ。‥‥‥‥‥つまり、贅沢病だな。だが、それだけで、ここまでやるとは思えない。何かやられている。」
「‥‥‥‥‥ん？」
「ひょっとしたら麻薬‥‥‥‥もしそうなら、これも欲になるだろう、仙次郎っ。」
「ああ、そうだな。‥‥‥全ての欲望が、性格までを変えたか。」
「ああ‥‥‥そうかもしれん。」
「理性を抑えられない、極限欲を桂川に破られたんだろう。」
「え？」
「つまり、自覚存亡症‥‥‥‥相手の欲を満たせてやることによって忠誠に近い性格に切り替えるんだ。自分の欲、つまり最高の至福を奪われたくないために、口を割らない、裏切らないという人間の弱点を巧みに使った手法で、桂川は、女性達を勧誘しているのさ。」
「‥‥‥‥‥解ったぞ。‥‥‥‥何故、宗教団体にしてるかが。仙次郎っ！」
「さすが、公室次長だな。そのとおり。彼女らを信者にさせることで、世間の目をごまかせる。彼女らの稼いだ金は、桂川の組織に入るが財団法人だ。税金は免除される。そっくりそのまま懐に入るからな。」
「罪のない女の身体を勝手に手術させ、稼いだ金を独り占めか‥‥‥」
「女性らに、月１００万円以上の報酬を与えても自分には、何十億という金が転がり込んでくる。‥‥‥‥‥‥しかし、洋平、なんでそこまでして桂川は金を稼ぐ必要がある？　気になって仕方がないぜ。何か訳があるんだろう。」
「フッ‥‥‥事業を起こそうとしている。」
「事業？」
「ああ。臨港に莫大な土地を買うらしい。俺が思うに、何らかのマーケットの拠点にするんだろう‥‥‥‥‥それも、闇のな。」
「いま、やってる商売のようなものか？」
「さて、それは判らんが、まともな商売じゃないと思うぜ。」
「だろうな‥‥‥」
「どう思う、仙次郎‥‥‥‥」
「今まで、オイシイ思いをしてきたんだ。地獄に落ちてもいいんじゃないのか。」
「ああ‥‥‥俺もそう思う。‥‥‥手伝ってくれるな。」
「しょうがないだろう‥‥‥‥聞いちまった以上は‥‥‥‥」
「頼むぜ。」
「解った。それより洋平、性器改造って？」
「ああ、この男に探らせた‥‥‥つまり、客として接触してもらったんだ。」
「君が？」
「はい。」
「社長公室、調査課長の大隈という。俺の右腕だ。」

　洋平の説明に、隣に座る部下の大隈誠二が、口を開いた。

「私が、関係した女性は、富士機工の女子社員だったんですが‥‥‥‥‥正直、これほど、驚いた事はありませんでした。」
「？‥‥‥‥女性の性器がかい？」

　頷く大隈‥‥‥‥

　洋平が、大隅に説明を促した。

「大隈、具体的に説明してやってくれ。」
「はい。うちのグループ傘下である榊原製薬の研究所に頼んで自白剤を手に入れたんです。それを女性に飲ませて、どういう手術をしたのかを聞き出したんです。驚きました。膣内の肉壁にシリコンを注入し子宮を狭めているんですよ。当然、男性にとっては締まりよく感じるんですが、更に、その肉璧が、無数に吸盤状になっているんです。つまり逆です。」
「吸盤状？」
「ええ。定期的に性交がある女性は、内部に幾つかの突起があるのが普通ですが、彼女らは、それが無く、肉璧が凹んだ穴状なんです。液体により作り出される気泡の作用を利用してるのですが、男性自身を吸盤のように吸い付いてきます。正直、堪ったもんではありませんでした。更に体温で微動する螺旋状のコイルが左右に仕込まれていて、男性自身の根本から奥中へ引き込んでいくんですよ。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥出来るのか、そんな事が‥‥‥」
「女性の膣は、伸縮が大きいので可能なんですが、しかし、いずれはシリコンがズレていきますしコイルも、別の箇所に移動してしまいますので永遠にそういう状態というわけではありません。」
「‥‥‥だろうな‥‥‥」

　洋平は、仙次郎に追説した。

「つまり、その女性は、その時点で、お役ごめんとなるわけさ。」
「酷ぇ、話だな‥‥‥」
「つまり、桂川は、そういう女の代わりを探すために定期的に勧誘してるんだ。」
「なるほどな‥‥‥‥で、桂川も手術をしているのか？」
「恐らくな。あいつのターゲットは、前にも言ったがＶＩＰ専門だ。中には、歳を喰った男も居るはずだから違った事をしているかもしれないが、ＶＩＰ専門ということは、手術している可能性はある。なんせ、桂川の休暇簿を調べたら定期的に長期休暇を取っている。おそらく、自分の性器をメンテナンスでもしてるんだろう。ククッ」
「ふーむ‥‥‥よし、人間としての尊厳を徹底的に破壊し地獄に墜としてやるぜ。」
「よし、桂川は、お前に任せたぜ、仙次郎‥‥‥‥」
「ああ。‥‥‥‥洋平、お前は？」
「今まで稼いだ銭をぶん取る。当然、福祉基金として全額を各施設に寄付する。」
「出来るのか？」
「俺の得意分野だ。」
「‥‥‥‥そうか‥‥‥」
「それから更に、桜クリニックの院長をコテンパンに落とす。証拠は、既に掴んでいるから、赤子の手を捻る様なものだ。その前に、ある程度、地獄を味わってもらうつもりだがな。」
「洋平、メンバー女性全員の身体を元に戻させてやってくれ。」
「ああ、そのつもりさ。身体に障害も出てくるだろうからな。」
「んむ‥‥‥‥」
「よし、大隈、まず、桜クリニックの院長に爆弾を落として来い。」
「はい。」
「くれぐれも、桂川と接触させるなよ。」
「承知してます。」
「よし。‥‥‥‥じゃ、仙次郎、桂川のコンタクト方法は、この紙に書いてある。」

　洋平は、仙次郎にメモ用紙を渡した。
　受け取る仙次郎‥‥‥

「‥‥‥‥‥‥大山商事？」
「ああ、ここの秦専務から紹介されたと言え。‥‥‥すでに秦専務を落としてある。」
「さすがだな、洋平‥‥‥‥」

　洋平は、仙次郎にウィンクをして親指を立てると課長の大隈と共に、さっそく出かけていった。

「先生、やっぱり桂川さんと‥‥‥‥」

　佳代が、膨れっ面で呟いた。

「いや、今回は、清七さんに頼んでみる。」
「番さんに？」
「ああ。最近、本物の拷問が出来ないと嘆いていたしな。それに、同じ会社に居るから俺の顔は知られている。」
「‥‥‥ですよね‥‥‥。」
「まあ、清七さんに説明して、桂川を連れ出すさ。」

　仙次郎は、不敵な笑いを浮かべながら桂川の制裁方法を考え始めた。

☆☆☆☆☆

−　翌日　−

　仙次郎は、就業後に清七と合流する事になっていた。

　最終打ち合わせのため、仙次郎は、出掛けに清七に電話をかけていた。

「清七さん、首尾よく頼みますよ。」
『ええ、仙次郎さんに言われたとおり、秦という人の紹介でと言っておきましたし、相手も、信用していましたので大丈夫です。道具も、ちゃんと揃えておきました。』
「解りました。じゃ、奈落の裏のＳＭホテルで。」
『はい。‥‥‥５回ノックしてくれたらドアを開けますので。』

　仙次郎は、清七と最終確認をして電話を切った。

「先生、西条次長からお電話です。」
「ああ。」

　仙次郎は、受話器を受け取った。

「俺だ。」
『仙次郎、手続きは済んだ。かなり、緻密な工作をして金を分配していたが、こっちも、経理工作で、２週間以内には、桂川の全財産を引き出せるぜ。』
「そうか。俺は、今夜、約束を取り付けた。地獄を味わってもらう。」
『頼むぜ。‥‥‥既に今日付けで桂川を退職扱いにしておいた。』
「んむ。‥‥‥で、桜クリニックの院長は？」
『大隈が、手をうった。真っ青な顔をして気を失いかけてたそうだ。』
「クククッ‥‥‥そうだろうな‥‥‥‥‥で、組織の女性らは？」
『大隈が、女性らの務める各会社に連絡をし、幹部に説明をして全員を集めさせた。まず、元の身体に戻させてから院長を潰す。』
「ああ、そうしてくれ。‥‥‥‥それから‥‥‥」
『解ってる、女性らは騙されたんだ。解雇にならないように手も打つさ。』
「そうか。‥‥‥‥‥よし、洋平、そろそろ俺は行くから。」
『解った。あとで、詳しく教えてくれよ。』
「フッ‥‥‥‥了解っ。」

　仙次郎は、電話を切ると、早速出かける準備をした。

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　清七は、桂川との待ち合わせ場所である駅のロータリーで車から降りて待っていた。

　待つこと、数十分、ホームから歩いてきた一人の女性に声を掛けられた。

「番さん‥‥‥‥ですか？」
「はい。‥‥‥桂川さん‥‥‥ですね。」
「そうです。大山商事の秦専務からのご紹介と聞いていますが。」
「そうです。」
「解りました。それでは、参りましょうか。」

　桂川は、笑みを浮かべると番の車に乗り込んでいった。

　番も車に乗り込むと、ホテルに向かうため湾岸線に車を走らせていく。
　車内で、桂川は、番に喋り掛けてきた。

「秦さんとは、どういう関係なんですか？」
「え？」

　清七は、焦った。
　まさか、そんな質問をしてくるとは思っていなかったからだ。

（‥‥‥チッ‥‥‥‥‥適当に言っておくか。）

「ええ‥‥‥‥その、仕事関係で知り合って‥‥‥‥」
「そうなんですか。番さんは、お仕事は、何をしていらっしゃるんですか？」
「え？‥‥‥‥‥あぁ‥‥‥‥‥‥仕事は‥‥‥ある会社を経営していまして。」
「あら、社長さんなんですの？‥‥‥‥‥フフッ、秦専務より上ですわね。」
「は、はぁ‥‥‥まぁ‥‥‥」
「以後、ご贔屓に‥‥‥‥私、今夜は、番さんに思いっきりサービスさせていただきますわ。」
「それは、どうも‥‥‥‥」

（フッ‥‥‥‥俺と仙次郎さんで、アンタにスペシャルサービスしてやるぜ。）

　清七は、心の中で、ほくそ笑みながら車のスピードをあげていった。

　清七と桂川は、ホテルに到着した。
　奈落の、すぐ裏手にあるホテルだが、不審に思われないよう車を中に入れていく。

「番さん‥‥‥‥‥ここは‥‥‥‥あの‥‥‥」
「ＳＭホテルです。‥‥‥あ、大丈夫ですよ。空いてるから、ここを選んだだけで、貴女と、そういうプレーをしようとは思っていませんので安心してください。」
「‥‥‥‥そ、そうですよね。‥‥‥‥心配してしまいましたわ。私、痛いのは、昔から苦手で‥‥てっきり番さんの趣味が‥‥。」
「ハハ‥‥‥私もＳＭは、苦手でして‥‥‥」

　清七は、安心させるために適当な言い訳をして、桂川を部屋に連れて行った。

（‥‥‥‥‥クッ、クッ、クッ‥‥‥‥そうか、痛いのは苦手か‥‥‥‥）

　清七は、用意しておいた部屋の階ボタンを押すと桂川と共に、エレベーターに乗り込んでいった。

（６３）

　桂川とホテルの一室に入った清七は、冷蔵庫からビールを取り出すとソファニ座り、二つのグラスに、注いでいった。

　そして、指の間に挟んでおいた睡眠薬を一つのグラスに落とし、それを桂川に差し出した。

「桂川さん、一杯飲みましょう。」
「ええ、そうですね。」
　
　桂川は、ジャケットとバックをクローゼットにしまい、清七と向かい合ってソファに座った。

　互いにグラスを重ね合わせビールを口に運んでいく。

　清七は、一口ビールを飲むと桂川に話し掛けていった。

「桂川さん、仕事は、何をしてらっしゃるんですか？」
「え？‥‥‥‥‥ぁ‥‥‥フフッ‥‥‥‥これが、仕事とは思いませんよね。」
「ええ。もし、そうなら、お客さんに引っ張りだこでしょ。それだけの美人だし。」
「まあ、お上手ですわね。」
「いえ、本心ですよ。」

　妖艶な表情を見せる桂川だが、どこか、強かな雰囲気を感じ取れた。
　清七は、暫し、他愛もない会話を桂川と続けた。

　２０分ほど、話していただろうか。桂川は、眉をしかめて目頭を抑えた。

（‥‥‥‥‥‥効いてきたな‥‥‥‥）

　ビールに混ぜた睡眠薬が効いてきたようだ。
　清七は、桂川に断わってシャワーを浴びる事にした。

「桂川さん、先にシャワーを浴びてきます。」
「ぇ‥‥‥‥ええ‥‥‥‥どうぞ‥‥‥」

　清七は、笑みを浮かべながら浴室に向かった。

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　清七は時間を見計らって、浴室からベッドルームに戻った。

　桂川は、ソファに横たわっていた。

（くっ、くっ‥‥‥‥さすがに仙次郎さんの用意した薬は効くな‥‥‥）

　清七は、桂川の衣服を全て脱がせていく。
　壁に取り付けられたＸ型フックに、桂川の四肢を固定し目隠しとギャグボールを嵌めた。

「よしと‥‥‥」

　清七は、冷蔵庫から２本目のビールを取り出し、仙次郎の到着を待った。

　数分後、ドアを５回ノックする音が聞こえた。
　入口に向かう清七‥‥‥‥

　ゆっくりとドアを開けると、仙次郎が、大きなバッグを持って立っていた。

「仙次郎さん‥‥‥‥」
「清七さん、どうですか？」

　仙次郎が、小声で尋ねた。

「準備ＯＫです。‥‥‥いま、寝てるところです。」

　仙次郎は、頷くと部屋に入っていった。

「よく、眠ってるな‥‥‥‥」

　仙次郎は、壁に固定されている桂川を見るとバッグの中からあらゆる道具や玩具を取り出した。

「凄いですね、仙次郎さん。」
「ええ。途中で買い物をしてきました。」

　外国製の特大ディルド、ＳＭ道具、医療器具等、今から桂川を拷問に掛ける道具が山ほど取り出された。

「仙次郎さん‥‥‥これ‥‥‥」
「ええ、銃砲店で買ってきました。本場のスタンガンです。強力ですよ。」

　親指ほどの太さ程ある棒状のスタンガンで、一撃で相手を気絶させる事が出来る代物だった。

「で、仙次郎さん‥‥‥‥彼女を、最終的にどうするんです？」

　仙次郎は、ソファに座って煙草をふかした。

「かなり、悪どい事をしてきましたんでね。‥‥‥それなりに‥‥‥」
「‥‥‥？」
「ハハ、生きてるのが辛いと思わせるんですよ。」
「‥‥‥‥‥せ、仙次郎さん‥‥‥し、しかし‥‥‥‥」
「大丈夫、この女性は警察にも言えない事をしていますので。」
「‥‥‥‥‥‥」

　仙次郎は、清七に桂川の悪行を説明した。
　拷問に掛ける以上説明して納得してもらう必要があるからだ。

「えぇぇぇーっ‥‥‥本当なんですか。」
「ええ。地獄に落ちてしかるべき女なんです。」
「そして、この女の協力者を聞き出す必要があるんです。」
「‥‥‥‥‥ぇ‥‥‥‥まだ他に？」
「一人では、こんな事出来ないですよ。」

　仙次郎は、そう言って眠っている桂川に目をやった。

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　暫くして、桂川が目を覚ました。
　目隠しとギャグボールを咥えさせている事に気づいたのか呻き声を上げて暴れている。

「仙次郎さん、お目覚めのようですよ。‥‥‥クククッ‥‥‥」

　仙次郎も、不敵な笑みを浮かべながら立ち上がった。

「さて、清七さん、始めますか。」

　仙次郎は、桂川に近づいてギャグボールを外した。

「ば、番さん‥‥‥‥‥何これ‥‥‥私、こういうプレーは嫌よ。」

　仙次郎は、笑いながら桂川に答えた。

「あいにく、私は、番さんじゃないんですよ‥‥‥‥桂川麻衣さん‥‥‥」
「！‥‥‥‥だ、誰‥‥‥‥誰よ、あんた‥‥‥」
「地獄からの使者です。」
「‥‥‥‥‥‥な‥‥‥？」
「今からする質問に答えたら、直ぐに開放しましょう。」
「‥‥‥し、質問？‥‥‥そんな事より目隠しを外してぇっ！」

　桂川は、そう言って暴れだした。
　しかし、四肢を固定されているため全く身動きは取れない。

「諦めろって‥‥‥‥」
「‥‥‥グッ‥‥‥‥ゥゥゥ‥‥‥‥」
「桂川さん、アンタの売春組織に協力しているのは誰だ？」
「！‥‥‥な、‥‥‥何の事よ。知らないわっ！」
「惚けなさんな‥‥‥‥桜クリニックの院長とつるんでＯＬの性器を改造させ売春させている事は解っている。そして、莫大な土地を購入した事もな。」
「‥‥‥‥‥ぐっ‥‥‥‥‥ぅぅ‥‥‥ア、アンタ、誰よっ！警察なのっ？」
「警察だったらよかったかも。だが、残念ながら警察ではない。地獄からの使者だ。」
「ふざけないでっ！‥‥‥離してよっ。」
「だから、協力している仲間の名を言えよ。」
「知らないって言ってるでしょっ！」

　仙次郎は、清七を見て首を振った。

「清七さん‥‥‥始めましょうか。」
「‥‥‥清七？‥‥‥‥ば、番さん‥‥‥‥ア、アンタ、騙したのねっ！」

　桂川は、大声で叫んだ。

「アンタが、アホでよかったよ。」

　清七は、そう言って笑い声を上げた。

「ゥゥゥゥ‥‥‥ググッ‥‥‥‥」

　歯軋りをする桂川‥‥‥‥‥
　仙次郎は、カテーテルを取り出し桂川の菊門に挿入していった。

「！‥‥‥や‥‥‥やめてっ！‥‥‥何してるのっ！　やめてよぉぉぉーっ！」

　大声を上げて怒鳴る桂川‥‥‥‥
　しかし、仙次郎は、無視してカテーテルをグリセリンボトルの先に嵌め上部の栓を捻った。

　グリセリンが一気に桂川の腸内に入っていく。

「うぐぐぐぐぅぅぅ‥‥‥‥‥」

　仙次郎は、カテーテルを抜きアナルプラグを無造作に埋め込んだ。

「グギィィィーッ！」
「さて‥‥‥苦しめ‥‥‥清七さん、交代です。」
　
　仙次郎は、清七にバトンタッチした。

「クククッ‥‥‥‥久しぶりに興奮させてもらいましょう。」

　清七は、桂川の蜜壷に指を突っ込んだ。

「ングゥゥゥゥー‥‥‥‥‥」
「ほぉー‥‥‥仙次郎さん、こりゃ凄いですわ。まさに改造している性器ですね。」

　清七は、そう言って指を乱暴に動かし始めていく。

「ハグゥゥゥゥー‥‥‥や‥‥‥やめてっ‥‥‥」

　数分後、桂川は、下腹部に激痛を伴いながら絶叫し始めた。

「ウギギギギギギィィィィー‥‥‥‥は、外して‥‥‥お、お腹が‥‥‥ゥゥゥ‥‥」

　清七は、桂川の下腹部を拳で抑えながら囁いた。

「ああ、喋ったらいつでも外すさ。」
「‥‥‥ンゥゥゥゥゥ‥‥‥‥アガガッ‥‥‥い‥‥‥痛いィィッ‥‥‥」

　清七は、桂川の脇の下を刷毛で擽りはじめた。

「‥‥‥ウゥゥ‥‥‥グフゥゥゥゥー‥‥‥‥や‥‥‥やめ‥‥‥ウグゥゥー‥‥」

　更に、鼻の穴にも刷毛を当てていく‥‥‥‥

「ハゥゥー‥‥ングゥゥ‥‥‥」

　桂川は、堪らずくしゃみをした。
　しかし、それと同時に下腹部の激痛が全身を襲っていく。

「フギィィィィィィィィィー‥‥‥」
「フッ‥‥‥‥苦しいだろう‥‥‥しかし、まだこの程度では気を失わないぞ。」

　清七は、そう言ってクリップで桂川の鼻をつまんだ。
　桂川は、口でしか呼吸が出来ない状態になっていた。

　額から脂汗を流しながら荒い呼吸をしている。

「さてと‥‥‥まだ、喋る気はないだろうな。」

　清七は、蝋燭を取り出して先に火をつけた。

　そして、溶けた蝋を桂川の恥丘に落としていく。

「ンギャァァッァァァァァァァァァッァァァァァァー‥‥‥」

　叫び声と共に、力の入った下腹部に更なる激痛が襲っていく。

「フンギィィィィィィィィィィー‥‥‥‥」

　清七は、それを何度も繰り返した。
　桂川の全身が痙攣し始めている。尿道からは、チロチロと尿が垂れ始めていた。

「さて‥‥‥‥言うか？」

　桂川は、口をパクパクさせながら小刻みに頷いている。

　仙次郎を見る清七‥‥‥‥

「よし、まず、勧誘する女性を探してくるのは誰だ？」
「‥‥‥‥‥‥そ‥‥‥‥それは‥‥‥‥‥ングッ‥‥‥」

　清七が、桂川の下腹部を強く押した。

「グギギィィィー‥‥‥‥い、言う‥‥‥言うから‥‥‥お‥‥押さないでぇぇ‥‥」

　清七は、桂川の鼻を摘んでいるクリップを外した。

「‥‥‥‥じ‥‥‥人事部の‥‥‥え‥‥‥‥江口‥‥‥‥勝也‥‥‥‥」

　仙次郎は、満足げに頷くと更に質問を加えていく。

「なんで、その江口という男が、そういう金に困っている女性を探し出せるんだ？」
「‥‥きゅ‥‥‥給料に‥‥‥そ、そぐわない‥‥‥マンションに居たり‥‥‥身につけている‥‥‥‥そ、‥‥装飾で‥‥‥‥‥な‥‥‥何日も‥‥‥‥び、尾行して‥‥‥‥‥調べる‥‥‥の‥‥」

　桂川が、苦しそうに答えた。

「なるほど‥‥‥なおかつ、一人暮らし‥‥‥‥‥そうだな。」

　頷く桂川‥‥‥

「江口とは、どういう関係なんだ。」
「‥‥‥ば‥‥‥買収‥‥した‥‥‥の‥‥‥‥」
「そうか。しかし、二人で仕組める事じゃないだろう。他にもバックがいるはずだ。」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「言えっ！」
「‥‥‥い‥‥‥言ったら‥‥‥こ、殺される‥‥‥」

　桂川は、そう言うと激痛に耐えかねて気を失っていった。

（‥‥‥‥‥よほど、大物らしいいな‥‥‥‥）

　仙次郎は、スタンガンを手に持ち、桂川に近づいた。

　ダイヤルを半分ほど捻り中加減に設定して恥丘に押し当てるとスイッチを押した。

「グゴォッ‥‥‥グヒィィィィィィー‥‥‥‥」

　ショックで目を覚ます桂川‥‥‥‥
　鼻水と涎を垂らして狂ったような悲鳴を上げる。

「アギィィィィィィィィィィィィー‥‥‥‥」

　そして、再度、全身を激痛が襲っていった。

「‥‥や‥‥‥や‥‥‥‥‥‥やめ‥‥‥‥て‥‥‥‥‥くだ‥‥さ‥‥‥ぃ‥‥」
「言えばな。」

　桂川の皮膚が、ショックと激痛で硬化していく。

「仙次郎さん‥‥‥限界ですね。」
「しょうがない。次の手でいこう。」

　仙次郎の言葉で、清七は、下部にある便器の蓋を開けると、菊門に填るプラグを引き抜いた。

　異音と共に、汚物が勢い良く飛び出してくる。
　桂川は、解けた緊張からか、再度、気を失っていった。