（６９）

　週末、仙次郎は、久しぶりに自宅マンションで、ゆっくりと時間を過ごしていた。

　シャワーを浴び終え、ブランデーを片手に、ソファで寛ぐ仙次郎‥‥‥
　リモートでオーディオを操作し、スタンダードジャズを流した。

（‥‥‥フゥゥゥー‥‥‥‥癒されるなぁ‥‥‥）

　静かに目を瞑って、ブランデーを口に運んでいった。
　グラスに付着した水滴が、鍛え上げた胸に落ちた。
　心地良い冷たさに脳が覚醒する。

　水滴が、腹筋の割れ目にそって流れていった‥‥‥‥‥

（‥‥‥‥‥‥映画でも見るかな‥‥‥）

　そう思った矢先、ルームフォンが鳴った。

「‥‥‥チッ‥‥‥誰だ‥‥‥」

　仙次郎は、グラスをテーブルにおいて玄関に歩いた。

　ドアを開ける仙次郎‥‥‥

「おっす、仙次郎くぅーん‥‥‥」
「美優か。‥‥‥‥なんだ、飲んでるのか。」
「ちょっとね‥‥‥」

　美優は、そう言って部屋の中に入ってきた。

「仙次郎君も飲んでたの？」
「ああ‥‥‥まあな。」
「はい、これ。仙次郎君の好きなバーボン‥‥‥」

　美優は、手に持っていたハーパーを仙次郎に渡すと、ソファに崩れ落ちるように座った。

「お、リザーブか‥‥‥」

　Ｉ‥Ｗハーパー･プレジデント･リザーヴ
　バーボンの中でも高級部類に入る代物だ‥‥‥‥

「サンキュー、お前のいないときに飲むよ。」
「何言ってんのよ、飲み足りないから来たのにぃ。」
「ハハ、じゃ、これ飲め。」

　仙次郎は、今まで飲んでいたブランデーのボトルを美優に差し出した。

「まあ、飲めれば何でもいいんだけどさ‥‥‥‥そうだ、明日は休みだから飲み明かしましょうよ。」
「何ぃぃぃー‥‥‥飲み明かすだと‥‥‥」
「いいじゃない、休みなんでしょ。」
「‥‥‥ま‥‥‥そうだが‥‥‥‥」

　仙次郎は、不貞腐れたように美優にブランデーを注いだ。
　それを口に運ぶ美優‥‥‥

「このブランデー、甘っぽくて美味しいわね。」
「ああ、コニャックだ。好きなだけ飲め。」

　仙次郎は、美優を潰して寝かせようと考えた。

「ねぇ、コニャックって‥‥‥ブランデーなの？」

　仙次郎は、呆れ顔で美優を見つめた。

「‥‥‥‥‥説明いるか？」
「知識として、知っておきたいわよ‥‥‥」

　仙次郎は、溜息をつきながら自分のグラスにもコニャックを注いだ。
　ボトルを美優に渡し、面倒臭そうに話を始める。

「ラベルを見てみろ。」

　ボトルを見る美優‥‥‥

「フランス‥‥‥？」
「そ、フランス産のブランデーさ。」
「ナポレオンって書いてあるけど？」
「アホぉ、ナポレオンっちゅーのは、銘柄ではないんだ。コニャックやアルマニャックの熟成度合いの目安さ。」
「え、そうなの？」
「今、飲んでるコニャックもそうだが、通常、若い原酒と古い原酒をブレンドして作られるんだよ。この際、若い原酒の熟成年数により、スリースター、ＶＳＯＰ、ＸＯ、ナポレオンという表示をするのさ。」
「へぇー‥‥初めて知ったゎ。‥‥‥よく知ってるわね、仙次郎君‥‥‥」
「普通知ってるだろ。」
「よっ‥‥‥酒博士！」

　単純なのか、美優のお世辞に仙次郎は、自然と口が軽くなっていく。

「コニャックの原酒は、ブドウ収穫の翌年の３月末までに蒸留を終わらせなければならないんだ。翌４月１日からだったかな。」
「へぇぇー‥‥‥」

　真剣に聞く美優に、仙次郎の口も更に滑らかになっていく‥‥‥‥

「ちなみに、アルマニャックは５月１日からだが、その樽の原酒はコント０と数えられて、その翌４月１日よりコント１となるんだ。以降、一年ごとにコント２、コント３と数えていくのさ。」
「そうなの‥‥‥」
「ああ。つまり、コント５のブランデーは、最小でも６０ヶ月超、最長で７２ヶ月以下の熟成期間ということになるな。コニャックとして売るにはコント２以上でなくてはならず、スリースターは、コント２以上なのさ。」
「コント２‥‥‥‥」
「つまり、３年物ということだ。ＶＳＯＰやリザーブだとコント４以上、ＸＯ、エクストラ、ナポレオンは、コント６以上の原酒を使わないといけないんだ。ただ、コント７以上には、規定はないんだが‥‥‥‥。」
「どうやって、発酵させるの？」
「定義は、フルーツを発酵させ、蒸留した酒の全てをさす言葉だが、ただ、ブランデーと称するときは、一般的にブドウから造ったグレープブランデーのことをさすんだよ。ブドウ意外を原料にした場合は、フルーツブランデーと総称されるが、りんごで造るとアップルジャック、さくらんぼで造るとキルシュワッサーなどとブランデー意外の名称で呼ばれることが多くなるようだな。」
「へぇー‥‥‥‥」

　美優は、感心しながら仙次郎に甘い視線を送る。

（‥‥‥‥‥？）

　美優は、立ち上がると仙次郎の横に移動した。

「な‥‥‥なんだ‥‥‥‥‥」
「お馬鹿‥‥‥‥察しなさいよ。」

　そう言って、仙次郎のバスローブの中に手を入れてくる。

「‥‥‥‥‥やめろって。」
「そうだ、シャワー浴びてくる。待ってて‥‥‥」
「待っててって‥‥‥‥‥‥？‥‥‥お、おい‥‥‥」

　美優は、仙次郎の目の前で服を脱ぎ始めた。

「浴室で脱げばいいじゃねぇーか。」
「いいの、ここで。」

　開放された乳房が上下に揺れた。
　美優のショーツを脱ぐ仕草に、妙に優雅さを感じる仙次郎‥‥‥‥

（んー‥‥‥‥エエでないかい‥‥‥）

　美優は、脱いだショーツをセクシーに仙次郎に投げ捨てるとヒップを揺らしながら浴室に歩いていった。

☆☆☆☆☆

「ウフゥゥゥゥゥゥー‥‥‥‥‥‥ァァ‥‥‥‥‥イィッィー‥‥‥」

　美優は、背後から仙次郎に貫かれていた。
　シーツを強く握り締め下半身を完全に預けている。

「も‥‥‥もっと‥‥‥‥強く‥‥‥ァァ‥‥‥ウアァァァァァー‥‥‥」

　形のいい美優のヒップが、仙次郎の突き上げで激しく形を変えている。
　美優は、髪を振り乱しながら声を振り絞った‥‥‥

「せ‥‥‥‥仙次郎君っ‥‥‥‥も‥‥もう‥‥‥‥‥キテェッ‥‥‥」
「了解っ！」

　仙次郎は、美優の下半身を引きつけながら肉棒を突き上げていった。

「グッフゥゥゥゥゥゥゥー‥‥‥‥‥アァァァー‥‥‥イィィィィーッ！」

　仙次郎の肉棒を締め上げながら、美優は絶叫した。
　結合部からは、美優の愛液がシーツに滴り落ちている。

「ィィ‥‥‥ァァ‥‥‥‥フゥゥー‥‥‥イィィ‥‥‥ァァ‥‥イィィィィ‥‥‥‥」
「美優‥‥‥‥フィニッシュだ。」
「ァァ‥‥‥！‥‥‥グッ‥‥‥キ‥‥キテェェェェェェェェェー！」

　美優の合図と共に、仙次郎は、強烈なキャノンボールを蜜壷に注ぎ込んだ。

「ウアッ‥‥ハァァ‥‥‥イィ‥‥‥ンアァァァァァァァァァァァァァー‥‥‥」

　美優の全身が鳥肌を浮かべた。
　快感が脳にまで達し、美優は、完全に力を失っていく。

「ふぅー‥‥‥‥ナイスだ‥‥‥美優‥‥」

　仙次郎は、ゆっくりと肉棒を引き抜いた。

「うぅぅん‥‥‥」

　美優は、崩れるように前のめりに倒れた。

　仙次郎は、小さく息を吐きながら綺麗に盛り上がる美優のヒップラインに指を滑らせていく。

「‥‥‥‥ァァァ‥‥‥‥」
「美優‥‥‥‥今日は、やけに激しかったな。」

　美優は、ゆっくりと振り向いて仰向けになると仙次郎の手を取り引き寄せた。

　美優に覆い被さる仙次郎‥‥‥‥

「‥‥‥‥フフッ‥‥‥仙次郎君とはいつもこうでしょ‥‥‥」
「そうかな？‥‥‥‥‥」
「‥‥‥実は、明後日から、大事な裁判が始まるの。‥‥‥気合入れようと思って。」
「ははは、俺に、抱かれて気合入るのか？」
「‥‥‥そうねぇ‥‥‥もう１回してくれたら間違いなく気合入るわ。」
「くくくっ‥‥‥言いようだな。」
「だってぇ‥‥‥‥今度の裁判が始まると、当分エッチできないし‥‥‥」
「そんなに大変な裁判なのか‥‥‥」
「うん‥‥‥‥東洋物産のインサイダーを‥‥」
「ほぉう、令の事件か。‥‥‥でかい裁判だな。」
「ええ。明後日、初公判だから‥‥‥‥‥‥それで、会いに来たのよ。」
「フッ‥‥‥お前らしいぜ。」

　仙次郎は、美優の髪をかき上げながら息を吹き掛けた。
　唇を重ねていく美優‥‥‥‥

「‥‥‥‥‥‥‥」
「さ、仙次郎君‥‥‥今度は、抱きしめながらして‥‥‥」
「直ぐに、立つわきゃねぇーだろが。休ませろよ。」
「じゃ、立たせてあげる。」

　美優は、妖しい笑みを見せると仙次郎の股間に潜っていった。

「おい、美優‥‥‥‥」

　美優は、仙次郎の肉棒に唇を被せてきた。

（‥‥‥‥ったく‥‥‥‥‥‥‥‥お‥‥‥しかし、なかなか‥‥‥‥グッ‥‥）

　仙次郎は、仰向けになった。
　シーツを除けて美優の身体を露にする。
　肉棒に執着している美優‥‥‥‥
　仙次郎は、暫し、美優の舌使いを堪能しながら、その姿を見つめていた。

（んーむ‥‥‥‥いいアングルだな‥‥‥‥‥）

　口に咥えては転がし、離しては、根元から舐め上げていく美優‥‥‥
　いつの間にか仙次郎の肉棒は、怒張していた。

「‥‥‥ングゥ‥‥‥ンッ‥‥‥ンッ‥‥‥‥」

　仙次郎は、腰を突き上げた。
　美優は、仙次郎の顔を見ながら舌を躍らせている。

「‥‥‥‥‥フッ‥‥‥美優‥‥‥食い千切るなよ。」

　美優の艶っぽい視線が、仙次郎に突き刺さった。

「じゃ、仙次郎君‥‥‥踊らせてもらうわ。‥‥‥フフッ‥‥‥」

　肉棒から口を離した美優が、仙次郎に跨った。
　握ったままの肉棒を自ら蜜壷にあてがうと、ゆっくり、味わうように腰を降ろしていく。

「‥‥‥ァァ‥‥‥‥ァァァァ‥‥‥‥‥‥アハァァァァァ‥‥‥‥」

　完全に肉棒を埋没させた美優は、仙次郎の胸に手を当て、ゆっくりと前後にスライドを開始した。

「ゥゥゥゥ‥‥‥‥‥気持ちいぃぃ‥‥‥‥」

　早くも結合部からは、湿った音が零れていた。
　下から手を延ばす仙次郎は、美優の乳首を摘んで転がしていく。

「ッァァァ‥‥‥ンゥゥゥゥー‥‥‥‥‥」

　美優は、足底をついて腰を上下に動かし始めた。
　股間を覗くように、前屈みになる美優‥‥‥‥

「ァァァ‥‥‥‥仙次郎君‥‥‥‥‥‥」

　仙次郎は、美優の動きに合わせて腰を突き上げる。

「ングゥゥー‥‥‥‥ウゥッ‥‥‥ウゥッ‥‥‥‥ゥゥゥゥー‥‥‥‥」
「美優‥‥‥‥馬から落ちるなよ‥‥‥‥クククッ‥‥‥」

　美優は、仙次郎の言葉に反応し、激しく腰を打ちつけていった。
　何度も顎を突き上げては絶叫し、乱れに乱れていった。

「せ‥‥‥‥仙次郎ォォォ‥‥‥‥‥‥アフゥゥゥゥゥゥゥゥゥー‥‥‥‥」

　軋むベッドの音と共に、仙次郎の身体がベッドに埋まっていく。

（‥‥‥こ、こりゃ‥‥マジ、激しいぜ‥‥‥‥）

　しかし、美優は、お構い無しに腰を打ちつけていった。

「ァァァーッ！‥‥‥‥‥最高ぉぉぉぉぉぉーっ‥‥‥‥」

　美優の淫声は、止まる事が無かった‥‥‥‥

（‥‥‥‥‥お前、その、激しさがサマになってるから不思議だ‥‥‥）

　仙次郎は心の中でそう思った。
　揺れる乳房‥‥‥柔らかな肌‥‥‥光る唇‥‥‥そして、妖艶な瞳‥‥‥
　快感で顰める顔ほどセクシーな表情はない。

（‥‥‥‥‥フッ‥‥‥いい女ほど乱れる姿が似合ってるな‥‥‥‥）

　仙次郎は、美優の激しさの中に映し出される大人の女の性を垣間見た気がした‥‥‥‥