（１０５）

　足を組みながら、ゆっくりと話をするリンダに、仙次郎は静かに耳を傾けていた。

「樹里さんからエミーとパートナーになるからお願いね、って頼まれたんだけど、とにかく、彼女の性格が暗いって事が凄く気になってたの。ステージプレーは、お互いの意思の疎通が絶対必要だし、それが出来ないとプレーも危険なのよって、初ステージを踏む前のリハーサルで何度も何度もエミーに言い聞かせたのよ。」
「‥‥‥‥‥なるほど、そうだよな。」
「でも、笑う事なんてなかったし、彼女は、こういう性格なのかな、ってさ。だから、それ以上強制はしなかったの。ところがマゾ役の彼女としては、あの暗さというか、悲壮感漂わせた雰囲気が、お客にうけ初めてさ‥‥‥」
「‥‥‥‥‥ふむ、判る気がするよ。」
「それで、私も特に気にする事はしなくなったんだけど。」
「‥‥‥‥‥」
「ところが、１ヶ月過ぎた頃からかしら。いつも出番前は、彼女と楽屋で一緒だし、彼女も慣れてきたのか、だんだんと打ち解けてきたのよ。つまり、彼女の方から私に声を掛けてくる事が多くなってきて。それでも最初は、感情なんて見せないし不思議な子だなと思っていたんだけど、その態度が妙に気になっちゃって、私も失礼とは思ったんだけど、エミーの私生活とかを色々と聞くようになったの。」
「‥‥‥‥‥‥ふむ‥‥‥」
「最初は、他愛も無い質問だったんだけど、例えば仕事の事とか家族の事とか、昔は何してたとか、ホント、ごく普通の会話で。そのうち、エミーの方から私に聞く事が多くなってきたのよ。私は特に隠し事もないから、正直に私の生き方だとか、サディストになった経緯とかを正直に話してあげたんだけど。
　そのうちに、私を信用してくれるようになったのかな。エミーも色々と話をしてくれるようになって、さっきも言ったけど、今では、私だけには、笑顔を見せてくれるし、ステージでもちゃんと私に合わせて演技してくれるから。」
「へぇー‥‥‥」
「で、さっきのエミーの男の話だけど、彼女曰く彼氏じゃないって聞いてるわ。」
「え？‥‥‥‥どういう意味だい？」
「確かに、店まで迎えに来てるけど、彼女、嬉しそうじゃないし、男のほうも、恋人を扱うって感じは、全く見受けられないからさ。」
「その辺の理由は聞いたのかい？」
「うぅん、別に興味がある訳じゃないから詳しくは聞かなかったんだけど、なんでも、その男に償いをしているとか、その男が許してくれるまで私は自由が無いというような事を言ってたから。私は、どうしたのって聞いたのよ。だけど、その話に限って、エミーは何も話してくれないの。」

（償い？？‥‥‥‥‥自由が無いとは‥‥‥‥どういう意味だ‥‥‥）

　仙次郎は、更にリンダに問いただした。

「‥‥‥そうか。‥‥‥‥つまり、恋人関係ではないと？」
「ええ‥‥‥‥だって、彼とは身体の関係も無いって言ってたし。」
「なんだって？」
「だから、私、聞いたのよ。身体の関係も無くて、その男と付き合ってるってどういう事なの？って。急に暗い表情になって、何を聞いても答えないし。」
「エミーの弱みを握っていて、恐喝してるって事はないのかい？」
「お金を渡してるかどうかは知らないけど、会社の給料だけじゃ足りないから奈落に来たって言ってたし。まあ確かに、奈落は、給料いいからね。フフッ。」

（ふーむ‥‥‥訳が解らんな。）

「そういえば、その男は、さっきのハプニングパブに来てもずっと、カウンターに座って飲んでるだけよ。特に他のプレーを見るわけでも、遊ぶわけでもないし。不思議な男よ。」
「‥‥‥‥店の店員もそう言ってたな。」

（ふーむ‥‥‥‥‥どうも、斎藤俊二の心が読み取れんな‥‥‥‥ま、しかし、大凡の話は聞くことが出来たからラッキーだったぜ。）

　仙次郎は、斎藤俊二を徹底して調べる必要があると考えていた。

「ねぇ‥‥高輪さん‥‥‥‥‥そんな事より話を聞かせてよ。」
「え？‥‥‥あ‥‥ああ‥‥‥そう言えばそうだったね。で、‥‥‥リンダさんは、どういう事を聞きたいの？」
「そのリンダさんってのは、やめてよ。成美って本名で呼んで。」
「成美‥‥‥‥か。」
「フフッ‥‥‥いい名前でしょ。」
「ぇ‥‥‥‥あ、ああ‥‥‥‥そうだね。‥‥じゃぁ‥‥‥‥どうしようか‥‥‥」
「実戦で教えてくれてもいいわよ。」
「実戦‥‥‥とは？」
「道具は全て揃ってるし、こうすれば、いいとか、ああすればいいとかさ。」

　仙次郎は、成美を怪訝そうに見つめながら考えた。

（んー‥‥‥何を求めているのかイマイチ判らんが‥‥‥‥）

「リンダ‥‥‥ぁ、いや、成美さんは、男性とではイカないのかい？」
「イカないというか、責められてイッた事は一度もないわ。私は、相手を言葉やプレーで責め立てないと昇天できないの。結構、誘われる事多いんだけど、勘違いしてる男が多くて。」
「ん？」
「つまり、ポ○チン入れれば、私がイクとでも思ってるんじゃない？」
「‥‥‥‥ポ‥‥‥ポ○チン‥‥‥‥」
「でも、高輪さんなら、我慢してあげる。イク演技してあげてもいいわよ。」

（イク演技か‥‥‥それじゃ、俺が気に入らないんだよな‥‥‥‥）

　仙次郎は、成美の言葉で妙な好奇心と悪戯心が湧いてきた。
　サディストである成美をからかってみようと考えた。

「じゃ、ゲームでもしようか？」
「ゲーム？」
「ああ、君は男性に主導権握らせてオルガズムを感じた事は一度も無いと言ったね。」
「ええ。生まれてこのかた一度も無いわ。」
「‥‥‥もし、僕のプレーで君をイカせることが出来たら？」
「フフッ、高輪さんには悪いけど、それは有り得ないわね。」
「そうかな？」
「じゃ、こうしようっか。私が本気でイッたら、高輪さん専用の女になったげる。」

（別になってくれなくてもいいけど‥‥‥‥）

「え？　何か言った？」
「ぁ‥‥‥い、いや‥‥‥別に‥‥‥」
「反対に、もし私がイカなかったら専属で色々と教えてもらうってのはどうかしら？」
「専属で‥‥教えるって？」
「性心理とか‥‥‥‥その何‥‥そ、拷問史とかＳＭの真意とか‥‥‥つまり全てを。」「ふむ‥‥‥‥‥‥よぉーし、いいだろう。」
「決まりぃーっ！」

　ゲームとは言いつつ、俄然やる気になる仙次郎‥‥‥‥

「その前に、成美さん、２、３、質問に答えてくれないかい？」
「ええ‥‥‥別にいいわよ。」
「君の初体験は？」
「１６よ。同級生の男だったわ。」
「どういう感じだった？」
「痛かっただけかな。」
「サディスムに目覚めた時期と、その理由を教えてくれないかな。」
「んー‥‥‥‥高校卒業して就職したんだけど‥‥‥そ、当時付き会い始めた男ともめてさ。付き合いきれないから別れ話を出したのよ。‥‥‥‥で、その男が、私にしつこく別れないでくれと泣きついてきたのよ。私は女々しい男が嫌いだしその男の魂胆が見えてたからね。単なる身体が目当てって。だから思いっきり顔をぶん殴ってやったのよ。男は悲鳴を上げてさ‥‥‥目がビビってたのよ。」
「ほぉ‥‥‥」
「その時、子宮が妙に痺れちゃって‥‥男は涙浮かべながらも、しつこかったわ。そんな事するつもり無かったんだけど、触ってくるし、泣きついてくるから蹴っ飛ばしたりしてたんだけど、自分でオ○ンコが濡れてくるのがわかったのよ。」
「‥‥‥ほぉー」
「不思議な快感があってさ。その感覚を自分で知りたくてさ。‥‥‥‥‥で、暫く付き合ってやることにしたんだけど。」
「ん？」
「つまりさ‥‥‥その男に奉仕させたの。」
「奉仕とは？」
「オ○ンコ舐めな、とか‥‥‥舌で愛撫しなとか。つまり命令よ。」
「‥‥‥‥‥なるほど、それで、命令調の言葉に興奮を覚えた。」
「そうそう‥‥‥そして、焦らしながらさ‥‥‥フフフッ。で、イク瞬間にポ○チン握って、男の出る瞬間を見るの。私が、操って男をいかせてやったと言う充実感が最高でさ。」
「なるほどね。」
「でも、男は逃げていったわ。‥‥‥そうそう、Ｍっ毛のある男なんていないし。で、レズに走ったの‥‥。でも、それも難しいでしょ。だから奈落に勤めたのよ。」
「と言う事は、レズだと？」
「別に男でもいいんだけど、女だと攻め手が一杯あるしさ。男は出しちまったら終わりだもん。私には合わないだけの事よ。」
「つまり、男性にインサートされても特に何てこと無いと？」
「そ、ただ気持ち良くならないだけ。やる気も起こらないんだけどさ。」
「でも、それだけの美貌の持ち主なら、良く男性に誘われるんじゃ？」
「睨みつけて、キツイ言葉を投げてやるとほとんどが引いていくわ。」

（ククッ‥‥‥つまり、今まで自分を上回る男と巡り会わなかっただけだな。）

「じゃ、自慰とかも一切無いわけかい？」
「え？」
「つまり、どうしようもなく性欲が沸くときあるだろう。」
「んー、ほとんど奈落で解消できるからね。でも、ＳＭビデオ見てやる事もあるわ。」
「ほぉー‥‥‥やらない訳でもない‥‥‥‥か。」
「まあ、でも‥‥‥ほとんど一人ではしないわ。」

（‥‥‥やはり、典型的な性的サディストだが、バイセクシュアルでもあるな。）

　バイセクシュアルは、人を性的な欲望の対象としたり好きになったり愛したりする時に、相手の性別が関係ないか重要ではない人、または、人を性的な欲望の対象としたり好きになったり愛したりする時に、相手の性別が男でも女でもいい人。またはそういう欲望の在り方の人を言う。

　仙次郎は、成美が、Ｓ14 ±＋ 両性愛サディズムと判断した。
　文化欲求−ｈを伴った正常な感覚的な性欲Ｓ＋＋、個人愛＋ｈを伴った文化的サディズムＳ−＋、攻撃性を伴う両性愛的エロスだ。

　文化的攻撃欲を実現するために、個人的及び社会的に働きかける傾向と知的な仕事をもつ男性に見られる場合が多いのだが、成美もその傾向があるように見えた。
　感覚的行動でなく論理的な思考をめぐらし、知的攻撃により精神的優越感を満たそうとするが、それは世のためではないと考えるタイプでもある。

　衝動病理学でいうこの反応は 正常な感覚的な平凡人の性欲Ｓ＋＋への傾向であるが、文化への傾向−ｈおよび集合的人間愛への傾向−ｈも併せ持っている。個人愛への傾向＋ｈをもつサドヒューマニストＳ−＋は献身が欠如している場合が多い。サディズムの前期、背景像は劣性の単一傾向Ｓ０−、献身、犠牲、マゾヒズムへの傾向で、臨床心理学から見ると個人愛を伴う文化サディストととれた。

「もう質問はいいかしら？」
「ああ。」
「じゃ、奥の部屋に行こうよ。」

　成美は、仙次郎の手を引っ張って奥へ歩いていった。
　中に入ると、ＳＭ専用の器具や道具が所狭しと並んでいた。

（‥‥‥‥‥凄ぇな‥‥）

「高輪さん、どうすればいい？」
「そうだな‥‥‥‥じゃ、その固定椅子に座ってもらおうか。」
「いいわ。」

　成美は、分娩台のような椅子に座って仙次郎を見つめた。

「これでいい？」
「ああ。」

　そう言うと、仙次郎は、成美の両手両足を固定し、身動きが取れないようにした。
　暫し、目を瞑って何やら考えている仙次郎‥‥‥‥‥

（よし、‥‥‥過逆遊離状態に持っていくか‥‥‥‥。）

　不敵な笑いを見せ、成美に視線を投げる仙次郎‥‥‥‥‥
　それを見た成美は、クールを装いながら生唾を飲み込んでいった。

（１０６）

　仙次郎は、大きく足を開いた成美の前に移動した。
　自信満々の笑みを見せ成美を見つめる。

「フフッ‥‥‥‥プレー開始ね。」
「ああ。」
「どうするつもりかしら？」
「んー‥‥‥まずは、君の身体を観察させてもらおうかな。」

（濡れないうちに挿入しても逆効果だからな‥‥‥）

　そう言うと、仙次郎は成美の身体を優しく触りはじめた。
　額、うなじ、耳たぶに指を這わせ、乳房に移動していく。

「アン‥‥‥くすぐったいゎ‥‥‥」
「我慢、我慢‥‥‥」

　更に腹部に移動し、恥丘、蜜壷と移動していく。

「フフッ‥‥‥優しいタッチね。」

　成美は、仙次郎を見ながらそう答えた。
　仙次郎は、相槌をうたずに無言で続けている。
　蜜壷を指で開き指を入れる仙次郎‥‥‥‥

「締めようか？」

　そう言って蜜壷に力を入れる成美‥‥‥‥

（んー、よく締まるな。‥‥‥‥‥‥‥それより、膣内にかなり柔軟性がある。ということは、濡れないわけでもないだろう‥‥‥‥クククッ‥‥よぉーし。）

　仙次郎は、指を抜くと今度は逆に足のつま先から指を這わせていった。
　皮膚の状態、鼓動、敏感性を細かく探っていく。

（ま、特に嫌がる箇所は無いな‥‥‥よし‥‥‥まずは、徹底的に怒らせるか。）

　仙次郎は、部屋を物色した。

（お、これでいくか。）

　仙次郎が手にしたのは、電動式の刷毛のようなバイブだ。
　スイッチを入れる仙次郎‥‥‥

　静かなモーター音が響き刷毛が振動で揺れている。
　仙次郎は、それを成美の足の裏に這わせた。

「！？‥‥い‥‥‥いやっ‥‥アハ‥‥‥キャハハハハハハ‥‥‥ヤメテェェー‥‥」

　擽ったいのだろう。
　成美は、暴れながら拒んでいるが、仙次郎は、無視して続けている。

「‥‥ウングゥゥ‥‥‥だ‥だめ‥‥‥擽ったいってば‥‥‥いやぁぁー‥‥」

　叫ぶ成美だが、手足が固定されているため逃げる事は出来ない。

「キャハハハ‥‥‥アァァー‥‥イヤァァ‥‥‥‥ヤ‥‥‥ヤメ‥‥‥‥ェェ‥‥」

　仙次郎は、成美の口にギャグボールを装着した。

「これで、静かになるな‥‥‥ククッ‥‥」

　再度、刺激を繰り返す仙次郎‥‥‥‥
　脇の下や鼻を刷毛で擽っていく。
　成美は、顔を紅潮させて必死で耐えていた。
　次第に我慢できなくなってきたのだろう。
　声を出すことも出来ない成美は、仙次郎を睨みつけてくる。

「ん？‥‥‥どうした？」
「ウゥー‥‥ウー‥‥‥ウゥゥゥー‥‥‥‥‥」

　何を言っているか判らないが、要するに止めろと言っているのだろう。

「成美君‥‥‥‥拷問を少しは勉強した事あるかい？」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「何も、痛めつけるだけが拷問じゃないんだよ。」
「？？」

　仙次郎は、口元だけで笑みを浮かべて再開した。

「ウウウウウウウーッ‥‥‥‥ウー、ウー、ウー‥‥‥‥」

　全身が硬直しているためか、乳首が収縮し固くなっていくのがわかる。

（よし‥‥‥‥‥思ったとおりだぜ。）

　仙次郎は、成美が、全身の力を使い果たしグッタリとなるまで続けた。
　続ける事４０分あまり‥‥‥‥‥暴れる成美は、声が乏しくなり喉を鳴らす回数も少なくなってくる。
　そして、完全に身体は緩急し失禁を開始した。

「ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥー‥‥‥‥‥‥ウッ、ウゥゥゥゥー‥‥‥」

（よしと‥‥‥‥体力を使い果たしたな。当分、動けまい。）

　仙次郎は、成美の口からギャグボールを取り払った。
　半開きに開いた唇からは涎を流している。

「一つ勉強になったろう。これをやると全身の筋肉を使うんだ。もう、腹筋に力を入れることも出来ないはずだが、どうかな？」

　そう言って、腹部を指で擽る仙次郎‥‥‥‥

「ハァァゥゥゥー‥‥‥」

　成美は、腹部に力が入らず、残尿の飛沫を上げた。

「女王様のプライドが崩れるかな‥‥‥‥‥」

　仙次郎は、成美を見つめてそう言い放った。

「‥‥‥‥‥‥ゥゥッ‥‥‥」
「さて、それじゃ、二限目の講義だ。言葉の麻酔を掛けてみようか。」
「‥‥‥‥‥？」

　仙次郎は、ローズフックを手に取り、成美の鼻に装着した。
　鼻が真上に吊り上げられ鼻腔が露になって顔が歪んでいく。
　更に、マウスクリップを口にはめ真横に引っ張った。

「アガ‥‥‥‥アヮヮヮ‥‥‥‥」

　成美の口は限界にまで真横に広げられた。
　目尻は垂れ鼻の穴は正面に向き美しい顔が一瞬にして醜く変化していく。
　仙次郎は、自在ミラーを成美の顔の前に移動した。

「どうだい。自分の顔を見て‥‥‥始めて見たろう？」
「グゥッ‥‥‥‥アガァァァァー‥‥‥」
「美人でクールなイメージが台無しだな。」

　顔を激しく振りながら抵抗する成美‥‥‥‥

「今まで、する方だった君だが、逆の立場になってどうだい？」
「ガハァァ‥‥‥アー‥‥‥アヮァー‥‥」

　仙次郎は、棚からクスコを取り出した。
　まんべんなくジェルを塗り蜜壷に挿入する。

「アガァァァァァー‥‥‥」

　仙次郎は、クスコを開いて固定した。
　洗面器を下に置き、菊門専用の洗浄機から管を引っ張って中に差し込んでいく。
　スイッチを押す仙次郎‥‥‥‥
　生温い水が管の先から出て、蜜壷の奥に噴射されていった。

「アガハァァァー‥‥‥‥アーーー‥‥‥‥」

　クスコで開かれた蜜壷から止め処なく水が流れてくる。
　異様な光景だった。
　ミラーを正面に置く仙次郎‥‥‥‥

「見えるかい？‥‥‥‥惨めな姿だろう。ククッ‥‥‥」

　自然と涙が流れてくる成美‥‥‥‥‥
　次に仙次郎は、エアーポンプを菊門に挿入した。

「アーー‥‥‥アガ‥‥ァヮヮヮ‥‥‥‥」

　手押しでエアーを送る仙次郎‥‥‥
　成美の下腹部が徐々に膨れ上がっていく。

「さて‥‥‥君の豪快なオナラを聞かせてもらおうか？　」
「‥‥‥！？‥‥‥‥アァァァァー‥‥‥‥‥アガァァー‥‥」
「美人で、奈落のトップスターに君臨するリンダ嬢のオナラはどんな音かな？」

　そう言って仙次郎は、挿入したエアーポンプの管を引き抜いた。
　その瞬間、腸内に送られたエアーが噴出した。
　異音を鳴らしながら勢い良くエアーが漏れいく。
　菊門に力を入れ、止めようとする成美だが、腹部に力が入らないために止まらない。
　何秒続いただろうか‥‥‥‥‥
　次第に腹部は凹み最後に乾いた軽快な音で放屁は終わった。

「‥‥‥んー‥‥‥‥なかなか豪快なオナラだった。‥‥‥よし、もう一度聞こう。」

　ビクつく成美‥‥‥‥
　仙次郎は、再度、菊門にエアーを送り始めていく。
　朦朧としながら涙を流す成美‥‥‥
　目を開ければ、自分の醜態が鏡に映る。
　目を瞑れば、放屁が耳に入ってくる。
　成美は、羞恥の限界に達しようとしていた。

　成美のような真性サディストは、自らこのような事を経験した事は無い。
　羞恥、屈辱、痴態を与える事によって、元来持つ自分の性格を喪失させるのが目的なのだ。
　成美は仙次郎の責めで自尊心を衰えさせていった。

「さて‥‥‥‥３限目にいこうか。」

　仙次郎は、成美の顔にはまったローズフックとマウスクリップを外した。
　クスコを蜜壷から抜き、洗浄機のスイッチを切る。
　汗でへばりついたプラチナシルバーの髪を綺麗に掻き揚げてやる仙次郎‥‥‥‥
　先ほどまでパブで見せていた精悍な瞳は輝きを失っている。
　薄っすらと溜まった成美の涙を指で拭き取ると仙次郎は、成美の真横に立ち、もう片方の手で耳たぶと中を愛撫していった。

「‥‥‥‥‥ゥゥ‥‥‥‥ァァァ‥‥‥」

　触るか触らない程度のタッチで、丁寧に擦っていく‥‥‥
　恍惚な表情に変化していく成美‥‥‥‥
　仙次郎は、ゆっくりと、もう片方の手を蜜壷に滑らせていった。

（‥‥‥‥フッ‥‥‥濡れてきたな‥‥‥）

　仙次郎は、焦らずに時間を掛けて指を蜜壷の中に挿入していった。
　完全に指を埋めると成美のＧスポットを慎重に探っていく。
　あくまで丁寧にだ。
　指を締める強度で仙次郎は、成美のメインエリアを探り当てた。

（‥‥‥‥ここか‥‥‥）

　唇を合わせ舌根に刺激を与えながら指を巧みに駆使した。

「‥‥‥‥フゥゥ‥‥‥‥ァァァァ‥‥‥‥」
「成美‥‥‥‥‥綺麗だ‥‥‥」
「‥‥ァ‥‥‥ァァ‥‥」

　仙次郎を見つめる成美‥‥‥‥

「‥‥‥‥‥美しい‥‥‥‥」

　低く響きのある声を成美の耳元で囁く仙次郎‥‥‥‥

「‥‥‥た‥‥‥‥‥高輪‥‥‥さ‥‥‥‥ん‥‥‥」

　次第に蜜量が増えてくる成美‥‥‥
　蜜壷から零れる摩擦音が徐々に大きくなってくる。
　仙次郎は頃合を計らって、女芯も刺激し始めた。

「‥‥‥ァ‥‥‥‥ァァ‥‥‥‥ァァァ‥‥‥」

　蜜壷内が熱を帯びてきた。瞳孔が乱れ、舌を震わせ始める成美‥‥‥‥

「‥‥‥‥‥ゥ‥‥‥‥ァ‥‥‥ァヮ‥‥‥‥‥ァァ‥‥」

（そろそろか‥‥‥‥‥）

　仙次郎は、蜜壷に指を入れたままベルトを緩めてスラックスを下ろした。

（よし‥‥‥‥いくか‥‥‥）

　仙次郎は、怒張した肉棒をゆっくりと成美の蜜壷に挿入した。

「‥‥‥‥クッ‥‥‥‥ゥゥ‥‥‥」

　完全に埋めた仙次郎は、両足首の固定帯を外して自由にさせると固くなった乳首を刺激し始めた。

「‥‥‥フゥゥゥ‥‥‥ハァァァァー‥‥‥‥」

　既に、成美が完全に雌になっている事を確認した仙次郎‥‥‥
　愛撫を続けながら言葉で成美を褒めちぎっていく。

「‥‥‥‥‥‥ァァ‥‥‥‥‥ゎ‥‥‥‥わたし‥‥‥‥ァァ‥‥‥」

　仙次郎は、肉棒を動かし始めた。蜜が肉棒に絡みスムーズにピストンがされる。
　もはや、成美は、完全に仙次郎に征服されている状態だ。
　甘く囁かれる言葉と、間を入れない巧みな愛撫‥‥‥
　何よりも成美から視線を外さず心を擽られているような独特な雰囲気に成美は思考能力を失っていった。

「君の身体に入っていると、これ以上ない至福を感じるよ。」
「‥‥‥‥‥た‥‥‥‥‥高‥‥輪さん‥‥‥‥」
「‥‥‥‥感じるだろう‥‥‥‥‥いや、感じているはずだ。」
「‥‥‥ぅぅ‥‥‥‥」

　精を込める仙次郎‥‥‥‥

「‥‥‥‥‥‥ィ‥‥‥‥‥ィィ‥‥‥‥か‥‥‥感じる‥‥‥」

　仙次郎は、腰の動きを早めた。
　徐々に激しさを増していく‥‥‥
　成美の身体が、仙次郎の腰の動きで持ち上がっていった。
　仙次郎は、悦超した成美の瞳を見て両手で首に手を当てた。

「‥‥‥ググッ‥‥‥」

　ゆっくりと呼吸が出来る程度に成美の首を締めていく仙次郎‥‥‥‥
　顔が紅潮しコメカミに血管が浮き始めてくる。

「‥‥‥‥ゥゥ‥‥‥グゥゥ‥‥‥クッ‥‥‥‥ウァァァ‥‥‥」

　蜜壷が急激に締まってきた。口元からは唾液が流れている。
　荒い呼吸と激しく凹凸する腹部‥‥‥‥
　そして、遂に成美の目が開き顎を突き上げた。
　強く首を締める仙次郎‥‥‥

「成美‥‥‥‥二人で天に昇ろう。」

　ギリギリまで耐える成美‥‥‥‥

（‥‥‥‥！‥‥‥今か。）

　仙次郎は、慎重に観察しながらタイミングを計って手を離し強烈に肉棒を打ち付けた。

「ンァゥッ！‥‥イ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ！」

　絶叫して全身を痙攣させる成美‥‥‥
　白目を剥き激しく頭部を振っている。
　自由になった足が仙次郎の腰を絡めた。
　凄い力で仙次郎の腰を引きつけていく。

（こ‥‥‥こりゃ、千切れそうだぜ‥‥‥）

　仙次郎は、成美に倒れるようにして覆い被さると、ディープを施しながら分身を放出した。

「ンッハァァァァァァァァァァァァァァァー‥‥‥‥」

　狂ったように腰を上下させる成美‥‥‥
　仙次郎の息が詰まるほどの締め上げと、火傷でも負ったかのような苦汁の表情は、成美の持つ女性本能が蘇った瞬間だ。

「あ‥‥熱い‥‥‥熱いぃぃーっ‥‥‥ゥゥ‥‥き‥‥‥気持ち‥‥‥ィ‥‥‥ィィ」

　仙次郎は、成美を抱きしめながら気づかれないように笑みを見せた。

（‥‥‥‥‥ククッ‥‥‥意外と上手くいったな‥‥‥‥）

　仙次郎は、至極、満悦した表情で余韻を楽しんでいた。

☆☆☆☆☆

「参ったわ‥‥‥‥」

　疲れた表情で、スリムシガレットを咥えて細い煙を吐き出す成美‥‥‥

「一応、勝負あり‥‥ってとこかな。」

　シャツのボタンをはめクールに答える仙次郎‥‥‥‥
　ワインのボトルを取りそのまま、喉を潤すように流し込んでいく。
　その時、成美が、後から仙次郎の首に腕を回して締め付けてきた。

「グッ‥‥‥おい、おい‥‥‥苦しいぜ。」

　体を密着させ、仙次郎の耳たぶを噛んでくる。

「‥‥‥‥？」
「‥‥‥‥‥負けたわ。‥‥‥‥‥高輪さん‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥」

　首から腕を抜くと、今度は背中にしがみ付いてきた。

「‥‥‥‥今日が、最初で最後にする‥‥‥‥」
「え？」
「‥‥‥‥今度は、ベッドで‥‥‥‥‥‥普通に‥‥‥‥‥‥‥‥‥抱いて‥‥‥」

　振り向く仙次郎‥‥‥‥‥
　今まで全身から醸し出していた鋭い雰囲気と目表のような瞳は影を薄めていた。
　全く、極普通の一人の雌と化している。
　成美は、ごく普通の、一人の女性に変身していた‥‥‥‥‥‥

（‥‥‥‥‥‥‥）

　仙次郎は、ワインのボトルを持ったまま身体を成美に向けるとそのボトルの中のワインを成美のヒップの割れ目に沿わせながら中身を零していった。