３．危険な接点・・・

　コンコン・・・
「はい、どうぞ〜」
「お義父さん、ネットにいい情報が掲載されてましたよ！」
「そうか・・・でも、それって、すべて真実なのかな？ネットはねぇ・・・」
「あぁ、そうかぁ〜そうですね〜全部が本当だとは言えませんね〜」
「いやいや、杏子さん、ありがとう〜優しい心遣いが嬉しいよ〜ところで、ちょっと聞いてくれないかな？少し、書いてみたんだが・・・」
「えぇ、どうぞ〜」
（お義父さんたら・・・本当に生真面目ねぇ〜でも・・・素敵だわ〜）
『透は愛子をそっと抱き寄せ優しく口唇に触れた。愛子は徹の指先の動きに、自分を想う透の愛情を感じていた。頬を紅潮させ胸を高鳴らせる愛子の乳房にそっと手のひらをあて柔らかさを味わうようにゆっくり揉みはじめた・・・』
「杏子さん、どうだ？」
　杏子は目を閉じて聞いていた。
「えっ、はぁ〜、想像してしまいました・・・素敵な表現だと思います」
「今の若い人たちでも、不自然じゃないか？」
「性急な感じが多いですが、女性はこういう優しさに憧れると思いますよ」
「杏子さんも？」
「えぇ・・・」
「じゃあ、前戯のところを・・・」
　郁夫は満足げに続きを読み始めた。
『不安と期待感でドキドキしている愛子に、透は不安感だけ取り除こうと、いきなり秘部には触れず首筋から乳房への愛撫を繰り返し、愛子が次第に自分の愛撫する気持ちの中に包まれてくるのを待っていた。
　太股から足の指まで口に含み舌で優しく舐め、愛子の身体を反転させて、背骨にそって舌を這わせ柔らかく盛り上がった豊かな愛子のお尻を撫でた。
　愛子の息が荒くなるのを感じながら、透はお尻の穴まで舌で舐めた・・・』
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
　杏子は息を荒げてモゾモゾしていた。
「おい、杏子さん〜大丈夫か？顔が真っ赤になって・・・」
　杏子は自分が興奮して濡れているのを感じていた。
「あ、はぃ・・・本当にこんな風にするんですか？」
「これでも、表現は控えめにしたんだが・・・ふたりの思いやりや愛情を表現したいので、行為の表現は抑え気味に書いたのだが・・・変かな？ 身体で感じるのも、心が通じて昂らないと意味無いからね〜」
「とてもいいと思います・・・お義父さんも亡くなったお母さんに、こんな風に優しく愛してあげたんですか？」
「あぁ・・・もっと濃厚だったと思うけど・・・もう、亡くなって５年か・・・年齢的には一番成熟した時だった・・・死んだ女房も僕もいろいろな形で愛し合い、楽しんでいたんだけど・・・」
　郁夫の語る横顔に哀愁を感じた杏子だったが、同時に郁夫の愛撫に興味を感じていた。
「あのぉ〜いろんな形・・・ですか？」
「あぁ、今書いたのは、そのほんの一部で、前戯だけでも多くの楽しみ方があるからね・・・杏子さんは、まったく知らないんだね・・・可哀想に・・・もっと雄太に言って、そのグラマーな身体を満足させてもらいなさい」
　郁夫は杏子の身体に視線を遣り、ウィンクして微笑んだ。
「えっ？あぁ、お義父さんたら〜やっぱり見られちゃったんだ・・・ダメですよ〜雄太さんに話しちゃ〜」
「ハハハハ・・・いい思いをさせてもらった・・・見事な身体だ〜」
「ん〜もう〜イヤッ！」
「雄太に全身を隅々まで舐めてもらって・・・杏子さんも舐めてあげて・・・お互いの身体が快感に震え、それに同調して気持ちが燃え上がるように・・・」
「わたし・・・男のひとのモノ・・・舐めたことが無くて・・・」
　露骨なことを口にして、杏子は顔を熱くして慌てていた。
「お互いに舐めあうのは、常識だろ？新婚なのに何をしてるんだ・・・雄太も杏子さんのアソコを舐めて気持ち良くしてあげないのか？」
「えぇ・・・」
「ふぅ〜〜どうしようも無いなぁ〜君たち夫婦は・・・」
　杏子は恥ずかしくて俯いたまま身体を火照らせていた。
「お義父さん・・・変なことを聞いていいですか？」
「変なこと？」
「えぇ、45歳と言うと男盛り・・・欲求が強い時にお母さんを亡くして・・・平気なんですか？そのぉ〜アレはどうして処理するんですか？」
　顔を真っ赤にして訊く杏子を郁夫は可愛いと思った。
「そうか・・・いろいろ聞いているうちに、僕のことを思い遣ってくれたんだ・・・杏子さんは優しいんだな・・・その優しさを大切にしなさい・・・僕は・・・あっ、コレ・・・放っておくしかないな・・・相手がいないんだから・・・」
　郁夫はバスタオルの下で勃起している肉棒を指差し、苦笑いしていた。
「もぉ〜〜どうしたんですか？今日のお義父さん、変ですよ〜」
「あぁ、多分、あんな文章を書いたので・・・書きながら想像しちゃって・・・最近は、そんなことを考えることも無かったから・・・それに・・・今日は、素敵な若い女性のグラマーなヌードを見たしねぇ〜あんなに素敵な裸を見て興奮しない男はいないんじゃないかな？」
「・・・・・・わたし、本当に悪いことしちゃった・・・ごめんなさい・・・ズゥ〜と大きくなっていて、痛くないんですか？」
「痛いというか・・・出したいというか・・・生理的な不快感の塊だね」
「どうにかしないと・・・」
　杏子は郁夫の股間を見つめて心配そうな表情をしていた。
「杏子さん、君は心配しなくてもいいよ〜自分で何とかするから・・・」
「オナニー・・・ですか？・・・イヤッ！お義父さんのオナニーなんて・・・絶対にイヤッ！だって・・・虚し過ぎます！」
「おいおい、杏子さんがそんなに興奮してどうするんだい？ハハハ・・・女房が死んで５年・・・もう何回、自分で処理したか・・・」
　杏子は、益々、郁夫のことが気にかかって仕方なかった。
（まさか、わたしがどうにか出来ないし・・・出来たとしても・・・男の人のオチ××ンを慰める方法も知らないし・・・ハッ、わたしったら・・・）
　杏子は自分が何を考えているのかと、恥ずかしくなっていた。
「お義父さん、美味しいコーヒー淹れてあげましょうか？」
「そうだな・・・やっと、文章も書けてきたし・・・」
　杏子は書斎を出てキッチンに向かった。