６．危険な時間・・・

　杏子が郁夫にフェラを教わった夜、いつものように雄太は杏子を求めた。
　乳房を弄る雄太を制して、杏子は手を伸ばして雄太の肉棒を弄った。
「どうしたんだ、杏子・・・？」
「ねぇ〜いきなりするんじゃなくて・・・お互いのアソコを愛撫しない〜」
「いいよ〜でも、急にどうしたんだい？」
「実はネットを観ていたら、それで感じて快感を得た・・・なんて記事があって」
「へぇ〜〜僕も思っていたんだ、僕ばかりイッても杏子がイカないと・・・って」
「ホント！嬉しいわ〜〜じゃぁ、感じさせて〜」
　雄太は不慣れで経験不足だったが、懸命に杏子を感じさせようと頑張った。
　不器用な動きだったが、杏子の身体中を舐めたり撫でたりした。
（はぁ〜ぁ、ホント、不器用ね・・・）
　杏子は雄太を気遣って喘ぐふりをしたが、本当はイライラしていた。
　身体を入れ替え、雄太の肉棒を口に含んで舐めてあげ、雄太を悦ばせた。
「あぁ〜〜杏子・・・もう、ダメ・・・出ちゃうよ〜」
「ダメェ〜〜我慢してぇ〜まだ、入れてないんだから・・・」
　杏子は雄太の肉棒から口を放したが、その瞬間に雄太は射精してしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・杏子、ゴメン・・・あまりにも気持ち良くて・・・」
「うぅん・・・いいのよ〜次は、わたしをイカせてね〜」
「うん、頑張るよ〜」
　雄太は満足顔ですぐに寝てしまったが、杏子は悶々として夜を過ごした。
　翌日は土曜日で、雄太は一日中家の中にいた。
　外に出たのは煙草を買いに出た時ぐらいだった。
（あぁ〜〜ぁ、おかしくなっちゃいそう・・・明日も日曜日だし・・・）
　今の杏子には、雄太の存在は有難くなく、夜に期待するしかなかった。
　しかし土曜日の夜も日曜日の夜も、雄太が杏子を満足させることは出来ず、杏子の欲求不満は爆発寸前だった。
　土日を除く平日は、杏子はふたりの夫と新婚生活を送るような形だった。
　昼間は郁夫の濃厚なセックスに悦び、夜は雄太の若い勢いに期待していた。
（いつまで続くか分からないけど・・・晴天が続かない限り雨宿りしてるわ・・・）

　月曜日の朝、雄太を会社に出すと、主婦の仕事も放って郁夫の部屋に向かった。
　まだ寝ていた郁夫のベッドに潜りこみ、萎えている肉棒をしゃぶり始めた。
「うっ・・・杏子、どうしたんだ？そんなに焦って・・・」
「２日も郁夫さんに抱かれないなんて・・・もう、気が狂いそうだったわ〜」
　ムクムクと堅さを増してきた郁夫の肉棒を、吸い込むように咥え込み、舌を絡ませ音を立てて夢中でしゃぶった。
「土日で雄太が満足させなかったのか・・・若いのに・・・あっ、ふぅ〜〜ぅ・・・」
　覚えたてとは思えない杏子のフェラに郁夫は射精感を感じていた。
「ほら、慌てないで・・・時間はタップリあるんだから・・・こっちにおいで・・・」
　潜っていた杏子を抱えて胸に抱き、優しく髪から身体全体を撫でてやった。
　少しずつ落ち着いてきた杏子の口唇を指で擦り、キスをして抱きしめた。
「あぁ〜〜やっぱり、こうしているだけでも幸せ・・・精神的なものが伴わないと、肉体も感じないものなのね〜」
「そうだね・・・先ずは相手を思い遣る気持ちから、悦びが生まれるよね〜」
　若い脂ののった肌が汗で光り、郁夫の身体の上で思い切り悶えている。
　髪を振り乱し身体を仰け反らせ、腰を前後左右に激しく動かし声をあげる。
「そう、自分が感じやすいように腰の位置を動かし、刺激するんだ」
　郁夫は上下に弾む杏子の乳房を下から両手で持ち上げるように揉みながら、下から突き上げるように腰を突き出し、肉棒を杏子の淫壷の奥まで貫いた。
「あぅ・・・あっ、あっ、あふぅ〜っ・・・あぁ〜ぁ、あぁ〜ぁあぁわぁあああ〜」
　２日間、押し殺していた淫欲を爆発させ、郁夫の上で淫らに乱れた。
「さぁ、次は四つん這いになって！動物のように本能で感じて悶えるんだ」
　杏子は若い肉付きのいい肢体で郁夫を奮い立たせ、何度も求めた。
　体位を変えて変化を持たせる必要もないくらい、杏子は快感を貪った。
　郁夫は杏子に女の悦びを身体の隅々にまで染み込ませることにした。

　金曜日まで、昼間は時間の許す限り杏子に悦びを教えたが、さすがに毎日となると、50歳を過ぎた郁夫には辛いものがあった。
　それでも、杏子の身体が日増しに搾られて艶を出していくのを見ると、さらに美しく妖艶な姿態にしたいという思いで精力的に杏子を抱いていた。
　土日になると、急に杏子の機嫌が悪くなるのも、仕方がないと思っていた。
　３ヶ月も過ぎれば、雄太との夜のセックスも少しは充実してきていた。
　そうなると昼間の郁夫の負担も軽減され、余裕を持って抱けるようになった。
「最近は雄太とも上手く感じあっているようだね・・・」
「えぇ・・・郁夫さんのテクニックにはほど遠いのですが、若いから・・・」
「いいねぇ〜〜若いってことは・・・それだけで大きな財産だね」
「あっ、ごめんなさい・・・別に郁夫さんに不満が・・・」
「いいんだよ〜僕の方は雨宿り・・・１対２の夫婦関係だから・・・そろそろ晴天続きになって、雨宿りも終わり、１対１の夫婦に戻るのかな？」
「そんな・・・イヤッ！そんなこと言っちゃぁ、イヤ〜ッ！」
「しかし、綺麗になったね・・・グラマーな身体に磨きがかかって・・・素敵だよ」
「ウフッ・・・嬉しいわ・・・これも、郁夫さんのおかげ・・・」

　前戯も愛撫も体位も、あらゆることを教えた郁夫は満足していた。
　郁夫もこれで一安心と、ホッと胸を撫で下ろしていたが、杏子の淫欲は覚えるたびに益々増幅していた。
　土日に雄太が家にいても、書斎の鍵をかけて求めてきたりしていた。
　ある日、郁夫が出版社に打合せに出掛けた時、杏子は郁夫が終わるのを待ち、出版社から出てきた郁夫を見つけると駆け寄ってきて腕組みをしてきた。
「ダメだろ！こんな街中で〜場所を考えないと・・・」
「グスッ・・・ごめんなさい・・・でも、１分でも早く逢いたくて・・・」
「仕方がないなぁ〜それじゃあ、そこの裏のホテルで・・・先に入って〜」
　危ない逢瀬をすることもあり、郁夫は心配だった。
（このままだと、どうなるのか・・・あまりにも快感を与えすぎたか・・・）

　郁夫の心配が現実となったのは、それからすぐのことだった。
　雄太が出張で１週間家を空けた時だった。
　郁夫が所用で朝から出かけ夕方帰ってきた時、家の中に杏子の声が響いていた。
　絶頂に達した時のいつもの悲鳴に近い声だった。
　郁夫は気づかれないように声のする浴室を覗くと、宅急便の配達人らしき男と淫らなに絡み合っていた。
　性器だけを剥き出しにしてバックから挿入されて悦びに浸っていたのだ。
「馬鹿者！！何をしてるんだ！」
　郁夫の声に驚いたふたりは、すぐに離れ身支度を整えた。
「す、すみません！奥さんに誘われて・・・」
「問答無用！会社に連絡をして処分してやる！早く帰れ〜！！」
　男はバタバタと転がるようにして家を飛び出した。
　後に残った杏子は全裸のままで、座り込んでいた。
「どうして、こんなことを・・・」
「だって・・・雨宿りするにも相手がいなくて・・・昨日から雄太さんはいないし、郁夫さんも朝からいないし・・・わたし、ひとりで・・・淋しかった・・・わぁ〜〜」
　杏子は子供のように泣き出した。
「分かった、分かった・・・頼むから、２度としないでくれ〜」
　そう言って裸の杏子を抱きしめる郁夫だった。