（１５）

　昨日の任務を終了した裕二と亜美は、シティホテルの一室で淫宴を繰り広げていた。

　亜美が裕二の腰に足を絡めている。
　首を激しく振りながら裕二に、しがみつく亜美‥‥‥‥‥

「‥‥‥ウァァァーー‥‥‥‥‥ァァ‥‥‥イィ‥‥‥ゆ、裕二さん‥‥‥‥」

　裕二は、結合したまま、亜美を抱き起こし舌を絡ませた。
　亜美の乳房が胸に当たる心地良さに、裕二も更に下半身に力が入る。

「‥‥ゆ、ゆ‥‥‥‥ぁぁ‥‥ゆ、裕二さん‥‥‥‥わ、わた‥‥‥し‥‥」
「‥‥‥ク‥‥‥亜美‥‥‥あまり締めるなょ‥‥‥‥」
「‥‥‥ァン‥‥‥だって‥‥‥ァァ‥‥ゥ‥‥‥ゥゥー‥‥‥」

　我慢できなくなった裕二は、結合を解くと亜美をうつ伏せにして背部を舌で愛撫し始めた。

「‥‥ぁぁ‥‥‥裕二さん‥‥‥ァゥゥ‥‥か、感じちゃうぅぅー‥‥‥」

　裕二は、背中の愛撫をやめ、亜美の背後から覆い被さった。
　首筋に舌を這わしながら腰を指で撫でていく‥‥‥‥‥
　亜美の蜜壷からは止めどなく透明な液体が流れ出ていた。

「亜美‥‥‥‥」

　亜美は、仰向けになって裕二と向き合った。
　再度、激しく接吻を繰り返す二人‥‥‥‥

「‥‥‥‥‥？」
「亜美‥‥‥今、隣りで叫び声が聞こえなかったか？」
「うん、聞こえた。」

　気になった裕二が壁に耳を付けると女の喘ぎ声が微かに聞こえる。

「ん？‥‥‥な、何だ。隣りもあの最中か。」

　裕二の言葉に亜美もベッド伝いに壁に耳を当てた。

「本当だわ、聞こえる。‥‥‥かなり激しいわね。」
「‥‥‥よし、俺も負けとれんな。」

　そう言うと裕二は亜美を打つ伏せに倒し腰を高く持ち上げた。

「‥‥アン‥‥‥裕二さん‥‥‥丸見えで恥かしいわ‥‥‥」
「‥‥‥‥‥亜美‥‥‥俺は、もう我慢できないぜ。」

　そういうと裕二は亜美の蜜壷をめがけて肉棒を侵入していった。

「‥‥‥ゥゥ‥‥ァァァ‥‥」

　裕二の動かす腰のスピードが徐々に速くなっていく。
　亜美も自ら腰を打ちつけ、裕二とリズムを合わせていった。

「‥‥ゥグッ‥‥‥ウゥゥー‥‥‥ぁぁぁぁー‥‥‥イ、イィィーッ‥‥」
「亜美‥‥‥‥ウッ‥‥‥‥さ、最高だ‥‥‥」

　激しく叩きつける乾いた音が部屋中に鳴り響く‥‥‥‥
　亜美の身体がピンク色に染まり小刻みに痙攣が始まった。

「‥‥‥ぁ‥‥‥イ‥‥‥イヤ‥‥ァァァ‥‥‥‥ゥゥゥゥゥー‥‥‥‥‥ィ‥‥‥ィィィ‥‥‥‥ィ‥‥‥ァァ‥‥イクゥゥゥゥゥー‥‥‥ッ‥‥」
「亜美‥‥‥っ‥‥‥」
「ウアァァァァァァァァァー‥‥‥イヤァァァァァァァー‥‥‥ッ‥‥‥」

　ついに亜美は、裕二の攻撃にクライマックスを向かえ絶叫しながら果てた。
　裕二もベッドに倒れこんだ亜美の臀部に爆弾を放出する‥‥‥

「‥‥‥‥ぁ‥‥‥亜美‥‥‥」
「‥‥‥ゆ‥‥‥‥裕二‥‥さ‥‥ん‥‥‥‥‥‥」

　裕二と亜美は、互いに抱き合って舌を絡めていく。
　いつまでも続くフレンチキスに亜美の鼓動も激しさが収まらないでいた‥‥‥‥

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「おい、隣りの部屋も凄い声でいったみたいだぞ。」
「そうみたいね。かなり激しかったんじゃないの。」

　シックスナインの形で男女が、愛撫をしながら会話をしていた。

　女性が、肉棒から口を離すと仰向けになった男に跨りゆっくりと腰を落としていく。

「うぅ‥‥洋子‥‥‥」
「ぁぁ‥‥‥洋さん‥‥‥突き上げてぇ‥‥‥」

　隣りの部屋は、なんと、鏑木と洋子がプレーを楽しんでいたのだ。
　先程、仕事帰りに４人で食事をした後、別々の方向に帰ったはずなのだが、偶然にも、このホテルで、それも隣同士の部屋をとってしまったようだ。

　洋子が、鏑木の腰の上で、じゃじゃ馬のごとく激しく腰を振り続けている。
　鏑木も洋子の乳房を下から鷲掴みにし揺さぶっていた。

「‥‥‥アァァァー‥‥‥‥洋さん‥‥‥‥ウゥ‥‥いぃぃー‥‥」

　鏑木は、上に乗る洋子のペースに嵌りそうだった。
　とても自由が利かない、この体位ではコントロールが難しいと考えた鏑木は、洋子を押し倒した。

「‥‥い、いや‥‥洋さん‥‥は、早く、早く頂戴ぃぃー‥‥」

　鏑木が、洋子の両足を握り大きく左右に広げると怒張した肉棒を洋子の濡れそぼった蜜壷を目掛け一気に打ち込んだ。

「ウグゥゥゥ‥‥‥‥‥‥アァァァァァァー‥‥‥イィィィィー‥‥‥」
「‥‥‥洋子っ‥‥‥」
「‥‥ァァ‥‥‥ひ、洋さ‥‥ん‥‥‥こ、壊れ‥‥る‥‥‥ォ‥‥‥オ○ン‥‥コ‥‥‥あぁ‥‥壊れるぅぅぅー‥‥‥」

　それでも鏑木は攻撃をゆるめない。
　更に洋子の足を胸まで上げると、真上から、まるで杭を刺すように肉棒を打ち突けていった。

「‥‥‥も、‥‥‥‥も‥‥ぅ‥‥‥‥だ、‥‥駄目‥‥‥ひ、洋‥‥‥ぁ‥‥‥‥ぁ‥‥ぁぁ‥‥‥あぅぅぅ‥‥い‥‥い‥‥いっくぅぅぅぅぅぅぅぅぅー‥‥」
「‥‥よ、洋子っ‥‥」

　鏑木も爆発寸前で洋子の蜜壷から肉棒を引き抜き下腹部に爆弾を発射した。

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「おい、亜美‥‥‥また聞こえたぞ。」
「ええ、お隣さん、相当、激しいわね。」

　香坂は、ベッドから起きると亜美の手をとりシャワーを誘った。

「さ、隣の事はいいから、一緒にシャワー浴びようぜ。」
「ええ。」

　亜美は、裕二に抱きつきながら浴室に向かった。

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「洋子‥‥‥もうシャワー浴びようぜ。」
「‥‥‥‥ンンッ‥‥‥ングッ‥‥‥‥」

　洋子は、出し終わったばかりの鏑木の肉棒を咥えながら首を横に振った。
　鏑木も、そう言いながら洋子の乳首を指で弄んでいる。
　口から肉棒を離した洋子が呟いた。

「ね、洋さん、３回戦いける？」
「‥‥‥おい、俺を壊す気か‥‥‥」

　口を尖らして拗ねる洋子を引き寄せる鏑木‥‥‥
　洋子が鏑木の膝に乗ってくると洋子の両頬を優しく触り唇を合わせた。

「よし、じゃ、今日は俺のマンションに泊まっていけ。」
「本当？」
「ああ。」
「やったぁー！」
「しかし、最初から俺のマンションに行けばよかったんだよ。無理に、こんな隣の声が聞こえるようなホテル入らなくても。」
「だって、我慢できなかったんですもの。」
「ったく‥‥‥お前は‥‥‥」
「でも、洋さんも隣りの女性の声を聞いて燃えたでしょ？」
「‥‥‥ま、確かにそれもあるがな。」

　鏑木と洋子は、大笑いしながらシャワーを浴びに浴室に向かった。

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「さて、亜美、出ようか？」
「ええ。」

「おい、いくぞ、洋子っ。」
「うん。」

　ほぼ、同時に部屋を出た亜美と洋子が、ドアをあけた。
　瞬間、視界に映った人影を確認し、互いに見合う亜美と洋子‥‥‥

　二人は、一瞬、キョトンとした後、同時に声を上げた‥‥‥

「えぇーっ‥‥‥係長だったんですかぁー。」
「な、何よ、亜美だったのぉーっ？」

　二人は、驚きながらも廊下の真ん中で遠慮なく大声で喋っている。

「隣りの女性、凄い声ねって洋さんと話してたのよーっ。」
「何言ってるんですか、係長っ。裕二さんと私も、凄い激しいカップルだなって言ってたんですよ。」
「やだぁー、恥かしいわぁ。でも、亜美の声を聞いて洋さんも燃えてたのよ。」
「そうそう、裕二さんも、俺も負けとれんっ、とか言って激しくってぇー。」

　遠慮なく喋りあう二人の後ろで、眩暈を覚えながらふらつく裕二と鏑木‥‥‥
　二人の顔は、恥かしさを通り越してショック滅裂な表情だった。

「‥‥‥‥洋子、お前ら、恥かしいから会話を止めろ。」
「亜美、ちょっとはテンション落とせよ。」
「は、はい。」　「ごめんなさい。」

　結局４人は、再度、夕方の食事の続きを鏑木のマンションで再開することにした。
　洋子と亜美は、談笑しながらキッチンで軽いつまみを作っていた。
　裕二と鏑木も、酒を飲みながら二人に聞こえないように会話をしている。

「おい、香坂、絶ぇーーっ対に、今夜の事は内緒だぞ。」
「か、鏑木さんこそ、黙っててくださいよ。」

　二人は、苦笑いをしながら酒を口に運んだ。

「‥‥‥しかし、クールなお前と亜美君がなー‥‥‥」
「俺こそ、なまじ洋子を知ってるだけに鏑木さんみたいな色男が‥‥‥」
「おい、おい、洋子は、いい女だぜ‥‥‥」
「す、すいません。決して変な意味では‥‥‥」

　鏑木は、笑いながら酒を一気に飲み干すと今度は、真顔になって香坂に本音を吐いた。

「でもな香坂、俺は、そんな洋子が好きなんだよ。」
「‥‥‥‥‥鏑木さん‥‥‥‥」
「確かに、無茶でやんちゃだし仕事でも突っ走る所もある。エッチが大好きで、女だてらに、格闘技を趣味に持つ変わった女だが、でも、とことん俺に尽くしてくれている。　ああ見えても一途で素直な性格なのさ。俺に一番合ってるんだ。それに‥‥美人だろう。あはは‥‥俺は、洋子が大好きなんだ。」

　真剣に話す鏑木に香坂も心を打たれた‥‥‥‥

「‥‥か、鏑木さん‥‥‥‥」
「おい、‥‥‥‥そういう、お前はどうなんだ？」
「も、もちろん、好きですし愛してますよ。」

　そういいながら香坂は、鏑木に酒を注いだ。
　注いでくれた酒を鏑木は今度はゆっくりと口につけると話の続きを喋った。

「香坂‥‥俺はな、今度、いや、近いうちに洋子に、プロポーズしようと思ってるんだ。」
「え？　‥‥‥‥そ、‥‥そうなんですかっ‥‥」
「ああ。あいつ、ああ見えても、俺に結婚してくれなんて恥かしくて言えない性格なんだよ。意外とな‥‥‥‥。」

　裕二も鏑木の言っている意味がよく理解できた。
　洋子の性格上、自分から切り出せるタイプではない。
　いつまでも我慢して待っているに違いないと思ったのだ。

「鏑木さん、俺も嬉しいっす。洋子が聞いたら泣いて喜びますよ。」
「ははっ、‥‥‥‥‥‥ああ、‥‥‥‥そうだな‥‥‥そうかもな。」

　そう言って鏑木の甘いマスクが笑顔で崩れた。
　何度も酒を注ぎ足す香坂に鏑木も怒りながら注ぎ返すしている‥‥‥

「この、色男っ！」
「くぉらぁー‥‥‥‥香坂、お前も飲まんかいっ！」

　その時、キッチンの奥では、二人の会話を聞いていた洋子が、掌で瞼を抑えながら、しゃがみ込んで泣いていた。
　亜美が、洋子の肩に手を置いて一緒に涙している。

「補佐ったら‥‥‥私達には声が大きいって言っておきながら丸聞こえじゃないの‥‥‥‥‥‥‥‥ねぇ、‥‥‥係長‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

　涙声で喋る亜美に何度も頷く洋子‥‥‥
　洋子の泣いている姿を始めて見た亜美は、言葉がなかなかでないでいた。

「‥‥‥ゥゥ‥‥‥ウゥゥゥゥ‥‥‥‥」
「‥‥‥か‥‥‥係長、‥‥‥‥よかったですね。‥‥‥‥‥私も嬉しいです。」
「‥‥ウン‥‥‥ウン‥‥‥‥‥」

　男並に頑強で、いつも弱音を吐かずに頑張るセンター女性陣の憧れである洋子が、鏑木の愛の本音を聞いて声を押し絞って泣いていた‥‥‥‥
　亜美は、そんな洋子の女らしい一面を垣間見た気がしたのだ。

（‥‥‥か、係長‥‥‥‥私‥‥‥‥私‥‥　そんな係長が‥‥‥‥‥‥大好きです。）

「おぉーーい、洋子ぉー、つまみは、まだかぁーっ。」

　洋子が、鏑木の呼び声に涙を拭って立ち上がった。

「は、はぁーい。‥‥‥‥い、‥‥いま持っていくわ‥‥‥」

　亜美もハンカチで目を抑えた後、洋子と顔を見合わせて笑顔をつくる‥‥‥
　洋子と亜美が、小皿に分けた何種類かのつまみを盆に乗せて居間に向かった。

「お待たせーっ。」
「おっ、凄いな。」
「ほぉー、美味そうじゃないか。」

　鏑木と香坂が、早速、箸をつける‥‥‥

「んー、こりゃいけるっ！」
「ん、確かに‥‥‥マジ美味いよーっ、これ。」

　洋子と亜美は、嬉しそうに二人を見て笑っていた。

　洋子が、鏑木の横に座り酒を注いで話をしはじめた。
　それを見た亜美が、裕二を横から突付いた。何やら小声で囁いている。

<ん？‥‥‥んむ、なにぃ‥‥‥そ‥‥‥そうなのか？>
<うん。‥‥だから‥‥‥ね、裕二さん。>
<‥‥‥‥んー‥‥‥よし、わかった。>

　裕二は亜美から聞いた説明に納得した。

「おい洋子、ちょっと聞け！」

　裕二の声に、洋子が鏑木との会話をやめて振り向いた。

「な、なぁに？　裕二君‥‥‥」

　裕二は、一回、大きく深呼吸をすると静かに、そして慎重に言葉を選んで話し始めた。

「今から、鏑木さんが、お前に大事な話がある。」
「‥‥え‥‥‥‥な‥‥‥何を‥‥」

　鏑木が、裕二を驚いたような目で見てつめた。

（‥‥‥こ、‥‥‥‥香坂‥‥‥）

　裕二は、鏑木にゆっくり頷く。

「‥‥‥‥鏑木さん、俺と亜美が、お二人の見届け人です。」
「‥‥は？‥‥‥な、何言ってるんだ‥‥‥‥‥」
「さっき俺に話してくれたことを今から実行してください。」
「な、‥‥‥なに？」

　亜美も鏑木に嗾けた。

「補佐、‥‥‥‥私、さっき裕二さんと補佐が、話していた会話を係長とキッチンで聞いていたんです。係長‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥泣いていました。」
「あ‥‥‥亜美‥‥‥アンタ‥‥‥」

　鏑木が洋子を見た。
　洋子は、下に俯いて身体を緊張させていく‥‥‥‥

　鏑木は、しばし無言になった‥‥‥‥

　そして裕二と亜美を見ると納得したように静かに頷いた。

　鏑木は、洋子の両肩を掴み自分に向かせると真剣な顔つきになっていた‥‥‥‥‥
　洋子が一層、身体を固くさせ緊張していく。

「洋子‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥」

　洋子は俯いたままだった。

「洋子っ！」

　鏑木の大きな声にゆっくりと顔をあげていく洋子‥‥‥‥‥

「洋子‥‥‥‥俺は‥‥‥」
「‥‥‥‥ひ、洋‥‥‥さん‥‥」
「ずっと‥‥‥‥ずっと俺の‥‥‥俺の傍に‥‥‥‥お前を‥‥‥」
「‥‥‥‥」

　鏑木の言葉に亜美の目にも涙が溜まっていく‥‥‥
　裕二も亜美の手を強く握り締めた。

「俺は、俺は‥‥お前が好きだ。大好きだ！‥‥‥‥俺と結婚しよう。」

　鏑木の言葉に、洋子の瞳からは大粒の涙が零れはじめた‥‥‥
　先ほどと違い、洋子は、もう涙が止まらない。
　洋子は、無意識に鏑木に抱きついた。
　鏑木が声を出して泣いている洋子を受け止めると後ろに倒れこんだ。

　‥‥‥そして‥‥‥そして、強く洋子を抱きしめた。

「おぉぉぉぉぉーっ、鏑木さんっ、ちゃんと聞きましたーっ！」
「係長ぉーっ、おめでとうございます。」

　裕二と亜美は立ち上がると、倒れた二人に自然と覆い被さっていった。

（こ‥‥‥‥香坂っ‥‥‥お前‥‥粋な真似しやがって‥‥）

（亜美‥‥‥‥‥ありがとう‥‥‥ありがとう‥‥‥）