（３３）

「んーっ・・・・・ん？・・・亜美、今、何時だ？」

　差し込む陽に裕二が目を覚ました。

「・・・えぇっ？・・・・・・・・・・・まだ、６時よ。」
「そうか・・・・・・・目が覚めちまったな・・・」

　亜美が裕二の胸に手を当てて寄り添った。
　他愛もない話をしながら数分が過ぎる・・・・・

「さて、起きるか。」

　裕二は、ベッドから降りてカーテンを開けた。
　亜美もゆっくり起き上がると大きく背伸びをしベッドから降りる。

「昨夜は、頑張りすぎて腹減っちまったな。・・・・亜美・・・」
「はいはい。・・・・待ってて、今、ご飯作るから。」
「すまんな。」

　昨夜、裕二と亜美は、休み絶え間なく愛性を交わし合っていたのだ。
　何も身につけていない亜美は、クローゼットから紫のセクシーなショーツを取り出して穿こうとしていた・・・
　何気に裕二が亜美の姿を見て妙に落ち着きがなくなってくる。

（んー・・・また、やりたくなってきた。）

　裕二は、からかうつもりで亜美に近づくと、後ろから亜美を抱きしめた。

「アン・・裕二さん、駄目よ。」

　そう言いながらも亜美も裕二の手を退けようとはしない。

（おっ、・・・・・いいかも・・）

　裕二は、後ろから亜美の下腹部に手を回しショーツの横から指を侵入させた。

「・・・ァァァ・・・裕二さん・・・駄目ってば・・・」

　しかし、裕二の指は抵抗なく亜美の蜜壷に吸い込まれていく。

「・・・アン・・・アァァァァー・・・」
「・・・亜美・・・凄い濡れてるぜ・・・」
「嫌っ、言わないで・・・・」

　裕二のもう片方の手が亜美の乳房を優しくタッチしている。
　亜美は、裕二の責めに腰を振り出した。
　突き出した亜美のヒップが裕二の股間に当たる。

「・・・アァ・・裕二さん・・・元気ぃーっ・・・」

　亜美は、そう言うと振り向きざま膝を床について、裕二の怒張した肉棒を頬張った。

「・・・ク・・・亜美・・・・・・ちょいヤバイかも・・・」
「ンーッ・・ンググッ・・・」

　亜美が裕二の肉棒を咥えたまま頭を振る・・・
　裕二は、亜美から身体を離すと亜美を立たせて壁に手を付かせた。
　ショーツを横にずらして濡れそぼった蜜壷に肉棒を当てる。

　亜美が、後ろを振り向き裕二を艶淫な目で見つめた・・・・
　裕二は、亜美の唾液で湿っている肉棒を一気に挿し込んだ。

「ウァァァァァァァァァァー・・・・・・ゆ・・・裕二さん・・・・ァァ・・・」

　亜美の膝が力を失い崩れそうになるが、裕二が亜美の腰を持ち上げ体勢を保持し続ける。

「・・・ゥゥ・・ゥゥァァー・・・」

　裕二が亜美の身体を正面に向き変えた。
　亜美は裕二の首にしがみ付き足を腰に回していく・・・・
　裕二は、亜美の両足を抱え込んで背中を壁に押し付けると、真下から強烈に突き上げていった。

「ウッ・・ウッ・・ウッ・・アッ、ゥゥゥゥゥゥゥー・・・・」

　その体勢で、しばらく続けていた裕二が声を漏らす。

「・・・あ、亜美・・・・げ、限界かも・・・・」

　裕二が、そう言った瞬間・・・・・

「ィ、イヤッ・・ィ・・ィ・・・イクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥー・・・・」

　亜美が、きつく眼を閉じて絶叫した。
　全身から力が抜けグッタリと壁に背をついた。
　裕二が亜美を静かに床に下ろすと亜美は裕二の足にしがみ付きながら薄っすらと目を開け呟いた・・・

「・・ゅ・・裕二・・さん・・・頂戴っ・・・」

　そう言って裕二の濡れた肉棒に口をつける亜美・・・・
　裕二の我慢が亜美の口の中で大爆発をした。

「ッ・・・ウッ・・亜美っ・・・」
「・・・ンッ・・・・ンー・・・・ッ・・」

　亜美は裕二の分身をゆっくりと喉に流していった。
　裕二が壁に手を付き息を吐く・・・・

「・・・ふぅー、亜美・・・・最高すぎるぜ・・・・・」

　裕二の肉棒から口を離し亜美が見上げると笑みを浮かべながら口走った。

「裕二さんもよ・・・・私・・・自分の淫らさが怖い・・かも・・・」
「しかし、お互い早かったな。」
「フフッ・・そうね。」

　裕二は、亜美の手を引っ張り立ち上がらせた。

「やだ、ショーツが濡れちゃったわ・・着替えなきゃ。」

　亜美は、再度、下着を替えにクローゼットに歩く・・・

　亜美が、真っ白なハーフターンのショーツを取り出した。
　穿き替えている所を眺める裕二・・・・
　亜美の艶やかなヒップラインと、すらっと伸びた脚を見て裕二の股間に復調が見えた。
　僅かに屈む亜美の後姿から亀裂に添った蜜壷が見え隠れする。

（・・ゥ・・・ククッ・・・が、我慢、我慢だ・・・裕二・・・・）

　裕二は、諦めを決断するかのように、ズボンのベルトをきつく締め直した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−　１０日後　−

「じゃ、亜美、行ってくるからな。」
「いよいよ、今夜ね。」
「ああ、上手くいくといいがな。」

　裕二は、連日、美貢と会って、ごく普通に会話が出来る様にまでなっていた。
　美貢も、裕二に対し安心して任せられる心の準備が整ったようだ。
　裕二は、亜美に説明し、今夜、遂に美貢と身体の関係を持つと伝えていたのだ。

「うん、私の言ったとおりにしてみてね。」
「ああ。」

　裕二は、亜美が数日掛けて調べておいてくれた方法を試してみる事にした。
　亜美の案は、二つあり、一つはリアル再現法として、犯されたときの状態を美貢自身に事細かく説明させ、当時を復考させた後、二次元リアリティで裕二という男を認識させると共に美貢が持つ男性恐怖症を取り除いていくる方法である。
　しかし、その直後のリハビリは、裕二自身の手腕と人間性に掛かっていた。

　もう一つは、荒療法として強制的に何度も性交を繰り返し感慣させる方法である。
　裕二は、二次元リアリティを選ぶ事にした。
　さすがに荒療法といっても性交に慣れるまで、毎日、美貢を抱くのは身心的にも疲れてしまい業務に支障をきたしてしまうだろう。
　何より、亜美との本当の愛交に影響してしまうからだ。

「裕二さん、朗報を待ってるわ。」
「ああ、そうありたいがな。」

　裕二は、センターの地下駐車場まで送ってくれた亜美に手を振り車を発進させた。

（ふぅ・・緊張するな。美貢さんが、どういう反応を示すかだ・・・）

　裕二は、あれこれと考えながら美貢の待つセントラルホテルに向かった。
　ホテルの地下駐車場に車を止めた裕二は、エレベーターに乗って１階のフロアーに上がる。
　既に、フロント横のロビーに設置されたソファで美貢は待っていた。

「やあ、お待たせ。」
「私も今来た所なんです。」
「そうか。・・・じゃ、行こうか？」
「ええ。」

　確実に美貢は、初対面の時と比較して明るい状態になっている。
　１０日間、亜美のアドバイスで、美貢に対し精神的な心のリハビリと治療の根拠、そして男女性交の必要さを説明してきた甲斐があったのだろう。
　そして今日、裕二が美貢を抱く事は、昨夜のうちに美貢本人にも告げてあった。

　裕二は、美貢の肩に手を添え、再度エレベータに乗り込んだ。
　美貢も裕二を信じているのであろう、身体に固さは感じられない。
　二人は、最上階のレストランでボーイの案内により予約しておいた席に座った。

「香坂さん、私、フランス料理なんて始めてだわ。」
「そうか。ま、俺もそんなに食べた事はないけどね。」

　メニューを持ってボーイがテーブルに近づいた。

「俺に任せてもらっていいかい？」
「ええ。」

　裕二は、前菜とスープを先に選ぶとメインディッシュとして牛フィレ肉のボルドソースを注文した。

「ワインはどういたしましょう。」
「シャトービュイグローを・・」
「はい。」
「・・・・・香坂さん・・・・」

　ボーイが席を離れたのを確認し美貢が話し掛けてきた。

「ん、なんだい？」
「私・・・昨日、何度も思ったの。」
「・・・何を？」
「もし、もし、治らなくても、ここまで香坂さんが、私のために必死で努力してくれた事を絶対に忘れないって。だって普通こんなにも・・」
「美貢さん、その考えがいけないんだ。俺の事はいいのさ。君自身が、絶対に治ろうという気持ちを捨てない事だ。」
「・・・・香坂さん、ありがとう・・・」
「いや、それより昨日も話したが、ちょっと今夜は辛いかもしれない。しかし、君を治す第一段階と考えている。耐えるよう頑張ってくれ。」
「ええ、わかりました。」

　裕二は、美貢にワインを注ぎながら笑顔を見せた。
　普通の会話をしながら料理を堪能し美貢を極力リラックス状態に持っていった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「美味しかったわ。」

　デザートを食べ終わりコーヒーを啜りながら美貢が満足そうに裕二にこたえる。

「ああ、確かに美味かった。俺も普段はこんな料理食べないからね。」
「いつもは自炊なんですか？」
「今は、彼女が作ってくれてるけど、それまでは、自分で作っていたよ。」
「・・・そう・・」
「・・・・・・君も早く料理を作ってあげるような人を見つけないとな。」

　美貢は裕二の言葉に、ゆっくりと頷く。

「まずは、正常な状態に戻ることが先決だ。」
「香坂さん・・・・・私、頑張ります。」
「さ、行こうか。」

　裕二は、部屋番号をサインし美貢と予約してある部屋に向かった。
　セカンドスウィートの部屋は、綺麗に装飾され優雅さを感じさせる落ち着いた雰囲気だった。
　部屋に入った二人は、ツインチェアのテーブルに座って軽い会話を始める。

「素敵・・私もこういう部屋をコーディネートしてみたいわ。」
「そうか、君は、元々、ルームコーディネートの仕事をしていたんだ。」
「もう一度・・・もう一度・・・・・戻ってみせる・・・・・・全て昔のように。」

　裕二は、頃合と判断し、美貢に入浴を促した。
　美貢は、裕二の勧めに頷きバスルームに足を運んでいった。

（３４）

　裕二は、美貢がバスルームに消えるのを確認すると、手帳を取り出し、再度、亜美の考えてくれた案を確認した。

（・・・・・よしっ、まずはやってみないとな。）

　裕二は、自分自身もリラックスし集中するためにベッドボードにあるミュージックボックスのスイッチを入れ音楽を流した。
　カーテンを開け夜景に目を移す。

　音楽に耳を傾けながら２本目の煙草を吸い終わった時に、美貢が、ガウンを羽織ってバスルームから出て来た。

「・・・・・香坂さん・・」
「お、出たかい。ゆっくりしてなよ。俺もシャワーを浴びてくるから。」
「ええ。」

　裕二は、上着を脱いでクローゼットに掛けると美貢に笑みを見せてバスルームに向かった。

　美貢は、ベッドに座って窓越しに外の夜景を眺める。
　静かなハーブメロディが部屋を包み、美貢の心にも浸透していく。
　しかし・・・・・

（今から香坂さんに・・・・・・・）

　美貢は、急に胸の鼓動が早くなっていくのを感じた。
　また、自分でなくなってしまうのではという恐怖心が湧いてくる。
　必死で落ち着きを取り戻そうと美貢は焦り始めた。

　しばらくしてバスルームから出てきた裕二が美貢を見た・・・・

（・・ん？・・・・さっきと様子が違うな・・・・・チッ・・・）

　裕二を不安そうに見つめる美貢・・・・

「香坂さん・・・・わ、私・・・・やっぱり・・・」
「美貢さん、大丈夫だ。」

　裕二は、そう言うと美貢が座るベッドの横に腰掛けた。
　美貢は、両手を強く握り合わせて俯いている・・・・
　裕二は、そっと美貢の肩に手を掛けて引き寄せた。
　身体を震わせながらも裕二に身を預ける美貢・・・

　裕二は、美貢の羽織るガウンをゆっくりと脱がし始めた。
　じっと、されるがままになっている美貢は、明らかに身体が強張っている。
　シーツを剥がして美貢を仰向けにさせる裕二・・・
　美貢は両手で顔全体を覆って微かに震えを見せていた。

（・・・・・んー・・・もうちょいリラックスさせんと・・・）

　裕二は美貢の隣りに並んで身体を密着させると、静かに覆っている手を下ろさせ視線を合わせた。
　美貢の瞼が震え出す。
　裕二は、美貢が激変するのを覚悟で唇を合わせていった。
　しかし、美貢に変化は現れない。
　裕二は、眼をあけたまま美貢を確認していた。

「美貢さん、・・・・何ともないかい。」
「・・・・え、ええ。」

　裕二は、この１０日間のリハビリが無駄でない事に胸を撫で下ろした。
　しかし、まだ初段階である。
　今から、美貢に辛い思いをさせなくてはならない。
　裕二は、気を取り直して、いよいよ亜美が推した事を実行に移していった。

「美貢さん、今から俺の言うとおりの事をしてくれ。」
「・・・・・？・・・・は・・・はい。」

　裕二は、美貢を優しく抱きながら諭すように喋り始めた。

「君が大塚に会いに行き、そして犯されて家に帰るまでの状況を全て、事細かく話してくれ。出来れば二人の交わした会話もだ。」

　美貢は、裕二を凝視した。
　裕二は、優しく美貢を見つめ直す。

「・・・・・わかったわ。」

　一瞬、目を瞑り、手を胸に乗せたあと、美貢は静かに話し始めた。

　美貢は、小雨の降る中、傘もささずに小走りに路地を走っていた。
　白いブラウスが雨で透け下着が浮き出ている。
　美貢は、大塚の住むマンションに着くと玄関のチャイムを鳴らし更に何度もドアをノックしていた。

＜誰だ？＞

ドアの向こうで面倒臭そうな声が聞こえた。

＜・・・・・私、篠塚章一の妹です。＞
＜篠塚？＞

　玄関のドアが開き、ジーンズ姿で上半身裸の大塚が顔を覗かせた。

＜章一の妹が、俺に何のようだ。＞

　美貢は、大塚の脅すような言葉に屈っすることなく堂々と声を張り上げた。

＜あんたのせいで、お兄ちゃんが会社をクビになったわ。責任を取って下さい。＞
＜クビ？・・責任だと。何を寝ぼけたこと言ってんだ、お前はよぉ。＞
＜貴方が、お兄ちゃんを騙して会社の人たちからお金を巻き上げたんじゃないですか。＞
＜人聞きの悪いこと言うんじゃねぇよ。大体、証拠でもあるのか。＞
＜私知ってます。貴方が、お兄ちゃんに頼んで会社の人を連れてくるように強制したのを。＞
＜でかい声を出すんじゃねぇー。・・・・格好悪いから中に入れっ。＞

　大塚は、大声で話す美貢に体裁が悪くなったのだろう。
　美貢を部屋の中に誘い入れた。

　美貢は、まさか自分に手を出すとは思わずに大塚の誘いどおりに部屋に上がりこんだ。
　大塚は、服を着るでもなく椅子に座ると威圧するように美貢を睨んでいる。

＜せめて、お兄ちゃんに謝ってください。＞
＜お前、馬鹿じゃねぇのか？そもそも何で章一が来ないんだ。＞
＜そ・・・それは・・・＞
＜章一は、俺のせいだと思っているのかよ。＞
＜・・・あ、貴方って最低っ・・・自分のした事判ってるの？＞

　大塚は、立ち上がると美貢に近づき、いきなり頬を平手で殴りつけた。

＜・・な、何するのよぉー！＞
＜うるせぇーんだよ。＞

　大塚は、再度、美貢の頬を殴りつけると髪を掴んで引きっぱなしの布団に投げ飛ばした。
　美貢のスカートが捲りあがりショーツが露になる・・・・
　美貢は、下から大塚を睨み返した。

＜ほーっ、よく見ると、お前、なかなかいい女だな。＞

　そう言うと大塚は、いきなり美貢に襲い掛かってきた。

＜な、何するのよっ。＞

　大塚は、美貢のスカートの中に無造作に手を入れてきた。

＜や、止めてよ・・・い、いやぁぁぁぁぁー・・＞

　大塚は、叫ぶ美貢を叩きつけた。
　服を引き千切られ、あっという間に裸にされてしまう。
　美貢は、ジーンズを脱ぐ大塚を見て玄関に逃げ去ろうとした。
　しかし、大塚の拳が美貢の腹に打ち込まれる。
　美貢は、腹を抱えこんで蹲った。

　大塚は、苦しむ美貢を仰向けにすると両足を大きく開き濡れきっていない蜜壷に怒張した肉棒を無理矢理に挿入してきた。

＜・・・ぃ・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー・・・・・・＞

　大塚は、泣き叫ぶ美貢を無視して遠慮なく腰に力を入れた。

＜うぐぅっ、やめてぇーっ・・・抜い・・て・・・やだぁぁぁぁぁぁぁーっ・・・＞

　挿入を果たすと大塚は腰を上下し始める。

＜フッ・・なかなか、お前のココは具合がいいな。＞

　更に大塚は、美貢の菊門に指を挿入し激しく動かし始めた。

＜ほぉー、やはり締まるな。＞

　美貢は放心状態に陥り一点を見つめたまま声もあげない。
　大塚は、そんな美貢を無視して出し入れを繰り返していた。

＜くぅー・・・なかなか締めるじゃねぇか。出してやるぜ！＞

　大塚は、最初の爆弾を美貢の蜜壷に発射すると間を置くことなく身体を入れ替えて２回目の挿入を試みた。
　美貢の恥丘に掌を当てながら乳房を鷲掴みにしている。
　時折、大塚は、指で美貢の女芯を摘み、その反応を楽しんでいた。
　しかし美貢は、一向に感じていない。
　むしろ、自然と濡れてしまっている生理現象が悔しかった。

　美貢は、どれだけ時間が経ったか判らなかった。
　大塚は、グッタリとする美貢を見据えると煙草をふかしながら白い液体が流れる蜜壷に３度目の挿入をしてきた。

　既に美貢は、暴れる元気を完全に失っていた。
　涙は流れているのだが、無表情で天井を見ている。

　大塚の動きに美貢の乳房が何十回と揺れ動いた。
　遂に３度目の悦楽を果たそうと大塚は、肉棒を引き抜くと美貢の頬を強く握り、無理矢理口を開かせる。
　そして、小さな呻き声を上げながら爆弾を注ぎ込んでいった・・・

＜フゥー・・・おい、なかなか良かったぜ。＞
＜・・・・・＞

　そう言うと大塚は、カメラを取り出し美貢のあらゆる部分を撮影しはじめた。
　美貢は、大塚の行動に気付き顔を隠しながら身体を捻る。
　しかし、大塚は、美貢の腰を蹴り上げて足先を蜜壷に押し付けていった。

＜ゃ・・・やめて・・・・・と、撮らない・・・で・・・＞
＜うっせーんだよ！＞

　美貢は、大塚に足で恥丘を引き上げられ、液体が流れだす所を写されていく。
　色々な角度から撮られては、時折、反抗する美貢の身体を殴っておとなしくさせた。

＜ほぉー・・・・まだ奥はピンク色じゃねぇーか・・・＞

　大塚は、顔を近づけ奥を覗き込むように見入っている。
　ショックで半開きになった美貢の口元に肉棒を近づけ、更に菊門に指を挿入し無理矢理広げられては、同時にシャッターを切られていった。

＜よし、これは口止めとして預かっとくぜ。＞

　大塚は、服を着ると捨て台詞のように美貢に言い放った。

＜これ以上俺に近づくと写真をばら撒くぞ。＞

　そう言いながら、美貢の蜜壷の奥に指を入れて無造作に動かしていた。

＜ふん、嫌といいながらも濡れるとはな・・・・＞
＜・・・ゥゥ・・・＞
＜さぁ、帰れっ。＞
＜・・・しゃ・・・写・・真・・・・・・か・・・返し・・・・＞
＜早く出て行けぇーっ！＞

　大塚は、破れた服を美貢に投げつけた。

　黙った聞いていた裕二は、美貢の言葉がいつの間にか機械的な声に変わっているのに気付く。
　その時、次を喋ろうとしていた美貢が荒い呼吸をし始めた。
　身体が激しく震え出す。
　まるで全力疾走をして倒れこんだような呼吸だった。
　美貢の顔面は蒼白し白目を向き始める。

（・・・ムッ？・・・・過呼吸か・・）

　遂に美貢の口から泡が吹き始めた。

　裕二は、苦しむ美貢の上に馬乗りになると胸骨を２、３度押さえた。
　シーツを顔に被せて吐き出す呼吸による二酸化酸素を吸い込ませる・・・・
　５分ほど経つと美貢の痙攣が収まり正常な状態に戻っていった。

　裕二は、シーツを美貢の顔から取り払った。
　美貢は、目を瞑り気を失っているようだ。

　裕二は、美貢の上から降りるとバッグから数枚の写真を取り出してベッドに戻った。
　顔は、多少幼いが間違いなく大塚が美貢を犯した時に撮った写真だ。
　この写真は、前回、大塚のマンションから部下が証拠品を揃えるために金庫ごと奪ってきた中に入っていたものだった。
　センターの資料室に保管されていたのを今回の案を練るために偶然、亜美が見つけて作戦に利用しようと考えたのだ。
　そのために、美貢本人に当時の状況を細かく話させたのである。

　裕二は、美貢の頬を軽く叩いて覚醒させていく・・・
　ゆっくりと瞼を開ける美貢は朦朧としながら、うわ言のように声を出した。

「か・・返して・・・・」

（よしっ・・・・）

　裕二は、もう一度、美貢の上に馬乗りになり声をかけた。

「美貢さんっ！」

　軽く頬を数回叩く。
　目の焦点が、裕二に合うと悲鳴をあげながら暴れ出した。

「いやぁぁーっ・・・やだぁぁーっ・・・どけぇぇぇーっ・・」

　覚醒したものの、美貢はもう一人の違う美貢に変化していた。

「美貢さんっ・・・・美貢っ・・俺だ・・香坂だ、よく見ろっ。よく見るんだ。」

　しかし美貢には、聞こえない。
　裕二は、美貢の首を押さえて顔を近づけた。
　美貢の顔に血液が集中していく。苦しそうに目を充血させていた。

（亜美・・・本当に戻るのかよ・・・）

　裕二は、美貢が窒息しないように声を掛けながら注視する。

「美貢さんっ！　俺の顔をよく見ろっ！」

　美貢の開いていた瞳孔が僅かに収縮した・・・
　裕二が締めている首を力を徐々に抜いていく。

「・・・こ・・・香・・坂さ・・・ん・・・」
「美貢さん、判るか？・・これを見ろ。」

　裕二が、美貢の全裸になった恥辱写真を目の前に突き出した。
　美貢が驚きの表情で、その写真を見入る。

「写真は、このとおり取り返した。もう大丈夫だ。」

　瞬間的に、その写真を確認したのだろう。
　美貢の目から急激に涙が流れ出した。

「もう、俺以外、この写真は持っていない。そしてフィルムも処分した。」

　裕二の言葉に、美貢は、必死に頭の中で思考を繰り返していた。

「美貢さん、この写真も、今から処分してやるから。」

　裕二は、そう言うと、その写真に火を付けて灰皿に置いた。
　美貢は、まだ朦朧としながらも小さく上がる炎を見ながら呟く・・・

「・・・・お・・・・・大塚は？」

　美貢は、大塚の存在が、まだ頭の中に残っていた。
　回想によって、前回、フェニックスで仕打ちした事を忘れ去っていたのだ。

「俺が地獄に落とした。もう二度と君の前には現れない。心配するな。」
「本当？」
「ああ、本当だ。」

　裕二は、亜美の作戦を思い浮かべていた。

（裕二さん、とにかく美貢さんの心の中に存在している大塚の亡霊のような妄想を完全に取り払わないと、恐らく何をやっても一生治らないと思うわ。）

　裕二は、必死で美貢を見つめながら、まるで除霊師のように言葉を掛けていく。

「美貢さん、君が苦しんだ何十、いや何百倍の苦しみを大塚は受けた。」
「・・・・」
「奴は、地獄を彷徨っている。君は大塚に勝てるんだ。君の苦悩は、大塚が地獄に落ちた時に弾けたんだよ。」
「・・・わ、私・・・・」
「もう君の心の中に奴の亡霊はいない。」
「・・・ぅ・・・ぁぁ・・・」
「美貢さん、大塚に勝てっ！　見下してやるんだっ！」
「・・わ、・・・わた・・・し・・・」
「美貢さん、・・・君は・・・俺の女だ。俺が守ってやる。」
「こ・・香坂さ・・・ん・・・・ァァ・・・」

　美貢は、裕二の言葉に再び気を失った。
　しかし、美貢の表情は和やで、まるで生まれ変わったかのように美しい笑みを浮かべていた。
　裕二は、緊張を解きほぐしながら大きく溜息をついた。

（・・・ふぅぅー・・・・成功・・・したかも・・・）

　裕二は、ベッドから降りると椅子に腰掛けて煙草をふかした。
　いよいよ次は、美貢を抱くための雰囲気作りに専念しなければならない。
　裕二は、大きく深呼吸をしながら美貢を見つめた。