（７１）

　遠藤は、本社の常務室にいた。
　康平が遠藤の話を全て聞き終わると一呼吸置いて話を始める。

「遠藤、今の話を聞くくと、かなり信憑性が高く現実的な話と思うな。」
「はい。」
「いま、アメリカに限らず、各国では情報専門分野として公にされない不正規部隊や工作員がたくさん存在している。日本でもあまり知られてはいないが、兄貴がそうだ。
　国の職員だけではなく、国益・国防のために一般人からも人員を集めているんだ。」
「ええ、知ってます。」

　康平の兄、修平は、公では、内閣調査室官房付調査官で特別事務官という事になっているが極秘で任務を行う日本の秘密情報部の室長だった。

「以前、兄貴からオファーがあったそうだな。」
「はい。非常に迷って返事は保留にしていたんですが、いま、その時期かと・・・」
「で、俺から話せということか？」
「常務にしか相談できない話と判断しました。」
「遠藤、かなり危険な生活になるぞ。」
「はい。そういう意味では、更に今のセンター員を絞っていかないといけません。」
「ああ。・・・それに、その組織を作るとなると国が動かねばならん。」
「・・・・・・」

　康平は、苦渋に満ちた遠藤の表情を見て考え込んだ。
　自分の軽率な言動でセンターはおろか太平洋グループを潰してしまいかねないからだ。

「遠藤、今から兄貴と会うか？」
「・・・・ええ、お願いします。」

　康平は、修平に電話を入れアポをとった。
　ちょうど国際センタービルに居る事が解り、さっそく康平と遠藤は本社を出て修平に会いに出かけた。

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　３人は、国際センタービルの地下オフィスにいた。
　内閣調査室のカバーオフィスだ。

　修平が腕を組みながら遠藤に答えた。

「なるほど・・・。いや、遠藤君、ありえる話だな。」

　修平が低く、くぐもった声で言う。

「・・・・」
「しかし、ＭＩＢは、動かんよ。その鏑木君が調べたとおりＣＩＡの可能性は高い。」
「やはり・・・」
「ただ、何の目的かは、まだ解らんわけだろう？」
「ええ、ただ、武器搬送、武器物流が目的とするならば、うちの太平洋重工と大丸造船の結び付きには合点がいきます。その計画を彼女が進めるとなれば。」
「考えられる話だな。武器となると軍部、いわゆるペンタゴンやＮＳＡが協力するとしても、決しておかしな話ではない。ＭＩＢは、その女性の友人か或いは、協力アシスタントの可能性は高い、情報で動くからな。
　ただ、俺の耳に詳細が入っていないところを見ると米政府上部には話がいっていない。基盤作りの不正規作戦の可能性が大だ。いってみればメアリーという女性のシフトを確定する基盤つくりだろう。一度俺からアタックしてみてもいいが、しかし、それは違う意味で危険だしな。」

　それまで黙っていた康平が話しに割って入った。

「兄貴、選抜したセンター員に、それなりの特権が欲しい。一般人としては、不利な体制や任務に、行動や作戦は難しすぎてとれないだろう。何より生命に危険が及ぶぜ。」
「んむ・・・外部担当部署の計画書は既に出来ている。遠藤君、君も承知の上か？」
「はい。・・・・・・・・ただ・・・・」

　遠藤の言いたいことは修平には一目瞭然だった。
　普通の人間が、企業に一般採用され、いくら優秀といえども国機関の業務をこなすにはレベル以前に経験が足りないからだ。

「遠藤君、解ってるさ。しかし、まず、内閣のトップだけしか知らない存在にしなくてはいけない。そして内閣トップと言っても極一握りだけの人間にだ。
　当然、実行部隊としての登録だがな。いま、私が担当する部署は、国民には公にされていない不正規な部署なんだ。その外部部署として、以前、俺に話があったんだ。俺は、太平洋グループの中央管理センターに目をつけた。
　企業人をカバーにさせれば動きやすいからな。そして何より優秀者の集まりだ。」
「修平さん・・・」
「んむ、要は、通常の企業人として生活はしてもらうが不正規な行動行使権を得つつ、調査室外勤として官房調査室に身を預けることとなる。しかし・・その特権は、凄いものがある。はっきり言うと何をしても自由だ。だが・・」

　そこまで言うと修平は康平を見た。
　康平は修平の視線を感じつつ遠藤の言葉を待った。
　遠藤が、額にうっすらと汗をかいていた。
　視線を戻すと話の続きを喋る。

「だが、康平も言っていたが、それだけ危険度も増大する・・・・・・」
「・・・修平さん・・・・限度は何人ですか？」
「遠藤君が選んだ人間全てを採用しよう。しかし、あくまで素性はセンター員だ。」

　遠藤は、康平を見た。
　康平は、遠藤の視線を受け止めるだけで何も言わない。
　お前自身が考えろと康平の眼が言っている。
　数十分、３人の沈黙が続いた。
　そして遠藤が意を決して返事をした。

「修平さん、わかりました。選抜する人材は追って連絡します。」
「解った。ただ、出来る限り若い者がいい。時間を必要とするからだ。」
「はい。」

　康平が、遠藤に諭すように話し掛けた。

「遠藤、引き受けるとなると太平洋は勿論のこと国益に関わるならば他企業関連の仕事もせねばならんかもしれない。その覚悟はあるな。」
「・・・はい。」
「よし、会長と社長には、俺がなんとしてでも説得する。」
「はい。お願いします。」
「じゃ、俺は準備をしておく。・・・それと彼女、メアリーブライアンを調べておこう。今日中には解るはずだ。遠藤君に直接連絡を入れるよ。」
「ありがとうございます。お願いします。」

　康平と遠藤は、国際センタービルを出た。
　遠藤の運転する車の助手席で康平が煙草に火をつけた。

「遠藤・・・・人選を怠るな。」
「はい。」
「まず、一人はお前だ。」
「ええ、解ってます。・・・・・それから常務・・・・」

　康平は即座に、遠藤が言わんとすることの想像がついた。

「言うな。俺の娘は、お前に預けてある。何をしようとお前の自由だ。」

　車に乗った時点から康平には解っていた。
　遠藤は、亜美を推薦しようとしていたのだ。
　康平の娘であるため、なかなか口に出せないでいたが、康平自らが心を解かす言葉を言ってくれた事に遠藤は心の中で感謝していた。。

「常務・・・・・恐れ入ります。」
「なに、俺が逆の立場ならそうするよ。」

　遠藤は、康平の言葉を飲み込みつつセンターからの選抜人員を考え始めていた。

　康平を本社に送りセンターに戻った遠藤は部屋に閉じこもった。

　秘密情報員となると家族にも黙っていなければならない。
　ましてや、非公式・未公開とはいえ政府の組織なのだ。
　訓練も必要だし、あらゆる知識や教養も必要となる。
　センター員は、誰しも優秀には違いない。
　・・・が、しかし・・・・絶対的な何かが必要だ。
　その絶対的なものを持っている人間・・・・・・・・・

　遠藤の頭の中には、亜美と裕二の名は既に決めてあった。

（しかし、二人が了解するだろうかな・・・・）

　遠藤の、もう一つの悩みは仮に選抜しても了承するかどうかだった。
　これだけは、命令だけではどうする事もできない。
　本人の意思がなければ通用しないからだ。

（・・クッ・・・２０代となると・・・鏑木・・・・西田・・）

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　その頃、メアリーは、亜美と翔子とともにセンターに戻ってきた。

「亜美君、遅かったな。」
「ええ、メアリーが色々と興味を持ってしまって・・」
「すみません。わがまま言ってしまいました。」

　誤るメアリーに笑顔で答える野口・・・

「はは、ま、いいさ。・・・さ、後は香坂とタッチしてくれ。」
「はい。」

　センター員の幹部は、特に顔色を変えるわけでもなくメアリーに普通の対応をした。
　鏑木から受けた報告で神経を研ぎ澄ませてはいるものの感づかれては元も子もない。
　素性が、はっきりするまでは特に特別な対応をとる行為を禁じられていた。

　その日は特に何もなく１日が暮れていった。
　就業時間が近づき皆が帰り支度を始める。
　メアリーが、笑顔で裕二に声をかけてきた。

「ユウジ、今日も来ない？。」
「・・・悪いな。今日は、フィアンセとデートなんだ。」
「あら、そうなの・・・・残念だわ。」

　亜美が、裕二に近づいてきた。

「メアリー、ゴメンね。　また、次の機会に気持ち良くさせてもらって。」

　そう言ってウィンクをする亜美にメアリーが驚きながら声を上げた。

「えぇー、知ってたの？」
「ああ、俺から話したんだ。俺と亜美の間に隠し事はないのさ。」
「そ、それにしてもアミ・・・嫉妬しないの？」
「ええ・・・別に・・・・何故？」
「え・・・あ・・・いえ・・・そ、そう・・・・」
「フフッ、おかしなカップルでしょ。」

　そう言って屈託なく笑う亜美に、メアリーも笑いで自然に顔が崩れていく。

「フフッ、アミ、あなた達って羨ましい。でも、私もある意味、ホッとしたわ。」

　メアリーは、二人にウィンクをしてセンターを後にした。
　フロアーに出たメアリーを見て亜美が呟く。

「裕二さん、本当はメアリーとやろうと思っていたんでしょ？」
「んな訳、ねーだろ・・」
「本当かしら・・・」
「それより俺は、今夜、お前のアナルに入れるんだよ。」
「えぇぇー！」
「えぇーって、昨日から生理なんだろ。」
「で、でも・・・」
「ヒッ、ヒッ・・アナル開拓して良かったな亜美・・」
「ヒッ、ヒッ、じゃないわよ。」

　裕二と亜美は、普通の恋人同士の会話に戻っている。
　その後、二人は、遠藤から驚く言葉をもらうとは微塵も思っていなかった。

（７２）

（あぁー、ユウジから断られちゃったし暇だわ・・・）

　メアリーは、一人、暇を持て余したためブラブラと道を歩きながら帰ることにした。

　オフィス街を抜け駅側の繁華街に入ったメアリーが、急に横から腕を引っ張られた。
　すかさず肘をその人間に見舞うと、相手はギリギリでブロックしながらメアリーに声をかける。

「メアリーッ！オレだ。」
「ベ・・・ベーカー・・・」

−　センター　−

「所長っ！」

　センターに残っていた鏑木がノックもせずに居残っていた遠藤の部屋に入ってきた。

「どうした、鏑木・・・？」

　その時、遠藤のデスクの電話が鳴った。

「はい。遠藤です・・・・あ、修平さん。」

　電話は、修平だった。

「・・・はい、・・・ええ・・・・・・・・や、やはり・・・・・・・・・・解りました。」
『それから、遠藤君、メアリーには、やはり仲間がいる。』
「仲間？」
『ああ、彼の名は、ベーカー・パワード。ＣＩＡ日本支局のエージェントだ。』
「日本支局？」
『ああ、明日までには詳しい情報を仕入れる。』
「はい。私も、それなりに手を打ってみます。・・・・・はい、ありがとうございます。」

　遠藤が電話を切ると同時に鏑木が話を始めた。

「所長、判りました。やはり、メアリーは・・」
「ＣＩＡだろ。」
「・・え、ええ。」
「いま、あるところから連絡が入った。」
「・・・え・・・・あるところ？」
「まあ、いい、それから？」
「はい。相棒がいて、そいつは同じＣＩＡで、日本支局の・・」
「ベーカー・パワード・・だろ。」
「・・・しょ、所長・・・どうして。」

　遠藤は、鏑木が驚くよりも、自分自身が驚いていた。

　修平のような専門情報機関にいる人間とほぼ同じくして調べ上げた鏑木の調査する実力をだった。

「鏑木・・・・今から俺と飲みに行かんか？」
「は、はぁ・・・しかし、まだ調査の途中ですし・・・」
「まあ、いいじゃねぇか。大事な話があるんだ。」
「・・・・・・・はい、わかりました。・・・・では、支度をしてきます。」

　鏑木は、所長室を出て帰り支度に掛かった。

　遠藤は、鏑木の調査分析能力を太平洋グループにだけに存しておくことを、今の件で、つくづくもったいないと感じていた。
　いや、それよりも・・・・

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ベーカー・・・」
「久しぶだな、メアリー。また腕を上げたみたいじゃないか。」
「何を言ってるのよ、いきなり。・・・・普通はコンタクト取るでしょ。」
「普通じゃないからな、俺は・・。しかし、俺がお前の相棒とはな・・・」
「それは私のセリフよ。」
「何年か振りに組むな。」

　そう言って不気味に笑うベーカーにメアリーも口だけで笑って返した。

「メアリー、久しぶりに遊ぶか？」
「ふん、日本じゃ悪戯できないから？」
「ま、そんなところだ。」

　吐く息だけで笑いを見せるベーカーに、メアリーは呆れながらも承諾した。
　車に乗り込んだメアリーに、ベーカーは、すかさず話を始める。

「メアリー、ターゲットを探そうぜ。」
「もぉー、相変わらずせっかちね。でも、日本じゃやばいわよ。治安がいい国だし、見つかったら作戦も台無しになるわよ。」
「いいじゃねぇーか、ここ２年間も遊んでいないんだ。それとも、メアリー、お前が俺と遊んでくれるかよ。」
「あんたの太いコックを入れられたら一週間は使い物にならないわよ。」
「でも、欲しいんだろ・・」

　冗談っぽく言うベーカーに呆れながらもメアリーの股間は熱さを増している。

「いいわ、付き合ってあげる。その代わり私も楽しませてよ。」
「ああ、勿論だ。」

　メアリーとベーカーは、車を走らせながらターゲットを探し始めた。
　その時、メアリーの目に歩道を歩く一人の女が飛び込んできた。

（ん？・・あれは・・・確かあの時の・・）

　メアリーは、先日、裕二とカフェに入ったときに会った美貢を偶然見つけたのだ。

「ベーカー、あの娘はどう？・・ほら黄色いコート着た。」
「オォッ、いいじゃねぇーか。知ってるのか？」
「ちょっとね。」
「でも、知り合いじゃ、やばいんじゃねぇーか？」
「トローチ（記憶喪失剤）飲ませればいいじゃない。持ってるんでしょ。」

　ベーカーは、メアリーの言葉に納得したように口元に笑いを見せると美貢が歩く歩道に車を寄せた。
　そして、メアリーが、車から降りて美貢に声をかける。

「こんにちは。」

　声を掛けられた美貢は、一瞬キョトンとした表情を見せたが、すぐに、先日、裕二と一緒にいた女性と気がついた。

「あ、あなたは・・・先日・・・」
「覚えていてくれた？　メアリーって言います。ユウジの会社に派遣で来てるの。」
「そうなんですか。私、篠塚美貢といいます。」
「ええ、ユウジから、貴女の事は聞いたわ。ね、良かったらいっしょに食事でもどう？」
「え、ええ・・・でも・・・・」
「いいじゃない。実はもう一人友人がいるの。二人ともこの辺りを知らなくて。」

　メアリーが、美貢に車で待つベーカーを指した。
　満面の笑みで美貢に頭を下げるベーカー・・・
　先ほどの冷酷な表情とは一変している。
　少々考えた美貢は、メアリーの誘いに承諾する事にした。

　ベーカーは、メアリーと美貢がシートに乗るのを確認すると車を発車した。
　人通りの少ない路地に車を走らせる。

「あ、あの・・・メアリーさん、この辺は何もないわよ。」

　美貢の言葉にメアリーが後ろを振り向くと、手に持っていたスプレーを美貢の顔に吹き付けた。

「ウッ・・な、なにを・・・」

　美貢は、数秒で意識を失ってしまった。

「さすがによく効くわね、この薬・・」
「まあな。」
「ところで部屋は？」
「俺のマンションに行こう。」
「大丈夫なの？」
「ああ、支局のマンションだからな。」

　メアリーとベーカーは、薄笑いを浮かべて、これから始まるゲームに性欲を漲らせていた。

　マンションに到着するとベーカーが美貢を背負い鍵をメアリーに投げた。

「７０７号室だ。開けてくれ。」
「わかったわ。」

　メアリーは、エレベータ−のボタンを押し、先にベーカーと美貢を入れた。
　特に誰にも見られるわけでもなくベーカーの部屋につくとメアリーがロックを開ける。

「へぇー、広いわね。」

　中は、３０畳はあろうメインルームを中央に３つの部屋があった。
　ベーカーは、美貢を床に下ろすと冷蔵庫からビールを出し一本をメアリーにわたす。

「さて、メアリー、奥の部屋にベッドルームがある。そこの棚にお前の好きな道具があるから好きなのを持ってくればいい。」
「あら、そう。それは楽しみね。」

　メアリーは、言われるとおりベッドルームに向かった。
　ベーカーは、金庫のようなボックスから注射器と小瓶を取りだした。

　そこへ、メアリーが何本ものバイブレーターを持って戻ってきた。
　既に一本を口に咥えている。

「ふっ、相変わらずだな・・メアリー・・・」

　メアリーは、それに答えるでもなくソファに座るとスカートを脱ぎ捨てガーター越しに穿くショーツをずらして口に咥えていたバイブを蜜壷に突っ込んだ。

「ウッハァァァァー・・・・・ンアォォォー・・・・」

　ベーカーが、スラックスをブリーフごと脱ぎ、まだ萎えている肉棒を握ってメアリーの方に向きを変えた。

「あぁー・・ベーカー・・だらしないわよ。私のプッシー見ても立たないじゃないの。」
「フッ、苦しむ喘ぐ顔じゃねぇーとな。」

　メアリーが、ベーカーに近づき跪いた。
　バイブは、まだ蜜壷に刺さったままだ。
　メアリーは、バイブを激しく上下しながらベーカーの萎えた肉棒を舌だけで舐め上げた。

「ククッ・・メアリー・・・舌技はさすがだな。」
「ングゥゥ・・・」

　ベーカーは、肉棒をメアリーの口に入れ始めた。
　メアリーの口は、裂けんばかりに大きく開かれ、とても舌を使える状態ではない。
　息苦しさを感じたメアリーが、すかさず口を離す。

「フゥゥー・・・駄目だわ。息が出来ない。やっぱり私はコレでいい。」

　そう言ってソファに戻ったメアリーは、女芯を摘みながらバイブで遊び始めた。

「チッ・・・以前の元気はどうしたんだ。」

　ベーカーは、美貢が目を覚ますのを待ちきれなかった。
　舌を舐めながら美貢のスカートをたくし上げる。
　美貢の薄紫のショーツの中央が艶かしく盛り上がっていた。

（ヒヒッ・・・こりゃ楽しめそうだぜ・・・・・）

　ベーカーは、ビールを一気に喉に流し込むと美貢の衣服を全て引っ剥がした。
　呻き声をあげながら目を覚ます美貢・・・・

「お、目が覚めたか？」
「こ、ここは・・・どこ？」

　美貢が目を開けると巨大な肉棒が目に飛び込んできた。
　ビックリした表情で訳がわからずたじろいでいる。
　すかさずメアリーを探す美貢・・・
　そして目に飛び込んできたのは、両手でバイブを持ち激しく蜜壷に出し入れしているメアリーの姿だった。

「え・・・メ・・・メア・・リ・・・」

　やっと異様な雰囲気に気付いたのだろう。
　美貢は、咄嗟に立ち上がると出口に向かって走り出した。
　しかし、ロックが外れない。それよりも何も纏っていない自分に気がつくと身体を震わせながらその場にしゃがみこんでしまった。

「ヒヒ、ウサギちゃん、可愛がってやるぜ。」

　ベーカーは、注射器を持って立ち上がるとゆっくりと美貢のほうに歩き出した。

「い・・いや・・・・こ、こないで・・・・・こないで・・・メ、メアリィィィーッ、助けてぇぇぇーーっ・・メ、メア・・」

　しかし、メアリーは、バイブに集中して美貢の声に耳を貸さない。
　美貢は、目をきつく瞑って歯を食いしばった。