（７９）

　ベーカーが、ただならぬ様相でメアリーの自宅を訪れていた。

「メアリー、とりあえず支局の部下に太平洋重工を調べさせたが、かなり難しいぜ。株や不正発注、或いは事業工作では落とせんな。」
「ベーカー、慌てて取り組まなくてもいいわよ。最低でも５年は掛けましょう。」
「んむ、それもそうだが、お前もネズミを早く飼わないと気づかれるぜ。」

　ネズミとは、自信の持つ信用できる情報提供者の事だ。

「そうだけど下級社員じゃね。」
「何のために太平洋グループの情報センターに行ったんだ。マーベラスとの契約は１年だろう。それまでにはネズミを飼っておかないと計画の立案が出来んのだぞ。センターは、太平洋グループ全体の情報が全部集まってくるんだ。簡単だろう。」
「ベーカー、太平洋センターを舐めちゃいけないわ。かなり本格的な情報部署よ。セキュリティーもそうだけど社員も精鋭を集めているわ。私らと遜色ないのよ。」
「メアリー・・・・だから、そのセンターの社員から見つけるんだよ。」
「センター員から？」
「ああ、仮に１年が過ぎても飼っておけると重工に直接スリーパーを置かなくてもよくなるだろう。」
「でも、センター員を落とすなんて・・・それは容易ではないわ。」
「フッ・・・メアリー・・・・・薬を使えよ。」

　ベーカーは、これ以上無い冷酷な笑みを見せてメアリーに囁く・・・・

「薬？・・・・」
「人間の弱点は何だ？」
「弱点？」
「ああ、そうだ。」
「なるほど・・・・欲ね。」
「だろ、それも性の欲をコントロールしてやればいい。」
「ベーカー、あんたの冷酷な性格は一生治らないわね。」

　そう言ってメアリーは、ベーカー以上の不敵な笑いを見せた。

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　一方、裕二と鏑木は、香川から得た情報を元にオビファルピンの入手に成功していた。

「鏑木課長、何に使うんですか？」

　香川の問いに鏑木が答える。

「これの予防薬を作るのさ。」
「予防薬？　オビファルピンの・・・ですか。」
「ああ、最悪の場合、メアリーは、センター員を情報屋として囲むかもしれん。他の系列会社の潜入は難しいからな。そうすると狙うは、このセンターの社員だ。各関連社情報が集中する部署だからな。そのときに使うだろう薬がオビファルピンだ。これを打たれると、もうメアリーの思うがままになる。」
「なるほど、そのために、予防薬を作っておくんですね。」
「そういう事だ。」
「しかし、メアリーは、その行動を起こすんでしょうか？」
「俺は、太平洋重工の落とし穴を全て指摘しておいた。いくらＣＩＡが工作をしても短期間ではもう落とせない。そうすると狙いをつけるのはセンター員しかいない。つまり、メアリーがセンターとの契約社員期間を終えても情報が自由に入るからだ。」
「つまり、うちのセンター員を狙う確率は高いと。」
「たぶん・・・いや、間違いなく狙うだろうよ。」
「どうするんですか？」
「香坂が先手を打つさ。」
「補佐がですか？」
「ああ。香坂が先にメアリーを落としてもらう。事実上、ＣＩＡとは関係なくマーベラス社もうちが主導提携できる。美津子課長も直ぐに帰ってこれる。」
「一石二鳥って事ですか？」
「いや、三鳥だ。今後、逆に情報が先取りできるからな。」
「さすが・・・・・・わかりました。僕の友人に大学病院に勤める医学研究者がいるんです。頼んで予防薬を作らせてみます。」
「ほぉー、噂どおり顔が広いな・・・・・頼むぞ、香川っ。」
「はい。で、香坂補佐が使う手とは？」
「ああ、今日、うちの研究所に機密依頼してきた。わずか、０．２ミリのチップを香坂がメアリーの身体に埋め込む。これは、静電気と熱で盗聴できる音声増幅器だ。」
「え、どういう方法で何に埋め込むんですか？」
「髪の毛だ。」
「髪の毛？」
「ああ、静電気以外にも熱で増幅できるんだ。それに女性は必ず髪を梳くだろう。」
「・・・・鏑木課長・・・・・凄すぎます。」

　それまで黙って聞いていた裕二が鏑木に問い掛けた。

「鏑木さん、その髪をどうやってメアリーに？　それに、抜けてしまうんじゃないですか？」
「んむ、研究員が言うには、差し込んだ瞬間、毛根部が約４倍の大きさに膨れるんだ。つまり、櫛で梳くどころか洗髪しても、引っ張っても簡単には抜けんと言っていた。」
「しかし、難しいですよ。」
「亜美君と練習しろ！」
「ったく、鏑木さん、他人事だと思って・・・・」

　鏑木は、苦笑いをしながら裕二を宥めた。

「香坂・・・お前にしか出来ない仕事なんだ。」
「そうすかね・・・」

　裕二は、頭を掻きながら苦笑いを返すと一気にビールを喉に流し込んでいった。

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「クアァァァァァァァー・・・・ンアァァァ・・ゥゥゥゥ・・・」

　メアリーは、ベーカーが帰ったあと一人で自慰に耽っていた。
　太いバイブを両手で握り自らの蜜壷に激しく出し入れを繰り返していた。
　湿音が部屋中に響いている。

「ウゥゥ・・・アォォォォ・・・・・ウッグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・」

　メアリーは、激しい呻き声を上げて果てた・・・
　ゆっくりとバイブを抜くと大きく１回飛沫を上げ蜜が滴り落ちてくる。

「ハァ・・ハァ・・・・・・・・・・チッ・・・・・・・・空しいわ。」

　メアリーは、独り言を呟きながらベッドから起き上がった。
　ベーカーに言われた薬を持ってセンター員を落とすという話を思い出す・・・・

（やはり、薬を打つなら男ね・・・・）

　メアリーは、ベーカーから貰ったオビファルピンの瓶を眺めながら静かに女芯を擦っていた。
　下半身裸のまま、メアリーが、瓶を手に取り考え込む。

（誰をネズミにするかだわね・・・）

　センター員と言っても、それぞれが担当として分かれている。
　現在、全ての情報を調査し分析するセンター員は、鏑木ただ一人だ。
　他にも、総括して情報を知りえるとなると係長以上の社員に限られる。
　今後の事を想定して、メアリーはターゲットを男性独身者に絞って選ぶ事にした。

（ユウジ・・・・んー、絶対無理だわ・・・・・かといって独身者となると・・・・）

　メアリーは、蜜壷に指を入れながらセンター員の顔を一人一人思い浮かべた。

（そうだ・・・・管理係長のヨコヤ　マレイジ・・・・あいつがいいわ。）

　管理を担当するものは、事実上、情報を直接目で見ることができる。
　メアリーにとっては打って付けの人間だった。

　メアリーは、ターゲットを横山に決めると笑みを見せてベッドに寝転んだ。
　上の服を脱ぎ乳首を弄ぶ・・・・

（・・・・来週、早速・・・・フフッ・・・）

「ンアァァ・・・・・アァ・・・」

　メアリーは、そんなことを考えながら
　指で恥唇を広げると２回目の自慰を開始した・・・・・・・

−　週明け　−

　ちょうど、終業を迎えた時間に、メアリーは、ユウジとの外勤を終えてセンターに戻ってきた。
　帰り支度をしながら、裕二がメアリーに声をかけた。

「メアリー、今度、飲みに行くかい？」

　珍しく裕二からの誘いにメアリーは戸惑ったが、特に疑う事無く承諾した。

「え、本当なの？　もう誘ってくれないかと思ったわ。」
「もう一度、あの激しい声を聞きたくてな。」

　裕二の言い方にメアリーの笑う声が大きくなる。

「今度は、私が裕二を虜にしてあげようか？　アミから奪ってもいいのよ。」
「ま、それはないな・・・」
「フフッ、ＯＫ。じゃ、週末にどう？」
「ああ、わかった。」

　裕二は、そう言うと手を上げてセンターを出て行った。

（やはり、ユウジも男ね・・・）

　しかし、メアリーは、裕二の誘いに嬉しさを隠せなかった。
　セックス好きのメアリーにとっては、日本に来て間もないため、夜を共にする男が、まだ居ないからだ。

（今度は、思いっきりイカしてもらうわよ。）

　そんな事を考えながらメアリーは、思い出したように横山を探した。

（・・・・・ちょうど、帰るところね・・・）

　独身である横山は、アパートで一人暮らしをしている。
　既に、横山の住所を調べてあったメアリーは、横山の退社を確認してベーカーに連絡を入れた。

「私よ。今出たわ。」
『ＯＫ！　お前が帰る頃には、奴を家に放り込んでおく。』
「わかったわ。」

　既にメアリーは、横山をターゲットにしたと昨日のうちにベーカーに知らせていた。
　ベーカーの手はずで横山を確保しメアリーのマンションに眠らせておく事になっていたのだ。
　メアリーは、確認を取るとゆっくりと食事をしてから帰宅することにした。

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「お、お前ら、何者だっ！」

　横山は、夕食を外で済ませ、店から出て歩道を歩いていた。、
　その時、いきなり両側から二人の男に挟まれスモーク張りの車に連れ込まれた。
　周りを歩く人間は、男達の自然な動作と手際よい行動に何ら不信を抱かなかった。

「おい、何の真似だっ！」

　車内で待つ、もう一人の男にスプレーを掛けられ、一瞬で眠らされてしまう横山・・・

「チーフ、どうします？」
「俺は、ここで降りる。コイツは、メアリーのマンションに連れて行くんだ。それから、例の薬を打っておけ。一応、身体は縛っておくんだぞ、いいな。」
「わかりました。」

　男は、車から降りると振り向く事なく歩き出した。ベーカーだった。
　ベーカーが、メアリーに連絡を入れる。

「俺だ。今、連れて行った。」
『ＯＫ』

　それだけの会話で電話を切るとベーカーは、夜の街に消えたいった。

　一方、食事をしていたメアリーは、店を出てタクシーを拾うと自宅へ急いだ。
　メアリーは、タクシーの後ろの座席でスカートの中に手を入れショーツごと蜜壷に指を挿入した。

（フフッ・・・まずは私のオナペットになってもらうわよ・・・）

　甘い吐息を漏らすメアリーにタクシーの運転手の目がメアリーに釘付けになった。

（８０）

　部屋に戻ったメアリーが、電気を点灯した。
　そこには、全裸で身体を縛られた管理係長の横山がソファに寝かせられている。
　まだ、眠ったまま気づいていないようだ。

（フフッ・・私の専用ウサギちゃんか・・・）

　メアリーは、その場で服を全て脱ぎ捨て、横山の顔に跨ると蜜壷を密着させた。
　気を失っていながらも横山の口が半開きに広がっていく。

（・・ァァ・・でちゃいそぉ・・）

　メアリーは、横山の口の中に小水を注ぎこんでいった。
　メアリーの小水が、横山の口からあふれ出てくる。
　そして、横山は苦しそうに目を開け始めた・・・・

「・・ぅぅ・・・グッ・・・ゲホッ・・・・・な・・・ウゲッ・・・」

　メアリーが、横山の顔から腰を離した。

「お目覚めのようね。」
「お、お前は・・・メ、メアリー・ブライアン・・・な、何故・・・・」
「フフッ、説明は後よ。」

　横山は、縛られている自分と周りを見渡した。
　頭を振りながら思考を繰り返す・・・・

（お、俺は・・・）

　覚醒した瞬間、横山の肉棒が一気に怒張し始めた。

（な、何っ・・・）

「あら、ヨコヤマさん、凄く元気ね・・・」
「グッ・・・俺に・・・な、何をしたっ！」

　メアリーは、横山の問いに答えず蜜壷を大きく開いて横山に見せ付けた。
　目をそらす横山だがメアリーの性器が瞼に焼きついている・・・
　そして、数分もしないうちに、横山は目が虚ろになってきた。
　自然と怒張した肉棒に向かって、縛られている手を持っていく横山・・・・

（・・・そろそろいいわね。）

　メアリーは、横山に近づき、縛ってあるロープを解いた。
　そして、ソファの前にあるテーブルに座って足を大きく広げると横山に奉仕を命令をした。

「さ、ココを舐めて。」

　横山は、フラフラと起き上がりながらメアリーの蜜壷を見入った。
　メアリーが、両手の人差し指で女芯の薄皮をめくり横山に突起を見せ付ける。
　横山は、震える唇でメアリーの女芯に吸い付いた。

「クォォォォォー・・・・・吸って・・思いっきりルビーを吸ってぇぇぇぇぇー！」

　メアリーが横山の後頭部を抱え込み押さえ込んでいく。
　横山は、言われるとおりにメアリーの女芯を強く吸い続けた。

「アハァァァ・・・イィ・・イィィー・・・」

　メアリーは、横山の頭を離すと立ち上がって背中を横山に向けた。
　そして膝に手をつき尻を大きく横山に突き出す。

「さ、私のお尻を広げてア○ルを綺麗にして。」

　横山は言われるとおりに、大きく突き出すメアリーの尻を両手で広げて菊門に舌を這わした。

「アゥゥゥゥ・・・気持ちいぃぃぃぃぃー・・・もっと、・・もっとぉぉー・・」

　メアリーは、腰を振りながら横山の顔に腰を押し付けていく。
　横山の肉棒は血管が浮き上がり今にも爆発しそうな状態だ。

　メアリーの足が快感で震え出す。
　メアリーは、振り向きざま横山の肉棒を口に咥えた。その瞬間・・・
　横山は、メアリーの口の中に大量に分身を放出し始めた。

「うぅぅぅ・・・っ・・・」

　メアリーは、顔を歪めて分身を吐き出す横山を見ながら、これ以上無い興奮を得ていた。

「ングッァァ・・・いい、その顔イイィィィ・・・・」

　メアリーは、横山の分身を口から垂らしながら立ち上がった。
　横山は、グッタリと背中から崩れ落ちてしまう。

「フゥゥー・・早いわね・・・」

　メアリーは、ボードの引き出しから注射器を出すと横山の腕に針を刺した。
　テロップといわれる興奮剤に似た復調剤だ。
　メアリーは、仰向けに寝る横山の顔に腰を落とした。
　目を真赤に充血させながらも舌を蜜壷に入れてくる。

「アゥゥゥ・・・そうよ・・そう、そう・・・」

　苦しみながら舌を駆使する横山を見て、メアリーの蜜壷からは新たな液体が流れ始めていた。
　既に横山の顔は、メアリーの蜜でビショ濡れになっている。
　後ろを振り向くと、横山の肉棒は見事に復帰し怒張していた。
　冷笑しながらメアリーが、身体を移動し怒張した肉棒に腰を落とした。

「ハゥゥーッ・・・」

　メアリーは、横山の胸に手をつき強烈なスライドを繰り返す。
　メアリーの蜜壷が激しく形を変えながら横山の肉棒を咥え込んでいた・・・・

「オゥ、オゥ、オゥゥーゥ・・・・・突き上げて・・・突き上げるのよっ！」

　横山が言われるとおりに下から腰を突き上げた。
　メアリーは、完全に横山の腰に体重を預け、打ち込む衝撃を全身で感じている。

「ウッハァァァァァァ・・・ォォォォー・・・・・」

　横山の顔が苦しさで激しく歪んでいく。

「アォォォ・・・その顔いいわぁ・・・もっと、もっとぉぉー・・・」

　横山は、またしても予告なく分身を蜜壷の中に発射した。

「ぐぅぅー・・・な・・早いわよぉーっ！　まだいってないのよっ！」

　メアリーは、立ち上がって横山の腹部を蹴り上げた。

「グガァ・・・・」

　横山の表情でメアリーは興奮を更に増大させていった。

「フフッ・・・さ、お舐めっ・・」

　メアリーは、蜜壷を広げて横山の顔に近づけていく。
　蜜壷の中から自分が放った分身が流れていた。
　しかし、躊躇する事無くメアリーの蜜壷に舌を伸ばして液体を掬う横山・・・・

「アフゥゥー・・・堪んなぃぃぃぃー・・・気持ちよすぎるぅぅぅー・・」

　メアリーは、興奮で体が紅潮していた。
　横山は、既に自制心が全くない。
　本能とは別に勝手に体が命令に従ってしまう状態である。

　メアリーは、向きを変えると横山の肉棒を握り上下に擦っていった。
　横山の肉棒は意に反して固く剃り立っている。
　異常に血管が浮き出て破裂しそうな様相だった。
　メアリーは、シックスナインの形になるよう覆い被さると横山に要望した。

「ア○ルに指入れてぇぇぇー・」

　横山は手を伸ばしてメアリーの菊門に指を入れた・・・

「アゥゥゥゥゥゥゥー・・・・・・ピ、ピストンしてぇぇー・・・」

　横山が、メアリーの要求どおり指を出し入れした。

「クフゥゥゥゥゥ・・・気持ちいぃぃぃぃ・・・・」

　メアリーは、横山の肉棒を頬張ると吸い付くように喉を鳴らした・・・

「まだよ、いいというまで続けるのよ・・・・」

　横山は、メアリーの菊門に入れた指を何度も出し入れした。
　その間、メアリーの舌は、横山の肉棒を味わうように絡めて快感に浸っている。

「ぐぅぅぅぅ・・・ぅぅっ・・・」
「駄目っ、指を止めないでっ！」

　しかし横山は、激しく身体を痙攣させ一気に分身を放出すると気を失ってしまった。

「あら、気を失っちゃったわ・・・・」

　メアリーは、口から分身を吐き出し立ち上がった。

（薬使うと早すぎて駄目ね・・・）

　メアリーは、横山を弄ぶのを諦め、ベーカーに電話をして引き取りにくるよう依頼した。
　そして、トローチを飲ませると、性癖を記憶させるための特殊な注射を打ち込んだ。

（これでＯＫね・・後は、数回、続ければ私のウサギが誕生するわ・・・）

　メアリーは、冷笑しながら衣服を纏った。

　しばらくして、ベーカーの部下が部屋を訪れ横山を担ぎ上げた。
　横山は、ベーカーの部下に連れられ、車に乗せられると繁華街に運ばれ、込み合っている居酒屋のテーブルに置きざりにされた。
　酔いつぶれたように見せかけ部下達は、自然を振舞って店を出て行く。
　横山は気を失っているが、周りの客は、泥酔客と思い一向に気にしていない様子だった。

−　翌朝　−

「おい、横山はどうした？」

　京本が、まだ出勤していない管理係長の横山を部下に尋ねた。

「まだ、来ていないようですが・・・」
「おかしいな、いつも３０分前には来て、事務を始めているのに。」

　京本は、いままで遅刻などした事の無い横山の事が気にかかった。
　自宅のアパートに連絡をしようと受話器に手を伸ばすと、やつれた様相で横山が出勤してきた。

「横山っ。・・・」
「・・お、おはようございます。すいません・・遅れてしまいました。」

　横山の表情を見て京本が心配そうに声を掛けた。

「横山、どうした。顔色が悪いぞ。」
「はぁ・・・少々、二日酔いのような・・・」
「二日酔い？　お前、酒は飲まんかったんじゃなかったか？」
「ええ・・それが、気がついたら朝方、居酒屋の席で潰れてまして・・・」
「覚えのないくらい飲んだのか？」
「はぁ・・・それが・・・あまり記憶になくて・・・」
「んー・・珍しいな・・・ま、いい。体調が戻るまで楽にしてろ。」
「申し訳ありません。」

　横山は、頭を振りながら自席に座った。
　隣りのエリアで横山を見るメアリー・・・
　口元に微かな笑いを作るとペン型の注射器をポケットに挿し横山を観察し始めた。

　横山は、きつく目を瞑りながら苦しそうな表情を見せている。
　僅かに残る気力が、他の者に気づかぬよう状態をとどめていた。
　しかし、忍耐力も直ぐに限界に達してしまったようだ。
　横山は、席を立つと無言でロビーに出て行く。
　メアリーは、横山が席を立つのを確認すると、自然な振る舞いで横山の後を追った・・・

　横山が、ふらつきながら廊下を歩いている。
　後ろからつけてくるメアリーには全く気づいていない。
　そして、エレベーターホールを通り越すと最奥の電動書庫に入った。

　メアリーも、数分の間を置いて電動書庫に入って行く。
　そっと中を窺うメアリー・・・・
　僅かな呻き声と荒い吐息が耳に入ってくる。
　メアリーは、書庫のドアをロックし胸ポケットからペン型の注射器を取ると声が聞こえる方向に歩み寄った。
　棚のすき間から、そっと覗き込むメアリー・・・
　そこでは、スラックスを下ろし書庫にもたれかかって自慰に耽る横山の姿があった。
　メアリーが、ほくそ笑みながら横山に近づいた。
　驚きながらメアリーを見上げる横山・・・

「メ・・・メア・・リ・・・・」
「ヨコヤマさん、いいのよ。続けなさい・・・」

　そう言いながら、横山の前にしゃがみ、ペン型の注射器を首筋に打ち込んだ。

「グッ・・・な・・・」

　横山の怒張した肉棒が一回り大きくなると共に目が焦点を失った。

「さ、ヨコヤマさん、続けて・・・」

　メアリーはそう言うと、スカートをたくし上げショーツを横にずらした。
　書庫にもたれる横山の顔に股間をあてる・・・

「どう、いい臭いでしょう・・・さ、舌を使って舐めるのよ。」

　横山は、自らの肉棒を上下しながらメアリーの蜜壷に舌を躍らせていく。
　メアリーは、指を噛みながら横山の舌使いを堪能した。

（・・・アァァァ・・・気持ちいいわ・・・）

　メアリーは、そのまま腰をおろすと、自ら擦る横山の手を振り払った。
　そして、肉棒を握ると、ゆっくりと濡れた蜜壷に肉棒を導いていく。

「うぅぅ・・・」
「どぉぅ？　私のここ、気持ちいい、・・・ヨコヤマさん。」

　横山が顔を縦に振りながら頷いた。
　メアリーが、横山の唇を貪りながら、小声で話し出した。

「苦しいでしょ？　ヨコヤマさん・・・楽になりたい？」
「お・・・俺は・・・ぐっ・・・」
「貴方にね、全身が楽になる薬をあげるわ。・・・・・でも、１日しかもたないの。私のいう事を何でも聞いてくれるのなら、症状を抑制する薬を渡してもいいけど。」

　横山は、メアリーを見つめながら蜜壷に埋まる肉棒に力を入れた。

「アンッ・・・ね・・ヨコヤマさん、私の言う事を聞いてくれるのなら貴方の女になってもいいのよ。そうしたら、その症状も直してあげる。」
「・・・お、俺は・・・・・・セ、センターの・・・・」

（・・・・・フンッ・・強がるのも今のうちよ・・・）

　メアリーは、蜜壷を締めながら腰を振り始めた。
　横山の下腹部か痙攣し始める。

（・・・アラ・・もう、出るのっ！）

　メアリーが、果てようとする横山の肉棒の根元を強く握って放出を阻止する。
　横山の分身は逆流し放出する事が出来なかった・・

「・・は、離してくれ・・・た、頼む・・・・」
「私の中に出させてあげる・・・出したいんでしょ。」
「・・・・・・だ、出したい・・・出させてくれっ！」
「なら、私のいう事を聞く？」
「ぅ・・う・・ぐぅぅ・・・」
「・・・どうする？」
「・・・わ、わかった・・・・・わか・・・った・・・」

　メアリーは、横山にキスをすると握っている手の力を緩めた。
　その瞬間、勢いよく横山の分身がメアリーの蜜壷に発射された。

「うぉぉぉぉぉー・・」

　横山は大量の液体をメアリーの蜜壷の中に注ぎ込んだ。

「アァァ・・熱いわ・・・」

　横山の放出は止まらない・・・
　蜜壷から食み出た分身が床に滴り落ちていく。

「・・クゥゥ・・凄いわね・・・・子宮の奥に当たってるわ。」

　メアリーが、スカートを汚さないよう足を開いたまま腰を上げた。
　蜜壷からは、大量の分身が横山の肉棒に落ちていく。

　メアリーは、ティッシュを束ねて股間にあてると、ずらしたショーツを元に戻しスカートを下げた。
　そして、潜在投薬を横山に打ちマインドコントロールを始める。
　メアリーの言葉が、横山の脳の奥に記憶されていった。
　数分、それを繰り返したメアリーは、横山に反復させ命言を確認した。
　冷たい笑みを浮かべるメアリー・・・・

「じゃ、ヨコヤマさん、苦しくなったら耳たぶを触るのよ。」

　無言で頷く横山・・・・

「さ、これを舐めるのよ。」

　メアリーは、横山の口にトローチを入れ、誰にも気づかれぬよう書庫を出て行った。

　トイレに入り、蜜壷に残った横山の分身を吐き出すと香水を全身にふる事を忘れなかった。
　席に座ったメアリーに、会議を終えて戻ってきた裕二が声をかけてきた。

「メアリー、打合せだ。会議室に行くぞ。」
「ええ。」

　ロビーに出た裕二とメアリーは、鏑木から声を掛けられた。

「おう、香坂、横山見なかったか？」
「横山・・いえ、今、会議終わって戻ってきた所だから・・」
「そうか・・おかしいな。いや、さっきから見当たらないんだ。資料を抽出して欲しいんだけど、あいつのパスがいるからな。」
「そうですか。・・・横山を見たら伝えておきます。」
「ああ、頼む。」

　鏑木は、首を傾げながらオフィスに入って行った。

（資料の抽出？・・なるほど、あの男は、自由に引き出せるのね・・・）

　メアリーは、心の奥で笑いを噛み締めた。