（１０１）

「さぁ、金庫の番号を言え。」
「・・・・い、い、・・・言うもんか・・・・・」
「この期に及んで強情だな。」

裕二は、康代の大陰唇に填まるリングを摘むと思いっきり引っ張った。

「ウギィィィィィィィィィィィィーッ！」

康代は、白目を剥きながらのた打ち回った。
　関節を外されているため、後頭部と尻だけでブリッジをするように身体を激しく反らしている。更に激痛で失禁が始まったようだ。

「ヒィィィィー・・・・イギギギギギィ・・・・」
「さぁ、言え！」

　康代は、涙と涎を垂らしながら裕二を睨んだ。

「幾ら、凄んでも無駄だ。・・・ここのピアスも外してやろうか。」

　裕二は、康代の女芯に刺さるピアスのビーズ部分を摘んだ。

「や・や・・・・・・・や、や、止め・・・てっ・・・」
「言う気になったか？」

　康代は、何度も首を振って裕二に請うた。

「よし、ゆっくり番号を言え。」

　康代は、唇を震わせながら涙声で番号を喋り始めた。

「・・・３・・・・・・３・・・１・・・・０・・・９・・９・・ひ、左に・・・」

　全身を硬直させ、恐怖に慄きながら康代は、金庫の番号を答えていった。
　軽い解除音が聞こえ金庫の扉が自動で開く。
　裕二は、中にある書類を出すとリストの有無を調べた。

　負債積券や不動産書類、不正手形などに混じってアルミケースに収まった顧客の紹介リストが見つかった。

「よしと、康代さん、すまなかったな。ま、整形外科で治してもらいな。どうせ、だらしなく伸びきって見苦しかったし、ちょうどいい機会だぜ。」

　康代は、口をパクパクとするだけで声が出てこない。
　裕二は、冷笑しながら康代の私邸を後にした。

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　センターに戻った裕二は、早速、作業に取り掛かった。
　顧客リストに載った人物に連絡を入れるのだ。
　密告を装いリストに載った人物に連絡をいれる事によって警戒をするからだ。
　つまり、企画課の女性社員に会わせないようにさせるための作業だった。

「裕二さん。」

　亜美と聖子もセンターに戻ってきた。

「おう、ご苦労、どうだった。」

「悪徳代議士を絵に書いたような男だったわ。一応、聖子さんが、部屋のドアに盗聴器を仕掛けたから後から聞いてみるけど、劉富豊に情報を流しているのは慌てた様子から間違いないわね。ただ居場所は聞けなかったわ。でも、岩尾と言えども劉富豊の居場所は知らないと思うわ。劉富豊も相当慎重だと思うし。」
「んむ、そうだろうな。まあ、岩尾を脅しただけでも効果はある。」
「香坂補佐、遠藤所長から国際電話が掛かっています。」

　業務課の女性社員が、裕二に電話を取り次いだ。

「わかった。」
「所長、香坂です。」
『裕二、掴んだぞ。女性の一人に口を割らした。やはり、麻薬と金だ。彼女らは、強制的に劉富豊と青木に退社させられたようだ。つまり、秘密を漏洩しようとしたんだ。家族に海外出張と説明させ、疑惑が発生しないように事務を担当しているのが、青木の役目という訳だ。』
「なるほど。」
『彼女らの半数以上が、常習者になっている。大使館を通じて日本に帰国させ病院に入れることにした。俺たちも今夜、日本に帰る。』
「わかりました。で、龍栄は？」
『まだ気づかれていない。こちらに連絡を入れる前に劉富豊を消す必要がある。』
「そうですか・・・・失敗できませんね。」
『ああ、気づかれる前に見つけ出さないとヤバイぞ。』
「何とか頑張ってみます。」

　そう言って裕二は電話を切った。

「亜美、聖子君、そう言うわけだ。どんな手を使ってもかまわん。企画課の女性がいる風俗店全ての店を業務係員で見張ってくれ。」
「解ったわ。聖子さん、行きましょう。」
「ええ。」

（くそ・・・気づかれるとヤバイぜ・・・・何とか劉富豊を孤立させないと・・・）

　裕二は、青木順子を落とす以外、解決方法はないと思った。
　今ごろ、鏑木が江藤を買収しているはずだ。
　上手く事が運べば、明日までには、劉富豊を捕まえる事が出来るかもしれない。
　裕二は、鏑木の作戦の成功を期した。

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「本当ですか。」

　江藤駿が、鏑木に興奮気味に答えていた。

「ああ、青木さんは、君の事をかなり気に掛けている。君のためなら何だってするって、私に言ってたよ。」
「順子さんが・・・・そ、それで、僕はどうすればいいんですか？」

　鏑木は、錠剤を江藤俊に渡して説明をした。

「君が、年上の女性を好きな事は知っている。青木さん以外にも沢山付き合っている女性がいるね。それも、全て中年女性だ。」
「・・・・ぁ・・・」
「何、恥ずかしがる事はないさ。それより、江藤君が、青木さん以外にも付き合ってる年増・・・・あ、いや中年女性が沢山いるだろう。女優で、同じ事務所の木下美恵さんとの関係がばれてスキャンダルになると君の芸能生活は終わりになるんじゃないかな。木下さんは、事務所の所長の奥さんだからね。毎日のように弄ばれているんだろう。知ってるんだよ。」
「ど、どうして・・・それを・・・」

　鏑木は、木下美恵を口説き落として、その真相を聞き出したのだ。

「まあ、そんな事はいい。君が青木さんとの関係も終わらせずスキャンダルも阻止する事を約束するから一つ頼まれて欲しい。」
「どんなことですか。」
「いま渡した、錠剤を青木さんに今夜、飲ませて欲しいんだ。」
「え・・・で、でも・・・・あ、危ない・・薬じゃ・・・」
「いや、ただの睡眠薬さ。彼女が眠ったら私に連絡を入れて欲しい。」
「し、失敗したり、断ったら。」

　鏑木は、江藤を凝視して静かに囁いた。

「君の人生は・・・・・・・ジ、エンドだ。」

　鏑木の、凄みある口調と視線で江藤の全身が硬直した。

「わ・・・わ・・・・・わ、解りました。やります。」

　鏑木が、笑いながら江藤に追言した。

「まあ、セックスは、十分楽しんでくれて結構だ。」
「あの・・・僕の秘密を・・・・・」
「言うわけがないだろう。・・・しかし、君は何故、年上の女性が好きなんだい。」
「・・・自分でもよく判らないんですけど・・・あ、甘えたい性格なんです。」
「同年代の子とは、付き合わないのかい。君は凄い人気じゃないか。」
「・・え、ええ・・・何度か付き合ったこともあるんですけど・・・つまり・・・その・・・・・・下手と言うか・・・激しくないと。」
「セックスがかい？」
「・・・え、・・ええ・・・」
「なるほど、それで若いアイドルには、レイプまがいの事を。」
「そ、・・・・そんな事まで・・・・し、知ってるんですか？」
「まあね・・・」

　若いうちから芸能人として大人と付き合い、人気も絶大で、黙っていても女性が近づいてくる江藤にとっては、刺激がなかったのだろう。

「ま、いいさ。それより今夜は頼むよ。」
「わ、解りました。」

　鏑木は、江藤の控え室を出てセンターに戻った。

「あ、鏑木さん。」

　裕二が、センターに戻った鏑木に駆け寄った。

「香坂っ、そっちはどうだ。」
「ええ、今、業務の人間を使ってリストアップされている者に、電話を入れさしているところです。とりあえず亜美と聖子君のほうもＯＫです。」
「そうか。」
「それから、先ほど所長から電話があって全て証拠は掴んだそうです。今夜、西田課長と帰国するそうですが、劉富豊を早く始末しないと厄介だと言っていました。遅くても明日までには決着つけないと。」
「んむ。今、江藤に睡眠薬を飲ますよう頼んできた。」
「今夜、俺と二人で出かけよう。青木を落とすのは、香坂、お前に任せる。手段は選ばなくていいからな。」
「解りました。」
「まだ、江藤が青木順子のマンションに行くまでに４時間ほどある。それまでに、準備を整えておく。所長に頼みたいこともあるしな。」
「俺もちょっと研究所に出かけてきます。」
「ああ。」

　その後、鏑木は、作戦を建て直すため、あらゆるデータを駆使してシュミレートを開始する事にした。

（１０２）

　夕方、５時に、遠藤と西田が香港から帰国した。

「鏑木っ、帰ったぞ・・」
「あ、所長、お疲れ様でした。」
「これが証拠テープだ。二人の女性の供述を録音してある。」
「そうですか。・・・・所長、今夜、香坂と一緒に青木順子を落とします。」
「劉富豊の居場所を聞き出すんだな。」
「ええ。それで、所長に頼みがあるんですが、内調室長に連絡をしておいて欲しいんです。」
「劉を消すからか？」
「・・・ええ。」
「ふっ、既に入れておいた。菊花の店長、大場さんに連絡もしてくれたようだ。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「で、作戦は？」
「はい。今から説明します。」

　鏑木は、アイドル歌手の江藤を使って青木を眠らせ、裕二によって劉の居場所を聞き出し、青木と企んだ日本での計画、資金調達、龍栄との連絡方法等を聞き出すことを説明した。
　そして、裕二立会いの元、纐纈秀樹に劉富豊を始末させる事も。

「解った。俺は、リストに載っている著名人に今から直接電話で説明をする。本社からも、闇でカタをつけてくれと頼まれてきた。中には、強制的にこんな目にあっている者もいるからな。その他は、直接、俺が引導を渡す。それから、劉富豊の始末は俺も立ち会う。奴は、相当な腕を持っている。」
「お願いします。では、私は今から青木のマンションに向かいます。」
「んむ。頼むぞ。」
「はい。」

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　鏑木が、青木順子のマンションに到着した。
　既に、裕二は、路中にとめた車の中で待機していた。
　鏑木が、裕二の乗る車をノックする。

「香坂、どうだ。」
「あ、鏑木さん。遅かったですね。青木は、もう家にいるんですが、江藤の小僧が、まだ来ていません。」
「そうか。・・香坂、このイヤホンを使え。」

　そう言いながら、鏑木は裕二の車に乗り込んだ。

「部屋の盗聴器ですか。」
「ああ、もし江藤が、バラしたら部屋に飛び込まないといかん。劉に連絡を入れられても困るからな。全て作戦がパァーになる。」
「解りました。・・・しかし、江藤は遅いですね。」
「売れっ子だからな。少ししかない時間を見つけて来るんだろう。」

　それから１時間ほど経過した時、スモーク張りの高級外車がマンションの前に止まった。
　その後部座席から江藤が変装をして出てきた。

「来たぞ。」　「ええ。」

　江藤は、運転手に何かを告げてマンションの中に入っていった。

　数分後、二人の耳に、青木の部屋のドアをあける音が響いた。

「駿ちゃぁん、遅かったじゃなぁい。」
「ゴメンね、順子さん。仕事が延長しちゃって。」
「うぅん、いいのよ。来てくれただけでも嬉しいわ。ほら。」

　順子は、ガウンを左右に開き、昨夜、大八木に剃られた恥丘を江藤に見せ付けた。

「どうしたの、それ？」
「駿ちゃん、毛がないほうがいいって言ってたでしょ。貴方のために剃ったのよ。」

　江藤は、返事もせずに順子の股間に吸い付いた。

「あぁん・・・・駿ちゃん・・・・あぁ・・・」

「いきなりかよ・・」

　裕二は、車の中で呟いた。

「奴らは、お互い普通じゃないからな。江藤は、マザコンだし、青木順子は、中高生の青臭い若造が趣味だし、面白そうなセックスをやりそうじゃないか。じっくり聞かせて貰おうぜ。」
「ですね・・」

「駿ちゃん、オ○ンチン出して。」

　江藤は、ベルトを緩めてジーパンを下ろした。
　順子は、まだ完全に亀頭が露出していない江藤の肉棒を指で捲くり口に頬張った。

「うぅぅ・・・順子さん、気持ちいいっ！」

　順子は、江藤の袋部分を口に含み、肉棒を上下に擦りながら江藤の表情を確認した。
　江藤は、順子の耳たぶを触りながら視線を合わしている。

「駿ちゃん、ベッドに行こうか？」
「うん。」

　順子は、江藤の手を握りベッドに向かった。

「さ、服を脱いで。」

　江藤は、着ているものをすべて脱ぎ順子に抱きついた。
　順子を抱きしめながら乳首を左右交互に吸い出した。

「あんっ・・・あぁぁぁ・・・・」

　執拗に乳首を吸い続ける江藤・・・・
　順子は、下に手を伸ばし江藤の肉棒を握りながら刺激を与えている。

「駿ちゃん、次は、ク○トリスよ。」
「うん。」

　江藤は、大きく足を開いた順子の股間に移動し巨大な女芯を吸い始めた。

「ンオォッォォォー・・・イィ・・イィィィ・・・・」

　またしても、順子の指示があるまで、江藤は延々と女芯を吸い続けた。
　順子は、腰を突き上げたり乳首を摘んだりして声を張り上げている。

「ぁぁ・・駿ちゃん、いいわよ。おいで・・・」

　江藤が、再度、順子にしがみついた。
　しかし、順子に手を握られ女芯に導かれていく・・・

「ずっと、触ってて・・・」
「・・・ね、順子さん。」
「なぁに？」
「前から聞こうと思ってたんだけど、順子さんのク○トリスって大きいよね。」
「もう、駿ちゃんったら・・・恥ずかしい事聞かないで。でも、何故？」
「この間、タレントの金井真奈美とセックスしたんだけど、いつも順子さんにやってるように、ク○トリスを吸おうとしたら、小さすぎて吸えないんだ。」
「まあっ、駿ちゃん、あんな小娘と寝たの？」
「い、いや、生意気だったから半分レイプなんだけど。」
「えっ？・・駿ちゃん駄目よ、スキャンダルだけじゃ済まなくなるわよ。」
「あ、ああ、気をつけるよ。」
「でも、若い娘は、小さいわ。私も小さかったもの。」
「それが、こんな風に飛び出ちゃうの？」

　順子は、照れながら江藤に答えた。

「中学の時から、触りまくっていたもの。」
「へぇ・・・・・」
「ところで、木下美恵とは、まだ続いているの？」
「ああ、所長の奥さんだし、断れないよ。彼女、ひどいんだ。」
「ひどいって？」
「小便を飲ませろって言うし、俺のお尻の穴に指入れてくるし俺の下半身の写真をとって財布に入れて持ち歩いてるんだ。」
「まぁっ・・・・そんな事を。任せておいて私が何とかしてあげる。」
「順子さんが？・・・出来るのかい。」
「ええ、私の知り合いに頼んで木下美恵を襲ってあげる。」
「順子さん、頼むよ。事務所にいるときは毎日なんだ。」
「任せておきなさい。」

　順子はそう言うと、江藤を仰向けに身体中に舌を這わせ始めた。
　額から耳の穴、脇の下と舌を這わせていく。
　そして、江藤の足をもつと指を１本１本丁寧に舐めていった。

「じゅ、順子さん・・・気持ちいい・・・うぅ・・」

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「鏑木さん、江藤の坊主、薬を飲ませるのを忘れていないでしょうね。」
「ああ、俺もだんだん心配になってきた。」
「しかし、ちょっと変わってますよね。」
「んむ、俺も心理的に、二人を分析したんだが、青木の場合は、３７歳と言うのに独身だ。付き合う男性は限られてくるし甘えられない。金を与えて言う事を聞き何度も貧欲に抱きついてくる若い男性を好むんだよ。つまり、普通なら結婚して子供がいる年齢だ。一種のコンプレックスからくる性的反応が、そうさせるんだ。」
「へぇー・・・・で、江藤は？」
「奴は、早くに母親を亡くしている。恐らく母親に甘えた記憶がないんだろう。そして、早くからアイドルとしてチヤホヤされ人気に伴って自由に欲しい物が手に入るようになった。２年前からコマーシャル起用の計画で、青木順子が江藤と会っている。その時に、青木に上手い事、たぶらかされたんだろうな。何しろ江藤の童貞喪失の相手が青木順子だからな。江藤も青木を慕っているし。」
「・・・・・」
「ま、二人とも、一種の異常者だ。」
「なるほどねぇ・・・・」
「ところで香坂、その袋は何だ？」
「あ、これですか。・・・ロープと手錠、顔面固定帯と恥辱フックです。」
「・・・・・・・そ、それから？」
「研究所の所長に頼み込んで媚薬の一種を貰ってきました。」
「性的緩急法か？」
「ハハッ、以前、鏑木さんに教えてもらった方法ですよ。」
「な、なるほど・・・・・・・いいかもな。」
「それにしても、一向に薬を飲ませる気配がありませんね。」
「・・・そうだな・・・」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「で、出る・・順子さん、出るぅ・・・」
「待ってっ、まだ駄目・・・出しちゃだめよ。」

　順子は、上体を起こすと立ち上がった江藤の肉棒を握り大きく口をあけた。
　そのまま、江藤の肉棒を激しく上下し分身を口で受け止めたのだ。

「ぐぅぅ・・出るっ・・出るぅっ・・気持ちいいぃぃ・・順子さぁーんっ・・」
「ングッツ・・・オォォ・・・・・・・ンッグッ・・・」

　順子は、江藤の分身を一滴残らず飲み込んでいった。
　更には、完全に口に含み下から搾り取るように唇を窄めて肉棒を上下させた。

「んはぁーっ・・・美味しい、美味しいわぁ・・駿ちゃんの最高よ。」
「ぁぁ・・順子さんの、その顔いぃーっ・・」
「駿ちゃん、オシッコしてくるから待ってて。」
「ん、うん・・・」

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「ったく、江藤の小僧がっ。・・・早く飲ませんかいっ。」

　苛立つ裕二に、鏑木は苦笑いを見せ携帯を取り出した。
　そして、江藤の携帯電話に電話をしたのだ。

「江藤君、私だ、鏑木だ。」
『か、鏑木さん・・・・あっ、すいません、忘れていました。』
「いいんだ。それより見つからないように頼むよ。君の人生が掛かってるからね。」
『わ、わかりました・・』

　鏑木は電話を切った。
　裕二は、相変わらず苛立ちを隠せないでいる。
　その理由は、先ほど、纐纈に電話をし恋人の凛子を殺害したのは、劉富豊と告げたからだ。
　早く居場所を突き止めなければ、劉富豊に姿を隠される恐れがある。

「香坂、焦りは禁物だ。」
「・・・・・・・ええ・・・・・・解ってます。」

　裕二は、深呼吸をすると目を細めながら煙草のパッケージを手に持ち車のシガーライターを静かに押した。