（１２３）

「アゥゥゥ・・イィィ・・け、健二さん・・・・オ、オ○ンコが・・・・ァァ・・」

　青葉は、芳江に一切身動きを禁止させ、両足を広げさせて蜜壷を指で責めていた。
　菊門には、ローターが、挿し込まれて唸りを上げている・・・

「・・ぃ、いやぁぁー・・・いっちゃうぅぅぅー・・・健二さ・・んぅぅぅぅー・・」

　青葉は、指での責めを中止し芳江に自慰を命じた。

「ァン・・・もぉぅ・・・」
「芳江、思いっきりマ○コを広げて指でク○トリスをiいというまで擦ってろ。」
「うん。・・健二さん・・・ずっと、ずっと私を見ててね・・」
「ああ、思いっきり淫乱にな・・」

　芳江は、自分の股間と青葉を交互に見ながら自慰を開始した。
　そして、青葉も芳江の自慰を見ながら肉棒を刺激していた。
　青葉の興奮する顔で芳江は、一層ボルテージが上がっていく。

　既にシーツは、愛液で水浸し状態になっていた。
　２０分は、経過しただろうか。芳江の目の焦点が朧になってくる・・・

「ダ、ダメ・・・・イ、イク・・・・ゥゥ・・ゥゥ・・ゥゥ・・・」

　芳江の声が、だんだんと小さくなっていった。
　そして、白目を剥いた瞬間・・・

　芳江の小穴から水しぶきが数回、噴射したのだ。
　全てを出し切った芳江が顎を思いっきり突き出し絶叫した。

「グフゥゥゥー・・・・アオォォォォォォォォォォォォォォー・・・」
「芳江っ、開けっ、思いっきりマ○コを開けっ！」

　青葉の言うとおり芳江は、蜜壷を指で思いっきり広げた。
　青葉は、芳江の股間に移動し自ら限界にまで広げる蜜壷に肉棒を擦りながら分身を注ぎ込んでいった。

「ぁぁ・・・健二さんの先っぽから・・私のオ○ンコ中に・・落ちてくるぅぅー・・」
「芳江っ、ちゃんと広げろ。零すなよ・・・」
「ぁぁ・・熱いぃ・・健二さんのお汁が熱ぃぃぃーっ・・・」
「うぐぐぅぅーっ・・・」

　青葉も呻きながら肉棒をしごいて一滴残らず芳江の蜜壷に分身を注ぎ込んだ。
　青葉が、ベッドに尻餅をつくと芳江は、蜜壷を指で塞ぎながら肉棒を咥えてきた。

「ふっ・・・芳江・・お前は俺の女だ。」
「ングッ・・あぁ・・健二さん・・・一生奉仕させてくださいぃっ・・」
「ククッ・・可愛いヤツメ・・・」

　更に間を置くことなく青葉と芳江は、痴態を繰り返していった。

　既に１１時を回っただろうか、やっと裕二の元に鏑木から電話が掛かってきた。
　由香は、ワインが効いたのか裕二の肩にもたれてうたた寝をしている。

『香坂か、奴らが出るみたいだぞ。』
「解りました。」

　裕二は、部屋を出る用意をした。
　由香をおこし、上着を着る裕二・・・

「ぁ・・すいません。寝ちゃったみたい。」
「いいんだ。それより早く出よう。」
「はい。」

　裕二と由香は、部屋を出ると隣から青葉と芳江が来るのを待った。
　ロックを解除する音が耳に入る。
　そして、隣の１０８５号室からは、青葉が芳江と手を組んで部屋を出てきた。

　裕二は、青葉と目が合った。
　青葉が、由香を見て驚きの表情を見せる。

「き、君は・・・」
「青葉さん・・・」

　裕二は、いかにもという感じで青葉に声を掛けた。

「ほぉ・・貴方が青葉さんですか。」
「・・・し、知ってるのか？・・俺を・・・」
「ええ、由香からも聞いています。彼女の財産を狙ってるんでしょ。」

　裕二の言葉に、青葉と芳江の顔色が急激に硬くなっていく。

「・・・・」
「ん？　そちらは、大宝グループの谷口専務のお嬢さんじゃないですか？」

　芳江は、裕二の言葉に仰天すると顔をそむけて視線を外した。

「確か、同僚の大見さんと結婚が決まっていたんですよね。」

　青葉が、更に驚きの表情を見せ始める。

「き、貴様・・・」
「なるほど・・・・婚約者に黙って・・・はは、やりますな、あなた達も。」
「な、何が言いたいんだ。」
「いや、ちょっと妙な噂を聞きましてね。あなたと彼女の父上３人が組んで酒井由香君の財産を全て横取りしようと企んでるとね。さらに谷口さんは、太平洋物産も狙ってるそうですが、実娘を偽装結婚させてまでとは凄いと思いまして。彼女もかなり大胆ですな。青葉さんの子供を産もうとは。」

　裕二は、笑いながら二人をからかうように言い放った。

「では、私達はこれで。」
「ちょ、ちょっと待てっ！・・おい、貴様っ・・」

　怒鳴る青葉から離れて芳江が走り出した。

「・・え・・おいっ、芳江っ・・何処に行くんだ！・・・待てっ！」
「くくっ・・・逃げられたようですな。」

　裕二は、そう言って由香の肩を組みエレベーターに歩き出した。
　呆然と立ち尽くす青葉・・・

　青葉は今、自分がどうすればいいのか全くわからない様子だった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「何だとっ？　本当にそう言ったのか、芳江っ！」
「うん、見たことの無い男だったけど。」

　自宅に帰って芳江が父である谷口幸三に先程の事を話していた。

「んーっ・・クソっ、・・・よし、仕方が無い。芳江、青葉には消えてもらう。」
「えぇっ！・・い、嫌よ、パパッ、それだけは絶対に止めて。私、青葉さんが・・」
「馬鹿もんっ！　私は勿論、お前も刑務所行きなんだぞ。」
「で、でも・・・」
「いいか、芳江っ、大見には、私が、今後の事を説明しておく。お前は、予定通り、大見と結婚し私の言うとおり行動するんだ。」
「・・・そ・・・・そんな・・・・」
「芳江っ！　私のいう事をよく聞くんだ。上手くいけば、太平洋物産を牛耳れるんだ。そうすれば、お前も自由に好きな生活が出来る。また、いい男を捜せばいいんだ。」
「・・・・・」
「明日の退社後・・・・・・・・青葉を消す。いいな。」

　芳江は、がっくりと肩を落とし父、幸三の言う事に承諾した。

−　翌日　−

　ＫＫＩ食品では、やつれた様子で青葉がデスクに座っていた。

　亜美は、鏑木からの命令で青葉の動きを逐一報告する事になっていた。
　そして、午後に出張から帰ってくる大見に接触し全貌を説明する手筈になっているのだ。

「ねぇ、石川君、ちょっと頼みたい事があるの。」

「ええ、何でも言ってください。」

　石川は、また亜美が誘いを掛けてくれる事を期待していたのだ。

「お昼に、大見係長が出張から帰ってくるのよ。谷口さんに会う前に私に帰社を教えて欲しいの。」
「え、それなら係の者に・・・」
「それが出来ないから石川君に頼んでるのよ。」
「は、はあ・・・・解りました。」

　亜美は、ウィンクをしてスカートの中をほんの少しだけ見せ付けた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「鏑木っ。」

　第一センターから遠藤が足を運んできた。

「あ、所長、たったいま酒井君の不動産関係と物産の持株証券の共固操作を完了しました。」
「そうか。」
「いま、本社から許可を取ってきた。最終の吸収合併計画は、二課の大鷲君に任せた。大宝の社長が本社に慌てて向かってるだろう。」
「そうですか。ところでＫＫＩは、どうします。社員には、罪がありませんし。」
「恐らく大宝グループが全責任をとるだろうが、最悪の結果でも社名を変えさせて太平洋傘下を考えていいと社長は言っていた。」
「解りました。恐らく今日、青葉を消そうと考えているはずです。亜美君に大見と青葉、そして谷口芳江を監視するよう頼みました。」
「んむ、谷口は、殺人未遂・横領容疑になる。もはや逃げられないだろう。」
「ええ。」
「で、青葉と娘の芳江は、どうするんだ？」
「放っておいても自滅しますが、ちょっと面白い事を・・・」
「ふぅーん・・・まあ、任せた。じゃ、そろそろ俺は、谷口のところに向かうよ。」
「お願いします。」

　遠藤が、あくびをしながら第二センターを出て行った。

（しかし、所長はいつも余裕だな・・・・）

　鏑木は、遠藤の背中を見ながら感心の意を見せていた・・・・・

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　昼休みを終えた頃、石川が亜美に連絡を入れてきた。

「香坂さん、大見係長が帰ってきました。玄関前でタクシーを降りたところです。」
「わかったわ。」

　亜美は、デスクを離れ営業部の手前で大身がオフィスに入ってくるのを待った。
　しばらくして大見が、疲れた様子で姿を現した。

　亜美は、大見に近づくと、急ぎである事を告げる。

「大見係長っ。」
「き、君は、確か研修社員の・・・」
「香坂です。至急お話ししたい事があります。」

亜美は、そう言うと強引に大見をボイラー室に誘い込んだ。
訳が解らず亜美に手を引かれていく大見・・・・
ボイラー室に入った大見が、亜美に叫んだ。

「き、君、いったい何なんだ、こんなところへ連れ込んで。」

　亜美は、大見を見据えるとポケットから名刺を取り出し正体を明かし始めた。

（１２４）

　大見が、亜美に差し出された名刺を受け取った。

「私の話を聞いてください。実は、私は研修職員ではなく、太平洋グループ、中央情報管理センターの人間なんです。」
「え・・・太平洋グループ・・」

　亜美は、谷口父娘、青葉の企みを全て大見に説明した。

「な・・・・・・う、嘘を言うなっ・・」
「嘘ではないんです。そして、大見さん、あなたの婚約者、芳江さんは、昨夜、ロイヤルクィーンホテルで青葉さんと身体を求め合っています。」
「・・・な・・なんだって・・・おい、君、冗談も程々にしてくれないかな。芳江とは、出張前に・・・ぁ・・いや・・つまり、俺達は愛し合ってるんだ。」
「大見さん、昨日だけではないんです。いつもあなたに隠れて密会してるんですよ。」
「嘘を言うなぁっ！　芳江が俺を裏切るはずが無いっ！」

　全く信じようとしない大見に亜美は、持ってきたＰＣ機を開き、香川が録画した青葉と芳江の痴態を見せることにした。

「大見さん、これを見てください。」

　大見は怪訝そうに、亜美のパソコンを覗き込んだ。

「！・・・よ、芳江・・・青葉・・・・・な・・・」

　モニターには、芳江が青葉の肉棒を頬張る場面や蜜壷に分身を注ぎ込まれるシーンが鮮明に映し出されていた。
　中には、大見を中傷する言葉や青葉と芳江の今までの関係を喋っている場面もある。

　大見は、ショックでその場に座り込んでしまった。

「な、なんで・・・・芳江・・・・お、俺は・・・・・・・あ、青葉の奴・・・」

　大見は、呆然としながら独り言を呟いていた。

「青葉ぁぁぁぁぁーっ！」

　大見は、急に立ち上がってボイラー室を飛び出そうとした。
　亜美は、大見の足を絡めて引き止めようとする。

「離せっ・・離してくれぇっ！・・青葉を・・・アイツをぶっ殺す！」
「大見さん、そんな事をしたって貴方も笑いものになってしまうわ。」
「・・・・ぅ・・ぅぅ・・」

　青葉は、ショックと絶望感で嗚咽を漏らし始めた。
　そんな大見を見ながら亜美は、今からやろうとする作戦を大見に説明した。

「・・・つまり、俺は、このまま帰るのか？」
「ええ、もう二度とＫＫＩ食品に顔を出さなくていいわ。」
「・・く、来る気なんて起きないが、・・し、しかし、今から再就職なんて・・・・」
「大丈夫、貴方は、太平洋物産に吸収合併される大宝グループに行くの。もちろん、昇格待遇でね。既に手筈は整っているし、ほぼ本決まりよ。」
「・・・・・・お、俺が。」
「ええ。そして、青葉健二、そして谷口父娘は今日限り全てを完全に失うわ。」
「なんで・・・いったい君は、どうしてそんな事を？」
「大見さん、それは、我が太平洋グループにも損失が及ぶからです。」
「でも・・・その、酒井由香という人の個人の事なんだろう。」
「・・・・彼女は、将来の幹部職員になる人間なんです。損失は、お金だけじゃなく人材と信用もなんですよ。」
「・・・・・わかった。」

　大見は、出張で使った重要書類の入った鞄を投げ捨てた。

「・・・君に話を聞かなければ私も人生を棒に振るところだった。・・・ありがとう。」「元気出して、大見さん。貴方の受けた痛みは、私達が晴らすわ。」

　大見は、小さく頷くと亜美に礼を言ってボイラー室を出た。

　亜美は、早速鏑木に連絡を入れた。

「私です。いま、大見に説明をしました。」
『そうか。』
「今から、このビデオを社内モニターで全部課に流します。」
『んむ。当然ながら青葉と谷口芳江は、社から出て行くと思うが、二人は、別行動をするはずだ。そして、谷口が父親に連絡を入れるのは間違いない。すでに、香坂と香川が、そちらに向かっている。君は、直ぐに戻っていい。』
「わかりました。」
『それから、ＣＤを起動すると、電子音で３人の計画を説明する音声が流れる。その５分後に、青葉と谷口芳江の絡んだビデオが流れるようになっている。　君は、その間にＫＫＩを出てくれ。』
「はい。」

　亜美は、電話を切るとノートＰＣから、ＣＤを抜き取り、それを持って放送設備がある人事部の電算室に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　亜美は、廊下側の出入り口から電算室に入った。
　既に、石川に頼んでおいたため入室ランプは切ってある。

（さてと・・・）

　亜美は、モニターを起動し青葉と芳江の痴態が記録されたＣＤをデッキに差し込んだ。　そして、オフィス側から入るドアのロックを掛けて進入できないようにすると、ＣＤのスタートボタンを押した。

　亜美は、急いで電算室をでるとオフィスに戻り荷物をバッグに詰めた。

「あれ、香坂さん、早引きですか？」
「石川君、色々とありがとう。また、どこか出会いましょう。」
「えっ？　またって・・・どういう意味・・」

　石川がそこまで喋るとオフィスに設置されたモニターから、青葉、谷口父娘の顔と共に音声が流れ始めた。
　社員が、作業を中止し、何事かとモニターに注目している。
　亜美は、青葉の蒼白した顔を見ながら、ざわめくオフィスを出て行った・・・・

　その青葉は、身体を震わせながら大声で叫んでいる。

「な・・と、止めろっ。誰か止めろぉーっ！」

　青葉の怒鳴り声で、課員が、急いで電算室に走っていった。

　しかし、残りの課員は、モニターに見入っている。
　そして、その５分後・・・

「あぁぁー・・健二さんのオ○ンチンを私にブチ込んでぇぇーっ！」
「芳江っ、もっと大きく足を開けっ。」
「こぉう・・？・・早く・・早く、ここに・・・オ○ンコにぃぃー・・・」

　全員が、そのビデオを見て目を疑った。
　大見の婚約者であるはずの芳江が、同僚の青葉と痴態を繰り広げる姿にだ。
　青葉の顔とモニターを交互に見ながら驚きの表情が広がっていく・・・

　一方、営業部では、芳江が足をガクガクと震わせて顔を引き攣らせていた。
　自分が卑猥な言葉を穿きながら青葉の肉棒を頬張り性器を露出している姿に全身が吸い込まれていくような錯覚に陥っていた。
　芳江は、どうしたらいいのか判らず衝動的にオフィスを飛び出した。

−　２０分後　−

　芳江が、ビルの陰になる路上で電話を入れていた。

「パパ・・・大変な事に・・・」

　芳江は、先程起こった一部始終を父、幸三に説明した。

「な、なんだとぉーっ・・・・・馬鹿もんっ！　お前は急いで身を隠せっ。母さんを別荘に行かせる。そのまま、そこへ向かうんだ。私は、急いで青葉を殺るよう手配する。父さんが連絡するまで、別荘から離れるな。」
「で、でも・・・・健二さんが、何処にいったか・・わ、判らない・・・し・・」
「心配するなっ。青葉は、必ずここに来る。」
「わ、わかったわ・・・・」

　芳江は、電話を切ると急いで駅に走り出した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　遠藤は、谷口幸三の自宅の前で煙草を吸いながら立っていた。

　中から、谷口の女房であろう女性が、大きな荷物を車に積み込んでいる。
　谷口自信も車のトランクに荷物を運ぶのを手伝っていた。

「よし、気をつけていくんだ。」
「ええ、芳江は大丈夫なの？」
「大丈夫だ、私に任せておけ。」

　谷口の言葉に頷く女房は、険しい顔で車をスタートさせた。

　そして、数分後、頑強な男、数人が、ワゴン車に乗って駆けつけてきた。

「谷口さん。」
「おお、すまん。もうじき、奴は来ると思う。」

　そんな会話の中へ遠藤は歩み寄っていった。
　遠藤に気づいた谷口が怪訝そうに呟く。

「何だね、君は・・・」
「始めまして、谷口さん。私は、太平洋グループ中央情報センター所長の遠藤と言います。貴方の計画が全て失敗した事を伝えにやってきました。」
「な、なんだと・・・・・計画とは何だっ！」
「惚けんでもいいでしょう・・・既に調査済みですよ。」
「クッ・・・・・お、おい・・こ、この男を始末してくれっ！」

　遠藤は、男達を睨むと静かに谷口に言い放った・・・

「もう、既に遅いぜ。お前の会社の社長にも証拠を見せ付けて話しておいた。」
「しょ、証拠だと・・・嘘を言うな。そんなものは無いっ！」

　遠藤は、冷笑しながら呟いた。

「ふっ・・・・・聞きたいか？」

　谷口は、顔を引き攣らせている。
　そんな表情を見ながら遠藤は、ゆっくりと喋り始めた。

「まず、青葉を使って酒井由香の財産を横領しようとした事実、その操作書類が、青葉の自宅の部屋から見つかった。そして大見という娘の婚約者と偽装結婚させ失敗しても情報や計画を継続させる手段、そして、それを証拠付ける二人のビデオ。
　何より、太平洋物産を狙うために買収した人物から全内容を吐いてもらったぜ。とどめは、不動産偽装書類だ。お前の署名と捺印まである。不動産屋に設置されていた、監視モニターに映ってるんだから　お前もかなりのアホだな。大笑いしたぜ。」
「・・・・・・」

　遠藤は、男達に向かって吐き捨てた。

「さ、聞いたろう。どうする？」

　男達は、谷口の顔を見ると呆れながらワゴンに乗り込んだ。

「お、おい、待てっ・・・おいっ！」
「谷口さん、悪いが、俺達の仕事はここまでだ。わざわざ捕まるのを覚悟でやる仕事じゃない。」
「な、なんだとっ！」

　遠藤が、谷口と男達のやり取りを見て吐き捨てた。
　
「・・・・・谷口さん、悪い事は出来んもんですな。」

　遠藤が見下したように声を掛けると、ちょうどそこへ、汗だくになりながら青葉が走ってきた。

「た、谷口さん・・・・た、大変な事に・・・」

　谷口は、青葉を見ることなく地面に跪いた・・・
　青葉は、訳が解らず谷口に何度も声をかけている。

「谷口さん・・谷口さんっ・・どうしたんですか？」

　遠藤は、肩をゆする青葉に声を掛けた。

「青葉さん、命だけは助かってよかったな。俺に礼を言えよ。」

　そう言って、遠藤は、その場を立ち去った。
　青葉は、遠藤の後姿を怪訝な表情で見入った。

　身動きしない谷口の肩に手を掛けていた青葉は、咄嗟に理解したのだろう。
　急いで立ち上がると、遠藤と逆の方向に再度走って逃げていった・・・・・