（１２５）

『香坂、ご苦労だったな。』
「いえ、今回は大した事ありませんでしたよ。」
『後は、大宝を吸収合併させるだけだな。』
「ええ、二課の大鷲君が、担当しています。今、大鷲君に付き添って本社にきてるんですよ。たった今、企画部に案を提出しました。」
『彼女は、その手のプロだからな。・・・あ、それから俺は１週間、内調の仕事で北海道に言って来るから、何かあったら頼むぞ。』
「へぇー、そうなんですか・・・頑張ってください。」
『素っ気ねぇーな・・・』
「はは、俺も少し休みたいですよ。で、何の関係ですか？」
『始末屋の関係らしい。まあ、俺は、調査だけだからな。頑張ってくるよ。』
「ええ、気をつけて。」

　裕二は、笑いながら電話を切ると、後ろで待つ大鷲に声を掛けた。

「大鷲課長、お待たせ。さてと・・・帰ろうか？」
「ええ。」

　駐車場に下りた二人は、車に乗り込み公道に乗った。
　助手席に乗る大鷲が裕二に声を掛ける。

「ねぇ、香坂さん。」

　大鷲悦子が、裕二に声を掛けた。
　大鷲は、裕二より二つ年上で、外交と管理を担当する第二課長で４月に本社から配置された女性エリートだった。

「・・・・うん、・・・やっぱり、いいわ・・・。」
「？・・・なんだよ・・・言えば？」
「うぅん・・・いいの・・・」

　裕二は、途中で話すのを止めてしまった大鷲の横顔を見つめた。
　妙に落ち着きが無い顔で前方を見ている。
　裕二は、沈黙に耐えられず大鷲に話し掛けた・・・

「どうだい、進み具合は？」
「ええ・・・もうじき、終わるの。でも、他の仕事も貯まってるし。」
「外交と管理の二つを受け持っているからな。忙しいよな。」
「でも、本社にいるときより充実してるわ。ただ、子供といる時間がね。」
「失礼だが、確か、ご主人とは離婚したんだよね。」
「・・・ええ、色々とあって・・・・・でも、もう吹っ切れてるわ。娘も、もう慣れたみたい。母と一緒に暮らしてるから安心だし。」
「そうか、うちとよく似てるな。」
「香坂さんの所は、夫婦でセンター勤めですものね。私より大変かも。」
「まあ、亜美の母親は喜んでるよ。」

　裕二は、そう言って煙草を咥えた。

「ねぇ、私も１本くれない？」
「ああ、いいよ。」

　裕二は、煙草のパッケージを大鷲に差し出した。
　１本を取り出し火をつける大鷲・・・

　大鷲は、煙を吐き出すと、思い切ったように裕二に囁いた。

「香坂さん・・・・」
「え・・・？」
「あ・・・あの・・・・・」
「・・・？」

　裕二は、車のスピードを落として大鷲に振り向いた。

「・・・どうした？・・・・調子でも悪いのかい？」
「・・・・・・・あの・・・・・・・・私を・・・・・抱いてくれないかな。」
「えぇぇーっ！」

　裕二は、驚いて声を上げた。
　しかし、息を吸った瞬間、咥えていたタバコを一緒に吸い込んでしまった。
　道脇に車を止めて煙草を吐き出す裕二・・・・

「アジジッ・・・・ペッ、ペッ・・」
「だ、大丈夫・・・ご、ごめんなさい。」
「び、びっくりさせるなよ。」
「・・・・ごめんなさい・・」

　裕二は、真剣な顔に戻ると車を再度スタートさせた。
　済まなそうに黙り込む大鷲・・・

「・・・・・・大鷲君、・・・・何か、あったのかい？」

　大鷲は、下を俯いたまま、小さな声で話の続きを喋り始めた・・・

「うぅん・・別に・・・でも、香坂さん、今のは冗談で言ったんではないの。私・・・・・主人と別れてから、それを忘れるために、必死で仕事だけに集中してきたわ。・・・でも、もう、そろそろ自分のための時間も作っていいかなと、ふと、思ったの。香坂さんを見てて、私の理想にピッタリで。」
「り、理想？・・・ど、どういう意味かな？」
「つ、つまり・・・正義感があって、真面目そうだし・・・何より、こういう仕事をしているから口も固いかなと。」
「口が固いって・・・し、しかし・・・」
「香坂さんじゃないと駄目なのっ。」
「・・・何故？」
「私の脳と身体がそう言ってるのよ。」
「意味が・・・？」
「自分でも、よく解らない。」
「大鷲君、ちょっと詳しく教えてくれないかな？」
「・・な、何を？」
「そうだな・・君の経歴とか性格とか・・・そう、家族や別れたご主人の事、できれば、男性経験や趣味、セックス観を・・いや、嫌ならいいんだけど。」
「・・・・・・・・・・いいわ・・・話すわ・・・」

　裕二は、大鷲悦子の話を聞きながら心内を探り始めた。
　年齢的にも、いま一番、男性が必要な時期である。
　センターという過酷で、業務も多忙な部署に配置され、確かに身体と心も休まる事は少ないであろう。
　大鷲も、離婚してから、数年間男の身体を知らないでいた。

　心理的、生理的な事を考察しても男性が恋しくなるのは、正常なことであった。
　ただ、大鷲の性格上、仕事、子育てと忙しく、生理的な思考回路がその間、途切れていたと裕二は想像した。

「・・・欲が・・・・オーバーヒートしたのかな・・・」

（なるほどな・・・・たぶん、そうなんだろう・・・）

「・・・本心で行動すればいいんじゃないかな？」
「正直、私も、身体が火照るときがあるの。でも、男性を探そうとまで。まして、そういうお店や男性のいる場所に行ってとまでは・・・・。」

　裕二は、腕時計を見た。

（５時か・・）

　後、少しで就業時間だ。
　裕二は、センターに電話を掛け、このまま帰る事を桜木に伝えた。

『わかりました。大鷲課長もですね。』
「ああ、今、車の中だが、このまま食事に行くから。」
『了解です。お疲れ様でした。』
「頼むぞ。」

　電話を切った裕二に大鷲が声を掛けた。

「香坂さん・・・あ、あの・・・」
「大鷲君、とりあえず食事でも行こう。」
「・・・・・え？・・・」

　裕二は、ハンドルを切って駅裏のグルメ街に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　裕二は、先程入った台湾料理店のテーブルで運ばれてきたビールを飲みながら大鷲を待っていた。

「香坂さん、お待たせしました。」
「いいのかい？」
「ええ、母に娘を頼んできました。」
「そうか、じゃ、飲もうか。」

裕二と大鷲は、グラスを合わせた。
　二人は、一気にビールを喉に流し込んでいった。

「あぁー、美味しい・・・お酒なんて久しぶりだわ。」
「そうなのかい？　その割にはいけそうな飲みっぷりだな。」
「フフッ・・・こうやって食事に来るのも久しぶりなの。」
「そうか・・・・よしっ、今日は、ストレス解消しなよ。」
「ええ、そうするわ。」

　大鷲は、頬を染めながらビールを口にした。

　二人は、他愛も無い話をしながら徐々に盛り上がっていった。

「へぇー・・・そうなのか。旦那さんは、画家とは知らなかったな。」
「私の身体に絵を描いた事もあるのよ。」
「へぇーっ。」
「それが、絵画の雑誌に掲載された事もあるの。」
「ほぉぅ、そりゃまた興味深い話だな・・・」
「・・・今ごろフランスで、何処かの女の身体に描いてるんじゃない？」
「ハハハッ・・・」

　既に、途中から切り替えた焼酎のボトルが空になろうとしていた。
　大鷲が、裕二のグラスと自分のグラスに注ぎ込んで遂に１本を開けてしまった。

「大鷲君、久しぶりの割には、あまり酔っていないね。」
「え・・そうかな・・・楽しかったからよ。」
「そうか・・・・・・・さて、出ようか・・」

　裕二の切り上げの言葉に、一瞬、寂しそうな表情を見せる大鷲・・・

「・・・・あの・・・香坂さん・・・」
「大鷲君、・・・・俺でよければ・・・行くかい？」

　大鷲は、一瞬、きょとんとした顔で裕二を見たが、その後、一気に明るくなっていく。
　何を喋ったらいいか判らないでいる大鷲に、裕二は優しく腕を引っ張った。

「立てるかい？」
「え・・・・えぇ・・」

　大鷲は、裕二に引寄せられながら立ち上がった。
　少々、足がおぼつかないでいたが、何とか出口まで歩いていく。

「そこのビジネスホテルに行こう。」
「・・・ええ。」

　大鷲も酔いのせいか、多少、大胆になっているようだ。
　裕二の腕を組み、身体を預けていった。

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　部屋に入った二人は、そのままベッドに腰掛けた。
　大鷲が、恥ずかしそうにジャケットを脱いで裸になっていく。

「香坂さんも脱いで。」
「あ、ああ・・・・シャワーを浴びなくていいのかい？」
「一緒に浴びましょ・・・洗ってあげる。」
「えぇーっ。」

　笑いながらスカートとストッキングを脱ぎショーツ１枚になった大鷲が、最後の一枚をベッドに放り投げた。
　薄く柔らかそうな陰毛が恥丘に張り付いている。
　そこを隠さず乳房を両手で隠す大鷲の姿が、裕二は、妙にセクシーに思えた。

（１２６）

　大鷲悦子は、裕二の肉棒に付いた泡をシャワーで洗い流していた。
　ノズルをフックに掛けると飛びつくように裕二に抱きつき舌を求めてくる。

「香坂さん・・・私・・・もう・・・」
「大鷲君、ベッドに行こう。」

　静かに頷く大鷲は、袖を通さずにバスタブを羽織った。

　ベッドに腰掛けた裕二に跨いでいく悦子・・・
　潤んだ目の奥には、燃え滾るような妖艶な輝きが確認できる。

　裕二は、舌を絡めながら、悦子の蜜壷に指を這わした。
　その瞬間、悦子の唾液が増加し唇の間から顎を伝って垂れてきた。

「ンアァァ・・・・い、入れて・・・・・」

　裕二は、悦子の要求どおり蜜壷の中に指を進入させた。
　閉じていた亀裂からは、大量の蜜が流れ出してくる。
　親指で女芯を擦りながら、一番感じる部分を擦っていく裕二・・・

　悦子は、顎を突き上げながら裕二の愛撫に全身が紅潮していった・・・

「アハァゥゥゥ・・・・ァァァ・・・・ァゥゥゥゥー・・・」

　悦子は、かなり感度がいいようだ。
　粘度の高い愛液が、指に絡み付いてくる・・・・

「ダ、ダメっ・・・いっちゃうっ！」

　悦子は、裕二の手を払いのけ床に膝まづいた。
　そして、裕二の肉棒を握り、上目遣いで裕二を見つめると、目を開いたまま口に頬張った。

「ンンーッ・・・ングッ・・・」

　舌と空気が絡み合い、淫乱な音が部屋に響き渡っていく・・・
　悦子は、狂ったように裕二の肉棒に執着していた。

「大鷲君・・・・」
「・・ングッ・・・いや・・・もっと・・していたい・・・」

　裕二は、悦子の変貌振りに驚いていた。
　上から見る悦子の括れたウェストがなやましかった・・

　裕二は、悦子を無理やり立たせてベッドに仰向けに寝かせた。

　悦子の大腿を胸まで持ち上げると、真上に露出した蜜壷からは、大量の液体が湧きあがってきた。

「ぁぁ・・恥ずかしい・・・す、すごく流れたみたい・・・」

　裕二は、悦子の蜜壷に肉棒をあてがった。
　悦子が、口を半開きにして裕二の肉棒を見つめている。

　そして、裕二は、ゆっくりと肉棒を挿入していった。

「ァァァァ・・・ァァ・・・ァァ・・・ゥゥゥゥ・・・は・・・入ってく・・る・・」

　徐々に、裕二の肉棒が蜜壷の中に隠れていく様子に悦子の至急が一気に収縮し始めた。

「ぁぁ・・・き、気持ちいい・・・こ、こんなに・・・ぁぁ・・・・」

　裕二は、完全に肉棒を埋めると腰を上下し始めた。

「ンゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・いい・・いい・・・・気持ちいぃぃぃぃぃー・・・アァァ・・・アァァァァ・・・・素敵ぃぃぃぃぃぃー・・・・アゥゥゥゥー・」

　裕二は、激しく首を振る悦子を見ながらピッチを上げていく・・・

「・・アァ・・・・凄い・・・・凄いぃぃぃ・・・壊れそぉぉぉぉぉー・・・クゥゥゥー・・・・アゥゥ・・・ウゥゥゥゥー・・・感じちゃうぅぅー・・」

（それにしても、よく、喋るな・・・・）

　悦子の流す大量の蜜で摩擦音が更に増していく・・・

「アァー・・・・恥ずかしい・・・ぁぁ・・エッチな音が・・・イヤァァー・・」

（君の言葉を聞いてるだけで感じちゃうよ・・・）

　裕二は、悦子の言葉が、性欲のストレスによるものだろうと思った。
　しかし、久しぶりの割には、膣内も固くなっていない。
　裕二は、悦子が普段も自慰で慰めている事を確認したのだ。

「香坂さん・・・もう・・・駄目っ・・・イキそうなの・・・イクゥ・・イクゎいっていい？・・・・アァ・・・イク・・イクゥ・・アァァァァァァーッ・・イヤァァァー・・・・香坂さ・・・あぁ・・頂戴ぃぃぃぃぃぃぃぃぃー・・・」

　悦子の足が裕二の腰に絡みついた。
　凄い力で締め付けてくる・・・

（グッ・・・す、凄ぇ・・力だな・・・）

　裕二は、更にピッチを上げ気分を高めていった。
　そして、一気に悦子の中に分身を発射したのだ。

「・・・ゥゥ・・・ァァ・・暖かくて・・気持ちいぃぃ・・・」

「大鷲君・・・」
「もぉぅ・・・大鷲君だなんて、・・・・ムードないわ、・・・香坂さん・・・」

　息を弾ませながら悦子が呟いた。
　しかし、何を思ったか大声を出して裕二を突き放した。

「・・・！　あぁっ、や、やだぁぁぁぁーっ。」
「ど、どうしたんだ、大鷲君？」

　悦子は、蜜壷から流れ出てくる裕二の分身を覗き込んで呆然としていた。

「きょ、今日・・・・・き、危険日だった・・・・わ・・・」

　裕二は、ガクっとしながらも安堵の溜息をついた。

「な、なんだ、そんな事か・・・・びっくりするじゃないか。」
「だって・・・に、妊娠・・・しちゃったら・・・」
「・・・・」

　裕二の苦笑いに悦子は、気を遣いながら呟く・・・・

「あ・・そ、その・・・・仮にそうでも・・香坂さんには迷惑かけないわ。」
「・・・大鷲君・・・・」
「・・え？」
「大丈夫さ・・・。」
「・・・え・・だ、大丈夫って・・・中に・・・」
「つまり・・・俺は、カットマンなんだ・・・」
「・・・？」
「パ・イ・プ・カ・ッ・ト・・・してるんだよ。」
「えぇぇぇぇーっ！」
「そんなに驚くなよ。」

　悦子は、裕二の顔をマジマジと見つめた。

「本当なの？」
「ああ、亜美も避妊しているよ。」

　悦子は、暫し無言の後、裕二に飛びついた。

「香坂さんっ・・・もう一度抱いてぇぇぇーっ！」
「・・な、なな・・・お、大鷲君・・・き、君はいったい・・・」
「んーっ、もぉうっ、これが私の本性よ。」

　悦子は、そう言って蜜壷から抜いたばかりの裕二の肉棒を頬張った。
　口で奉仕しながら腰をみだらに振る悦子・・・・

（俺って・・・・妙に、こういうパターンが多いな・・・・・・）

　裕二は、肉棒を責める悦子を見ながら溜息をついた・・・

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「じゃ、また明日・・」

　裕二の言葉に恥ずかしそうに応える悦子・・・

「ええ。香坂さん、今日はありがとう。ちょっと元気になったわ。」
「良かったな。」

　悦子が、小さく手をふりながら自宅の玄関に歩いていった。
　裕二は、悦子が家に入るのを確認すると駅に向かった。
　腕時計を見る裕二・・・

（お、意外と早かったな・・・大鷲君がイクのが早かったしな・・・）

　裕二は、アクビをしながらゆっくりと歩き出した。
　その時、前方から真紅のポルシェがパッシングをし裕二の目の前に止まった。
　一瞬、眩しくてよくわからなかったが、よく見ると真央のポルシェだ。

（ヤ、ヤバイ・・・・・）

　裕二が、慌てて走り出そうとすると、大きなクラクションを鳴らされてしまった。

「裕二さん・・・・逃げる事無いでしょ。」
「あ・・・真央さんだったの・・・」
「何よ、惚けて・・・車見て、私ってわかったくせに。」
「は・・はは・・・つ、つまり・・」
「もう、いいわ。それより乗りなさいよ。」
「いや、疲れてるし、もう帰ろうかなと・・」

　真央の顔が恐ろしいほどつりあがった。

「・・かなと、思ったけど・・・・せっかくだし飲みに行こうか？」
「フフッ・・相変わらず、素直で面白いわ。でも、面倒だし、うちで飲まない？」
「・・・・あ、ああ。そ、そうだな・・・」

（・・・一層、ヤバイような・・・）

　裕二は、がっくりと肩を落としながら真央の車に乗り込んだ。
　しかし、真央は、嬉しくて仕方が無い。
　アクセルを思いっきり踏むと猛スピードで車を走らせた。

「さ、入って。」

　真央に促され部屋に上がりこむ裕二・・・

「美味しい吟醸酒が入ったの。持ってくるわ。」
「ああ。」

　裕二は、リビングのソファに腰掛けると部屋を見渡した。

（・・・・普通の女性の部屋だな・・・）

　初めて真央の部屋に上がりこんだ裕二だったが、店のイメージがあったためか、ごく普通の部屋に拍子抜けしていた。

「何、見てるの、裕二さん？」
「いや、鞭とか皮手錠とか置いてあると思って。」
「馬鹿言わないでよ。お客さんが驚くじゃない。」
「へぇー、真央さんにも客が来るんだ・・・」
「し、失礼なこと言わないでよ。」
「どんな客なんだい？」
「んー。中年夫婦が相談に来たり、ピアスの開け方とか後輩が来たりとか・・・」
「なるほどね、やっぱ、そっちの関係か。」
「いいじゃない、客は客なんだから。・・・それより飲みましょうよ。」

　真央は、裕二のグラスに、大吟醸酒を注いだ。
　自分のグラスにも入れて持ち上げる。

「今夜に乾杯っ！」
「今夜にって・・・ま、まさか・・・」
「何よ、裕二さん・・うちに来て私を抱かないで帰るつもり・・」

（そ、そんな・・・さっき、悦子君を・・・）

「じ、実は・・・いま、女性を抱いてきたばかりで・・・」
「そんなの、大丈夫よ。私が立たせてあげる。」

　真央は、いきなりＴシャツと黒のエナメルズボンを脱ぎ始めた。

（も・・・もう・・・・マ・・マジかよ・・）

　更にＴバックのショーツを脱ぎ蜘蛛のタトゥを小指で撫であげていく・・・
　しかし、裕二は、真央の不思議な魅力と妖艶さに熱いものを感じていた。

「そういえば、真央さんの真っ裸を見るのは、初めてだな。」
「そうだったかな。」
「ああ。いつも皮のコスチュームか、穴開きショーツを穿いていたから。」
「フフッ・・・今日は、裕二さんを昇天させてあげる。」
「・・・立つかな？」

　真央は、裕二の言葉を無視してボード上にあるステレオのスイッチを押した。

「今度、ショーで新しい踊りを披露するの。一足先に、裕二さんに見せてあげるわ。」

　真央は、そう言うと、優雅に流れるミュージックに合わせてセクシーに踊り始めた。

　臍に装着しているチェーンのピアスが、ルームライトで鮮やかに反射する・・
　踊っているときの真央は、本当に美しかった。
　足を大きく振り上げスローモーションのように静かに下ろしていく瞬間にも、女芯の薄皮に取り付けたプラチナのピアスが妖しく輝いた。
　いつの間にか、裕二の股間も硬さを増してきていた・・・

（俺って・・・・・なんて、正直者なんだ・・・・）

　そんな事を思いながら、裕二は、真央のセクシーな踊りに釘付けになっていた。