（１２７）

「どぉう？　裕二さん。」

　踊り終わった真央が、裕二の座るソファに跪いた。

「凄い、格好いいじゃないか。よかったよ。」

　真央は、満面の笑みを見せて裕二のスラックスのベルトを緩め始める。
　そして、後ろに手を回し、下着ごと一気に引き下ろした。

「わぁー、立ってるぅぅ。」

　真央は、一瞬、裕二の顔を見て笑顔を見せると、肉棒を一気に根元まで咥え込んだ。
　真央のフェラチオは、咥えるというより、飲み込むといった表現のほうが合っているかもしれない。
　根元までを口に入れると裕二の肉棒の先が、真央の喉下にまで到達していた。

（凄すぎるな・・・）

　真央は、全く苦にすることなく、乳首を強く摘みながら肉棒を弄んでいる。
　そして、数十分、それを繰り返し、真央は、裕二に跨ってきた。

「ふふっ・・・亜美さんも、遣ってくれるでしょ、ディープスロート。」
「ああ、真央さんの手ほどきでね・・・」
「亜美さんは、熱心よ。裕二さんを愛してる証拠ね。」

　真央は、そう言って裕二の肉棒を掴み、自ら蜜壷に挿入した。

「アフゥゥー・・・さ、最高っ・・・」
「さっき、２回もやって、まだ立つ自分が情けないよ・・」
「２回？・・・じゃ、私も２回やってもらおっと・・」
「おい、おい、明日も仕事なんだぜ。」
「私もよ。」
「き、君は、夜から・・・」

　裕二の言葉を遮る様に、激しく腰を振る真央・・・
　髪を振り乱しながら、裕二の肉棒を全身で味わっていた。

「ングゥゥー・・・裕二さん・・・突いて・・突き上げてぇー！」

　裕二も、もはや諦めの表情で、ヤケクソ気味に真央の注文に応えてた。

「クゥゥゥゥー・・・さ、最高に気持ちいいぃぃぃぃぃーっ！」

（俺は・・・死ぬかも・・・・）

　真央は、まるでロデオを演じるかのように激しく暴れていた。
　ソファのバネが、強く軋み悲鳴をあげている。

「アァァー・・・オ○ンコがぁ・・・ウアァァァァァァー・・・」

　結局、真央は、その態勢でクライマックスを向かえ、大絶叫と共に裕二の胸に崩れ落ちた。

「あぁ・・久しぶりに、イクことが出来たわ。」
「・・・俺は、死にそうだよ。」
「いいじゃない、めったに裕二さんと会えないんだから。それに、最近、客も柔くてさ・・燃えないのよねぇー。」
「へぇー・・・Ｍ男がいないのか？」
「というか、私が感じる前に爆発しちゃうのよ。」
「なるほど・・・」
「ねぇ、裕二さん、今度は、バックから犯しまくって！」
「もう、立たないよ。・・・絶対・・・」
「嫌っ！・・・いいわ、私が立たせてあげる。」

　真央は、裕二に向けて四つん這いになると、セクシーに腰を振りながら蜜壷を開いたり閉じたりと淫凄な技を披露し始めた。

（す、凄ぇ・・・自由に・・・・）

　真央の蜜壷からは、裕二の分身に混じって透明な液体が、糸を引きながら床に滴り落ちていた。
　そして、裕二に振り向き、指を噛みながら潤んだ瞳で見つめてくる。

（・・い、いかん、いかん・・・絶ぇー対ぃに、いかん・・・・・）

　裕二は、煙草を取り出し火をつけた。
　真央は、向きを変えると手を使わず、裕二の萎えた肉棒に舌を這わせる。
　まるで、舌が別の生き物のように巧みに動き回っていた。

「フフッ・・・裕二さん・・・硬くなってきたわ。」

（・・ッ・・・クソッ、・・・俺はサルかい・・・もう、どうにでもなれっ・・）

　裕二は、真央の後ろに回り、腰だけを高く持ち上げた。
　真央の身体は、持ち上がるように、二つ折りの格好になっている。
　裕二は、濡れそぼった真央の蜜壷に一気に杭を打ち込んだ。

「ンッハァァァァァァァァァァァァァー・・・・」

　激しく突く裕二の責めに真央の体重が更に浮き上がっていく・・・

「アゥゥゥ・・イィ・・イィィッ・・も、もっと・・もっと、虐めてぇぇぇぇー・」

　真央の顔は、血が上って真っ赤になっていた。
　裕二の強い力により、起き上がろうにも手足が床につかづ、自由が利かない。

「グフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・さ、最高・・・・・最高よぉぉー・・ゥゥゥゥー・・・・・こ、壊してっ・・オ○ンコを壊してぇぇぇぇーっ！」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「裕二さん、ありがとう。久しぶりに身体がリフレッシュしたわ。」

　絶叫を繰り返したためか枯れた声で裕二に喋りかける真央・・・
　裕二は、真央の運転する車の助手席でグッタリとしていた。

「・・・４回も・・・明日は仕事にならないかも・・」
「フフッ・・・今度は、１回目にお願いするわ。」
「・・・・・それも怖そうだぜ・・」

　真央が声を上げて笑いだした。

「裕二さん、着いたわ。」
「サンキュー・・・じゃ、真央さん、気をつけて。」
「ええ、お休み、裕二さん。」

　真央は、満足げな笑みを浮かべて車をスタートした。

　腰を叩きながら玄関を開ける裕二・・・
　既に、０時を過ぎていた。

「帰ったぞ。」
「お帰り・・・遅かったわね。」
「ああ、ちょっとな・・」

　ちょうど、風呂から出てきたのだろう、亜美は、バスタブを羽織り、濡れた髪を掻き揚げていたた。

「お風呂、入るでしょ。」
「ああ。」

　裕二は、その場で服を脱ぎ亜美に預けると浴室へ直行した。

「裕二さん、下着とパジャマ、ここに置いておくわ。」
「ああ、わかった。」

　湯船に浸かり、じっと目を閉じる裕二・・・

（ふぅー・・・風呂が一番いいな・・・）

　裕二は、じっくりと時間を掛けて身体を癒していった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ふぅー・・・気持ちよかったぜ。」

　寝室に入った裕二が、バスタオルをクビから掛けて冷えた缶ビールを抜いた。

「ユ・ウ・ジ・さん・・・」

　亜美が、ドレッサーの椅子に座って足を大きく開いた。
　ユウジは、その姿に飲み込んだビールを噴き出した。

「・・ゲホッ・・ゴホッ・・・な・・ゴホッ・・な、なんだ・・その、格好・・」

　亜美は、Ｔフロントの真っ赤なショーツを穿いていたのだ。
　そのショーツは、亀裂に食い込んでおり、更に亜美が上から引っ張りあげて裕二に、その淫乱な姿を見せ付けていた。

「フフッ、洋子補佐と買ってきたの。」
「か、買ってきたって・・・・・で、・・・何？」
「何じゃないでしょ！　疼いてしょうがないのよ。」
「う・・・・・疼いてって・・」

　裕二は、眩暈を覚えながら、その場に立ち尽くした。

（・・・ま、マジかよ・・・）

　亜美が、裕二のガウンを左右に開き、ブリーフを下ろすと、大きな口をあけて一気に根元まで咥え込んでくる。
　生暖かく、ねっとりとした感触が肉棒全体に伝わってくる。

　裕二の意に反して海綿体が５回目の覚醒を開始した。

（・・・・・・な、何故だ・・・・た、立ってしまう、自分が怖い・・・・）

　裕二は、もはや覚悟を決めたようだ。
　悦子と真央で全精力を使ったにもかかわらず、亜美の長い舌が器用に、そして絶妙に絡んでくる感触に男の本能が、生気を蘇らせたのだ。

　亜美は、肉棒を咥えたまま、ナイトガウンを脱ぎ乳首を刺激し始めた。
　裕二が、両手で亜美の頭部を抱え込むと、亜美は、肉棒から手を離し、Ｔフロントのショーツをずらして指で円を描くように摩擦を開始する・・・

「ンムゥゥゥゥゥゥ・・・・・」

　亜美が、真央と同じように自ら肉棒を飲み込んでいく。
　更に、舌が弄ぶように絡みついたいた。

（・・・クゥッ・・・・こ、こりゃ・・・たまらん・・・）

　裕二は、亜美の舌技に魂を抜き取られるような錯覚に陥った。

（・・・亜美の舌技に敵う女性は・・・・いないかも・・・だな・・・）

　亜美の真っ白な肌が、徐々にピンク色に染まってきた。
　裕二は、亜美を抱きかかえると、静かにベッドに寝かせ、熱い接吻でディープチェンジを繰り返した。

「ゆ・・・・・裕二・・・・・・ぁぁ・・・」

　その夜、亜美の乱れっぷりは尋常でなかった。
　あまりの絶叫と昂ぶる興奮に何度も潮を噴き上げ、快感による鳥肌が消える事が無かったのである。

（１２８）

「香坂・・・・香坂っ・・・？・・・・・・・裕二ぃっ！」
「・・は・・はい・・・はいっ！」
「もう、昼休みは終わりだぞ。」

　遠藤の大声で、目を覚ます裕二・・・
　昨日の疲れで、昼休みの休憩があっという間に過ぎてしまった。

「どうした・・かなり疲れてるようだな。」

　寝ぼけながら独り言を呟く裕二・・・・・

「・・はい・・・３人掛ける２回です。」
「３人掛ける？・・・・・何を言ってるんだ。」
「ぇ・・・あ、す、すいません。」

　遠藤が呆れた顔で、裕二を見た。

「目を覚ませ、仕事だ。」
「はい・・」
「室長から依頼が来た。鏑木の調査が完了したから、ある組織の壊滅作戦を手伝って欲しいそうだ。」
「わかりました。」
「まあ、弱小組織だから直ぐ済むといっていた。今から、北海道へ飛んでくれ。」
「はい。」

（ラッキー、少し、飛行機で寝れるぜ。）

　裕二は、早速支度を済まし、亜美に北海道に飛ぶ連絡を入れた。

『まぁ、急なのね。』
「ああ、でも２、３日で終われるそうだ。」
『わかったわ。気をつけて行ってきてね。』
「ああ。」
『あ、それから裕二さん、鏑木次長に伝えておいて。洋子補佐が、もう我慢の限界って言ってるって。』
「ハハッ・・・洋子にも言っておけ。道具は、たくさん持ってるだろうってな。」
『フフッ、でも、本当にイラついてるみたいよ。』
「わかった。一応、耳に入れておこう。」

　電話を切った裕二は、早速、空港に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「どうしたの、亜美？」

　洋子が、亜美に声をかけてきた。

「裕二さんも北海道に行くんですって。」
「そうなの・・・しまったわ、言付けを頼めばよかった。」
「もう、私が言っておきましたよ。補佐が毎日下着を汚して困っていると、鏑木次長に伝えておいてって。」
「アハハハ、ありがとう、亜美・・・・・・って、何て事言うのよ、お馬鹿っ。」
「じょ、冗談ですよ。」
「・・・・あんたの事だから、わかったもんじゃないわね。」

　亜美は、舌を出しながらデスクに戻ろうとした。

「さて、仕事、仕事　」

　洋子が、流し目で視線を送ってくる中、亜美にも仕事の命令がなされた・・
　次長の西田が、亜美のデスクに歩み寄ってくる。

「亜美君、厄介な仕事だが頼む。」
「はい、何でしょう。」
「うちの、太平洋製鉄の提携会社で星野鋼機が合併の関係で訴訟を起こされているのは、知ってるだろ。」
「ええ、確か相手は山之内商事ですね。」
「ああ、一審は、敗訴となっているんだが、違う件で原告が、工作を掛けたことが浮き上がってきたんだ。」
「・・・・というと。」
「訴外の星野鋼機は、工業機械の加工及び出荷作業を目的とする会社なんだが、山之内商事の株式６万４０００株のうち、２万４０００株を有しているんだ。
　その背景として、合併した旨の変更登記をして、その、同日付で星野綱機は、本件合併により、その解散した旨を登記したんだが、実は、その登記自体が原告側の裏工作によって謀られた作戦じゃないかという噂が上がってきた。」
「そうなんですか・・・じゃ、さっそく・・・」
「裏で操っている奴を調べたいんだが、なかなか見つからない。鏑木が、北海道に飛ぶ前に、少しデータを残していったんだが、３人の人間がピックアップされている。いずれも怪しい奴だ。」
「名前は？」
「一人は、顧問弁護士の滝川誠、二人目は、山之内商事の社長の娘で大川寿美子、三人目は、昨年、引退した山之内商事の元会長で、現参謀を務める高田四郎だ。」
「この３人が？」
「特定は出来ないが、関連しているとすれば、一番可能性がある。」
「３人のデータは、直ぐに出ますか？」
「ああ、鏑木は、いないが、シンディと香川に早急に調べさせる。亜美君は、奴らの尻尾を掴んで、真相を明るみにして欲しい。」
「はい。」
「俺は、今までの類似した判例を調べて作戦を練っておく。」
「わかりました。」

　亜美は、まず、今わかってるだけの資料を洋子のデスクに取りに行った。

「補佐・・・」
「わかってるわよ。今、データ出してるから待ってて。」
「はい・・・」
「イマイチ、抽出操作が手間どうのよね・・」
「補佐、急いでくださいよ。」
「解ってるわよ。パンツに染み作りながら頑張ってるから待っててっ！」
「補佐・・もうちょっと違う言い方ないんですか？　香川君が笑ってますよ。」

　洋子が、しまったという顔をしながら香川を確認した。
　香川は、いかにも聞いていなかったという態度をとるが洋子にはそう見えない。

「香川君、洋さんには、今の事言わないでよ！」
「は、はい。勿論ですとも。」

　洋子は、おぼつかない手でタイプを打ち込みはじめた。
　鏑木が作った検索情報システムは、以前のソフトと違い抜群の検索能力を持っている。
　何度か、失敗をした後、洋子が、やっと３人の簡単な情報を収集した。

「ふぅー・・出てきたわ。・・・はい、亜美っ。」
「すいません。」
「たったこれだけでも、疲れちゃった。・・ちょっとトイレでオナってこっと。」

　亜美と香川が、洋子の台詞に瞬時にずっこけた。

「・・・もぉ・・・相変わらず・・・」
「でも、面白くて、僕は好感持てるけどね。」
「まあね。・・・さて、香川君、私、行ってくるわ。」
「了解、気をつけて。・・・俺のデータは、随時、亜美君に送るよ。」
「ありがとう。」

　亜美は、資料をバッグにしまうと、３人の身辺を洗うためセンターを出た。

（まずは、顧問弁護士の滝川誠を洗ってみるか。）

　亜美は、地下駐車場に下りると車に乗り込み、滝川法律事務所に向かった。
　滝川法律事務所は、湾岸線にあり工業地帯に近い港近くにあった。

　海浜を眺めながら車を走らせる亜美・・・
　大きく曲がるローターリーを降りると公道に入った。

（あら、真央さんのお店と近いわね・・・・帰りに寄ってみようかな・・）

　亜美は、真央の勤めるフェニックスの前を通り過ぎていった。

　しばらく走ると、レンガ造りの洒落た事務所が見えてきた。
　亜美は入口の前に車を止めて滝川誠に面会を求めた。

「すいません。今、先生は、来客中でして。」
「そうですか、いえ、結構です。私もアポを取っていませんでしたので。また来ます。」
「恐れ入ります。」

　亜美は、研修生であろう若い女性に頭を下げて事務所を出た。
　ふと、奥の応接間に目を向けるとドアの隙間から口周りに髭を蓄えた男性が見える。
　そして、煙草を消そうとテーブルに屈みこんだ男も確認できた。

（！・・・・あれは・・社長の大川と前会長の高田・・・）

　亜美が確認した二人の男は、山之内商事の前会長で、現在、参謀及び相談役である高田四郎と現社長の大川であった。

（なるほど・・・・やはり、３人は、関わりがあるわね。）

　亜美は、やはり裏関係があると確信した。
　今までの経緯から、鏑木が、ピックアップした人物に外れは一度も無かったからだ。

　ただ、確信を得るために時間を掛けるのが、鏑木のやり方であるため、決定付けが無いのである。
　しかし、その決定付けの証拠を掴むのが亜美の担当する仕事でもあった。

（・・・・可能性は高いわ。）

　亜美は、残る一人、社長の娘である大川寿美子を調べに行く事にした。
　大川寿美子は、社長の三女だ。
　長女、次女とも既に結婚をし、末娘である、寿美子は無職で、普段は遊びに精を出している。

　亜美が、大川の資料を取り出した。

（無職か・・・まあ、社長の娘だから働く必要も・・・ん？）

「と、東大っ？・・・・凄いのね・・・」

　亜美は、さっそく香川に電話を入れると、大川寿美子の詳細を急ぐよう依頼した。

『解った。なるべく急ぐよ。』
「お願いね。」
『任せろっ！』

　香川は、自信有り気に答えて電話を切った。
　亜美は、資料を助手席に置き車をスタートさせた。

　来た道を戻る亜美・・・
　フェニックスの前を通りかかると、偶然、真央が車から降りているところだった。
　亜美は、車を停止し真央に声を掛けた。

「真央さんっ！」
「あら、亜美さん、どうしたの？」
「うん、ちょっと仕事で。」
「へぇ・・・・・、ね、お茶でも飲んでいきなよ。」
「うぅーん、どうしよう。」
「いいじゃない、ちょっとくらい。」
「・・・・・・じゃ、少しだけ・・」

　亜美は、親切に誘う真央の誘いを受ける事にした。
　真央の専用部屋に入る亜美・・・

「そういえば、亜美さん、昨日、裕二さんに甘えさせてもらったわよ。」
「ええ、朝、聞いたわ。半分気を失って会社に行ったもの。」

　大笑いする真央に、亜美も顔が崩れていく。

「でも、亜美さんが羨ましいわ。裕二さんといつも一緒だもの。」
「真央さんも、探せば？」
「駄目なのよ、男にイカされるのは、裕二さんだけなの。身体から出る雰囲気が妙に私にマッチしてるの。後は、男を虐めてイカさないと、身体が満足しないのよねぇ。」
「・・・んー・・未だに、それが解らないなぁ。」
「ところで、亜美さん、仕事って？」
「んー、実はね・・・ある人物を調べてるのよ。」

　亜美は、真央に内容だけは解らないように今件の話を始めた。

「へぇー、大変ねぇ・・・・・でも、大川って何処かで聞いたことあるな・・」
「大川なんて名前は、たくさんあるわよ。」
「そうよね・・・・・・あ、思い出した。私が知ってる大川は、お客さんでいるの。夫婦でＳＭマニアなのよ。素人の割には、凄いわよ。まぁ、私の足元には、まだまだ及ばないけどね。」
「へぇー、夫婦でねぇー・・」
「ご主人は、どこかの社長さんなんだけど、結構、話がわかる人で奥さんを自分の目の前で、他の男性に抱かせて喜んでるのよ。先週も男性スタッフ５人掛かりで奥さんにサービスをしたのよ。」
「凄ぉっーい。奥さんもいい歳なんでしょ？」
「そうねぇ・・・ご主人は、５０後半だけど奥さんは若いわよ。まだ・・・・そうねぇ・・・・・・４０歳前じゃないかしら。でも、男性スタッフには、人気あるわよ。結構美人だしね。」
「へぇ・・・ちょうど燃える歳なのかしら？」
「お金をたくさん使ってくれるからね。スタッフも割り切ってるわ。」
「とても真似できないわ。ご主人は、奥さんの、されている所を見ているだけなの？」
「その間、私が、オマタ舐められてるんだけど・・フフッ・・髭がくすぐったくて。」
「真央さんじゃ、物足りないわね。」
「ま、でも、世の中、色んな人がいるからね。好きでやってる仕事だし。」
「そうね・・・・。・・・・さて、真央さん、私、もう行くわ。」
「ええ、ゴメンね。引き止めちゃって。」
「うぅん、また、寄らせてもらうわ。コーヒーご馳走様。」

　亜美は、礼を言って真央の専用室を出た。

（真央さんのような商売も大変ね・・・）

　亜美が車に向かって歩きながら何気に真央の会話を回想していた・・・・

（・・「・・フフッ・・髭がくすぐったくて。」・・・ひ、髭？・・よくある名前？）

　亜美は、立ち止まって頭を整理すると急いでフェニックスに戻った。

「真央さんっ！」
「ど、どうしたの？　忘れ物・・」
「真央さん、この写真見てっ！」

　亜美は、センターから持ってきた資料を真央に見せた。

「ここに来る、大川って、この人じゃない？」

　真央が亜美から資料を受け取って写真を眺めた。

「・・・そうそう、この人よ。やっぱり、そうだったの？」
「真央さん、ひょっとしたら、また手伝ってもらうかもしれないわ。」
「・・え、ええ・・・それは構わないけど。」
「真央さん、大川は、よく来るの？」
「んー・・・月末が多いわね。でも、空き部屋確認で電話は必ず掛かってくるわ。」
「真央さん、大川から電話が掛かったら連絡を入れてくれない？」
「ええ、いいわよ。」

　そろそろ、月の終わりに近づいている。
　亜美は、一度センターに戻り、西田に報告をして作戦を決める事にした。