（１３７）

　酒井由香が、和風レストランで裕二を待っていた。
　腕時計を見ながらソワソワしている・・・
　まだ、約束の時間までには、３０分以上もあったが、由香は、焦がれる思いを煮やし早く出かけてしまっていたのだ。

　由香は、ガラス越しに外の景色を眺めた。
　その時、ガラスに写る裕二の姿が目に入った。
　咄嗟に振り向く由香・・・・

　裕二は、手をあげて笑いながら席に近づいてきた。

「・・・香坂さん・・・・ど、どうして。」
「ああ・・ま、君の事だから既に来ていると思ってね。俺も意外と早く終わったし。」
「・・・ぁ・・す、すいません。」

　由香は、恥ずかしそうに裕二に答えた。

「謝る事は、ないよ。　それより、さっそく料理を注文しようか？」
「は、はい・・」

　裕二は、メニューを見ながら由香の好物を聞き出し料理を注文する。

「じゃ、ヒラメの刺身と茸のキムチ煮・・・それから特選コースを・・」
「かしこまりました。お飲み物は、どういたしましょう。」
「まず、グラスでビールを貰おうか。後は、冷酒を４号瓶で。」
「かしこまりました。」

　注文の後、由香は恥ずかしそうに、裕二に声を掛けた。

「・・・あの・・・・今日、本当に楽しみでした。」
「ハハハッ、・・・俺もさ。」
「・・・ぇ？」
「いや、君のイク瞬間の顔を見たくてね。」

　由香は、顔を真っ赤にしながら俯いた・・・

（意外と、ウブだな・・・由香君も。）

　料理が運ばれ、二人はグラスを合わせた。

「じゃ、乾杯っ！」

　由香が裕二を伏し目がちに見ながらグラスを口につけた。

「そういえば、由香君、あれからどうなった？」
「・・・ええ・・・税理士の方に全て委託しました。後は、私には必要ないので、遺児支援協会に・・。」
「・・・・・・君は、立派だな。」
「お金は必ずしも必要ではありません。というか・・・固執したくないんです。」

　裕二は、将来リーダーシップをとるであろう由香に助言を与えた。

「・・・・・・由香君・・・・魅力ある人間は、頭と心を鍛えるんだ。」
「え？」
「魅力ある人間は、人が、ついて来るって事さ。」
「・・・・・・」
「つまり、目標があるなら全てを鍛えるんだ。」
「はい。」
「さ、飲もうぜ。」

　裕二と由香は、色々な話を交わしながら会話を楽しんだ。

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　ほんのりと頬を染めた由香は、バスタブを羽織ってベッドに座っていた。
　裕二は、まだシャワーを浴びているのだが、とても落ち着かない様子だ。

（・・・心臓が破裂しそう・・・・）

　裕二が、濡れた髪をタオルで拭きながら浴室から出てきた。

「なんだ？　飲んでいればよかったのに・・・・」
「・・え、えぇ・・・」

　裕二は、由香の緊張度を読んでいく・・・

（・・・・なるほど・・・・そんなもんかな・・）

　裕二は、由香の隣に並んで腰掛けた。
　由香は、下を向いたままだ。

「男と女は不思議だな。・・・・磁石のようでもあり陽と月のようでもある。」
「・・・・・！」
「世の中、正直に自分の気持ちを曝け出せる人間がどれだけいるだろうか・・」
「・・・・裕二さん・・・」

　由香の心が、不思議と鎮まっていく・・・
　由香の呼吸と雰囲気で落ち着きを取り戻した事を確認した。

「切っ掛けは、必要だ・・・ずっと、生きていく限り・・・・」

　そういうと裕二は、咄嗟に由香の腰に手をまわし、そして唇を奪った。
　由香も反射的に裕二の首に手を回し、それに応えていく・・・・

　裕二が、由香のバスタブの紐を解いた。
　由香の乳房が胸に当たると、そのままベッドに倒れこんでいく。

　由香は、裕二にしがみつき腰を挟むように膝を立てた。

「・・・・・・・ァァ・・」

　緊張の糸は完全に切れてしまった。

　由香は、自分の子宮の奥から、徐々に熱いものがこみ上げてくるのがわかった。
　裕二は、由香を持ち上げ身体を入れ替える。

　由香が、真上から裕二の唇を貪った。
　裕二の顔を両手で包み込み、舌を絡めていく・・・・

「・・・ンァァァァァ・・・・」

　裕二が、由香の股間に顔を埋めていた。
　女芯が、裕二の舌で敏感に反応していく。

「・・・ンアァァァァァァァ・・・・・・ゆ、裕二・・さ・・・ぁぁぁぁ・・・」

　ガクガクと全身が痙攣していた。
　目は潤み、全身もピンク色に染まっている・・・・

「・・・・・こ・・こんな・・・・・・アァァ・・・・凄いぃぃ・・」

　由香の乱れようは凄かった。
　裕二の前では、既に羞恥心は消えていた。
　不思議な感覚が、由香の全てに浸透していく。
　由香にとっては、セックスで、こんな感覚を経験するのは初めてだったのだ。

　既に、１時間も裕二の責めが続いている・・・・
　由香は、継続する快感で気が狂いそうだった。

「ゅ・・・裕二さん・・・わ、わたし・・・も、もう・・・・」

　裕二は、起き上がって由香の両足を持ち上げた。
　由香の大きく上がる足を支えながら手をベッドにつくと、由香にキスをしながら、肉棒をゆっくりと蜜壷に挿入していく。

「・・ァァ・・ァァァ・・・ァゥ・・・ウ・・ァァ・・ァアアアアアアアアーッ・・」

　完全に裕二の肉棒が、由香に埋没した。
　そして、ゆっくりと出し入れを開始する裕二・・・

「ゥゥゥ・・・・アゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・」

　泣き声が混じったような、由香の喘ぎ声が、部屋に響く。
　裕二は、由香の足を離して抱きしめた。

「・・ゆ、裕二・・・裕二さん・・・ご、ごめんなさい・・・・い、いきそ・・ぅ！」

　裕二は、由香を見つめて頷いた。
　そして強く子宮の奥を突いていく・・

「ゥゥゥ・・アァァ・・・ィ・・・イ、イクッ・・アァァァァァァァァァァーっ！」

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　２回目の交わりを終了し、由香は、裕二の胸元に頬を密着していた。

「・・・・・裕二さん、本当に素敵だった。」
「君もな。」
「・・・・・あの・・・・・・裕二さん・・・」
「ん？　なんだい・・」

　由香は、裕二の胸に頬をつけたまま、裕二に囁く・・・
　裕二の鼓動が、リズムよく耳に伝わってきた。

（・・・・私・・・・・・・）

　裕二は、瞬時に由香の心を読み取っていった。
　・・・そして・・・

「たまに会ってもいいぜ。」

　そう、言うか言わないかのうちに由香が、顔をあげて裕二に抱きついた。
　由香は、裕二の人を読み取り、先を越して落胆させない優しい心配りに全身全霊を吸い取れてていく感覚を経験したのだ。

「さて、由香君、行こうか？」
「・・・ぇ・・・えぇ・・・はい。」

　由香は、裕二から離れてバスタブを羽織った。
　裕二も起き上がりタオルを腰に巻く・・・・

「一緒に浴びようか？」

　照れた笑みで由香は、頷いた。
　そして、二人は、浴室に消えていった・・・・