空港には、今日は律子だけではなく、由美子も進の出発を見送りに来た。 帰りに二人で食事に行くらしい。 進と律子は、由美子の目も気にせず、濃厚なキスをした。 由美子は、隣で赤くなりながら、そっぽを向いている。 「いってらっしゃいませ。」 「じゃ、律子、由美子もな。」 律子が頭を下げ、小さく顔の横で手をふる。 由美子も隣で、笑顔で手を振っていった。 由美子は、進が消えた後も手を振る律子の目から、大粒の涙が止まらないのを見て、また、そっぽを向いた。 「お兄ちゃん、ほんとに幸せね。律子さんのような方に愛されて。」 律子の車で、由美子が言った。 「由美子さん、お兄様のような方に愛されている私がもっと幸せなのよ。」 律子は笑って応えた。 しばらく、考え込む様に黙りこんでいた由美子は、小さく言う。 「なんか、いいな。」 その横顔を、ちらっと見て、また律子は少し微笑んだ。 火曜、木曜、そして、土曜と日曜のメール、電話の律子への調教がまた始まった。 律子は進の喜ぶであろう、的確な姿を映像に収めて、その内容を送り続ける。 2月20日、裸に青い首輪で進からのメールを待っていると、携帯の着信音が聞こえた。 「律子か。」 「はい、ご主人様。」 「渡米が決まった。明日、君の家の方に電話をする。ご家族は何時ごろ、いるかな。」 「ご主人様、おめでとうございます。でよろしいですよね。」 「まぁ、そうかも知れないな。」 「ご主人様、明日は7時には、両親ともおります。」 「わかった。」 「ご主人様の、ご自宅には、お知らせしましたか。」 「うん、今さっきまで、話していた。律子、今日の命令は、律子の好きな鞭打ちオナニーだ。3回はいけ。」 「わかりました、ご主人様。」 電話を切り、カメラをセットした律子は、お○んこに、何度も、何度も首輪をレンズの前で打ちおろす。 しかし、進がより遠くに行くことが確定し、さっきの会話とは裏腹に寂しくて、悲しくて、まったく感じない。 泣きながら、真っ赤に腫れ上がったヴァギナを打ち続け、痛みを連続させることで、ようやく3回頼りない絶頂を得た。 翌日、ちょうど7時に、進から、電話があり、キッチンで、律子が電話を取った。 「安達でございます。」 「律子か、昨日の件だ。お父さんに代わってくれ。」 お父さん、進さんです。 わしに用事か。父親が電話取り、話をしている。 「それは、おめでたいことです。是非、がんばってきて下さい。」・・・ 「6月、そうでした。お待ちしております。」・・と会話が終わり、受話器を電話に置いた。 「律子は知っていたのか。」 「ええ、知っていました。でも、決定するまで、誰にも言わないで欲しい。との約束で・・・。」 「そうか、しっかりした青年だな。ちゃんと、律子のことも考えている。」 「でも、律子、1年は長いぞ。」 「私は大丈夫です。」ときっぱり言って、部屋に戻ったが、寂しい、そして悲しい。 6月、8月、12月、そして春、進は帰ってくるのに、「恋人」が異国に行くとなると、人はこんな気持ちになるのだろうか、律子は考えた。3月の16日が、進がアメリカに渡る日だった。 このところ、律子は進へのメールに、さみしい、こわい、一緒に行きたい、と写真を送る時、付け加える様に書いてしまう。 それは、次の進のメールでは無視される。 いつもの様にメールを開くと、進は、意外なことを書いて送ってきた。 「久美に会いなさい。ただし、久美一人の時に。充分に注意しなさい。」 律子は、次の日曜日夜10時ごろ、久美のマンションに向かった。 日曜日、しかも、この時間なら、女の一人暮らしなら、たぶん、一人でいるだろう、との考えからだ。 律子は進のメールに書かれていた、ルーム・№を押した。 しばらくして答えが返ってくる。 「はい、どなたでしょうか。」 「律子と言います。以前、進様の奴隷として伺った律子です。」 「はい、律子様、お久しぶりでございます。」 「あの、今、お一人でしょうか。」 「ええ、一人です。でもどうして。」 「ご主人様に、久美さんがお一人の時、お会いするように、言われております。」 「進様らしいわ。どうぞ、安心して部屋においで下さい。」 マンションの玄関のロックが外れ、久美の部屋まで、一直線に向かう。 インターホンを押した。 「開いております。どうぞ、お入り下さい。」 久美と簡単な挨拶を交わし、律子は青のリビングのソファーに腰をおろした。 既に、紅茶が用意されている。 久美は律子に対して怯えた目をしない。 微笑みさえ、浮かべている。 律子は進のこれからのことと、自分との計画、近況を話し、最後に進が久美に会えと命じたことを話した。 それを聞いた久美は、律子を見て言う。 「律子様は、本当に進様に愛されているのね。そして、進様は、私のことさえ信用して下さる。律子様は、本当に幸せな方です。」さらに、久美は話を続ける。 「私は、進様とは、中学の3年間、同じクラスで、高校も同じです。ご存知でしたか。」 律子はいいえと首を横に振った。 「そうですか。進様は心の広い方です。そして、あの方は、多分、私のご主人様より、・・・」言葉を選んでいたが、久美がまた口を開く。 「私のご主人様より優しい方です。私は、高校の時、あの方をいつも、いつも、思っておりました。そして、先日、お会いして以来、久美は、また、あの方に恋をしています。」 恋と言う言葉が、律子の久美のイメージとは似合わない。 「私は、以前、律子様にもお目にかけた体を持ちます、ある方の家畜です。私の手足はその方によって、切り取られるかもしれません。でも、進様は、私の気持ち、いや、10年もむかし、私があの方を愛していたことを、私の全てを見ても信じて下さいました。私は初めて、いや、初めてではないとは思いますが、髪をなでて頂きました。今思うと、進様は、律子様の前で言うのは失礼ですが、高校の時、私のことを、心のどこかに置いてくださったのではないのかと思います。進様はご自分を責めたのだと思うのです。」 「進様は、お帰りになる時、私におっしゃいました。律子様の笑顔が大好きだ。そして、私にもいつか、笑顔を取り戻して欲しいと。」 「私は進様には、今でも、本当の笑顔をお見せする事ができるのでないかとずっと考えております。・・・私は、人、女として進様が好きです。」 「進様は、きっと、どんな、私を見ても、私を信じてくれる方です。」 ここまで一気にしゃべり、久美は下を向いて泣き始めた。 「久美さん、お話を聞かせてくださり、本当にありがとうございます。律子は、ご主人様のいつも奴隷と思い暮らしておりましたが、経験の無い事にあって、気が動転しておりました。久美さんのお話を伺って、落ち着きました。」 「ご主人様は、同窓会の次の夜、涙を出されてお泣きでした。」 久美の泣き声が大きくなる。 「久美さん、夜分、本当に失礼致しました。律子は、今日はこれで帰ります。また、お話を伺わせてください。」 律子が立つと、久美も続いて立ち、玄関まで、一緒に出た。 「久美さん、私の体は、ご主人様のものです。ご自由にして頂き、お楽しみ頂ければ、それがどんなことでも、私は全てを受け入れます。私はご主人様をお慕いしております。進様の奴隷であることが私の喜びです。」律子は微笑んで言った。 「そうね、律子さん。」 「はい、久美さん、さようなら。」 律子は車で自宅に戻った。 愛しいご主人様 久美さんと今夜、お話させて、頂きました。久美さんは、私に大切な事を、言ってくださいました。律子は少し考え違いをしておりました。ご主人様の大きな成果と、無事なお帰りを心より、お祈りしております。 （追伸、久美さんはとても、お元気そうでした。） ご主人様の牝奴隷 律子 進は、既にアメリカにいるが、律子の日常は何も変わらない。 メールで、進と話ができ、そして、命令が出れば写真を送る、T字のバイブさえ、進の意思で日常的に動いた。 6月を迎える。 律子の住む地域は、5月には日中最高気温が、20℃をはるかに超える日もある。 6月5日の進からのメールに、13日から19日の間、帰国し、その内の13から16は、K県に戻るとの書き込みがあった。 その他の日は、東京の会社で研究テーマの進捗報告等をするらしい。 律子の報告を受けた安達家も、進から国際電話を取った今川家も忙しくなった。 ただ、両家とも何かをしているわけでは、ないから、気分的に忙しくなったというのが正確だろう。 全て、進が進行させていることで、互いの家には何の要望も出してない。 ただ、婚約が行なわれる事のみが、決定しているだけだった。 進の両親が、初めて律子の家を訪ねたのも、そんな時である。 和室で、律子と進の両親が向かい合って座り、律子は自分の両親の隣に座っているが、お互いに、どのような挨拶を交わすべきなのかもわからない。 初めて会った両親どおしが、向かい合って、普通の挨拶のみを交わし会話が止まってしまった。 進の父親が、謝る。 「すいませんなぁ、勝手な息子でして、結納とか必要ないと申しまして、言い出すと全部、自分で進める奴でして。」 「いや、しっかりした息子さんです。私は感服しております。」 「そう言って頂けると私の方では、助かります。」 それで、場が和み、話が進の手が届かないと思われる事に移った。 式場は東京かこっちか、何日か、しかし、進がいないと、まったくどうしようの無い事ばかりだった。 「律子、進さんから、何か聞いているか。」 もじもじしている律子に父親が聞いた。 「いえ、私は何も。」 それを聞いて、律子の父親が大笑いする。 「豪快、豪快。」 一つだけ、今、決められることがあった。 それは、律子が仕事を辞めて、花嫁修業をすることに専念する時期。 これは、安達家で決めていい事だ。 「律子、どうする。」 律子の寿退社は、議員会館の男達の苦情が出るだけで、何時でも問題はない。 めずらしく、律子ははっきり答えた。 「婚約指輪を進さんから頂いたら、辞めます。」 父親が頷き、それではそうしなさい。と言った。 13日の夕方、律子と由美子が、空港で進を迎えた。 進は2人の前に立ち、由美子に荷物を渡しながら、「由美子、なんでここにいる。」「いちゃいけないの。」と由美子が答え終わる前に、進は律子を抱きしめ激しいキスをする。 由美子を目に置き場がない。 顔を離すと、律子が言った。 「お帰りなさいませ。」 「あぁ、律子ただいま。」 由美子には、アッカンベーと子供のような、仕草をした。 「もう、お兄ちゃん。」 プンプン、怒って荷物を車に運んでいく。 由美子が去ったので、律子は跪いて、靴にキスをした。 立ち上がって、もう一度、律子は「ご主人様、お帰りなさいませ。」と言う。 「律子、ただいま。」もう一度、キスを交わす。 車の中で、由美子は大はしゃぎだった。 「お兄ちゃん、どうするつもり、ご両家様とも、大変お困りよ。」 「なにを。」と聞いてやると、「全部、お兄ちゃんがこの2日でまとめなくっちゃ。」 進は何も困ってはいない。 式場はこっち、それだけを決めていた。 その日の夜は、市内のホテルを取っていた。 「由美子、お前、どうやって帰るんだ。」 「どうやって？お兄ちゃん、今日は自宅でしょ。」 「律子、Pホテルだ。」 「はい。」 「由美子、今日はメモリアルデーだ。家に車で帰れ。」 財布を見たら、ドルしかない。 10ドル紙幣を3枚渡し、「ほら、これで帰れ。」「何、これ、由美子、お金なんか持ってないよ。」「由美子さん、後で、お渡しします。」律子が助け舟を出す。 いたずらばかりする助手席の兄に、由美子が後ろから、頭をポカと打った。 由美子は教員免許を取ったが、就職難の影響で教員、民間にも採用されず、今年は大学院に行っているが、地方大学では、大して意味を持たない。 両親には聞いていたが、氷河期というのは本当に凄まじく、4年制の女子大生は、飢え死にしなさい、と言われていると同じものらしい。 ホテルの前で車が止まった。 「そのままでごめんなさい。」 １万円札を律子が由美子に渡す。 「どうも、すいません。」 由美子は受け取り、車を降りようとしている背中に、「由美子、いいから、10ドル渡してみろ。」言ったら、「バカ兄貴。」と、舌を出した。 2人が部屋に入った。 律子はすぐ、服を脱ぎ始める。 そして、首輪をバックから、取り出し、首に巻く。 2人は6ヶ月離れて、暮らしていたが、それぞれの状況は全て知っている。 ただ、肌を合わせる時間が持てないだけで、心は半年前に別れた時のままだった。 律子が、這って歩いてきて、進の下に寄り添った。 ベッドに身体を寝転ばせた進が命じる。 「律子、服を脱がせてくれ。」 上着を脱がし、所々、進の好む場所を舌で、大きく舐め、チュウウ～、と音を立てて吸う。 スラックス、トランクスも、律子は脱がしていく。 それと同時に地肌が現れた進の足に、腹に、舌を這わせ吸った。 最後にペニスを咥える。 進と目が合い、小便を待つ。 律子は目を閉じ、最高の飲み物を飲むように、ゴクゴクとのどを鳴らし、恍惚とした表情で便器の役目を行なった。 全て、吸い取り、ペニス、睾丸、そして肛門に再び、舌を這わせつつ、自分の唾液を大量に塗し付け、音を立て、自分の中に吸い込んでいく。 靴下を脱がせた後は足の指を一本、一本を口に含み、唇を上下させ、そして指と指の間を手で広げ、舌を出したままで顔を動かし、掃除をした。 「律子、ベッドに尻を上げた姿勢だ。」 掃除を終えた律子に言う。 「はい、ご主人様。」 頭を下にし、ヴァギナ、アナルが進の目の前にある形になった。 進はアナルのプラグを引き抜き、律子の内臓を見つめる。 ピンクの腸壁が、伸縮しているのが見て取れる。 進は、いきなり、既に濡れきったヴァギナにペニスを入れ、久しぶりの肉の穴を楽しみ始めた。 律子は、途端に「アン～、ア、アン。」と喘ぎ声をあげる。 2,3分おきに、肛門とお○んこを使い分け、ペニスから、その違いを感じながら、進はその「穴」を満喫する。 律子は、肛門を使われている時も、お○んこの時も、変わらず、「ハン～、ゴヒュイサーマ、イイ～。」と叫び続けた。 進は、アナルに精液を放出する。 「イク～。」 律子が、絶頂を告げる大きい声をあげた。 進がタバコに火を点けた時、律子は、ペニスを掃除するため、再び口にペニスに含んでいる。 午後7時、ホテルのレストランで、2人が向かい合って座っていた。 2人の手には、シャンパングラスがある。 「ご主人様、お疲れ様です。」 「うん、この食事が終わったら、私は、会社への報告書を作らなければいけない。それはこの3日、毎晩だと思う。」 「お仕事ですもの、仕方がありません。ご主人様。でも・・・。」 「でも、なんだ。」 「律子をご主人様の便器としてでも、いつでもお使い下さい。」 律子は、目を真っ直ぐに進の目に向けて言った。 「まあ、昼間は、律子と一緒だ、そうしよう。」 食事が運ばれてきた。 それが、テーブルに並べられている間に、進は小物入れの中から、2つの指輪の入った箱を取り出す。 また、2人に戻った時に「律子、受け取ってくれ。」、言葉を添え二つの箱を差し出した。 それを受け取り、律子は厳粛に聞く。 「開けても、よろしいでしょうか。ご主人様。」 進が「当然だ。」と答える。 律子が開けると、0,5ct位のピンク色のダイヤを中心に、進が好みそうな、小さなダイヤの装飾で周辺をシンプルに飾った指輪と、少し大きめのダイヤに幾つかの小粒のダイヤが、不規則だが、デザインとしては、人に好感をもたらす位置に並べられたシルバーの先のものより派手さのない指輪だった。 指輪の裏には、「from S to R 」と、今日の西暦と月日のみが刻まれている。 律子は、無言でピンクのダイヤの指輪を左手の薬指にしようとした。 進がそれを取り上げ、律子の指に飾る。 （由美子の言った、サイズで合っているみたいだ。） 進は、事前に由美子に律子の指のサイズを大体、推察して教えろ。と伝えてあり、その教えられたサイズにしていた。 律子は何度も、手を広げたり、閉じたり、そして、裏返したり、元に戻したりする。 「ご、ご主人様、ありがとうございます。」 律子は、感極まった声で、指輪と進を見て、言う。 「律子、今日が君と私が、結婚を約束した日だ。もう一年、大丈夫だな。」 「はい、律子は、これから、一年幸せな気持ちで、ご主人様をお待ちできます。」 律子の瞳は、涙を溜め、進をずっと見つめ続けた。 律子は9時に自宅に帰った。 母親に、「お母さん、進さんに頂きました。」既に、指に挿してあるシルバーの指輪と箱に入れたピンクのダイヤの指輪を見せた。 律子の幸せそうに微笑む顔に、母親が「律子、よかったわねぇ。」涙を拭きながら言い、父親を呼びに廊下へ出た。 「お父さん、お父さん。」 父親とちょうど来ていた兄夫婦がキッチンに集まる。 指輪を見て、兄嫁が祝福した。 「りっちゃん、本当におめでとう。」 父親以外は、律子の笑顔に祝福の言葉を送った。 父親は、涙が零れそうで、声が出せなかったらしい。 兄が箱の中にあった指輪を手にし、ボソッと言った。 「これ、お前にやったやつの倍はしないか。」 「そう、あなたのくれたのは、りっちゃんがしている、普段する指輪に毛が生えた程度のものよ。・・・でも、女には値段がないの。」 翌日の土曜日の昼、進とその両親が車で律子の自宅に来た。 日本間には、予定が知らされていたため、酒とご馳走が並べられている。 律子の両親、そして、兄夫婦もその場にいた。 男はスーツで、女はみんな和服を着ている。 律子と進が二つの家族の中心に座っていた。 進が口を開く。 「本日はお時間を頂きましてありがとうございます。昨日、律子さんには、結婚のお約束の品をお渡し致しました。本日は、律子さんを、私に頂けますよう、正式に、両親と共にお願いに参りました。どうぞ、そのことをお許しください。」 「進さん、本当にありがとうございます。あなたのお父様、お母様には、何度もお会いして、お話をさせて頂いています。律子のこと、本当によろしくお願いします。」 律子の父親がそう言った後、律子とその両親が頭を下げる。 それに対して、進と両親が頭を下げ、それで、儀式めいたものは終わった。 酒がいくぶん入り、場が和やかになった頃、律子の父親が、進に聞いた。 「進さん、式のことなど、予定を教えて下さい。」 「はい、来年、帰国致しまして、6月の中の良い日を、結婚式の日とさせて頂きます。たぶん、土曜日です。式場の場所は、こちらで、媒酌人は、私の上司とさせて頂きたいと思っています。」 うん、うん、と聞いていた父親は、「わかりました。式の様式と、両家で呼ぶ人の数を教えてください。」 「私は、式の大きさは、極普通のもので、親戚と友人、それと会社関係で、私どもは40人になるか、どうかだと思います。それと様式ですが、」 律子に結婚式の様式にこだわりがあるかと、聞いた。 「私はありません。」消えるような声で律子が答えた。 「様式は、女性がこだわりますから、私の方も別にありません。」 「わかりました。その辺りは、私どもで決めさせて頂いても結構ですか。」 「はい、お願い致します。」 「では、そうさせて頂きます。それと、律子は、今の勤めを、6月末にでも、辞めさせ、まあ、花嫁修業のようなものをさせようと思っていますが、進さんには、ご意見がありますか。」 進は律子を見つめた。 「それは律子さん、ご家族で決められることだと、思います。」 それで、全ての話が終わった。 |
| 2011.9.24掲載 |
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