ツェレイヅァの恋する相手がわたし！？！
　・・・信じられない！
　幾らわたしが女性好きでも、ツェレイヅァは今の今まで自分の娘として扱っていた・。
　そうだっ、娘じゃないかっ・・・！
　ホンの寸前まで、女性の範疇には入れていなかった・。
　娘としか考えていなかったツェレイヅァが全裸だなんて！マトモには見る事さえ出来やしない・。
　わたしの親心・・・
　
「ねぇ、おじさん？・『多くの男を乗り越えて、男を手玉に取れる女が良い女だよ・。』とも、云ったわよね？・・・・ヨッシーォの云った事は良く覚えているンだもん。」
　弱々しい言い方だったが、わたしに同意を求めて擦り寄って来ている！
　わたしの身体が淫情を持ってしまったのを感じながら、ツェレイヅァが思い止まって、考えを変えてくれることを願った。

　見ないようにと思いながらも、ついつい見てしまうスレンダーでも抑揚のある真っ白な、女体！・これがツェレイヅァでなければ、即座に抱きかかえるところだ！
　・チラッ、チラッと見てしまう。
　女として意識しない内に、ツェレイヅァは素晴らしい曲線美を持っていた・。
　スレンダーだが抑揚が確立されている。
　雑誌などに紹介されるアメリカンヌードのような大きすぎるバストではないが、ハッキリと突き出して、わたしを惹き付ける形をしている。そしてキリッと締まったウエスト。続いてプリっと突き出たヒップ・・・。
　まさにギリシャ彫刻の美の女神か、ニンフのプロポーション・。
　わたしの脳裏に描いた理想のプロポーション・・・。
　今や希少となった控えめな大和撫子の気・・・。
　ツェレイヅァにはわたしの、・惹かれる魅力の全てが揃っている・・・！

　・ゾワッと寒気がした・。
　どんな魔女の悪戯なんだ？！！
　上目遣い・、流し目・、情念を燃やした眼が見上げていた・・・。
　・理に逆行するわたし自身の反射が・・・。
　吸い込まれそうだ！
「１０人以上も経験している。って、云ったな！？・・人数を粉せば良いってモノじゃないだろぅ！・そんなに大勢と経験するなんて、ただのヴィッチだよ・・・！」
　幾ら頭が良くても、１６歳は、１６歳でしかないのかっ！
　・・・しかし、・幾ら子供でも、もうチョット考えて欲しかった・。

　真っ直ぐに、ツェレイヅァを見て寒気が振り帰した。
　髪を丸めて頭上に止めていた。
　首筋のカーブが「良い女」に育った事を示していた・。
　掘りの深いハッキリした顔立ち、掘りの深さを強調する濃いめのアイシャドーとライナーで濃く縁取りされた眼、・対照的な明るい蒼緑の瞳の中に宇宙を感じた。
　妖艶！・・・コケティッシュなこの娘、このメイクではニンフにしか見えない・！
　瞳の深さの中に吸い込まれていく・・・。
　！・この町中の注目を集めたツェレイヅァが、一体、何処で逢瀬を重ねることが出きるんだ？！・・・町の中なら、何処ででも傍目が集中していた筈・・・？
　・もちろんわたし自身は、毎日毎日一緒なんて事は無いし、数日に一度、顔を見せに来る位のツェレイヅァだ。
　そして、わたしの前では、いつも少し引っ込み思案な女の子・・・。
　そうかぁ・、学校関係・？
　あの学校の父兄なら、可成り裕福だ！
　それなり以上の権力もあるだろう？・幾らでも隠れ家がありそうだなぁ・。
　わたしには、あの学校のＰＴＡ連中が一端隠そうとした行動など、把握出来る訳がない！

「わたし・ヴィッチなの・・・？」ツェレイヅァはこれ以上ない悲しい顔をして両眼を潤ませていた・。
　当然だった。・和訳は「娼婦」となるヴィッチだが、アメリカ人の云う『ヴィッチ』は、日本人が云う『娼婦』や『売女』よりもっと強いニュアンスがある。
　まさに最低の女性を指す言葉。それがヴィッチだ。
「なんて・、馬鹿なことを！・・・『良い女』の生き方は、快楽とは別なんだ。・『男を乗り越える。』とは、『良い恋を重ねること』なんだよ・。・真剣に愛し愛されて！・そう云う『良い愛』を重ねると、人間としての幅が広くなって『良い女』に育って行く・。・・・そう云う事なんだ。・・・Ｓｅｘだけを重ねる事じゃないんだよ。・・・酷い言い方だけど、ツェレイヅァは多分まだ、本当に人を愛してはいないよ。」必死だった。
　ツェレイヅァを思い留めさせなければ、わたしが壊れそうだった・。
　
「快楽なんて求めていなかったわ！・その時々、その時の人を本当に愛していたわ！・・・そんなに軽い女じゃないわよっ！・始めての時は痛いだけだったの。・でね、色んな人が云う様な『良い気持ち』にはまだ、なった事・無いの。・・・なんかぁ、気持ち悪い方が多いの・。なかなか良い気持ちなんてならなかった・。どんな人達もわたしを通り過ぎて行っただけ・・・。だけどね、良いセックスを覚えたかったの。ヨッシーォだったら絶対、この壁を越えさせてくれる！って、思っていたの・・・。」
「どうやって？・わたしはツェレイヅァとセックスなんて出来ないよ！・・・それに、思い込みが強すぎだよ！・」急にそんな事を云われても、・急でなくたって、『実の娘』とさえ思っている少女を抱けるワケがないっ！
「好きなの！・さっきも云ったじゃない！・・・いつもヨッシーォに愛して欲しかった・・・・。」半べそを掻いたビーナス・・・。わたしは悪者か！？
　全裸のヴィーナスがツェレイヅァだと分かった瞬間に、その想いぐらい分かったさ！
　だが、そうなったら『足長おじさん』の、・わたしの自負はどうなるんだ！！？
　
「もぉ！・風邪引いちゃうぞっ！」壁に掛けてあったブレザーを取ってツェレイヅァに羽織らせ、部屋の灯りを明るくする為にスウィッチを上げ、脱ぎ捨てられていたブラウスとショーツを拾って手渡そうとした。
　受け取らないんだ！
　この娘はどうしたって云うンだ。
　デスクへ戻ろうと向きを変えようとした処でツェレイヅァが後ろから抱き付いて来た！

　柔らかく、しなやかな素肌がわたしにまとわり付いて、背中にバストの柔らかさが心地良い！・・・シャツを通しででも伝わった暖かみに、わたし自身が反応してしまった！
　背中から抱き付いたツェレイヅァだったが、身体を密着させたまま、わたしの脇を潜り前に回って来ると、当然、わたしの自身に気が付いてしまった。
「ンッ！」思わず噴いてしまった！
　ツェレイヅァの片手が、わたしの自身を包んでいた・・・。
「ンフフフ・・・、チャンと『女』って認めているじゃない！」嬉しそうに声を上げられても、動けなかった。

　快悦が襲ってくる中で、わたし自身に必死で言い聞かせた。
　駄目だっ！
　ツェレイヅァなんだぞっ！
　冷静になれっ！
　誇りを持てっ！

　理性の抑えが効かなくなってしまう・・・。
　希有の快感が這い上がってくる。
　ツェレイヅァの手の指が伸ばされ、手の平がコックに密着したまま指先が珠の方を擽る！
　掌が先を滑り、柔らかく絞られる軸茎・・・
「ゥッ・こんなテクを・・・！」まさに女窟のような包み方・・・！
　こんな包み握りが出来る女は多くない。熟女でさえ少ない筈だっ。
「１０人。って云ったって、１回ずつじゃないわよ。・それにその時その時は、確かに相手の人を愛していたわ！・・・素晴らしい人達だったもの。・・・いろんな事・教わったわ。・その時その時、真剣だったわ！・相手の人達だって・・・。」わたしのドギマギするのを見て、ツェレイヅァの口調が誇りを持った。？？？
　ツェレイヅァが豊富な経験と知識を持った人達に惹かれるのは理解出来るが、こんな若い小娘に一通り以上の常識人が本気で向かうだろうか？
　みんな一応ではない常識人の筈だ。
　アメリカ娘の恋愛経験年齢は可成り低い。・その位は分かっていたが、１６歳で１０人もは、多すぎないか！？

「ァッ・！」コックが跳ね上がってしまった！
　ツェレイヅァの手技・、大概の男は遣られちゃうなぁ・・・
「・・こうなるとぉ、男の人って形無しよね・？」
　ツェレイヅァの手がゆっくりと上下して、コックを刺激する。・微妙な触感がコックを撫でて、優しく包んでゆっくりと小擦っていく・。・・・上手い、上手すぎる！
「どこで・？」上手く喜悦を送り込まれて、それだけ云うのがやっとだった！
　コックがドンドン大きくなってしまう・！
「マッサーォも男の人。・って、事よね？」云いながらもジッパーを開いて、スラックスからコックを引き出した！
　片手だけでだ！
　・・・もう片方の手は、わたしを逃がさない様に腰を抑えている。
　１６歳の小娘がすることかぁ！？

　コックを微妙に包み込んだ手の、上げ下げが続いている・・・！
　絶妙の感触だった！・・・ツェレイヅァの様な経験の浅いだろう女性には、信じ難いテクニックだ・！
　熟女でも、経験の多い人の技だ！
「ァンッ・・・！」鋭い悦撃が来た！・目の前に閃光が跳び走る！
　若い経験の薄い男を相手にしただけではこんなテクニックは持てない！

「ツェレイヅァ・？」
「・・・？」
「・ツェレイヅァ、・どうやって・・覚えたんだ？」
「良いセックスを覚えるには、充分な経験を積んだ、それなりの人が良いんじゃない？・・・地位があれば、淫行になる事は絶対、口に出来ないでしょ？」
『充分な経験を・・・』、『地位があれば・・・』、こんなの、・小娘が考える事じゃない！

「わたしの学校は四谷だし、有名校なのよ。・ゥフフッ、・・・お友達のお父さんには、人種の違うわたしに興味を持つ人が多かったわ！」
「お友達のお父さんを愛したァ・！？」呆気にとられた・。
「お兄さんの事もあったけど、わたしの事を人間として見てくれてない人は、直ぐに冷めちゃった！・・・弟さんが興味を持ってくれたこともあったけど、みんな幼すぎて興味が膨らまなかったの・。」

「一流って云われるシティーホテルへだって、歩いて行けるのよ！・・・一流と云われる人達が集まるの。・・・・色々な人達が、世界の動きなんてとっても詳しく説明してくれるのよぉ！・・・政治を教えてくれた人もいたし、経済関係もね。少ない元手で大金を得る方法とか・・・。『お小遣いをくれる。』って、云った人もいたけれど、受け取らなかった。・・・一度もね！・受け取ったら、ヴィッチになっちゃうもの！」
「どんな人達なんだ！？」
「財界や政治家の人達・。新聞に出ているＶＩＰともお知り合いになったわ。・勘違いしないでね！・・・お知り合いになったの！・・・愛せる人は、殆どいないものね・？・・・アッ！・でも、おじさんを知っている人達ともお知り合いになったわ。・ほら、政治家の経世会の満塚さん？・長老の高曽根さん。財界の美多頼さんなんかもね・・・。」

　ビックリした・。満塚さんや高曽根さんは２０年以上も前の知り合いだ！
「おじさん、高曽根さんの表に出せない仕事を遣ってたんですって？・さすが元グリーンベレーって思っちゃった！」
「そんな事まで聞き出したのか！？・・・高曽根さんとも・？」わたしは完全に自分を失った。・・・政治家が裏の仕事を任せた人間を特定するなんて、自分の首に縄を巻くのに等しい！・・・それをツェレイヅァに話したって事は？！・いや！・・・そんな事話す筈は・・・！でも、知って・いる・・・？

「やだぁ！・・・さすがにおじいちゃんよぉ！・・・ＶＩＰ中のＶＩＰじゃない。こんな小娘にそんな事しないわ！」
　・信じたい！・・だが、あの人が政治生命が掛かるような事をチョットやソッとの知り合いに、しかも明確な白人の子に話すだろうか？
「だが、簡単には、わたしとの関係は話さない人だぞ！？」
「わたしだって、あそこ迄歳上じゃ愛せないわっ。お茶するのとお食事にお付き合いするだけよぉ。・秘書の人や他の人も一緒の事の方が多いのよ。」
『その時々、その時の人を本当に愛していたわ！・・・』を信じるなら、『あそこ迄歳上だと愛せないわっ。』を、信じて良いのだろうか・？

「ボディーガードの人達もいただろう？・身体のガッチリした・。」
「あの人達は席に着く事は無いんだって！・いつもチョット離れた処から見ているだけ！」
「そりゃぁ食事に目を取られたらガードなんて出来ないからな。・他には？」
「財界の人達とか色んな会社の人達・外国の人達もいたわ！・わたしの国のエンバシーの人とも知り合いになったしぃ、・・・何度もああ云うホテルで出会う人って、エリートとか役員の人達が多いわよね。・・・融資の話とか、土地を得ったとか買ったとかの話しが多いわ。・・外国でのビジネスの話しなんて、アイデンティティーのある人、無い人で、面白かったわ！・後は、知的財産権がどうのこうのと・。学校の先生があれだけ丁寧に教えてくれたら、塾へ行く人なんていなくなるわ！・・・財界の人の方が精力的よね？」

　そんな風にホテルへ出入りしていたのか！それで食事に行った時のマネージャーが・・・、あのサービスっ・！？
　この娘とホテルで食事をすると、注文より皿が多い時さえあった・！
　フロアーマネージャーの意味深な視線さえ感じたこともあった・。
　思い当たる事例が頭の中を駆け巡っている・・・。
　ァア！・この・小さな、ホンの小娘としか思わなかったツェレイヅァがＶＩＰ達と・！
　またまた常識が崩れていく・・・。

　タータタ・タータタ・タータタター
　ツェレイヅァの携帯電話が鳴りだした。
　身をひるがえしてバッグから携帯を取り出し、優雅な仕草を見せながら首を振って髪を振り払い、ボタンを押して、耳に着けた・。
「はい！ツェレイヅァです。・・はい。・・・・・はい・嬉しいですわ。でも・お受けできません。ただいまは手が離せませんの、・エエ・・・行かれませんわ。・・・はい・ご免あそばせ・。」
　！！！
　携帯を取る仕草・、電話への応対、・・・ハイソの奥様以上！
　そう云えば、小学校の高学年になった頃から、身のこなしが変わって来ていた・！
　ここまで優雅な身のこなしを間近で観たことはなかった・。
　これならＶＩＰ達でも騙される・！？
「ツェレイヅァが１６歳にしかならないって・・・？」
「みんな知らないわよっ！・・・私服でこのお化粧になって行くんだもの・。」

「タレントの名前が出ないなぁ・。若いタレント達には興味ないのかい？」チョット茶化したくなった。ビッグネームだらけがツェレイヅァの口から飛び出して、わたしは緊張したのかも知れない？
「始まったぁ！・おじさん驚いたり、昂奮したりすると直ぐに人を茶化すンだからぁ・！」
　なっ！・何なんだ？・・・わたしの・、心の奥底の動きがなんでツェレイヅァに分かるのかぁ！？？・血の気が退いていく感じがした。・わたしが、自信の娘として扱って来た小娘にあしらわれている・！
「どうしたの？・変なこと云った？・・・」ツェレイヅァの顔が怪訝そうな顔に変わっていた。
「なんで私の心の奥底まで分かるんだい？」動揺は隠せなかった。やっとこれだけ云った。
「解るわよぉ！・ズゥっと、ヨッシーォだけを見てきたのよ、わたしぃ・。ヨッシーォはどちらかって云うと単純だから、分かり易かったわぁ！」
　ツェレイヅァの眼は、小さかった頃の、あの悪戯っぽい眼、その物になっていた・。
「単純だなんて・、大人に云う事じゃないよ！」
「だって、単純なんだもん！・世の中色んな事が起こるけど、何が起きたらヨッシーォがどういう行動をするかも分かっているんだもん！・」
「わたし自身が分かってもいないのに、ツェレイヅァには解るって云うの？」
「エエ、・分かってるわ！」ツェレイヅァは自信満々だ！？？？
「もう１０年以上もヨッシーォを観て来たのよ！・・・この感受性が豊よ！って云われる１０年間にぃ・。」
　
　言葉が出てこない！
　思考が完全に停止してしまった！
　出会ってからの様々なツェレイヅァのイメージが、入れ替わり、駆け回り、トルネードとなって、わたしを貫いて行った！
　この小さな魔女に魂を抜かれた・！？

　ツェレイヅァの見上げた瞳がわたしの眼に突き刺さってくる！
　瞳が大きく見える。
　ゆっくりと、徐々に早く・、大きくなる！
　瞳の中心の位部分に事務所の灯り、様々な反射が映っている・。
　反射した光が回りだした・・・
　グルグル・グルグル・・・・
　早く回り出して渦になっていく・・・
　光が外から増える・・増える増える・・・
　様々な光の渦が銀河になっていく・・・
　瞳の中なのに・・・
　宇宙の中に漂っている気がした。
　
　不意に目の前にツェレイヅァが現れた。
　マシュマロの様な柔らかい膨らみが胸に圧し付けられている・
　双の手がわたしを抱え込む・・
　血の輝きのような唇が近付いて来る・。
　唇の接触・・・、暖かい？・熱い・？
　唇から暖かみが拡がる・・・
　暖かみが全身に拡がっていく・

　首に巻き付いていた手がわたしの頬を撫で、首筋を滑り、下がって行く・・・
　シャツのボタンが外される・・・
　ァアア・・・動けない・・・・
　身体が固まってしまった・・・全く動けなかった
　袖口のボタンが外されても
　ワイシャツを拡げて滑らされ、取り払われても動けなかった・・・

　ベルトを取られ、スラックスを滑り落とされても、心地良さだけで動けなかった。
　わたしがまともに意識出来ない内にアンダーシャツもブリーフまでも、下着まで全てが剥ぎ払われていた・・・。


　全裸のヴィーナス？・・・リズ・ヴィシュアウス？・・・ニンフ
　Little witch ！・この小さな魔女に取り込まれていた・。
　理性も感情も無い・
　虚無の境地とはこう云うものなのか・？
　真っ白になった頭の中に、明るい紫色の絵の具が流れ込んで来る・・・
　どんなに可愛くても、どんなに愛したって、絶対に手を付けてはいけない娘
　思いは一つなのに、官能が昂まって行く・・・。
　蛇に睨まれた蛙・？
　魔女に呑み込まれているのか・？
　ツェレイヅァ・！

　宇宙が消え去っていた！
　見詰めたツェレイヅァの大きな眼・・・
　澄みきった眼だ・・・
　わたしの理想その物が見えていた。
　物心付いた頃から夢見たモンロー
　思春期の理想、グレイス・・・

　仕草、身のこなしは、王妃グレイスのそれを思わせる・・・。
　スレンダーな、抑揚の明確なシェープはまるでギリシャ彫刻のよう・・・。
「どう？・わたし一流の女になったでしょう？」
　ツェレイヅァの一言で現実に引き戻された・・・。
　いけない、絶対にいけない！
　いけないっ！
　・・・ツェレイヅァとそんな関係になったら、マイクに、ハイディーに、女房にも・、　何より自分自身にも恥じる。 ・・・ 神様に恥じる！