２３

「んっ…」
　舌先でぴちゃぴちゃと先端を舐めると、純水さんの味が伝わってくるのがよく分かります。
　つい先ほど弓華の膣内に放たれた白濁の味。美味とはいえたものではないのですが、場所こそ違えど体の中に受け入れる喜びがわたしの体のなかを突き抜けていきました。
　そして、わたしの目の前には、純水さんのモノが先ほどよりも固くなった状態で立ち上がっているのでした。
「純水さん…」
　わたしは、純水さんの顔を見上げました。恥ずかしそうな、当惑したような、そんな表情。
　それは当然なのでしょう。わたしたち三人は同時に同じ人に恋をし、そして二人でこんな有様になっていました。普通はありえない状況なのですから。
　ただ、そのときのわたしはそこまで考えが回らず、ただただ純水さんの表情を『かわいらしい』としか受け取ることができませんでした。
「あぁ…わたしはどうかしてしまったようです。わたしはシスターなのに、あってはいけないのに、純水さんが好きで好きでたまらないんです。純水さんのが欲しくて仕方がないんです」
「聖架さん…」
「弓華、あなたなら分かってくれますよね？一番最初に純水さんを好きになったあなたなら…」
　弓華のほうも困った顔をしているのが分かりました。その気持ちは十分分かります。しかし、一番困惑しているのはわたし自身でした。
　左腕を純水さんの首の後ろに回し、そして右手でやさしくそれを支えます。それから…。
「うッ…！！」
「あぁッ…！」
　やや押し倒すようにして、わたしの体が上になりました。それと同時に、いきりたったモノが、いきなりわたしの一番奥まで食い込みました。
「ああっ！一番奥に、奥に…っ」
　快楽に酔いしれつつも、わたしは両腕を純水さんの頭の横において自分の体を支えます。
「純水さん…すごく、大きい…」
　わたしは自分の腰をゆっくりと動かして、その大きさを確かめます。動かすたびに膣壁にこすりつけられ、襞が絡みついていく快感に、声を上げずにはいられなくなってしまいました。
（あぁ…わたしは今、純水さんの上になって、自分で…自分から腰を動かしている…）
　弓華のほうは、そんなわたしの痴態を、前の時と同じように床に座り込んで見ています。
「あっ、ふぁっ…」
　口元から涎が垂れるのを拭うこともできず、わたしはただ腰を上下に揺さぶり続けていました。一体何がわたしをそうさせていたのでしょうか？
　純水さんを恋する気持ちなのか、それともただ単に快楽を満たしたい…その欲望のためなのでしょうか？もはやわたし自身にも分からなくなっていました。
「聖架さん、そんなに動かれたら僕、すぐに出ちゃうよ」
「ああ…ダメです、膣内はダメです…でも、腰が…止まらないんです…」
　わたしは頭を大きく振りながら倒錯していました。中身をめくり上げられるような快感が、わたしに『腰を動かせ』と命令していたのです。
「聖架さん、少し体を下げて…僕も、動くから」
「…はい」
　わたしは素直にうなずきましたが、それでも腰の動きは止まりませんでした。
　言われたとおりに状態を少し下げると、純水さんの手がゆっくりとわたしの乳房を包むのが分かりました。
「んっ！」
　不意に両方の先端を摘まれ、わたしは大きくのけぞりました。その反動で、わたしの腰が下がり、モノが一番奥に再び食い込みます。
「きゃああっ！」
　ついに絶頂に達してしまったわたしは、さらに体をのけぞらせましたが、乳房を掴む純水さんの手が、これ以上わたしの体を離してはくれませんでした。
「聖架さん、大丈夫？」
　快楽に体を痙攣させているわたしを、純水さんは心配してくれます。
（ああっ…こんなに乱れているわたしを、純水さんは心配してくれる…声をかけてくれる…）
　気を失いかけましたが、わずかに残された理性がそれを食い止めました。わたしはゆっくりと体を起こし、のろのろと純水さんから離れましたが、快感からくる体の震えには抗うことができず、床に仰向けに倒れこんでしまいました。

「純水くん、おねえちゃんに…」
　もはや本当に起き上がる力もなくなってしまったわたしを見ながら、弓華が純水さんに近寄りました。
「おねえちゃんにも、純水くんのを…」
「えっ？」
　弓華が、わたしの眼前にいる純水さんの後ろに回りこむと、そのモノを手にとって握ります。
「純水くんのを、おねえちゃんにもあげて」
　そう言った弓華が、わたしの前に純水さんのモノを差し出しつつ、その手を前後させて扱きはじめました。
「ゆ、弓華ちゃんっ！？」
「すごい…わたしにあんなに出したのに、まだこんなに硬いんだ…」
　どこかうっとりした目をしているのは、ひょっとしたらわたしと同じなのかもしれません。
「弓華ちゃん、出ちゃうよっ！」
　純水さんの言葉を無視して、弓華はより激しく手を前後させました。
「…っ！」
　瞬間、わたしの顔に向かって、大量の濃い、ねっとりとした液体が吐き出されました。
「きゃあっ！？」
　思わず声が上がりました。降り注いだ熱い液体は、わたしの顔を散々に白く汚し尽くすまで止まりませんでした。

　心臓が張り裂けそうなほどにどきどきしていました。とんでもないことをされているのに、わたしはそれでも『嬉しい』と思っていました。
「…すごい、おねえちゃんの顔、真っ白になっちゃった…」
　自分で仕掛けておいて、弓華は無責任なものです。
「ん…っ」
　わたしは顔中についた白濁を指で拭い、少しずつ口に運んでいきます。先ほども少しだけ味わった純水さんの精液の味を、わたしはゆっくりと確かめながら、次々と口の中へと流し込んでいきました。
「いいなぁ…」
　じっと見ていた弓華がそういいながらわたしのすぐ近くに顔を持ってくると、頬についた液体を舐めはじめます。
「ゆ、弓華、何を？」
「わたしにも…ちょうだい」
　ややためらいがちにそう言うと、彼女は大きく舌を動かしてきます。
　くすぐったさに声を上げますが、わたしも負けずに口の周りを舐めたり、指で拭い取ったり…と、奪い合いになってしまいました。
「んっ」
「んんっ？」
　不意に、弓華の唇がわたしのそれと重なりあいました。
（ちょ、ちょっと弓華、わたしたち、姉妹の身でありながらなんてことをしてるんですか！？）
　弓華のほうは自分が何をしているか分からないようで、わたしの舌についた精液まで奪おうとするかのように舌を絡めてきます。
　わたしのほうは思わずそれを受け入れてしまい、ぎこちないものの熱中している弓華の舌先の感触に快感を覚えていました。

　いつしかわたしたちは、抱き合うようにして互いの唇を奪い合っていました。