１３．灼熱の雫（１）

　マンションでの陵辱から一週間、やっと股間の違和感もなくなり、
「あの事は、夢だったのでは」と、ぼんやり考えている響子。
　今日も、夫と娘を、無事送り出したところである。
　夫に対しても、美津子に対しても、これまでどおり、良き妻、良き母として努めてきた。
（これからも、ず〜とあのことは、なかったこと・・・）

「ルルルルルル・・・・・・、ルルルルルル・・・・・・」
　電話の音が鳴り響く。
　嫌な予感を感じる、響子。
「もしもし・・・」
　明るい声で、対応する。
「あぁ、もしもしっ、先日はどうも、・・響子さんですか」
　川田の、商売声が聞こえる。
「あっ・・・・、そうです。き、響子です」
　一瞬にして、顔を曇らせる響子。
「覚えてくれてたようですね、川田です。今日の都合は、どうでかすねぇ。・・１０時にマンションに来てください」
　容赦なく言い切る川田。
「今日は、午後からＰＴＡの会合が・・・」
　適当な言い訳をしている。
　身体は、股間の疼きを感じる響子。
「良く考えてくださいよ。かまわないっすよ、こっちは。現像うまくできてますしねぇ・ハハハ」
「あの〜・・」
「そうそう、はや昼して、お腹膨らして来てください」
　返事を聞こうとしない、川田。

　プッッ。・・プ−ッ．プ−ッ
　回線は切れる。
（夫宛の手紙が届いても、先に私が手にできる。手紙は、怖くない・・・・・あぁっ、でも、・・・・・・、行くしかないわ、行くしか）
　あの日の後も、夫との営みはなかった。
　仕事が忙しく、疲れているのだろう。
　縄の跡を気遣う心配もなく、良かったのか？・・。
　なぜか、股間は疼く。
　シャワーを浴び、出掛ける準備をする響子。

　マンションの扉。
「ピン・ポォ〜ン」
　取っ手を回し中に入る響子。
　もう、恐れはない。
（旅行前日の小学生のような興奮が・・・どうしてっ）
　足を進める響子。
「時間どおりだな」
　玄関の鍵を掛けに、響子と交差する。
　慣れた感じで、あたりまえのように声を掛ける川田。

「いらっしゃい。奥さん、元気にしてたかい」
　宅配ピザを食べながら、森田の声。
「突然の呼び出しは、困ります」
　調整の悪さを批判する響子。
「そうかい、悪かったな。・・何か食べたかい、奥さん」
　軽く答える、なぜか満足そうな森田。
（来ることは拒否しない。いい傾向だ。馴染みが早い）
「いいえ、時間がなかったので」
　ほんの少し、おどおどする響子。
「そうかい、それじゃ、ピザ食べな」
　機嫌よく、響子のためにに缶ビールの栓を開ける森田。
「なに、ボーっとしてるんだ。そこに座らないか、遠慮はいらねぇ」
　小さなコップを渡そうとする川田。

「今日は、早く帰ってもらおうと思ってな。早い時間に連絡したんだ。これでも、気使ってるんだぜ、奥さんの家庭を壊す気はないからな、ハハハ」
　悪びれず、森田が続ける。
「さっ、脱いで、奇麗な肌、見せてくれ」
　ビールを飲み干す、森田。
「・・・」
　固まったように、動かない響子。
「川田、手伝ってやんな」
「いつまでも、困ったもんだ」
　後ろから、響子の胸に手を廻す川田。
「やめてっ。・・」
「自分で脱ぐってか。立ちな、時間がないんだ、スカートは俺が・・」
　急かす様に、手伝う川田。
「いい身体してるなぁ、旦那に独り占めじゃ、もったいない」
　股間を疼かせながら森田。
（うまく調教しないと・・・）
　縄を用意する川田。
「下着もですか」
　もじもじ、しながら響子。
「その、恥じらいが良いんだが。じれったいねぇ、ストリッパーみたいに脱げないかなぁ」
　独り言のように森田。
　腕を縛り始める川田。
「うっ・」
　腰をくねらせ、身悶える。
　ベッドへ引っ張る川田。
　よろけながらも、すなおに身を任せる響子。
「あぁぁ」
　身体を横たえながら、喘ぎだす。
「縛られただけで、感じてるかい。玄関くぐる前から、疼いてたんだろ」
　服を脱ぎながら森田。
「いゃ〜〜ん」
　空ろな瞳で、甘えた声をだす響子。
「縄、楽しめるようになってきたかい、奥さん」
　麻縄をベットの下を通して、響子の足をＭ字型に縛る川田。
「あぁ〜〜」
　股間をヒクつかせ、足を閉じようと試みる響子。
「今日は、簡単には往かせないぞ」

つづく