僕には、女性に対して、原風景ともいえる、情景がある。
　場所は、伊豆のどこかの温泉、そこのあまり流行っていない民宿。
　その民宿の女将さんが、母と親友だったとのことで、母が僕を連れてその民宿に手伝いにいった時のこと。
　そこの女将さん、そしてその娘のお姉さん、その二人がとても僕を可愛がってくれた。母が呆れるくらいの溺愛ぶりだったそうだ。
　小学校低学年の時だったので、記憶がかなりおぼろげになっているが、僕も帰る時に泣き出すほど、二人の好意を喜んでいたみたいだった。
　僕はその時から、かなりませていた。同性より異性の子と一緒にいるのが好きだったのだ。地元ではさすがに女の子と、照れもあっておおっぴらに遊ぶことはもあってできなかったけど、そこには僕を知っている友達は誰もいない。
　僕は、思う存分、そのお姉さんに甘えた。そのころから、僕は女の子の体の質感が好きだったのでベッタリくっつくほど甘えさせてもらった。
　お姉さんは多分、小学校高学年くらいだったと思う。膨らみかけの乳房の感触がとても好きで、よく抱きついて、顔を埋めて甘えていた。
　その夏の生活の中で今でも鮮烈に覚えているのは、そのお姉さんと、女将さんと一緒にお風呂に入った時のこと。
　お姉さんと女将さんと従業員専用の露天風呂に、僕をいっしょに入れてくれたのだ。母以外の人とお風呂に入ったのは初めてなので、僕はきっとその時、はじめて女性の裸をマジマジとみれたのだ。
　女将さんは、小柄だけで肉感的な裸だった。乳房は大きく、お尻も大きかった。それと股間のヘアーがとても黒々としていた。
　それと相対するようなお姉さんの裸も、細身で綺麗だった。ふくらみかけの胸、そしてまっさらな可愛い割れ目。
　その二人の裸、それが今でも僕の頭に焼け付いている。女将さんには、「大きいから、オッパイでないの？」と聞いて、おっぱい吸わせてもらったりした。お姉さんのも吸いたかったけど、それはダメと女将さんに止められて不満だったのも覚えている。
　それからもう２０年近くたった。
　僕も人並みに恋愛をして、少ないながらも女性の体を知ったけど、どうも心の内に冷めたモノが残っていた。
　あの、子供のときの興奮が、いまいち蘇らない。
　その理由に気がついたのは、僕がある女性と、その娘さんに出会ってからだった。
　結論からいうと、僕は「ちょっとポッチャリ系の熟女」と「まだ胸がふくらみかけの少女」に対して、強い性的欲望を抱くということ。
　これは、僕が自分の欲望のため、ある女性全てを手に入れようとしたそれだけの話。
　
　−１−

　梅雨入り間近の五月末のこと。
　僕は高校を卒業後、叔父が経営する水道工事の資材会社に就職した。それから７年、辞める理由もないので、ずっとそこで働いている。
　会社といっても、従業員は全部で五人という、零細会社なので、煩わしい人間関係もなくて、気楽だというのもあった。
　僕は高校生のとき付き合っていた女の子に２０歳のときに振られてから、どうも本気で何かをするということがなくなっていた。
　何事にも熱心になれず、ただなぁなぁと生きている。そんな感じだった。何かに夢中になるということもなかった。
　それが、その日、一変した。
　僕に夢中になるものができたのだ。

「あぁ、紹介するから、みんな注目」
　口数が少ない叔父が、そういって事務所に入って来た。事務所といっても倉庫の中のプレハブをいれているだけの簡素なものだ。
　僕はその時、注文伝票を確認しながら、請求金額をパソコンに入力しているところだった。
　手書きの伝票の字の汚さにあきれていたところ、叔父の言葉に振り向くと…
　すると、背の低い、三十くらいの女性が、叔父の横にいるのに気がついた。
　痩せているわりに身長が高い叔父の肩までもない、その背。多分１５０センチいってないだろう。
　スーツを着ているけど、胸とお尻が大きいのはすぐわかった。髪は襟足で揃えたショート。若く見えてちょっと可愛い感じはする、大人なしめの、どこにでもいそうな人妻、そんな人だった。
　僕は、その時なぜだかその人に見惚れていた。叔父の言葉も途中まで聞こえてなかったほど。
「・・・は、明日からここで働いてもらうことになった、佐野静恵さんだ。よろしく頼む」
　叔父がそういってその女性、佐野さんを促す。佐野さんは、小さい声で、
「よろしく御願いします」
　とだけ言った。少し緊張しているようだった。
　それから、叔父は僕に向かって、
「隆、明日から佐野さん、頼むな」
　と言って来たので、僕は頷く。佐野さんが僕を見て頭を下げた。
　その時、僕の胸がドキンと高鳴った。照れ、とも違う興奮を感じたのだ。その興奮の正体に気づいたはもうちょっとたってからなのだが。
　その夜、柄にもなく興奮して、寝不足になったりしたものだった。

　翌日から、佐野さんに仕事を教えることになった。
　佐野さんは、昨日とちがって今日は白いブラウスに紺のスカートといういたって普通の格好だ。大きい胸がかなり強調されている。
　コンピューターの入力方法を教えながら、いろいろと訊いてみたところ、佐野さんの歳は３５歳、僕の十歳上。１１歳になる娘がいるとのことだった。
　家は僕が住んでいるアパートから、歩いて三分というところの建売住宅で、働くのは１２年ぶり。
７つ年上の旦那さんがリストラされ、再就職が決まったのはいいけど、やはり給料は下がったのでそれを補う為に働くことにした等々、個人的な情報を色々と入手。
　隣に座っているので、どうも気になってしまうのは、大きい胸。ＥとかＦはあると見た。
　彼女をデスクの前に座らせて、僕が後ろから覗き込むような姿勢をとる。彼女、座高も低いので、こうするとブラウスの間から、胸の谷間が見えるからだった。
　もともと、お人よしといわれるような顔しているので、警戒はされなかったみたい。人見知りするという佐野さんも、僕にはすぐに打ち解けてくれた。
　そんな佐野さんと、お茶を飲みながら冗談をいったり、愚痴を聞かされるようになるまで、そんなに時間はかからなかったと思う。
　梅雨があけ、夏が始まったころには、佐野さんの胸がＧカップだということも聞けるくらいになっていたし。
　佐野さんは、どうも気が弱いらしく、それが悩みだと言っていた。
　旦那さんは、高校卒業して勤めた会社の同じ課の主任さんだったらしく、交際を申し込まれたときも好きというより、嫌いじゃないから付き合ったと言っていた。それで娘さんが出来て、結婚することになったと。
　押しが強いとどうも断れず、一昨年なくなったお姑さんには大変いじめられたとか。
　僕はそのころ、自分が佐野さんをどう思っているか、ようやく理解したころだった。
−この人を押し倒して、セックスがしたい−
　この欲望をどうしようか、自分でも戸惑っていた。相手は１０歳も年上だし、若く見えるけど何せ人妻だ。迷いがあって当然だと思う。
　でも、Ｔシャツやポロシャツなど、ラフなスタイルで会社に来るようになってきた佐野さんが隣にいると、彼女を犯しているビジョンがどうも頭から抜けなくなっていた。
その時、我ながら感心するのは、そういう邪まな欲望を胸に秘めているなどおくびにも出さず、佐野さんの警戒心を薄めていき、僕を信頼させていったということだった。
　そして、７月の半ば、僕の運命を狂わせた日がきた。

　その日は金曜日。彼女は仕事中、今日は旦那が社員旅行、娘が林間学校にいって一人だということを言っていた。
「じゃあ、どっか遊びいきますか？」
　その頃、僕は佐野さんとはほとんどタメ口で話せるような間柄になっていた。基本的に男性も苦手らしいので、ここまで打ち解けられたのは、この会社でも僕だけだったし。
「遊ぶってどこへです？」
　佐野さん、控え目ながら少し乗り気のようだった。一人になるのは結婚以来、初めてとのことで、彼女なりにワクワクしてもいたらしい。
「カラオケとか、飲みに行くとかあるでしょ？」
　と僕が言うと、彼女は行くか行かないか心の中で少し迷い始める。結婚してそういう風に男と遊びにいくのは初めてだというのもあったらしい。
　でも、彼女は押しに弱いというのはもう気づいていたので、僕は勝手に、
「じゃあ、仕事終わったらどっかいきましょ。カラオケＢＯＸでいいでしょ」
　と話をすすめる。すると彼女は思ったとおり、押しに負けて頷いた。
　僕はその時は、まだ「うまく行けば」くらいの感じの期待しかなかった。でも、この後、思いも寄らぬアクシデントがあり、僕は自分を狂わせて行くことになったのだ。

　仕事は５時で終わらせ、僕はみんなに内緒で二人でまず家に一緒に帰る約束をした。僕が自分の家に寄って着替えてから、佐野さんを迎えにいって二人で遊びにいく。そういう段取りにしたのだ。
　二人でここから歩いて１５分ほどの家路についていると…
　先ほどまで明るかった空が、一転、墨でも流したかのように黒くなっていた。雷もなっている。
　そして、目もくらまんばかりにピカッと光ったと思ったら、天の底がぬけたような雷雨がいきなり始まった。
「こ、こりゃ凄い！」
　あいにく傘をもってなかったので二人して走り出す。僕のアパートが近かったので、雨宿りせず、そのまま走っていくことにしたのだ。
　２分もかからなかったと思うのだけど、僕も佐野さんも服着たままプールに飛び込んだかのようにずぶ濡れになってしまった。
　一階の端にある僕の部屋に彼女を招く。この先も見えないような大雨のせいで、佐野さんも何も考えずに僕の部屋に入って来た。
「いま、タオル出しますから」
「あ、あぁ・・・　はい・・・」
　Ｔシャツがズブ濡れで思いっきり透けている。それを腕で隠して佐野さんは困ったように小さく頷いた。

　その姿を目の端に捉えた時、僕の中で何かが目覚めた。暗い欲望に火が点いた。

「上がちゃってくださいよ。ビショビショでしょ」
　玄関のところで、腕で胸をかくしている佐野さん、その腕を引っ張って、台所とユニットバスの間のところまで上げる。佐野さん、慌てて靴を脱いで上がってきた。スカートもビッシリ張り付いて、下着の色まで透けてみえていた。
「この雨止むまで、居てくださいよ」
　そこで僕はわざと、自分の着ていたＴシャツを脱いで裸になる。佐野さんの顔が赤くなり慌てるのがわかった。
　僕はそれに気づかないふりをしながら、部屋に入り、ズボンも脱ぐ。大き目のバスタオルを自分用に、大き目のスポーツタオルを彼女用にとる。バスタオルを腰に巻いて、ボクサータイプのパンツも脱いで脱衣カゴに放り込んだ。
　ますます赤くなり戸惑う佐野さん。その彼女にそのスポーツタオルを渡し、
「そこ入って、体拭いたほうがいいですよ。風邪ひいちゃいますよ」
　とユニットバスをさして促した。
「あ、はい」
　彼女、そのタオルの大きさも気づかず、慌てて受け取ると、ユニットバスの中折れ式ドアを開いて、そこに飛び込んでいった。
「濡れたの、カゴにいれておいてくださいね」
　何気なくいって、ドアの前に脱衣用のカゴを置いておく。そして、僕は一先ず自分の部屋に戻ることにした。
　もうその頃には、股間の屹立は、バスタオルの上にリッパなテントを張るほどになっていた。
−あせるな、あせるな−
　ツバを飲み込み、自分を落ち着かせるため、冷蔵庫からアイス珈琲のパックを出し一口飲み込む。
「そのままシャワー浴びたらどうです？　体冷えてるでしょ？」
　声音を必死に落ち着かせて言う。ちょうど濡れた服を下着まで馬鹿正直にいれていた腕が見えていた時だった。水色のパンティをもっていた手が、ビクッと反応して、そのままカゴに下着が落ちた。
「あ、あぁ。いいんですか…？」
　明らかに困っている声で、佐野さんは言う。
「いいですよ、風邪ひいたら大変じゃないですか？」
　佐野さんは、親切で言ったことを断れる人じゃない。それがわかっているので、僕はあえてそう言ったのだ。
「わかりました…　じゃあ…」
　程なく、シャワーの水音が響きだす。さっとって感じで体に水流を浴びせているのだろう。僕はその音に紛れて、ゆっくりと気づかれないように脱衣カゴを引っ張りよせる。
　水を含んだＴシャツ、スカート、大きいブラジャー、そしてパンティが全部そろっている。
　それを、窓を開けたとこにある洗濯機に放り込んで、スイッチを押した。これで、彼女はこの洗濯が終わるまで逃げられない。
　シャワーの水音が終わったあと、彼女は漸く気づいたようだ。自分のタオルが小さいことに。あのタオルじゃ胸を隠しても下は丸見えになるだろうし、どうすればいいか迷っているのが、想像できた。
　もう、僕のモノはバスタオルを押しのけている、隠しようがない。こんなに興奮したのは、きっと生まれて初めてだ。
「あ、あの・・・」
　ドアをゆっくりあけて、佐野さんが顔を出そうとした。そのドアに僕は手をかけてそのまま引っ張りあける。
「あっ・・・」
　呆気にとられている、そんな感じの驚きの声がした。ドアの中にはトイレと人が横たわれるけっこう広いバスが。そのバスの中にバスタオルを胸にだいた佐野さんがいた。
「あ、あ・・・」
　声が出ないらしい。何が起きてるかも理解できてないかもしれない。
　思った以上に大きな胸。そして抜けるように白い肌。それと、意外と薄い股間の恥毛。
「いっしょに入りましょう、風呂」
　僕は有無をいわせず、まず佐野さんのもつタオルをもぎとった。驚きに見開かれた目が、そのタオルを追っている。
　その間に、僕は腰にまいたタオルをとって、モノを隠しもせずにユニットバスのドアを閉めた。
「あ、あの…」
　まだ、忘我の状態の佐野さん、僕のいきり立ったと言っていいほどの股間を見て、口元を押さえて一歩引いた。
　おかげで僕が入りやすくなったので、僕は彼女と向き合うような形で湯船に入る。
　栓をして、そのままシャワーをコックをひねった。ちょっと熱めの湯がでてくる。
　佐野さんは、何もいえない。ただ、胸を必死に隠している。
「手をどけて」
　僕は静かにいった。口の端が喜びに歪んでいるのがわかる。
「え・・・？」
　何を言われたのかわからない、そんな感じにキョトンとする佐野さん。僕はもう一度言った。
「手をどけてって言ったんだ」
「な、な・・・」
　佐野さんに言葉を言わせないで、僕は続ける。
「手をどけて、その大きなオッパイ、僕に見せて」
　そういうと、やっと僕の言ってることを理解したらしい佐野さんが、慌てて首を横にふる。
「服、洗濯機にいれちゃったよ」
　やっと、警戒感をもったらしい佐野さん、壁の端までよってわずかでも僕と距離をとろうとする。
　その彼女にそう言うと、驚いたようにまた固まった。
「どうするの？　そのまま裸で外にいく？」
　ゆっくりと言う。彼女の心に染み渡るように。
「ど、どうして…」
　驚きから怯えが目に宿ってきた。あぁ、その眼差しを受けるだけで僕のは…　先が濡れているのがわかった。
「オッパイみせて」
　僕はその視線を受け、彼女を見据えて改めて言った。
　そのまま、無言の間が二人に流れる。ここで、無理やりはダメだ。この瞳がいいんだ。
　そして、ついに・・・
　佐野さんはオズオズと胸をかくしていた腕をほどいた。ゆっくりと下ろしていくその両腕。そして顕になった彼女の豊満な胸。
　形はまんまメロンがそのまま二つぶら下がっている、そんな感じ。乳首が思ったより黒ずんでいない。
　顔を伏せ、僕を見ないようにしている。顔どころか、体全体が羞恥でこわばり、赤くなっている。
　僕の視線を胸に感じ、また慌てて腕を上げようとする佐野さん。
「そのままで」
　僕はそれを言葉で制した。ビクッと震えて、佐野さんは上げようとしていた腕を下ろす。顔を斜めに伏せ、気をつけをする途中のような体勢で固まっている。
　僕はまず、ゆっくりと彼女の右手首を掴んだ。手首を握った時、また彼女の体がこわばるのがわかった。体が小刻みに震えている。
　握る途中のような形になっている手を、僕の股間、その屹立し、そっているモノまで導くと、ナニをさせられるか察したらしく、力をいれて抵抗する佐野さん。
「力抜いて」
　口調はあくまでも普通に。でも、『命令』の意思を込めて言う。すると佐野さん、またまたビクッと体を反応させると、力を抜いて抵抗を止めた。
　やっぱりだ。この人本当に気が弱くて、『命令』に逆らえないんだ。僕の体の中に、どうしようもない歓喜が駆け抜けた。
　この人を自由に出来る。
　不意に思い出されたのは、幼い時の、あの露天風呂での出来事。
　あの女将さんの裸に幼いながらも興奮した時のこと。
　やっとわかった。僕は、佐野さんのような人を子供の時から犯してみたかったんだ。犯す、という行為を知らない幼い時から、本能的にずっと思っていたのだ。
　股間のモノに手を導く。
「握って」
　僕が何か言うたびに、佐野さんはビクッと反応する。一瞬、握るために手を開きかけたけど、また躊躇して握ってしまう。
「ほら」
　手をゆっくり開かせ、そのまま反り返っているモノに触れさせる。
「握って」
　そして短く、少しだけ強い口調でいう。
　佐野さんが、顔をあげて僕を見上げた。怯えた瞳に涙がたまっている。瞳が言っていた。どうしてこんなことをするのかと。
　僕は笑って言った。
「優しいほうが、いいでしょう」
　その言葉に、ハッと目を開いた佐野さん。乱暴に犯されるイメージが浮かびでもしたのか、諦めたその手が、僕の今までにないくらい硬くなったモノを遠慮がちに握ってきた。その手の冷たさに、モノがビクンと反応する。あ、あぶない。もう、出そうになってしまった。
　握ったまま、どうしていいのかわからない佐野さん。また顔を伏せる。二人をぬらすシャワーは、湯船に膝くらいまで湯を溜めている。
「顔、あげて」
　今度は言う前に頤に人差し指と中指をそえて、顔を上げさせる。
「目をつぶる」
　顔を近づけながら言うと、何をさせるかわかったらしい佐野さん、今度は大人しく従ってくれた。
こっちは抵抗があまりないみたい。
「手、離しちゃだめ」
　言いつけると、小さく頷く。可愛いな。
　そのまま、覗き込むような感じで顔を近づけ、唇を重ねる。一回、二回、三回…　顔を赤くした佐野さん、僕のを握りながら、必死で目を瞑っている。
　軽いキスを十回ほどしたあと、今度は舌で唇をなめる。背の差があって、膝がけっこうキツイな。
　舌を唇に這わせる。キャンディーを舐めるように唇を舐める。唾液で、佐野さんの唇が光沢を帯びてきた。
「口」
　それだけ言うと、察したのか、本当にオズオズと唇の力を抜いた佐野さん。その唇を舌でこじ開けていく。上歯茎、下歯茎に舌の先端を這わせる。ようやく、佐野さん、ビクンと体に怯え以外の反応が始めてあった。
　舌を口腔内に侵入させる。
「あ・・・」
　佐野さんの動かない舌を、僕の舌で奔放に弄る。上あごにも舌を這わせる。彼女の全体のサイズが小さいお陰で、今までにないくらい深く口腔内を楽しむことができる。
「あ、は・・・」
　モノを握った手が離れそうになったのを、慌てて握るのがわかった。律儀に命令を護ろうとしているのも可愛いかも。
　三分くらい、ディープキスというより、口腔嬲りは続いた。唇を離した時、二人の間に唾液の糸が引く。口を離した後、佐野さんは少しだらしなく、口を開きっぱなしで、呆然とした感じだった。
　唾液がたまった口を慌てて閉じる佐野さん。口の端からは透明な液が、滴っている。淫靡。
　無意識で、唾液を飲み込んで、佐野さん、目を開いて顔を上げる。まだ瞳には怯えがある。涙も溜まっている。
「あ、あたし…　主人が…」
　小さい声で佐野さんが言う。旦那がいるから、こういうことはダメだと言いたいんだろうけど、そんなの理由になるわけがない。
　それに僕は、旦那がいようがいまいが、この人を自分のモノにしたいんだ。
「しゅ、主人が、娘もいるし…　だ、だから…」
「ダメ」
　短く言う。それだけで、悲しげな瞳から、涙が一筋だけこぼれた。顔を再び伏せる。肩が少し震えている。そんな風になっても、まだモノを無意識に握っているのは、少し愉快だ。
　右の乳首を軽くつまんだ。少しだけカタイ感触。男で言うなら半勃ちという感じ。
「はぁっ」
　少し感じたらしい佐野さん。そのまま親指、人差し指でつまんで乳首を勃たせていく。
「硬くなってきた」
　事実をそのまま言って上げると、恥ずかしさから下をみるような感じでさらに顔を伏せる佐野さん。そこでようやく自分がずっと僕のを握っているのを思い出したらしい。手が慌てて握ったり離したりを繰り返している。
　その手が離すをオズオズと選択しそうになった時、僕は乳首をつまんだ指の爪を、少しだけ立てた。
「ひゃ！　あぁ…」
　このまま思いっきりつままれると痛い、というのがわかったらしい佐野さん、また僕のを握りなおした。でも、そのまま見ていることもできないみたいで、自然と顔が上がり、僕とまた見詰め合う形になる。
「ど、どうして、こんなこと…」
「佐野さんは悪くないよ」
　涙がこぼれ始めた佐野さん、涙声で言うのを僕が応えた。
「佐野さんは被害者なんだ」
　右手は乳首から離し、そのまま大きな乳房をしたから揉み上げる。弾力はあまりないけど、ボリュームは過去最高だ。
「え…？」
　僕の言葉に、何もいえない佐野さん。涙をたたえた瞳に、怯えと驚きが入り混じる。
「僕がね、佐野さんを自由にしたかったら。この大きなオッパイを…」
　乳房を下から揉み上げる。
「ひっ…」
　胸自体にあまり性感がないのか、わずかな痛みしか感じてないみたいだ。
「おもいっきり嬲りたかったりしただけなんだ。それにこの大きなお尻を…」
　そう言って空いた左手で、尻タブを撫でる。肉の質感がもの凄い。
「犯したりしたかっただけなんだ。佐野さんは悪くないよ。悪いの全部僕…」
　顔を近づける。キスをするとわかっただけで、また佐野さんは目を閉じた。今度は何も言わないでも舌の侵入をゆるした。一回、軽く口の中を舌で嬲って口をはなす。
　呆けたような佐野さん顔があった。もうどうしていいかわからないんだろう。
「だから、佐野さんはね…」
　その顔に優しく手を添えた。涙と怯えに満ちた顔、なんて魅力的。
「あきらめて僕に犯されて」
　その言葉に、顔を横に振ろうとする佐野さん。そのあまりにも儚い拒絶は、僕の添えた手を動かすこともできない。
「で、でも・・・」
「乱暴に犯されたほうがいい。こんな風に」
　お尻にそえた手に力を込める。ちょっと強く握るような感じで。
「あ、あぁ！　い、いや、です！」
　今度は必死に顔を横に振る。
「言うこときいてくれたら、乱暴にはしないから、ね」
　さっきから言ってることはムチャクチャなんだけど、頭は恐怖でパニックになっている佐野さんにはわからないらしい。
　どっちにしろ、犯すことには変わりはないのだから。
「今までみたいな方がいいでしょ？」
　でも、佐野さん、その問いに小さくだけど頷いた。口元が笑みで歪んだのがわかった。
「じゃあ、続けるね」
　口調だけはあくまで優しく、僕は続ける。彼女を犯すのを。
「手で、ゆっくりしごいて」
　僕が左手をお尻から離し、両方の乳首を指で摘んだ。やはり、乳首のほうが感じるらしく、指で弄ると、
「あ、は・・・」
　とわずかに感じる声を上げる佐野さん。シャワーから流れる湯は、湯船をいっぱいにしていた。
「ほら、ちゃんと動かして」
　もう一度いうと、やっと何を言われているのか理解した佐野さん。ほんのわずかだけど、握った力を強くして、ゆっくりと僕のモノこすりはじめた。それだけで、僕のがまた激しく反応する。出さないようにするのだけで、けっこう大変かも。
「乳首、感じる？」
　質問しても応えないのはわかっている。彼女に羞恥を感じさせるのが目的の質問。
　思ったとおり、彼女は何も応えずに、目を瞑って顔を伏せた。その何かを堪えるような仕草が、ますます僕を蕩かしていく。
　両方の乳首が硬くなったのを確認して、僕は手を離した。微妙な攻めが終わって、声を堪えていた
　佐野さんが、安堵のため息をつくのがわかった。
　シャワーを止めて僕は言った。
「手、離していいよ」
　一瞬驚いたように僕をみた佐野さん。目に半疑を浮かべながら、ゆっくりと僕のをずっと握っていた手を離した。
「じゃ、お風呂はいろ」
　言葉短かに言うと、僕は湯船に先につかった。一杯にたまった湯が、湯船から溢れ出す。まだ、キョトンとしている佐野さんのムッチリした肢体を、下から鑑賞できた。薄いヘアーのおかげで陰部がよくみえる。
　思ったほど黒ずんでなく、ビラビラもあまり大きくなかった。ただ、皮に隠れたクリトリスが、かなり大きかった。まだ勃ってないにも関わらず、摘めそうなほどの大きさだ。
「いいの、そのままで？」
　改めていうと、自分の陰部が下から覗かれているのに気がついて、あわててしゃがもうとするけど、ユニットバスなので、向かい合って入れるスペースはさすがにないので、途中の姿勢で固まる佐野さん。
「ほら、この間」
　僕は自分の両膝を大きく開いて、その隙間を指す。ここ幅なら、佐野さんのサイズなら入るはず。
　躊躇いをみせるけど、言われるままに背をむけて僕の膝と膝の間に、体を鎮める佐野さん。
　湯船に入る時、お尻のアップがみえたのが嬉しい。お尻には染みもなく、びっくりするくらい綺麗だった。御餅って感じ。
　彼女なりに股間の相変わらずギンギン状態のボクのに気をつけて、湯船に肢体を沈めた。湯が更に湯船から溢れた。
「はぁ〜、いい湯」
　そういいながら、僕は彼女のお腹のあたりに手を廻し、彼女を後ろから抱き寄せる。背中には僕のモノの感触があるだろうけど、挟むような感じで引き寄せる。彼女の体が強張るのはわかったけど抵抗はなかった。
「佐野さん」
　耳たぶを噛むような感じで、僕は囁く。
「は、はい…」
　小さい声で応える佐野さん。
「これから、僕に犯されるんだよね？」
　そう訊くと、また改めてショックを受けたように、体をビクッと痙攣させる彼女。
「や、やめてくれないんですよね…？」
　あくまで控え目な、佐野さん。
「うん。佐野さんはね・・・」
　そう言ってお腹に廻していた両手のうち、右手を太ももに這わせる。そして陰部との境目あたりを指で軽くなぞった。
「ここに、僕のを挿れられて…」
　陰部に近づくにつれ彼女が太ももを閉じようとする。でも、そのおかげで僕の手を挟むような感じになってしまい、また慌てて太ももを開いた。
　指がヘアーを軽く弄り、そして大きかったクリトリスを人差し指で軽くこする。
「あ、あひっ！」
　まるで身体に電流でも通されたかのような、佐野さんの反応。やはり、ここは性感帯みたいだ。それもかなり敏感な。
「いっぱい出されるんだよ」
「だ、だすんです、か…？」
　身体をよじるようにしてのがれようとするけど、僕に挟まれている状態なので、ろくに動けない佐野さん。
　クリトリスの皮をむく。やっぱり、今まで体験した誰よりも、大きいし。
「あ、あ、あ・・・　だ、だめです、そこ…　だ、だめ…」
　軽く弾くような感じで続ける。指に、湯とは別の種類の粘着質な感触を感じるようになった。
「じゃあ、これから僕に犯される佐野さんに、質問ね」
　指で少し早くクリトリスをこすり、彼女の体の奥にまだ潜んでいる、淫靡さをさらせださせることにした。
「し、しつもん…？」
　訳が分からない、そんな感じで佐野さんが返してきた。
「そう、これから僕のになるんだから。いろいろ聞いておきたいんだ」
　これは所有欲。自分のモノになる人のことを全部知りたいという浅ましさ。
「いままで、何人、佐野さんのここに…」
　そして、愛液の分泌先、膣の入り口をなぞるように弄る。
「挿れたの？」
「そ、そ、そんなこと…　い、言えナ・・・　あふっ！」
　指を少し膣の中に入れる。湯とは別種の暖かさが、わずかに入った指先を包んだ。
「佐野さん、質問に答えないと、ずっと苛めるよ。こうやって」
　そして指をだして、今度は明らかに硬くなったクリトリスを摘んだ。
「あぁ！！　だ、だ、だめ！！　そ、強い！」
　ビクンと体が持ち上がりそうになるくらい、凄い反応を見せる。
「あ、あぁ、あぁ、あ、…」
　口を開いて天井を見上げるような姿勢で固まる佐野さん。僕の左肩に頭が乗るような形になっている。
「ほら、答えて」
　また摘んだ。
「あぁぁぁあ！　は、は、はい！　ゆ、ゆるしてください！！」
　ここを責めると快感が強すぎるのか、必死に何度も頷いて言う佐野さん。僕はその力を緩め、また膣口をまさぐり始めた。
「で？」
「ふ、ふたり、だけです…」
「旦那さんもいれて？」
「は、はい…」
　やはり、あまり男性経験はなかったみたいだ。大人しめの容姿だし、性格もいたって生真面目だし、気も弱いしね。
「最初の男は誰？」
「こ、高校のときののせ、先輩…」
　そう言って初体験を語り始める佐野さん。途中、何度か指を中に出し入れするので、途切れ途切れになるけど、必死にその人との関係を話しはじめた。
　初体験は１７歳の時、高校の一個上の先輩。部活の先輩で交際を申し込まれた時、やはり嫌いじゃないという理由で付き合いはじめたとか。
　その人とは一年くらいつづいたけど、彼が大学入って自然消滅してしまったとか。処女は捧げたけど、性行為じたいはあまりできなかったと彼女は説明した。
「それで、会社に入ってからは今の旦那と？」
「は、はい」
「旦那とは週何回？」
「週、２回くらいです…」
　大きい娘さんがいるのに、まだ性関係は続いているらしい。
「どんな風にされるの」
　少し嫉妬も込めて、指を深く挿しこんだ。第二関節くらいまで。
「あ、あ、あ、あの…　指が、中、は、入って…」
「あ、答えなかった」
　僕はまた、指を抜いてクリトリスを摘んだ。さっきよりちょっと強く。
「ひぃ！　ご、ごめんなさい！！　い、言います！」
　腰を思いっきり震わせ、目を見開き口を開け、また身体を反らす。よっぽど来るんだな。
「よ、夜、いっしょの布団に入って、ここを触られて、うえにのられて、いれられます！！　すぐ出されて、お、終わりです！　中には出さないで、多いときは二回くらいです！！」
　まだ戒めをといていないので、必死になって答える佐野さん。どうも旦那さんは淡白ではないけど単調って感じなのかな。
「体位は？」
　摘むのをやめて、続きを訊く。力が抜けて、僕にもたれかかる佐野さん。
「ほら」
　また軽く摘むと、慌てて答えはじめる。少し面白いや。
「う、うえ。正常位だけです。わ、わたし背が低いから、後ろはやりづらいって…」
「脚開かされて？」
「はい…」
「ここは弄られないの？」
　僕だったら絶対に逃さないこのクリトリス。でも、あまりこんな風に責められてはいないみたいだ。
「はい…　そこは感じすぎるんでダメって…」
　もったいないな。旦那さん、あまり女性経験ないんじゃないか？
「で、最後にしたのいつ？」
「あ、あぁ・・・　えっと・・・　先週の土曜…」
「じゃあ、一週間、入ってないんだ、ここ」
　また、指を膣の方に。こっちの感度もけっこういいと思うけど、クリトリスみたく乱れるとこまでいかないみたいだ。
「はい…」
　今度は指でラビアを広げ、中指を出し入れする。感じる声を堪える、小さく、浅い呼吸を続ける佐野さん。中はもう明らかに愛液で潤っている。
「僕のとさ、旦那さんの、どっちが大きい？」
　今度は指を二本、膣口に挿入。浅め軽めに。
「と、当山、さんの方が…」
「大きい？」
「はい…」
　これには少し自信があった。前に付き合ったけっこう遊んでいた彼女が、僕のが一番長いと言っていたからだ。太い、というより長く硬いそうだ。
「最初の彼氏より？」
「は、はい…」
　指の出し入れが早くなり、彼女も声を堪えられなくなっているみたいだ。そのまましばらく僕は彼女の膣内を指で弄った。Ｇスポットと言われるあたりを軽くひっかくと、それもかなり感じるらしく、彼女はついにあえぎ声をもらした。
「あ、あぁ、あ、あ、は、あ・・・」
　一回出すと、堪えようとしても難しいらしく、声が次々ともれてくる。
「あ、あの…　ふ、普通に？」
　彼女が必死に首をめぐらせて、僕に訴えかける。顔が近い。
「普通って？」
　僕はそう言って、また彼女の唇を塞ぐ。舌をからませると、ついに彼女も応えてきた。舌が二人の口腔の中で激しく絡み合う。
　離すと、彼女が唾液ひく唇でつづきをいった。
「ふ、普通に抱いて、ほしいです。ベット、とかで…」
「こういうところでしたことないの？」
「あ、当たり前、です。あぁ！！」
　軽く逆らったので、僕はまたクリトリスを摘んだ。
「あ、あひ！はひ！な、な、なん、あ、ごめんなさい！　ごめんな、さい！」
　ブルブルと体震わせて、許しを乞う佐野さん。大きな胸が水面でタプタプと揺れる。
「だめ。佐野さんは、ここで挿れられんだよ。いいね」
「わ、わかりましたぁ！　わかりましたから、い、いやめて！　はひ、はひ！」
　納得してくれたようなので、クリトリスから指を離す。また膣に指をもどすと、そこはもう潤沢に潤っていた。
　どうも今きづいたんだけど、佐野さん、クリトリスをつままれるだけで、数度絶頂を味わうくらいの快感の奔流がくるらしい。しまったな、イクっていわせたかった。
「本当にわかった？」
「は、はい…　ですから、アソコは…」
「逆らうと、またやるよ」
　先にいうと、佐野さん、口をつぐんだ。あれがおしおきだと、体感できたみたい。
「じゃあ、わかったら、自分で挿れてみて」
「え？」
　何を云われてるかわからない、そんな感じで振り返る佐野さん。
「聞こえなかった？　自分で僕を、ここに挿れるの。ほら」
　またクリトリスに指を伸ばすと、佐野さん、慌てて頷く。でも、何をすればいいのかわからず、腰をわずかに浮かせて、キョロキョロとあたりを見回す。
「わからないの？」
「は、はい。すいません…」
　これから、犯される人の言う台詞じゃない。僕はおもわず軽く笑った。
「じゃあ少し腰あげて」
　言われるまま、佐野さん湯船の端に両手をのっけて、腰をわずかにうかせる。その空いたスペースに僕は自分の握って、持っていく。
「腰、おろして」
　言われるがまま、佐野さんは腰をゆっくり沈めていく。膣の入り口に、ちょうど亀頭の先があたったところで、佐野さん、びっくりして腰をまた浮かす。
「だめでしょ？　挿れるんだから、ほら」
　その時、亀頭がわずかにクリトリスに触れた。下からこすり上げるような感じで。
「はひ！」
　びっくりした佐野さんの力が抜けた。すると、偶然にも・・・
「あ・あ・あぁぁぁぁ〜〜〜」
　屹立した僕のが、ずぶっという感じで、佐野さんの中に入ってしまった。
「あ、あ、入って…」
　まだ何か理解できてないような佐野さんの声。ゆっくりと僕のは佐野さんのナカに入っていった。
「入って、ます…」
「うん、入った。犯されたね、僕に」
　そして、奥まで入った僕の。子宮の入り口がわかるほど、奥までだ。ナカの感触というより、その挿れたという行為に、僕はすぐにも出しそうになる。
「旦那さん以外のが、佐野さんの中、はいったね」
　そうして、冷徹に事実を告げてあげると、佐野さんの目が大きく見開かれる。
「ど、どうして？　な、なんで、こんな」
　僕を近距離で見つめる瞳には、また涙が。そしてわずかに怒りも見える。旦那を裏切らされたことに大してかな。
「いったでしょ」
　僕は笑って言う。そしてクリトリスを繋がったままで強く摘んだ。まだ出さないように必死に肛門あたりに力を込める。
「あぁぁぁぁぁ！　な、な、なに！　は、あ、あぁ！！
　ナカが激しく蠕動するのがわかる。いきそうになるのを必死で堪えながら、僕はクリトリスをまた摘んだ。
「僕はあなたを犯したかったって」
　そして、腰を突き上げるように動かす。乳房を下から強く揉み上げて、後ろから抱きつくように必死で突く。
「や、やめて！　な、なんで！？　や、や、あぁ！！」
「だ、出すよ」
　もう出そうなのを必死で堪えながら、僕は言った。ナカに当然出す気だった。
「い、いやぁ！！　やめ、だめ、いや！　や！！　あぁ！」
　僕がナカに出そうと分った途端、彼女は必死に離れようと体を浮かす。それを必死に後ろから抱きかかえて抑えた。
　もう出そうな時、思いっきりクリトリスをまた摘んだ。
「でる！」
　言うなり僕のからは、凄まじい勢いで精液が迸った。この射精感、それと出た量、きっと今までで一番だってくらいの、凄い射精だった。
「あぁあぁぁっぁぁぁあ！！」
　彼女の悲鳴がバスに響いた。ビクンビクンと注がれるものを、彼女の力抜けた体が受け止める。目を見開き、口を開き、声にならない悲鳴をあげて、彼女は崩れ落ちた。そのまま動かなくなってしまう。
「佐野さん？」
　そのまま脱力しきった佐野さんを後ろから覗き込むと…
「は、ア・・・」
　僕をみる彼女の目から力が失われ、そのまま閉じられた。口からだらしなく涎が流れている。
　どうやら、失神したみたいだ。かなりビックリした。
　クリトリスを思いっきり責められたのと、犯されたショック両方が原因だろう。自分のテクニックとは思わないでおく。そこまで自信はないし。
　ゆっくりとまだ強く僕を締め付けるアソコから、僕のまだけっこう硬いのを引き抜く。白いモノが染み出すのがお湯越しに見えた。
　そして、ゆっくりと彼女を起こさないように僕が先にお風呂をでる。ドアをあけ、バスタオルで体を拭いて、湯船に沈んでもたれかかっている佐野さんの引き上げ作業開始。
　重さはともかく、コンパクトなおかげで、彼女を抱き上げて、なんとかベットまで運ぶことに成功した。濡れたままなのは、まぁ仕方ない。
　カーテンを少し開き外をみると、まだ雨が凄かったし、風も凄かった。ＴＶをつけると、記録的豪雨で大雨洪水警報がでるほどらしい。
「天も味方してくれたんだなぁ」
　佐野さんの裸体をマジマジと見ながら、僕は言った。
　浅く上下する大きな胸。そして、わざと開かせた脚、薄いヘアーごしに見える陰部からは、僕が出した精液が滴り落ちている。
　まだ彼女は帰れないし、まだやめる気はさらさらない。
　この人を僕のものにする。本番はこれからだ。
　僕の口の端に、また邪悪な笑みが浮かんだ。