15．

−ＡＭ　０７：１５−

　電話の鳴る音で目を覚ました。
　気だるさの抜けない体を起こして、私は布団から這い出す。
　全裸のまま、となりで同じ姿で安らかな寝息を立てる優子の姿を見ると、私は思わずため息を洩らしてしまう。
　昨日の出来事が夢でないことの証明。
　私は実の娘と性的関係を結んでしまったのだ。
　親としての意識より、快感を求める心の方が私を支配してしまった。
　お風呂で、そして日が変わるまで私は娘に責められ、あられない姿をさらし、嬌声を上げてしまった…
　娘は喜んでくれていたが、私の心は後悔でいっぱい。
　沈んだ意識を呼び覚ましたのは、鳴り続ける電話のベル。こんな時間に誰だろうか？
　服をきている間はなさそうなので、私は全裸のまま玄関脇に置いてある電話機に向かった。
　２０コールくらいしているのに、電話は切れていない。
　受話器を取って「佐野ですけど…」と告げると、意外な声が私の名を呼んだ。
『あ、静恵、僕だけど』
「隆、さん……？　どうしたんです、こんなに早く？」
　少し驚いて訊く私。今日からしばらく会えないはずなので、まさか彼から連絡くるとは思っていなかった。
『急で悪いんだけど、うち来れるかな？　昨日、渡そうと思ったモノがあってね。そんなに時間取らせないからさ』
　少しだけどムリなことを言われるんじゃないかと思って、ドキドキしていた私だけど、いたって普通な理由に肩透かしをくらったような感じ。そこで、自分が淫らなことを期待していたことに気がついて、顔が赤くなる。
「は、はい。わかりました。すぐ行きますから…」
　心の動揺を出さないように言ったけど、私は何かあるとすぐ声に出てしまうから…　隆さん、ヘンに勘ぐらないといいんだけど…
『うん、待ってる。ごめんね』
　そう言って電話が切れた。ふぅ、と私はため息ついて、受話器を置く。顔がまだ赤い。
　ふと時計を見ると、今くらいの時間に、私は家を出て隆さんの部屋にいっているんだっけ…　そして、毎朝、身体を捧げている…
　身体の芯に疼くものを感じ始めている…
　まだ寝息立てている優子の枕もとに、『ちょっと出かけてきます、すぐ帰ってきますから』と書置きを残し、私は急いで身支度を整え、家を出た。

「失礼しまーす…」
　貰っている合鍵でドアを開くと、そこには上半身裸で腰にバスタオルだけの姿の隆さんが立っていた。玄関先で固まってしまう私。
「あ、ゴメン。汗ガマンできなくてさ、シャワー浴びようとしたところだったんだ。思ったより早く来たね、静恵」
「い、いえ…」
　こうやって改めて裸を見せ付けられると、恥かしさを覚えてしまう。顔が少し赤くなるのがわかった。
「渡すものあってさ、こっち来て」
　顔が赤くなったのを気づかれたみたいで、隆さんが少し楽しげに笑ったみたいだ。
　促されるままに彼の部屋に入ると、彼は愛用のハンドバックをゴソゴソとやって白い封筒を取り出して渡しに手渡す。
「これは…？」
「お餞別。優子ちゃんに新しい水着買ってあげるって約束しちゃってね。あまったら、親御さんになんか買っていって上げてよ」
　驚いた。慌ててイイですからと封筒を返そうとした私だけど、
「いつも、静恵にはお世話になってるからね。これくらいしてあげないと、さ」
　隆さんが私を抱き寄せてきて、お尻をなで廻し始めたせいで、何も言えなくなってしまった。
「あ、あの、こんなことしてもらっても…　それと、時間ないです…」
　彼の手が、Ｔシャツの中に入ってきて胸を曝け出す。いつの間にかホックも外されていた。
「じゃあ、早く済ませないとね。しばらく静恵、おあずけだから」
　そして乳首を吸われて、私は蕩けそうな快感に腰を折りそうになる。
「で、でも・・・　お、お金はいいです…　あぁ！」
　強く吸われて何も言えなくなる。軽く噛まれ、舐められ、玩ばれる乳首。恥かしいくらい硬くなってしまっている。
　知らない間に、私は彼の頭を抱き寄せるような形になっていた。こうしてないと、立っていられないから。
「やっぱ、気持ちいいや、ん？」
　次の愛撫に移るのだろうか、私の乳房を下から持ち上げていると、何かに気づいたような声を出す隆さん。
「静恵…　これ、キスマークだよね？」
　突然の言葉に、快感から覚醒してしまう。
「僕、つけたっけ、こんなに？」
　いぶかしむように、私の乳房を持ち上げたりしている隆さん。あ、あの子ったら、そんなに強く吸ったのかしら…
「た、たぶん…」
　言い訳なんか浮かばず、しどろもどろになってしまう。
「ま、いいか。でさぁ、静恵、ちょっとこっち来て」
　ありがたいことに、隆さんは大して気にすることもなく私の手をひいてベットに連れていった。
　胸をさらけだしたまま、ポツンとベットに腰をかけさせられ、少しヘンな気分。
　隆さんはゴソゴソとタンスの中を物色して、ある物を取り出してきた。
　…それって。
「ば、バイブですか？」
　初めて隆さんに犯された夜、アレをつかって散々私は嬲られた…　あの夜の記憶が蘇ってしまう。
「静恵、パンツ脱いでお尻こっちにむけて」
「はい…」
　またアレでアソコを責められるんだろうか？　あの時の責め苦にも似た快感を思い出すだけで、私の中に震える物を感じてしまう。
　言われたとおり従順に、私はショーツを下ろしてスカートをまくって、隆さんにお尻をむける。彼はいつもこの格好をさせる時、後背位での行為を望むので、ベットに四つんばいになり、お尻を彼にむける。
「脚開いて、もう少し」
「あ、はい……」
　彼の視線を感じながら、足を少しずつ開いていく。アソコが疼いているのがわかってしまう。
　ブウウウン…
　バイブのスイッチが入れられたのが音でわかった。そして、それが…
「ハァ！　あ、あぁぁ！」
　淫らな音を立てて、私は機械の振動を膣口に向かいいれた。私のアソコは愛撫もされてないのに、もう濡れてしまっている。さざ波のような快感に私はベットに突っ伏してしまう。
「静恵、これ実家帰る時に持っていってよ」
　徐々にバイブが私の中に挿っていく。私は、なれない振動に翻弄される私は、何を隆さんが言っているのかわからなかった。
「え、え・・・？　なんです、あぁ！　あ、あぁ…」
「これ持っていってって言ったの、僕の代わりに」
　やっと隆さんの言っていることはわかったけど…
「あ、あの…　コレ持っていっても…　きゃ！　あ、ちょ、ちょっと待って、あぁ！」
　さすがにこんなモノをもっていくのはと言おうとしたら、いきなり振動が強くなった。それにいやらしい音を響かせて、バイブが私の中を出し入れされる。
「逆らっちゃダメでしょう、静恵」
「は、はい！　わかりましたから、よ、弱くしてください！　ああ、ごめんなさい！」
　そうだった。私は隆さんに逆らうことを許されてないんだった。　　
「どう、気持ちいい、静恵？」
　でも、震動は弱まらず隆さんはさらにバイブの注挿を速くしていく。
　隆さんの問い、答えようと思っても馴れない愛撫に言葉が出ない。
「わ、わかり、ません…　ま、まだ…」
「じゃあ、こっちはどうなのかな？」
　何かがお尻の方に垂らされた。冷たいヌメヌメしたこの感触、きっとローション。
　音がもう一つ聞こえた。
　振り向こうとした私だけど、私のもう一つの穴に何かが入り込む感触に突っ伏していた私は仰け反った。
「あぁ！」
　ローターがもう一個…　徐々に私の中に入っていく…
「あ、と、止めて、ください！　だ、ダメです、こ、これ！　つ、強すぎます！！　あ、はぁ！　ふぁ！」
　ローターが、私のお尻の中に完全に入りこんだ。前と後ろに違う振動。気の狂いそうになる感覚に声を上げることしかできない私。
　でも…
　これだけの快感の中にあっても、私はなぜか物足りなさを感じてしまう。だって…
「じゃあ、このままこっちきて」
　隆さんがベットに突っ伏したまま、腰を振っていた私を半ばムリに立たせた。落ちそうになるバイブ。
「ダメでしょ、しっかりもって。お尻は、大丈夫かな」
　前に入っていたバイブが膝立ちになったことで落ちそうになる。それを隆さんは私の手をとって、抑えさせる。膝立ちになり、必死で左手でアソコに入っているバイブを抑えさせられている。
「じゃあ、僕のもちゃんと慰めてよ」
　隆さんもベットにあがって、バスタオルを取った。
　あぁ…　こんなに大きくなって…　いきり立った隆さんのモノを出され、脳のどこかで何かが蕩かされたような気がした。
　さっきから感じていたモノ足りなさ。それはきっと、コレの方が欲しかったから…
　私の中で蠢くバイブに耐えながら、必死に目の前に差し出された隆さん自身を、私はゆっくりと口に含む。
　熱い、エネルギーの塊のような男根。
　昨日の娘との行為の中、快感に溺れながらも僅かに感じていた物足りなさはきっとこの隆さんのを受け入れた時にある充足感がなかったせい。
　脳が蕩けるようになってしまう。口の中いっぱいに感じる逞しさ。たまらなく愛しい。
　舌を這わせ、口に含み、口腔全体で必死に愛撫する。私の唾液でテラテラと隆さんのモノが光っていた。
　硬度が増していくのがわかる。私は彼自身が欲しくて、口を放した。
「あ、あの・・・　た、隆さん…」
「ん？」
「ほ、欲しいんですけど、隆さんの…」
　顔を火照らせ、羞恥をこらえて乞い願う。
「僕の、何？」
　わかっているのに、隆さんは訊きなおす。恥かしくても答えないと…
「た、隆さんのお、オチンチンを…　本物を静恵の、お、オマ○コにください…」
　何度口にしても、馴れることが出来ないおねだりの言葉。
　でも、いつものならここで貰えるはずのご褒美が、今回は違った。
「じゃあ、僕のを一回いかせたらね。たまには口に出してみたいんだ」
「口、ですか…？」
「うん。それで時間あったら、今度は静恵の中にいれてあげるからさ」
「は、はい…」
　いつもと違う隆さんの反応。バイブの震動は、じれったい快感を私に与え続けている。
「は、はぁ…　あぁ、隆さん…」
　吐息が自分でもわかるほど熱い。彼のを握って、咥えて、しゃぶって、舐めて、吸って、必死に射精に導こうとする。
　体勢が変わり、６９という体位になっている。私は彼にバイブとローターを挿れただらしなく濡れた股間を晒しながら、必死にフェラチオをするけど…
「あ、あぁ！　はむ、ふぅ…」
　バイブを前後させられたり、お尻に入ったローターを強くされたりして、私の愛撫は何度も中断させられる。
　なかなか彼のを射精に導けない。彼は明らかに私に意地悪をしている。
「はむ…　は、早く、ください…　ほ、欲しいです、隆さん…　あぁ！」　
「じゃ、じゃあ、頑張って出させてよ」
「あぁぁぁ！　そ、そこダメです！　はぁ！　あぁ！！」
　もう少し、と思ったところで、隆さんはわたしの一番敏感な突起に、アソコから抜いたバイブを当ててきた。
「あぁ、あ〜〜〜！　はぁ！　あ、あぅ…」
　責め苦にも近い快感の奔流が私を襲い、私は愛撫も忘れて仰け反ってしまう。だらしなく愛液を垂らして私は隆さんの上に突っ伏してしまう。
「ほら、静恵。頑張って。僕、まだいってないよ」
「あ、あぁ！　あぁぁぁ！　わ、わかりましたから、と、止めて、く、ださい！　あう！　あぁぁぁ！」
　脱力していた私に、再び拷問のようにバイブがクリトリスに。何度も身体を痙攣させながら、私は連続で絶頂を味あわされる。
「じゃあ、頑張ってよ」
　隆さんの言葉。今日はなんでこんなに意地悪するのだろうか？　私の目の前にはまだ力失わず隆起した彼のペニスがある。ノロノロと動いて、私は再びフェラチオを再開しはじめたけど、全然力が入らない。
「た、隆さん…　わたし、もうダメです…　あむ…　もう、ください…　本物、隆さんのオチンチンを…　はぅ…　お願いします、わたし、おかしくなりそうです…」
　哀願の声を出す私。こんなにじらされているのは初めてで、もう頭の中が真っ白になっていた。今、私が必死で愛撫しているモノを中に迎え入れることしか考えられなくなっている。
「もうダメなの、静恵？」
「は、はい…」
　自分でも分る位、潤んだ瞳で、隆さんを見る。彼の顔には、あの楽しげな笑顔が浮かんでいる。私を焦らして楽しんでいる。
「後でお仕置きするけど、いい？」
　隆さんが言う。何をされるか不安も浮かばないほど、私は追い詰められていた。何度もコクコクと頷いて了承する。
「じゃあ、自分で挿れてごらん。バイブとっていいから」
「は、はい！」
　自分がしている行為がどれだけ淫らかも考えず、私は自分を苛んでいたバイブを抜き取る。
「あ、あぁ…」
　抜ける時の感覚が思ったより気持ちよく、軽くイってしまった感じ。自分の出した愛液でヌラヌラと光っているバイブのスイッチを切ってベットに置こうとしたら、隆さんが言う。
「それ、口で咥えてちゃんと綺麗にして。口に咥えたまま、自分で入れてごらん」
「え？」
　一瞬、言われていることが分らなかった私。でも、意味がわかった途端、顔が恥じらいで赤くなる。
　男根を模したモノを咥えながら、隆さんのを迎え入れるなんて…
　まるで二人の人に犯されているみたいな…
「ほら、早く」
　隆さんがお尻を叩いて催促する。私は彼に背を向けたまま、まず、自分の愛液で濡れきっているバイブを口に咥えた。無気質の感触に自分の味が感じられる。
　そして、その姿勢のまま腰を上げて、後ろ向きで隆さんのモノを入れようとする。この体勢は初めてなので、なかなか入ってくれない。
「ん、んん・・・」
　これ以上ないくらい隆起した彼のペニス。触っているだけで、脳が快感に刺激されているような錯覚を覚えてしまう。
　何度も失敗しながらも、ようやく膣の入り口に彼の亀頭がはまってくれた。そのまま腰を下ろしていく。
「んん〜〜〜！　んん・・・」
　唾液が口元からだらしなく垂れているのがわかる。彼のがゆっくりと私の中に入っていく。
　……これなんだ、私が欲しかったのは。やっと貰えた充足に、目尻から涙さえこぼれている。
　ふと、壁にかけられた鏡に映った私が見えた。だらしなくバイブを咥えて、恍惚に震えている女の顔が映っていた。笑っていた。
　あれが、今の私なんだ…
　どこか遠くでそんなことを考える私もいた。でも、今は…
　お尻に入ったローターが引っ張られた。新たに加わった快感に、背筋を仰け反らせてしまう。口からバイブが落ちそうになったのを、慌てて抑える。
　顔は見えないけど、きっと隆さんはこんな私の姿をきっと楽しげに観察しているのだろう…
　ぎこちなく、必死で腰をふる私。ローターがお尻の穴から抜き取られてまた、私は仰け反った。
「あぅ！　はぁ！！」
　涎にまみれたバイブを落としてしまう。
　拾おうと思っても、腰を動かすのをやめられない。
「あ、落とした」
「ご、ごめんなさい！　あぅ！　ごめんなさい！　お願いですから、やめないでください！　あぁ！」
　今とめられたら、きっと私はどうにかなってしまう。必死に隆さんの方をむいて行為を止めないように懇願する。
「止めるも何も、僕何もやってないよ。静恵が勝手に動いてるんだって」
　からかうように言われて気づいた。今日は焦らされすぎたせいか、わたしは一人で空回りしているような感じだ。顔がさらに赤くなったけど、腰はもう自分のモノではないように上下に動いている。
「ちょっとストップ」
　後ろから腰を隆さんに抑えられてしまう。止まってしまった快感の波、私は抗うように腰を前後に振っている。
「静恵、今日は凄いね。そんなに僕の欲しかったんだ」
　後ろから乳房をギュっと握られた。きっと跡がつくくらい強く乱暴に。でも、その痛みさえ、今の私には快感になっている。
「はぁ…　隆さんの、大好きです…　もっと、静恵を使って、ください…」
　私は何を口走っているのだろうか？　淫らな言葉が勝手に口から出てきてしまう。
「し、静恵は…　静恵は全部、隆さんのモノです・・・　た、隆さんの望むことなら…　あぁ！」
　止まらない言葉。眩暈すら覚えるくらい、私は行為に酔ってしまっている。
「じゃあ、Ｈな静恵をもっと使わせてもらおうかな。ベットに寝て」
「は、はい！」
　一旦彼のを抜いて、私はベットに横たわる。隆さんとこんな風にできるのは珍しいかも。
「脚広げる」
「はい…」
　太ももを自分で持って、私は脚をひろげる。彼が私の間に入ってきて、逞しい男根をあてがって…
　ずん！！　一気に貫かれた。
「はぅ！　あぁぁぁぁ！！」
　奥まで貫く剛直。熱い隆さん自身を身体に感じ、私の頭はもう…
　ピロピロピロ！！
　でも、そんな状態の私を覚醒させたのは、聞きなれた音。これは、何の音だっけ？
「なんだ、こんな時間に？」
　まだ、私に入ったまま、隆さんはベットの脇に置いてある電話の子機を手にした。そうだ、これは隆さんの家の電話の音だ…
「静恵、しずかにね？」
　と言いながらも、小さい動きは止めない隆さん。
　私は自分の口を手で抑えて声を押し殺す。
「え、オジサン？　どーしたの、こんな時間に？」
　明らかに、私に声を出させたいみたいな隆さん。腰の動きが強く私の中でスライドする。
「…ん！　んん！！」
　手で必死に抑えて、声を堪える。いきそうなのも必死でガマンする。
「えぇ？　ホント、それ！？　何、いますぐじゃなきゃダメなの？」
　でも、ピタッと隆さんの動きが止まってしまった。いきなり快感の奔流をせき止められ、私はなんだか脱力したような状態になる。
　隆さんが、目で合図して、彼のを抜いてしまった。どうやら、彼のオジサン、つまり彼の勤め先の社長さんとマジメな話をしないといけないみたいだ。
　私は抜き取られた彼のを、物欲しげに見つめながら、馬鹿みたいに脚をひらいてベットに横たわっている。
　もうちょっとで、彼のでいけたのに…　こんな時間に電話してきた社長さんをうらめしく思っていた。
「もうちょっと待てないの？　待てない？　わかった、わかりました！　すぐ行きますから。はい、はい！」
　言って乱暴に電話を切る隆さん。もう終わってしまうのかと私は不安になる。
「静恵、なんだか叔父さんミスったみたいでさ、すぐ会社いかなきゃいけなくなっちゃった。今日はおしまい」
「え、そんな…」
　この煮え切らない状態で終わり、なんて…
「僕だって、まだ出してないんだからさ。それに静恵、時間時間」
　慌てて着替えを始める隆さんに時計をさされて、私は時計をみる。もう八時半に近い時間だった。
　！？
　そこで優子を家に待たせていることを思い出した。私も慌てて起き上がる。
「ローションくらい拭いていったほうがいいよ。僕、すぐ出なきゃいけないからさ。鍵閉めていって」
　隆さんはもうジーンズはいて、Ｔシャツを着ている。髪をブラシで整えはじめていた。
「あ、あの…　た、隆さん…」
　何を言えばいいか分らない。このままじゃ、せつな過ぎる。水曜までガマンなんて…
「まぁ、バイブで代わりさせといて。どうしてもガマンできなかったら、夜、電話して。明日は空いてるから」
　そこで、出て行こうとする隆さんは、思い出したように玄関から戻ってきてくれた。
「気をつけて帰ってね。お仕置きかわりに、バイブはちゃんと持っていって、電池なくなるまで使うこと。電池なくなってなかったら、思いっきり苛めるからね」
　と、言って呆然とベットに座っている私を宥めるようにキスをして、また部屋を出て行った。
「あ、お金もっていってよ。優子ちゃんと約束してるんだから。じゃ！」
　そう言ってドアを開け、隆さんは行ってしまった。
　私はまだ、ボーッとしている。私も急いで帰らないいけないのに、どうも動けない。彼との行為を途中で中断させられたのは初めてだし、満足させてもらえなかったのも初めて。
　仕方ないことだとわかっていても、私の中の淫らな女はガマンできないでいる。
「明日まで…」
　この気分で過ごさないといけないのだろうか？　ガマンできるのだろうか…？
　ふと、床に転がったバイブが目に入った。手を伸ばして拾ってみる。スイッチをいれると、生き物のように蠢きだした機械のペニス。
　ほとんど何も考えず、私はそれを自分の淫裂に押し当ててしまう。
「あぁ…　あ…　た、隆さん…」
　目を瞑り、彼を思い出しながら、私は一人、自慰を始めてしまった・・・　少しでもこの切なさを紛らわすために…
「あ、あぅ…　もっと、欲しいです…」
　自分の浅ましさ、淫らさに涙をこぼしながら、私はオナニーをやめられない。
「隆さん、た、隆さん…　あぁ」

「お母さん、凄くないですか？」
「同感」
　僕は今、自分の車の中にいる。横には、家で寝ているはずの優子ちゃんが、携帯型のカメラを覗き込んでいた。
　じつは、さっきの電話は芝居だったりする。静恵との行為を中断させるための。
　その電話したのは、優子ちゃん。この打ち合わせは昨日のうちにしておいたのだ。
　静恵を焦らして、欲求不満にさせるのが狙い。彼女にまだ残っている心の枷を完全に壊すために色々と画策しているのだ。
　残された静恵が、どうするかと思って、先日買っておいた、鏡に隠しカメラがついた盗撮グッズとその映像の受信機の携帯型モニターを使って、僕の部屋の様子を見ているんだけど、
「凄い脚開いてますよ、お母さん…」
　と静恵のオナニーショーがいいアングルで鑑賞できてしまっている。優子ちゃんが家で残っているのをわかっていて、ここまでやるとは僕も思っていなかった。
「腰もいやらしく動いてますし…　すっごいＨですよ…」
　母の淫らな姿をみて、優子ちゃんの声にも艶が帯びている。僕はと言うと、ムリに中断させたため、モンモンとしていた分身が、ジーンズを突き上げんばかりに勃ってしまっているし。
「昨日から、Ｈ三昧だったから、おかしなスイッチでも入ったのかな？」
　昨日の夕方、僕に抱かれてから、優子ちゃんと近親レズを一晩中やって、それで朝にはこうなっているし。
　静恵は性に関しての抑制をかなり失ってきているみたいだ。
　もう一息ってところかな。思ったより早く、静恵は自制を失い始めている。
「あ、当山さん、エロ顔だ♪」
　目ざとく僕の表情の変化、それと股間の隆起をみつけた優子ちゃん。ジッパーに手をかけて、股間のモノを出させようとしている。
「そりゃ、僕も途中で終わってるからね…」
　優子ちゃんはジーンズから、ガチガチになっている節操なしの息子を取り出すと、ゆっくり擦り始めた。
　う、この子、ホントに上手いよな…　才能なのかな？
「ボクも早く、当山さんとお母さんのしているとこ、見たいなぁ…」
　そう言うと、小悪魔な笑みを浮かべて優子ちゃんは抵抗なく僕のモノを舐め始めた。
「あは…　お母さんの味、する…」
　母親より上手いテク、口に咥えられた途端、ゾクっと背筋に快感が走る。
「バトンタッチ、ですね」
「うん。しかし、上手いよね、ホント…」
　さっきまで出すのをガマンしていたせいか、もう出そうになっている。
「いっぱい出るから気をつけてね、優子ちゃん」
　口をすぼめて、上下させながら、優子ちゃんは手でＯＫサインを出す。
　モニターを横目でみながら、少女は淫らに瞳を輝かせていた。母親の痴態に興奮する娘…
　そのシチュエーションを思うだけでも興奮は増してします。
「優子ちゃん、出る…」
　さっきまでと違って、堪える必要もないので僕は優子ちゃんの頭を抑えて、自らの欲望を解き放った。
「ん！　ふ、うん…　んん…」
　いつもより長い射精感。優子ちゃんはそれを必死で口で受け止めてくれている。
「ンン・・・　んん〜、ん」
　終わったのを確認すると、口をペニスから放す優子ちゃん。口元を押さえて、必死に精が口から溢れるのを押さえている。少し涙目になっているのが、可愛く感じた。
「出してもいいけど？」
　量が多すぎるので、キツイだろうと思いそう言ったけど、優子ちゃん、手をあげて大丈夫みたいなサインを送ってくる。
　そして何度か口を動かして、喉を嚥下させて精を飲み干し終えた優子ちゃん。大した娘だなぁ、ホント。
　買っておいたお茶の缶を渡すと、それを開けてゴクゴクと飲んでから、優子ちゃんは一仕事終えたというような感じで、ふぅ〜とため息なんかついた。
「量、多すぎですよ、当山さんってば」
　少し怒ったような顔で言うのも可愛い。
「お母さんでガマンしてたからねぇ。それに優子ちゃんも上手いし」
　ふとモニターをみると、静恵もいけたらしい。バイブをとめてノロノロと動き出している。顔は小さい画面でよくみえてないけど、かなり落ち込んでいるのはわかる。自分の浅ましさを責めているんだろう。
　着替えをはじめたため、フレームアウトした静恵。僕もモニターの電源を切る。
「じゃ、優子ちゃん、あとはよろしく」
「はい♪　あっちでもお母さんといっぱいＨしてればいいんですよね」
　今日、この後のことを考えて笑う優子ちゃん。じつに楽しそう。この子といると淫らの行為が遊び感覚で楽しげに思えるから不思議だ。
「うん。明日、静恵から呼び出しくれば、もうこっちのモノだからさ」
「了解です♪」
　小悪魔な共犯者は、そう言うと、僕の頬にキスの挨拶をして、車を降りていった。しかし、駐車場にいたとはいえ、さっき人が来なかったのはラッキーだったなぁ。この車、なにも貼ってないか外から見られるトコだったし。運、よかったなぁ…
　さて、今日はこれから色々と忙しい。静恵を完全に僕の、いや僕らのモノにする計画は着々と進行中だ。
　明日、静恵は電話してくるかな？　さっきまでの部屋で静恵がみせていた狂態を思い出すと、また興奮してくる。
　明日電話してきてくれないと、僕の方が困るのかな…　そんなことを思いながら、僕は再び股間の隆起を感じていた。